ワンピースにおける王国
『ONE PIECE(ワンピース)』の魅力の一つとして、緻密に練り込まれた広大で多様な世界観が挙げられる。ルフィたち麦わらの一味が冒険する海には、独自の文化や歴史、抱える問題が異なる数多くの「王国」や「国家」が存在している。
本記事では、はじまりの地である「東の海(イーストブルー)」から、強者たちがひしめく「新世界」、さらには特定の国土を持たない海遊国家まで、作中に登場する様々な国を海域・地域別に一覧表としてまとめた。
「あの王国はどこの海にあったか」「世界会議(レヴェリー)に参加していたのはどの国だったか」と気になった際の振り返りとして、ぜひ活用してほしい。
| 海域・地域 | 王国・国家名 |
|---|---|
| 東の海(イーストブルー) | ゴア王国、フラウス王国、オイコット王国、コジア王国 |
| 西の海(ウエストブルー) | イリシア(イルシア)王国、花ノ国、バリウッド王国、エスペリア王国 |
| 南の海(サウスブルー) | トリノ王国、悪ブラックドラム王国、ロシュワン王国、サンバ王国、ソルベ王国、ブリス王国、セントウレア王国 |
| 北の海(ノースブルー) | ホワイトランド王国、ドイル王国、ルブニール王国、フレバンス王国 |
| 楽園(グランドライン前半) | サクラ王国(旧ドラム王国)、アラバスタ王国、カマバッカ王国、シッケアール王国(跡地)、テーナ・ゲーナ王国、リュウグウ王国 |
| 新世界(グランドライン後半) | ドレスローザ王国、トンタッタ王国、プロデンス王国、モガロ王国、万国(トットランド)、ワノ国、ルルシア王国、ウォーランド王国 |
| 偉大なる航路の何処か | エイギス王国、スタンディング王国、ブルジョア王国 |
| 世界の何処かにある王国 | タジン王国、シシャノ王国、リンゴ王国、チャコ王国、ジャンバラヤ王国、ギンガポール王国、キャメロン王国、ベストランド王国、南ファイアー王国、ナガグツ王国、ビーフ王国、ドエレーナ王国、ロンメル王国、マジアツカ王国、ウォッカ王国、ペペ王国 |
| 海遊国家(移動する国) | モコモ公国、ジェルマ王国 |
| その他の地域 | アマゾン・リリー(凪の帯)、スカイピア(空島)、マリージョア(赤い土の大陸) |
『ONE PIECE』の世界において、世界政府に加盟している国は約170ヶ国以上にのぼる。その中から4年に1度、聖地マリージョアで開催される「世界会議(レヴェリー)」への参加権を持つのは、選ばれた50ヶ国の代表のみである。
作中の描写(主に「レヴェリー編」)や各種設定から、世界会議への参加実績や関与が明確になっている国と、その代表者(国王や王族)を綿密にリストアップ
| 王国・国家名 | 代表者と会議における詳細・特殊な事情 |
|---|---|
| アラバスタ王国 | ネフェルタリ・コブラ王、ネフェルタリ・ビビ王女などが参加。かつて世界を創造した「20の王家」の一つであるが、唯一天竜人にならず下界に残った特殊な立ち位置の国である。直近の会議でコブラ王が暗殺され、世界に大きな波紋を呼んだ。 |
| サクラ王国 (旧ドラム王国) |
初代国王ドルトン、船医Dr.くれはらが参加。ワポルの悪政によって旧ドラム王国が滅んだ後、新たに建国され、世界政府への加盟とレヴェリー参加を果たした。 |
| 悪ブラックドラム王国 | かつてのドラム王国国王・ワポルが、南の海(サウスブルー)で新たに建国した国。財力を背景に世界政府公認の王国として認められ、王妃キンデレラと共に参加している。 |
| リュウグウ王国 | ネプチューン王、しらほし姫、フカボシら王子たちが参加。約200年前に世界政府に加盟し参加権を得たが、魚人族への差別の歴史もあり、直近のレヴェリーが彼らにとって実に200年ぶりの出席となった。 |
| ドレスローザ王国 | リク・ドルド3世、ヴィオラ王女、レベッカらが参加。ドンキホーテ・ドフラミンゴの支配から解放され、王位に復帰したリク王が再び国を代表して赴いた。 |
| プロデンス王国 | エリザベロー2世らが参加。ドレスローザとは旧知の仲であり、王の伝家の宝刀「キング・パンチ」で知られる戦闘国家である。 |
| ゴア王国 | 東の海(イーストブルー)にあるサボやルフィの故郷。ステリー王(サボの義弟)とサリー・ナントカネット王妃が参加しており、天竜人や「虚の玉座」へ強い執着を見せていた。 |
| 花ノ国(カノくに) | 西の海(ウエストブルー)にある国で、八宝水軍の出身地。国王ラーメンが参加している。 |
| ロシュワン王国 | 南の海にある国。ビール6世王と、マトリョーサカら4人の王女(マトリョー姫)が参加。 |
| バリウッド王国 | 西の海にある国。ハン・バーガー王が参加している。 |
| タジン王国 | モロロン女王が参加。 |
| シシャノ王国 | タコス王が参加。 |
| イリシア(イルシア)王国 | 西の海にある国。過去の会議(ドルトンの回想時)ではタラッサ・ルーカス王が参加していた。直近の会議ではセーザ王が参加している。 |
| エイギス王国 | ティー4世王が参加。 |
| ルルシア王国 | セキ王やコマネ王女が参加するためマリージョアへ赴いていた。しかし、レヴェリー閉幕後に「8国革命」と呼ばれる反乱が起き、直後に謎の巨大兵器(マザーフレイム)によって国そのものが跡形もなく消滅させられるという数奇な運命を辿った。 |
| ジェルマ王国 | ヴィンスモーク・ジャッジが治める、国土を持たない海遊国家。かつては加盟国として参加権を有していたが、サンジの政略結婚に関わるビッグ・マム海賊団との騒動などにより、直近のレヴェリーのタイミングで加盟国から除外された。 |
