まとめ 『ロックスとハラルド』出会いと別れ
世界会議 56年前
ロジャーが時代を築く前、56年前に出会った2人の大物。世界政府を討とうとする者と歩み寄ろうとする者。
世界政府非加盟国の国王 ハラルド
悪党 ロックス・D・ジーベック
出会いの地は本来侵入困難な聖地マリージョア
そして世界会議(レヴェリー)開催期間という厳戒態勢の中だ。
ハラルドは友人の王に頼んで兵士として潜入。ロックスは単騎で乗り込んで来た。もちろん世界政府を狙っての行動だ。
何やら世界政府に対して交渉しようとしたハラルド。こちらはあくまで平和的な交渉だが決裂。
ロックスは参加国の国王5人を誘拐、イムが君臨するパンゲア城の『花の部屋』まで侵入、海軍大将1人を殺害‥と明らかに敵意を剥き出して暴れ回った。高額懸賞金が設定されるのも納得の事件を起こした。
ハラルドはこのとばっちりを受ける形で追いかけられ、無実を証明する為にロックスを捕まえ様とした。
これが2人の出会いでありファーストコンタクト。

古代巨人族のハラルドと比べるとさすがに体格は劣るが互いに破壊力抜群の剣を振るった。
覇王色同士の激突は周囲『直径5km』の人影を消し去った
ナレーションでハッキリと被害範囲が記されたことで説得力は増している。周りにいた人間が天竜人、海軍、王族だった事を考えるとこの一撃だけでも大事件だ。
この交錯で互いの力量を悟り興味を示した2人。名乗りあってからマリージョア脱出の為に力を合わせる事になる。とは言ってもロックスが一方的にハラルドに絡んでいた様だ。
ハラルドは国王という立場をわきまえて悪党であるロックスと関わろうとはしなかった。
ロックスはハラルドに再会を誓い。出身国エルバフの方角を確認。最後はハラルドの肩に乗って赤い土の大陸(レッドライン)を飛び越えて運んで貰った。
ここまでが56年前世界会議での出来事。
再会は8年後(48年前)のエルバフとなる。
エルバフ訪問 48年前
ハラルドは相変わらず外交に乗り出し、世界政府との共存を模索
ロックスは天上金の護送船を襲うなど世界政府に対して脅威であり続けた。海賊稼業に手を染めデービーバックファイトで6人の仲間も増やしていた。(ニューゲート、シキ、王直、ガンズイ、マーロン、ステューシー)
前触れなくやってきたロックスだがあいにくハラルドは不在。息子のロキを傷つけて呼び戻すという強引な手段に出た。
ロキが冥界に落ちて傷ついたと聞いたハラルドは急遽エルバフへ帰還、やってきたロックス達をアウルスト城に招きもてなした。
ロックスの狙いは『ハラルドの勧誘』
8年前の短時間でハラルドを見込んでエルバフを訪れた。
ロックスは既に『世界の王』になるべく画策していた。
・金脈のあるハチノスを引き合いに世界政府から金を引っ張る
・金だけ貰い取引を反故してハチノスを支配
・ハチノスを起点に海軍を殲滅、聖地を陥落させる
この為にはハラルドと組むこそと必死に交渉したロックス。ここから4年間ハラルドは結局誘いには乗らなかった。立場的にはもちろんハラルドは世界政府に歩みよろうとしたのだろう。
時系列的に44年前。ロックスは準備を完了し本格的に世界へ打って出る。その後もロックスは足繁くエルバフへと通ってハラルドを勧誘した。
大きな理由の1つは『エルバフに存在する悪魔の実をハラルドに食べさせたかった』というもの。ロックスは2つの悪魔の実を狙っておりそのうちの1つがエルバフ王家に伝わる伝説の悪魔の実だと推測出来る。
その悪魔の実はハラルドが食べる事によって真価を発揮出来る様な能力らしい。これはおそらく規格外の古代巨人族のサイズが関係していると思われる。
また利己的な理由ではなくロックスはハラルドの事をダチだと認識していた。若きカイドウがハラルドを侮辱した様な発言をした際には自分の事の様にブチギレた。
奇抜な手法で仲間を集めて、上から無理矢理抑え付けるではなく付いてきたい者は付き合ってくれというスタイル。そんなロックスが生涯認めた唯一の男がハラルドなのかもしれない。ハラルドがいるからこそエルバフに拘ったとも言える。叶わなかったが、もし2人が手を組んでいたら本当に聖地マリージョアを陥落させる事が出来たのかもしれない。
ロックスを殺せ
ハラルド国王の悲願でもある世界政府加盟
強固な戦士達の国から国交と文化の発展を重んじた新生エルバフへと転換中。
他国との貿易や国交は上手くいけど要所で立ちはだかったのが『世界政府』
異様な程に世界政府はエルバフを嫌っている。いくらハラルドが歩み寄れど受け入れられる事は無かった。
痺れを切らして自らマリージョアへと乗り込んだハラルド。世界会議中で要人が集まる中で主張したがこれも叶わず‥