| ソルベ王国 | 南の海にある国で、過去にバーソロミュー・くまが国王を務めていた。直近のレヴェリーには、かつての王太后コニーに扮したジュエリー・ボニーが密かに潜入を果たし、天竜人の奴隷とされたくまの奪還を試みた。 |
出身地・故郷に関する王国
- ゴア王国(東の海)
ルフィの故郷(ドーン島・フーシャ村)がある国。サボの出身地でもある。 - サクラ王国 / 旧ドラム王国(楽園)
チョッパーの出身国。ワポルの悪政から国を救い、ドルトンを新国王とするサクラ王国が建国された。 - ジェルマ王国(海遊国家)
サンジの生家であるヴィンスモーク家が治める国。長年確執があったが、ホールケーキアイランドでの共闘を経て、複雑ながらも切っても切れない縁がある。
一味が救済し、強固な絆で結ばれた王国
- アラバスタ王国(楽園)
王女ネフェルタリ・ビビと共に、クロコダイルの国家乗っ取りの陰謀を阻止した。ビビは今でも「麦わらの一味の仲間」として描かれている。 - リュウグウ王国(楽園・海底)
新魚人海賊団の反乱から救済した。ルフィは魚人島を「おれの縄張りにする」と宣言し、古代兵器ポセイドン(しらほし姫)との重要な約束も交わしている。 - ドレスローザ王国(新世界)
ドフラミンゴの支配から国を解放した。リク王家からの絶大な信頼を得るとともに、この戦いを経て「麦わら大船団」が結成された。 - モコモ公国(新世界・ゾウ)
百獣海賊団(ジャック)の毒ガス兵器によって壊滅状態だったミンク族を救護した。のちに「忍者海賊ミンク侍同盟」を結び、カイドウ討伐へと向かった。 - ワノ国(新世界)
厳密には王国ではないが外せない国である。20年の支配から解放してモモの助を将軍に据え、出航時にルフィの「海賊旗」を渡し、実質的な同盟国(縄張り)とした。
大船団・傘下として関わる王国
- トンタッタ王国(新世界)
ドレスローザの地下などに住む小人族の国。トンタ兵長レオが「麦わら大船団」の5番船船長を務めている。 - ウォーランド王国 / エルバフ(新世界)
ウソップが憧れる誇り高き戦士の国。新巨兵海賊団のハイルディンが「麦わら大船団」の6番船船長を務めている。現在の一味の滞在地でもある。
その他の深い支援・関わりがある国家
- アマゾン・リリー(凪の帯)
皇帝ボア・ハンコックがルフィに惚れ込んでおり、インペルダウン潜入から2年後の再出発に至るまで、国家の存亡を懸けるレベルでルフィを全面的に支援している。 - カマバッカ王国(楽園)
エンポリオ・イワンコフが女王を務める国。サンジが2年間の地獄の修業(料理と覇気)を積んだ場所であり、ルフィの父ドラゴンが率いる革命軍の総本部が置かれている。
東の海(イーストブルー)の王国
ゴア王国
ルフィの生まれ故郷であるフーシャ村や、サボの出身地である高町が存在する東の海の王国。「世界一美しい国」と称される一方で、その美しさを保つために不必要なもの(スラム街やそこに住む人々)を「グレイ・ターミナル(不確かな物の終着駅)」へ追いやるという、極端な隔離社会を形成している。過去には天竜人の視察に合わせてスラム街を焼き払うという非道な事件も起きた。現在はサボの義弟であるステリーが国王の座に就いており、世界会議(レヴェリー)にも参加。天竜人への異常な憧れと「虚の玉座」への執着を見せていた。
フラウス王国
フランスをモデル(イメージ)にしたとされる東の海の王国。作中での詳細な描写は少ないものの、世界政府加盟国として4年に1度開催される世界会議(レヴェリー)に参加する権利を有している立派な国家である。直近のレヴェリー編では、バン・ドデシネ女王が国の代表として聖地マリージョアへ赴いている姿が描かれた。「最弱の海」と揶揄される東の海において、ゴア王国などと共に世界政府の傘下として国際社会に名を連ねている。各国の王族が集う会議の中で、彼女が世界の重大な決定事項に対してどのようなスタンスをとっているのか、今後の動向が気になる国の一つだ。
オイコット王国
今から約20年前、当時海兵だったベルメールが激しい戦争の最中に孤児となったナミとノジコを拾った場所として知られる東の海の王国。国名である「オイコット(OYKOT)」は、現実の「TOKYO(東京)」を逆から読んだネーミングとなっている。かつては凄惨な戦争が起きており、戦場跡は目を覆うような惨状だった。ベルメールはこの地で力尽きようとしていたが、幼いノジコが赤ん坊のナミを抱えて笑いかけてきたことで生きる気力を取り戻した。ナミのルーツとも言える重要な場所だが、現在の国の情勢や復興状況などは作中では明らかになっていない。
コジア王国
今から約13年前、北の海(ノースブルー)を拠点とする「ジェルマ66(ダブルシックス)」の襲撃を受け、戦争状態に陥った東の海の王国。ヴィンスモーク・ジャッジ率いるジェルマの圧倒的な科学力とクローン兵の力の前に、国は深刻なダメージを受けた。この戦争はサンジが幼少期にジェルマを抜け出す決定的なきっかけとなった「東の海への遠征」の際に行われた出来事である。サンジの過去回想の中で、ジェルマがどのように他国を蹂躙し、戦争屋として恐れられていたかを読者に知らしめる舞台として描かれた。現在の国家としての存続状況は不明である。
西の海(ウエストブルー)の王国
イリシア(イルシア)王国
西の海(ウエストブルー)に位置する世界政府加盟国。8年前の世界会議(レヴェリー)では、当時の国王タラッサ・ルーカスが革命軍トップであるドラゴンの危険性をいち早く提唱し、各国の王たちに警鐘を鳴らしていた。直近のレヴェリーには、現在の国王であるセーザが参加している。長きにわたり世界会議に代表を送り込んでいる描写から、西の海の中でも安定した国力と一定の発言力を持つ伝統的な王国であることがうかがえる。ドラゴンの脅威を早くから危険視していたように、国際情勢に対する情報収集能力や危機管理意識の高さが特徴的な国家だ。
花ノ国(カノくに)
中国をモデル(イメージ)にしたとされる西の海の国家。首領・チンジャオやサイが率いるギャングチーム「八宝水軍」の出身地であり、国王ラーメンが治めている世界政府加盟国だ。作中では隣国との深刻な戦争状態にあったが、ドンキホーテ・ドフラミンゴがドレスローザで武器の密輸を行っていたことが戦争長期化の原因であった。ルフィたち麦わらの一味の活躍によってドレスローザの闇取引が崩壊したことで、花ノ国は戦争を終結させることができた。その後、八宝水軍は麦わら大船団の3番船としてルフィの傘下に入り、大きな戦力となっている。
バリウッド王国
アメリカをモデル(イメージ)にしたとされる西の海の王国。国王は星条旗柄のシルクハットを被り、リンカーン大統領のような風貌をしたハン・バーガーが務めている。直近の世界会議(レヴェリー)に参加した世界政府加盟国の一つである。作中での詳細な国家の情勢や歴史は深く描かれていないが、レヴェリーの会議場ではゴア王国のステリー王などと共に席に着いている姿が確認できる。歩きながら常にハンバーガーを食べているなど、国王のコミカルなキャラクター性が目立つが、西の海を代表する国として世界情勢の決定に関わる重要な立場にある。
エスペリア王国
麦わらの一味の音楽家・ブルックの生前の故郷であり、彼が70年前に護衛団長を務めていた西の海の王国。かつてはキャンデル女王が国を治め、幼いシュリ姫が暮らしていた。ブルックは「戦闘護衛団(バトルコンボイ)」のリーダーとして、裏社会の闇組織(シンジケート)から国を守るために奮闘していた。しかし、シュリ姫が実の父親(ブルックの恩人である王)を殺害するという凄惨な事件が起き、それが引き金となってブルックは深い絶望と共に国を去ることになった。この国での護衛団長時代の悲劇は、現在のブルックの人格形成に多大な影響を与えている。
南の海(サウスブルー)の王国
トリノ王国
麦わらの一味の船医チョッパーが、バーソロミュー・くまの能力によって飛ばされた南の海の島国。巨大な鳥が人間を支配していると誤解されていたが、実際は鳥と人間の間で長年のすれ違いによる争いが起きていただけであった。チョッパーの仲介によって両者は和解し、平和な国へと生まれ変わった。見た目は未開のジャングルのようだが、島民は高度な医療技術や薬学の知識を持っており、チョッパーはこの国にある図書室で2年間の修行を積み、自身の医学と戦闘能力を飛躍的に向上させた。
悪ブラックドラム王国
かつて偉大なる航路(グランドライン)のドラム王国を治めていた暴君ワポルが、ルフィに敗れ国を追われた後に南の海で新たに建国した国家。ワポルがバクバクの能力で作り出した新合金「ワポメタル」が大ヒットして莫大な富を築き、財力に物を言わせて世界政府公認の王国として認められた。悪政を敷いていた過去は変わらず、王妃キンデレラと共に直近の世界会議(レヴェリー)にも参加している。因縁の相手であるサクラ王国のドルトンやビビとも会議の場で再会し、相変わらずの悪辣な態度を見せていた。近年はモルガンズの元に匿われている。
ロシュワン王国
ロシアをモデル(イメージ)にしたとされる南の海の王国。国王のビール6世と、彼の娘であるマトリョーサカ、マトリョースカ、マトリョーセカ、マトリョーソカという4人の美しい王女(マトリョー姫)が治めている。直近の世界会議(レヴェリー)に参加した世界政府加盟国の一つである。マトリョーシカ人形のようにそっくりな4人の王女たちは、会議場に向かうレッドポートで他の王族たちと歓談する姿が描かれた。南の海を代表する国の一つであるが、詳細な国家の歴史や軍事力などについては作中で深く語られていない。
サンバ王国
ブラジルをモデル(イメージ)にしたとされる南の海の王国。頭に羽飾りをつけ、陽気なカーニバルの衣装のような服装をした国王・ムケッカが治めている世界政府加盟国である。名前の由来はブラジルの伝統料理であるムケッカから来ていると推測される。直近の世界会議(レヴェリー)に参加するため聖地マリージョアに赴いていた。作中での登場シーンは限られているものの、特徴的な外見から南米特有の陽気で情熱的な文化を持つ国家であることがうかがえる。他の南の海の加盟国と共に、世界の動向を見守る立場にある。
ソルベ王国
かつて王下七武海の一人であったバーソロミュー・くまが国王を務めていた南の海の王国。元々は冷酷な暴君ベコリ王が治めており、高齢者を見捨てて国を二分する過酷な政策をとっていた。くまは彼を打ち倒して新たな国王に選ばれたが、後に世界政府の陰謀によって「暴君」の汚名を着せられ、国を追われることになった。直近の世界会議(レヴェリー)には、くまの娘であるジュエリー・ボニーが、かつての王太后コニーに変装してマリージョアへ潜入。天竜人の無敵奴隷に成り果てた父の姿を目の当たりにし、奪還と復讐を誓う舞台となった。
ブリス王国
今から200年以上前に南の海に存在したとされる王国。作中では、ジャヤ近海でルフィたちの頭上に突如として空から降ってきた巨大なガレオン船「セント・ブリス号」の出航元として名前が登場した。この船は208年前にブリス王国を出航した後、何らかの理由で空島へと打ち上げられ、空をさまよい続けていた。船内からは空島スカイピアの存在を示す重要な手掛かりが発見され、麦わらの一味が空島へ向かうロマンを掻き立てる大きな契機となった。現在のブリス王国が存続しているのかどうかは定かではない。
セントウレア王国
革命軍の活動によってクーデターが引き起こされ、滅亡に至ったとされる南の海の王国。作中では初期に名前のみ登場しており、ルフィの父であるモンキー・D・ドラゴン率いる革命軍がいかにして世界各地の国家を転覆させているかを示す実例として語られた。世界政府加盟国であったと推測されるが、国民の不満が限界に達していたところに革命軍が介入し、王政が崩壊したものと思われる。このように、南の海を含む世界各地で静かに、しかし確実に革命の炎が広がっていることを読者に印象付けた国家である。