ここからハラルドに悪の誘惑を受けようとも染まらずに愚直に世界政府へアプローチし続けた。
そんなハラルドの元にチャンス到来。悲願だった世界政府加盟。しかしその条件は残酷なものであった。
悪党ではあるが友人の様な存在であるロックスを殺す事‥エルバフの戦士達がこの条件を満たすならば世界政府加盟を約束すると語るマーズ聖
共に聖地マリージョアの死線を乗り越えた存在。ロックスから一方的にではあるが必要とされその後も何度もエルバフを訪れ勧誘して来た。ハラルドにとっても思うところがあるだろう。
ここまでの対応を考えれば明らかに世界政府の罠。現在アニメ版で佳境を迎えたエッグヘッド編でも描かれている様に世界政府の闇を助長する様なものだろう。
しかしハラルドにとっては願ってもいない申し出でもある。乗るしかない。
友情の終焉『ロックスvsハラルド』
タイトルにも使われた名勝負
前回は初対面、互いに力量と人柄を知らない中での激突だった。
世界会議開催中に侵入した2人は聖地マリージョアの土地をめちゃくちゃにした。
今度は互いを知った友人同士。一国の国王と世界的大犯罪者の妙な組み合わせ。
ロックスがしつこくハラルドを誘ったが立場的にも加担する事は無かった。
ロックスは世界政府を討ち世界の王へ
ハラルドは世界政府へ加入しエルバフの発展を
2人の世界政府への関わりは全く逆であった。
そんな中でハラルドの前に垂らされた一縷の望み。
ロックスを殺せば世界政府加入を約束するというもの。
意外にもハラルドはこの話に乗り友のロックスと戦う道を選んだ。いつもの様にエルバフに勧誘がてらやって来たロックスに襲いかかった。
ハラルドとしては辛い選択。世界政府に利用されている事も承知。天竜人の愚かさも折り込み済みだ。
それでもエルバフの世界政府加盟は変え難いものだった。
イーダに諭されてからは戦士の国エルバフからの転換を目指して外交に取り組んだ。最初こそ恐怖でしかなかった巨人族を受け入れてくれる友好国も徐々に増えていった。政策は身を結び飢饉の際には手を差し伸べてくれる国々もあった。
それでも尚ハラルドを阻む壁は大きかった。
かつて巨人族に襲われた国ではその恐怖を拭いきれずに外交は頓挫。
交友を広げ様にも世界政府の息のかかった加盟国では思わぬ妨害工作に遭う事も。
ハラルド自身も疲弊していった事だろう。
そんなハラルドにとってはまたとないチャンス。例え友を討とうとも実現したかった悲願。
ロックスの主張
友を殺して成就しなくてはならない事なのか
巨人族を軍事力としてしか見ていない
奴隷みたいな兵隊にされる
戦士としての誇りはどこへいった
世界政府の目論見などハラルドとて気付いている。天竜人がどんな人種であっても『彼らはエルバフを世界の輪に入れてくれる権力を持ってる』
ハラルドにとっては十分な理由であった

ロックスとハラルドは互いに迷いがありながらも全力でぶつかった。エルバフに放射された覇王色激突のエフェクト。壮絶な戦いも決着はつかず。
約16年間続いたこの奇妙な友情関係は途切れ当面2人が顔を合わせる事はなかった
ゴッドバレー事件 直前
冥界での決闘から少し経ち2人は再び合間見えた。
これが本当に最後。ロックスはゴッドバレーで散る事となる。
ロックス海賊団がゴッドバレーへと向かう航路にて出会したのがハラルド率いる巨人族の船。
これは偶然ではなく世界政府の命によるもの。
遠くからの監視付きで『女一人に現を抜かす海賊団を止めろと』命令が下った。
圧倒的な体格の差を考えればハラルド達がロックスを沈めることは容易いと脅しをかける。
しかしロックスもこれには屈しない。相変わらず政府の言いなりであるハラルドを非難。『お前は何をしょうともエルバフを変えたい狂人だからな』
すぐさま決闘に発展するかに見えたがロックスから意外な告白があった。
世界政府はおろか、他のロックスメンバーにも語られていない秘密。
ロックスがハラルドだけに語った秘密。弱み。
・ロックスの本名はデービー・D・ジーベック。デービー一族の血を引く
・ロックスの故郷こそシャッキーが囚われているゴッドバレー
・ロックスは妻子をゴッドバレーへ送り届けており、今回の事件から逃がしたい
これにハラルドの心が揺れた。
『運が向いてる気がしねぇよハラルド 手を貸せよ』
ロックスから最後の勧誘。これを跳ね除けたハラルド。最後まで仲間になる事は無かった。これにて完全に決裂。最後は両陣の決闘へ。
しかしながらハラルドは部下達に手を出さない様に制した。わざと手を抜きみすみすロックスを逃がした。
最後の最後で友へ応えた形。共に世界政府と戦う事は無かったが奇妙な友人関係らしい終わり方であった。