北の海(ノースブルー)の王国
ホワイトランド王国
ロシアをモデル(イメージ)にしたとされる北の海の王国。分厚い毛皮のコートと帽子を身にまとった国王イワトビが治めている世界政府加盟国である。直近の世界会議(レヴェリー)に参加するため、聖地マリージョアへ赴いていた。作中での登場シーンは少なく、国家の詳しい歴史や文化などは明かされていないが、防寒具を着込んだ王の姿や「ホワイトランド」という国名から、常に雪と氷に覆われた寒冷地帯にある国家であることが推測される。他の加盟国と同様に、現在の激動の世界情勢に関与する一国である。
ドイル王国
ドイツをモデル(イメージ)にしたとされる北の海の王国。王冠を被り、立派なカイゼル髭を蓄えた国王チャップが治めている世界政府加盟国である。彼もまた、直近の4年に1度の世界会議(レヴェリー)に参加するためマリージョアに集っていた王の一人だ。会議の場において明確な発言などは描かれていないが、北の海というジェルマ66などの武闘派勢力が存在した海域において、安定して加盟国の地位を保っている国である。現実のドイツのような高い工業力や規律を持った国である可能性も考えられる。
ルブニール王国
今から約400年前に北の海に存在した王国。植物学者であり探検家のモンブラン・ノーランドの出身国として知られている。当時の国王はアルユータヤン五世。ノーランドが偉大なる航路(グランドライン)で黄金都市シャンドラを発見したと報告した際、欲深い国王は自らも黄金を求めてジャヤへと向かった。しかし、島はすでに突き上げ海流(ノックアップストリーム)によって空へ飛ばされた後であり、黄金を見つけられなかった国王はノーランドを嘘つきと断定し、無実の罪で処刑してしまう。この出来事が後世の「うそつきノーランド」の童話の元となった。
フレバンス王国
かつて北の海に存在した、トラファルガー・ローの出身国。「白い町」と呼ばれるほど美しく豊かな国であったが、その美しさは地層に含まれる「珀鉛(はくえん)」という特殊な鉱物によるものだった。珀鉛は微量の毒性を持っており、世代を重ねるごとに寿命が縮む「珀鉛病」を引き起こす。世界政府と王族はその事実を知りながら利益のために隠蔽し、発病者が増えパニックになった周辺国からの隔離と過剰な攻撃を受けた結果、悲惨な戦争によって国は滅亡した。この絶望的な歴史が、現在のローのクールで達観した人格を形成する決定的な要因となっている。
楽園(グランドライン前半)の王国
サクラ王国(旧ドラム王国)
グランドライン前半に位置する冬島・ドラム島にある医療大国。麦わらの一味の船医チョッパーの故郷である。かつては暴君ワポルが治めるドラム王国として悪政が敷かれ、有能な医師たちが追放され国は衰退していた。黒ひげ海賊団の襲撃でワポルが逃亡し崩壊状態に陥るが、ルフィたちの活躍によって帰還したワポルを打ち倒し解放された。その後、かつての護衛隊長ドルトンが新国王に就任し「サクラ王国」として新たに建国される。Dr.ヒルルクの遺志を継ぐピンクの雪(ヒルルクの桜)が国の象徴であり、現在も世界最高峰の医療技術を誇って世界会議にも参加している。
アラバスタ王国
グランドライン前半のサンディ島にある広大な砂漠の王国。王下七武海(当時)のクロコダイルによる秘密犯罪組織バロックワークスの暗躍により、反乱軍と国王軍が衝突する内乱状態に陥った。王女ビビが麦わらの一味と共に国を救うため奔走し、ルフィがクロコダイルを打倒して平和を取り戻した。「20の王家」の一つであるネフェルタリ家が治めているが、天竜人にならず下界に残った特異な歴史を持つ。地下には古代兵器プルトンの在処を示すポーネグリフが眠っており、直近のレヴェリーではコブラ王が暗殺されるなど、激動の世界情勢の中心にある。
カマバッカ王国
グランドライン前半のモモイロ島にある「オカマ」たちの国。革命軍の幹部であるエンポリオ・イワンコフが女王を務めている。「新人類(ニューカマー)拳法」の総本山であり、島民はすべて乙女心を持つ屈強な戦士たちである。島中の動植物がピンク色をしており、独特の生態系を持っている。バーソロミュー・くまの能力で飛ばされたサンジが、2年間の過酷な修行(料理と覇気、そして逃亡生活)を積んだ場所でもある。後に、黒ひげ海賊団によってバルティゴを追われた革命軍がこの地に総本部を移転し、世界政府と対抗するための新たな重要拠点となった。
シッケアール王国(跡地)
グランドライン前半のクライガナ島に存在した王国の跡地。かつては高度な文明を持った国であったが、凄惨な戦争によって滅亡し、現在は不気味な廃墟と化している。この戦場跡には、人間の武器の使い方や戦い方を学習する知能の高い巨大なヒヒ「ヒューマンドリル」が生息している。王下七武海(当時)のジュラキュール・ミホークが城跡を拠点として住み着いており、くまの能力で飛ばされたゾロが2年間の剣術修行を行った場所である。七武海制度撤廃後は海軍の軍艦に包囲され、ミホークはこの島を離れてクロスギルドへと合流した。
テーナ・ゲーナ王国
グランドライン前半に位置する王国。手長族が住む国であり、彼らは関節が一つ多い特徴的な長い腕を持っている。作中ではブルックがくまの能力によって飛ばされた「ナマクラ島・ハラヘッターニャ」にこの国の住人が略奪に訪れていた。その後、ブルックは彼らに見世物としてテーナ・ゲーナ王国へ連れ去られるが、逆にその状況を利用して音楽の才能を開花させ「ソウルキング」として世界的な大スターとなるきっかけを掴んだ。手長族の中には新世代の海賊アプーや、麦わら大船団のイデオなど、高い戦闘力を持つ者も多く輩出されている。
リュウグウ王国
グランドライン前半の終点、深海1万メートルにある魚人島を領土とする王国。ネプチューン王が治めており、約200年前から世界政府加盟国となっている。太陽の光を海底へ届ける「陽樹イブ」の恩恵を受け、美しい海底世界を築いている。麦わらの一味が新魚人海賊団のクーデターから国を救い、ルフィがビッグ・マムから縄張りを奪い取ると宣言した。王女しらほしは海王類を従える力を持つ古代兵器「ポセイドン」であり、空白の100年にジョイボーイと交わした約束の「方舟ノア」が眠るなど、世界の根幹に関わる重大な秘密を抱えている国である。
新世界(グランドライン後半)の王国
ドレスローザ王国
新世界に位置する「愛と情熱とオモチャの国」。かつては平和を愛するリク王家が治めていたが、ドンキホーテ・ドフラミンゴの陰謀によって王座を簒奪され、逆らう者をオモチャに変えて記憶を消去する悲劇の暗黒国家と化していた。ルフィとローの同盟、そしてコロシアムの戦士たちの活躍により支配から解放される。この共闘を経て、総勢5600人超の「麦わら大船団」が結成された。現在はリク王が復位し、世界会議(レヴェリー)にも参加。アラバスタのコブラ王と共に王下七武海制度の撤廃を強く訴え、見事に制度を廃止へと導くなど、国際社会において大きな功績を残した。
トンタッタ王国
ドレスローザの地下や隣接するグリーンビットの地下深くに存在する、小人族(トンタッタ族)の王国。ガンチョ王が治めている。彼らは非常に純真で騙されやすい性格だが、目にも止まらぬスピードと、見た目に反したすさまじい怪力を誇る。ドフラミンゴの支配下ではスマイル(人造悪魔の実)の工場で奴隷として酷使されていた。ウソップを「ウソランド」と崇め、麦わらの一味と共にドレスローザ解放作戦「SOP作戦」を完遂。その後、トンタ兵長レオ率いるトンタッタ海賊団が麦わら大船団の5番船として傘下に入った。世界会議にもドレスローザの護衛として同行している。
プロデンス王国
新世界に位置する世界政府加盟国。「戦う王」の異名を持つエリザベロー2世が治めている。国王自らが圧倒的な武力を誇り、1時間のウォーミングアップを経て放たれる伝家の宝刀「キング・パンチ」は、四皇をも打ち沈めると豪語されるほどの破壊力を秘めている。ドレスローザのリク王とは旧知の仲であり、ドレスローザのコリーダコロシアムでの戦いや、ドフラミンゴ討伐戦においてもリク王のために尽力した。直近の世界会議(レヴェリー)にもドレスローザと共に出席しており、新世界の中で武闘派でありながら義理堅い国家として描かれている。
モガロ王国
新世界に存在する国家。作中での詳細な描写は少ないが、暗殺者として名高いケリー・ファンクとボビー・ファンクの兄弟(ファンク兄弟)の出身国として知られている。ファンク兄弟はドレスローザのコリーダコロシアムに「メラメラの実」を求めて参戦した。弟ボビーの強靭な肉体に、兄ケリーが「ジャケジャケの実」の能力で憑依するという特異な戦闘スタイルを持つ。モガロ王国の国家体制や世界政府への加盟状況などは不明だが、このような凄腕の殺し屋を輩出していることから、新世界の過酷な環境を生き抜く国であることがうかがえる。
万国(トットランド)
四皇(当時)のビッグ・マム(シャーロット・リンリン)が新世界に築き上げた巨大な海賊国家。ホールケーキアイランドを中心に、34の島々が海域に点在している。「世界中の全種族が差別なく暮らせる国」を理念としているが、実態は国民から寿命(ソウル)を税として徴収する恐怖支配の国である。各島は「お菓子の名前」がつけられ、ビッグ・マムの子供たちが大臣として統治している。サンジの政略結婚を阻止するため麦わらの一味が潜入し、大混乱を引き起こした。現在はビッグ・マムがワノ国で敗北し行方不明となったため、残された子供たちが国を維持している。
ワノ国
新世界に位置する、侍たちが暮らす非加盟国家。鎖国政策を敷いており、周囲を険しい滝と悪天候に囲まれた天然の要害である。かつては光月家が治めていたが、四皇カイドウと黒炭オロチによって国を乗っ取られ、20年もの間、武器工場として国を荒廃させられ国民は飢えに苦しんでいた。ルフィたちと光月家の生き残り、ミンク族らの同盟によって鬼ヶ島への討ち入りが決行され、激闘の末にカイドウを打倒。正統な後継者である光月モモの助が新将軍となり、国は開国へと向かい始める。地下には古代兵器プルトンが眠っており、物語の核心に最も近い重要な国である。
ルルシア王国
新世界に位置していた世界政府加盟国。貧しい国でありながら、セキ王の悪政によって重税が課せられ、国民は苦しい生活を強いられていた。世界会議(レヴェリー)へ王族が赴いている最中、革命軍の軍隊長たちの活躍によって黒ひげ傘下の海賊から救われた。その後、サボが潜伏していたタイミングで「8国革命」の反乱が起きるが、イム様が使用した謎の古代兵器(マザーフレイム)によって上空からの一撃を受け、島ごと跡形もなく消滅させられるというあまりにも残酷な最期を遂げた。世界政府の闇の深さを象徴する悲劇の国家である。
ウォーランド王国(エルバフ)
新世界に位置する巨人族の国「エルバフ」に存在する王国。世界一の強国と恐れられ、戦士たちは北欧神話のヴァイキングのような文化と誇りを持っている。「太陽の神」を信仰しており、ルフィ(ニカ)の姿に特別な感情を抱く描写も見られる。かつてはドリーやブロギーが率いる巨兵海賊団が世界を震え上がらせ、現在もハイルディン率いる新巨兵海賊団が麦わら大船団に加わっている。ウソップが長年憧れ続けている地であり、シャンクスら赤髪海賊団の縄張り(または滞在地)でもあった。最終章における最も重要な舞台の一つとして現在物語が進行している。
偉大なる航路・世界の何処かにある王国
スタンディング王国
偉大なる航路(グランドライン)に存在するとされる王国。麦わら大船団の7番船船長を務める「開拓冒険家」オオロンブスの出身国である。オオロンブスは元々このスタンディング王国の所属であり、国王からの命を受けて巨大なヨンタマリア号を含む56隻の大艦隊「ヨンタマリア大船団」を率いて航海に出ていた。しかし、ドレスローザでの一件を経てルフィの傘下に入ることを決意し、国王に辞表を提出して正式に海賊となった。彼が所属していた事実から、巨大な艦隊を保有し遠征させることができるほどの強大な国力を持った国家であることがうかがえる。
ブルジョア王国
偉大なる航路(グランドライン)にある王国。麦わら大船団の1番船船長「白馬のキャベンディッシュ」の故郷である。キャベンディッシュはこの国の由緒正しき王子であったが、彼があまりにも絶世の美男子であったため、国内の年頃の娘たちが誰一人として結婚しなくなるという異常事態が発生した。国の存続を危惧した王により、わずか5億ベリーと船を渡されて国から追放(事実上の勘当)されてしまったという、規格外の伝説を持つ。国名が示す通り、非常に裕福なブルジョア階級が支配する国であったと推測される。
エイギス王国
世界の何処か(または偉大なる航路)に位置する世界政府加盟国。丸いサングラスをかけ、王冠を被った「ティー4世」が国王を務めている。直近の4年に1度の世界会議(レヴェリー)に参加するため、聖地マリージョアへと赴いていた。世界政府の最高諜報機関「CP0(サイファーポール”イージス”ゼロ)」の「イージス」と似た響きを持つ国名だが、直接的な関係があるかは作中では明かされていない。レヴェリーの会議場では他国の王たちと並んで席についており、世界の動向を左右する会議に深く関与している国の一つである。
ウォッカ王国
四皇(当時)の「百獣のカイドウ」の生まれ故郷である王国。非常に貧しい国であり、天竜人へ納める「天上金」を捻出するため、国家ぐるみで他国への侵略と略奪を繰り返す戦争国家だった。カイドウはわずか10歳にして王国最強の兵士として戦場を駆けていたが、国王は世界会議(レヴェリー)への参加権(世界政府への加盟)を得るための取引材料として、カイドウを海軍へ引き渡してしまう。この祖国からの理不尽な裏切りと売却劇が、カイドウの心に「弱肉強食」の過酷な価値観を植え付ける決定的な要因となった。
ロンメル王国
世界の何処かに存在する、イギリス(ロンドン)の街並みに似た風景や巨大な時計塔を持つ王国。かつてこの国の夜の街において、通り魔が人々を次々と切り裂く「ロンメルのカマイタチ」と呼ばれる恐ろしい連続人斬り事件が発生した。その犯人こそが、夢遊病を発症して眠りについたキャベンディッシュの中に潜む凶悪な別人格「ハクバ」であった。海軍が彼を捕らえるために軍艦を派遣するほどの大騒動となり、結果的にキャベンディッシュに多額の懸賞金が懸けられ、海賊として名を馳せるきっかけとなった因縁の場所である。
ドエレーナ王国
世界の何処かにある王国。一見すると普通の国を装っていたが、海賊船に偽装した貿易船を利用して、裏社会の仲買人「ジョーカー」ことドンキホーテ・ドフラミンゴと武器の密輸取引を行っていたブラックな国家である。作中では、ドレスローザのコリーダコロシアムにこの国の貴族が参戦していた。しかし、控室でルフィの悪口を言ったことで、ルフィを崇拝するバルトロメオの逆鱗に触れ、無惨に叩きのめされている。ドレスローザの闇取引が暴かれたことで、この国も世界政府や海軍からの厳しい追及を受けた可能性が高い。
タジン王国
世界の何処かにある世界政府加盟国。モロッコなどの北アフリカ文化をモデル(イメージ)にしたとされる。美しい褐色の肌と、タジン鍋のような独特の形状をした帽子を被った「モロロン女王」が治めている。直近の世界会議(レヴェリー)に参加するため、聖地マリージョアへ赴いていた王族の一人だ。レッドポートでは、他の王族たちと優雅に歓談しながら頂上へ向かうゴンドラを待つ姿が描かれている。詳細な国家の規模や歴史などは不明だが、世界政府の庇護下で安定した国力を維持している国の一つと推測される。
シシャノ王国
世界の何処かにある世界政府加盟国。メキシコをモデル(イメージ)にしたとされる王国で、巨大なソンブレロ(つば広の帽子)と立派な口髭が特徴的な「タコス王」が治めている。直近の世界会議(レヴェリー)において、国の代表として聖地マリージョアの会議場へ出席していた。会議の円卓では、特徴的な帽子を被ったまま深刻な表情で議事の進行を見守っている。タコス王のコミカルな見た目とは裏腹に、レヴェリーという極めてシリアスな政治の場において、自国の利益と世界の均衡を守るための重要な役割を担っている。
海遊国家(移動する国)
モコモ公国
新世界の海を歩き続ける超巨大な象「ズニーシャ(象主)」の背中に存在する、ミンク族の幻の国。およそ1000年の歴史を持つとされる。犬のミンク「イヌアラシ公爵」と猫のミンク「ネコマムシの旦那」の二人の王が昼夜を分けて統治していた。世界政府非加盟であり、部外者が辿り着くことは極めて困難である。百獣海賊団の大看板ジャックによる毒ガス攻撃で国は壊滅の危機に瀕したが、麦わらの一味の救護によって救われた。その後、光月家と「忍者海賊ミンク侍同盟」を結び、カイドウ討伐に大きく貢献した。ズニーシャ自身も「空白の100年」にジョイボーイの仲間だったという重大な秘密を抱えている。
ジェルマ王国
北の海(ノースブルー)を発祥とし、海を渡る無数の巨大な船(電伝虫)が合体して国土を形成する、世界で唯一の国土を持たない「海遊国家」。ヴィンスモーク・ジャッジが治めており、かつては武力で北の海を制圧した悪の代名詞「ジェルマ66(ダブルシックス)」として恐れられている。サンジの生家でもある。血統因子を操作したクローン兵や強化人間、独自の科学技術によるレイドスーツなど、圧倒的な軍事力を誇る。長らく世界政府加盟国としてレヴェリーへの参加権を有していたが、ビッグ・マム海賊団との政略結婚騒動(ホールケーキアイランド編)を機に加盟国から除外された。
その他の地域(特殊な国家・聖地)
アマゾン・リリー
偉大なる航路の「凪の帯(カームベルト)」に位置する女ヶ島にある、女性戦闘民族「九蛇(くじゃ)」の国家。男子禁制の掟があり、国民全員が覇気を操る屈強な戦士である。国を取り囲む海域には大型の海王類が巣食っているため、外敵の侵入を許さない天然の要塞となっている。皇帝にして九蛇海賊団船長のボア・ハンコックが治めており、彼女の王下七武海加入によって国は世界政府から不可侵の権利を得ていた。七武海制度撤廃後は海軍や黒ひげ海賊団の襲撃を受け、国は大きな被害を出した。ルフィに対してはハンコックが恋心を抱いているため、特例として様々な支援を行っている。
スカイピア
偉大なる航路の遥か上空、高度1万メートルの白々海に浮かぶ空島にある神の国。「神(ゴッド)」と呼ばれる存在が統治しており、作中では独裁的な力を持つ神・エネルによる恐怖支配が敷かれていた。エネルは「ゴロゴロの実」の能力と「心綱(マントラ)」で国民の動向を監視していたが、絶縁体であるゴム人間のルフィによって打ち倒された。大地(ヴァース)を神聖視する独自の文化や、貝(ダイアル)を利用した生活基盤を持つ。かつて地上から突き上げ海流で飛ばされたジャヤの一部(神の島)を巡り、先住民シャンディアと空の住人で400年もの間戦争が続いていたが、ルフィの活躍によって終結した。
マリージョア
世界を分断する巨大な壁「赤い土の大陸(レッドライン)」の頂上に位置する「聖地」。800年前に世界政府を創設した20の王家の末裔である「天竜人(世界貴族)」たちの居住区であり、世界政府の総本部であるパンゲア城が存在する。世界中の加盟国から納められる「天上金」によって天竜人たちが贅を尽くした暮らしを送る一方で、その地下では無数の奴隷たちが非人道的な労働を強いられている。4年に1度、各国の王が集う「世界会議(レヴェリー)」の開催地。パンゲア城の奥深くには「虚の玉座」や、世界の真の王であるイム様が君臨する「花の部屋」など、世界の根幹に関わる重大な機密が隠されている。
世界の何処かにある王国(その他・世界会議参加国など)
ペペ王国
世界の何処かにある世界政府加盟国。年間1000人以上もの餓死者を出すほどの極端な貧困にあえぐ悲劇の国家である。作中では、この国の貧しい一般市民が、家族を餓死から救うため、クロスギルドが懸けた海軍の懸賞金目当てに海軍本部中将T・ボーンを殺害(あるいはT・ボーンが市民の窮状を知って自死を受け入れたとも推測される)するという衝撃的な事件が発生した。この事件は、海賊だけでなく守るべき一般市民までもが海軍に牙を剥くという、クロスギルドによる海兵への懸賞金制度がもたらした世界の混乱と絶望を如実に浮き彫りにした。
リンゴ王国
4年に1度の世界会議(レヴェリー)に参加する世界政府加盟国の一つ。リンゴという国名が示す通り、果物が特産品である。作中や関連書籍の設定では、国王が自国の名産品である果物を他の加盟国の王たちへ交易品として熱心に提案・アピールしている姿が設定されている。激動の世界情勢の裏側で、政治的対立だけでなく、平和的に自国の産業を豊かにしようと奔走する現実的な国家の姿を描写した、生活感のある国の一つである。
チャコ王国
世界の何処かに位置する世界政府加盟国。国王のマリが治めている国である。マリ王は美食家(グルメ)として知られており、各国の代表が集う世界会議(レヴェリー)に出席するため、聖地マリージョアへ赴いている。作中での出番は背景やモブとしての登場に限られているが、世界中の加盟国が一同に介する会議において、自国の豊かな食文化という観点から独自の交流や発言力を持っていると推測される。
ジャンバラヤ王国
世界政府に加盟している国家の一つで、国王のソースが統治している。国名の「ジャンバラヤ」と国王の「ソース」という秀逸なネーミングから、独自の豊かな食文化(特にスパイスや料理)を持つ国であることがうかがえる。他のマイナーな加盟国と同様に、聖地マリージョアで開催される世界会議に参加する権限を持っており、国際社会に籍を置いている。ルフィたちの直接の冒険には絡まないものの、ワンピースの世界の多様性を示す国の一つだ。
ギンガポール王国
現実のシンガポールをモデル(イメージ)にしたと思われる世界政府加盟国。「ネギー女王」が治めており、直近の世界会議にも参加している。ネギを思わせる名前や特徴的なネーミングセンスからコミカルな背景キャラクターとして描かれているが、女王が国を治めているという点でアマゾン・リリーやカマバッカ王国と並ぶ女性君主の国家である。聖地マリージョアに集う50の代表国の一つとして、世界の法と秩序の決定に関わっている。
キャメロン王国
世界の何処かに位置する世界政府加盟国であり、クーラン王が治めている。クーラン王は非常に見栄っ張りな性格で、世界会議(レヴェリー)のために各国の王族が集まる際、いつも自分が身につけている高価なアクセサリーを他の王たちに自慢しているという設定がある。各国の首脳が集うシリアスな政治の裏側で、加盟国間のマウントの取り合いや貴族的な見栄が存在していることを示唆する、人間味(あるいは俗っぽさ)に溢れた国である。
ベストランド王国
世界の何処かに位置する世界政府加盟国であり、レモンチーズ王が治めている国家。詳細な文化や国力は明かされていないものの、直近のレヴェリーに参加する50ヵ国の中に選ばれていることから、世界政府への影響力は一定水準を満たしていると推測できる。名前に「チーズ」が入っていることから、酪農や乳製品が特産品の国である可能性もある。他の参加国と共にパンゲア城の円卓に座り、歴史的な瞬間に立ち会った国の一つである。
南ファイアー王国
作中の世界会議(レヴェリー)の背景や関連資料において、加盟国として名前が挙げられた王国。「南(サウス)」と「ファイアー(炎)」を冠する国名から、暑い気候や火山帯に位置する国、あるいは情熱的な文化を持つ国であることが推測される。ルフィたちの航路には直接登場していないものの、170ヶ国以上ある世界政府加盟国の中の選ばれし50ヶ国の代表として、世界の覇権や秩序に関わるマリージョアでの会議に席を置いている。
ナガグツ王国
世界会議に参加している加盟国の一つ。国名が「長靴(ナガグツ)」であることから、現実世界のイタリア(国土が長靴の形をしている)をモデルにしているか、あるいは特産品が皮革製品や靴である国家だと思われる。ONE PIECEの世界において、各国の名前はしばしばその国の気候や文化、特産品をそのまま表していることが多く、この国もそのネーミングルールの例に漏れない。世界の多様な国家群を彩るワンポイントとして存在している。
ビーフ王国
世界の何処かに存在する世界政府加盟国。名前の通り「牛肉(ビーフ)」や牧畜が盛んな国であることが容易に想像できる。ルフィが聞いたら真っ先に行きたがるような名前の国であるが、麦わらの一味の航路には今のところ登場していない。世界会議(レヴェリー)に参加する50ヵ国の代表に名を連ねており、食肉の輸出などで世界政府や他国と強い繋がりを持ち、安定した経済力を保っている立派な国家であると推測される。
マジアツカ王国
世界会議の参加国として名前が登場した王国。「マジ暑か(本当に暑い)」という九州方面の方言のようなネーミングから、過酷な猛暑に見舞われる砂漠地帯や熱帯気候の国であることが分かる。ONE PIECEの作中ではアラバスタ王国のような深刻な気候問題を抱える国も存在するため、この国も気候変動や水資源の問題をレヴェリーの議題として持ち込んでいるかもしれない。尾田栄一郎先生らしい遊び心に溢れたネーミングの国である。
『ONE PIECE』最大の謎:空白の100年に消滅した「巨大な王国(ある王国)」の全貌と徹底考察
『ONE PIECE』の壮大な物語において、すべての謎の根源であり、ルフィたちの冒険の最終到達点「ラフテル」にも直結する最大のミステリーが「巨大な王国(ある王国)」の存在である。今からおよそ900年前から800年前にあたる「空白の100年」と呼ばれる時代に実在し、現在の世界政府を創設した「20の王家」の連合軍に敗北して跡形もなく消し去られたこの国について、現在作中で判明している事実や考察、そしてエッグヘッド編でDr.ベガパンクの口から語られた衝撃の真実
1. 歴史から抹殺された「空白の100年」とオハラの悲劇
「巨大な王国」の存在が作中で初めて明確に示唆されたのは、ニコ・ロビンの故郷である西の海(ウエストブルー)の考古学の聖地・オハラでの回想エピソードである。世界最高の頭脳を持つ考古学者クローバー博士は、禁忌とされる「ポーネグリフ(歴史の本文)」の解読と文献の調査によって、空白の100年とは「ある巨大な王国が世界政府という新たな組織によって滅ぼされた歴史」であることを突き止めた。クローバー博士は、五老星との電伝虫越しの対話の中でその王国の「名前」を口にしようとしたが、その瞬間に銃撃され、オハラは海軍のバスターコールによって島ごと地図から消し去られた。世界政府にとって、この王国の「名前」や「存在」そのものが、現在の世界の体制を根底から覆しかねない最大の脅威なのである。世界政府が歴史の探求を死罪という極刑をもって禁じているのは、単に過去の戦争を隠すためではなく、この王国が持っていた「思想」が現代に蘇ることを何よりも恐れているからに他ならない。
2. 現在を凌駕する「超高度な科学文明」と無尽蔵のエネルギー
長らく「古代の魔法のような国」として想像されていた巨大な王国だが、エッグヘッド編において天才科学者Dr.ベガパンクの世界同時配信により、世界の常識を破壊する驚愕の真実が明かされた。なんと、900年前の「巨大な王国」は、現在の未来島エッグヘッドをも遥かに凌ぐ「超高度な科学技術」を持った文明国家だったのである。ベガパンクが人生を懸けて追求した「世界中に無償でエネルギーを供給する」という夢のシステム(無尽蔵のエネルギー)は、すでに900年前のこの王国で実用化されていた。さらに、エッグヘッドのスクラップ場に眠っていた巨大な古代ロボ「エメト」も、この王国の技術によって生み出された兵器である。エメトは約200年前に聖地マリージョアを襲撃したが、エネルギー切れによって機能停止した。現在の世界最高峰の科学力をもってしても、エメトを動かしていた「古の動力」を完全には再現できておらず、900年前の文明がどれほど突出していたかを物語っている。私たちが「未来」だと思っていた技術は、実は「過去」の遺物に過ぎなかったという事実は、読者に計り知れない衝撃を与えた。
3. 最初の海賊「ジョイボーイ」と太陽の神ニカの伝説
巨大な王国を語る上で絶対に外せない最重要人物が「ジョイボーイ」である。ベガパンクの配信により、ジョイボーイはこの「高度な科学文明を持つ巨大な王国」で生まれた若者であったことが明言された。彼はエルバフに伝わる伝説の「太陽の神ニカ」のように、伸縮するゴムの体を持ち、周囲を笑顔にしながら戦ったとされる。ジョイボーイは、思想の違いから巨大な王国に牙を剥いた「20の王家」の連合軍に対して、たった一人(あるいは仲間たちと共に)で立ち向かった。海へ出て戦い続けた彼は、歴史上初めて「海賊」と呼ばれた男となった。現在のモンキー・D・ルフィが食べた「ゴムゴムの実(動物系幻獣種ヒトヒトの実モデル”ニカ”)」は、かつてジョイボーイが持っていた能力そのものであり、ルフィがギア5(ニカの姿)に覚醒した際、ズニーシャは「ジョイボーイが帰ってきた」と歓喜した。ジョイボーイは単なる英雄ではなく、巨大な王国の思想と自由の象徴であり、その遺志は800年の時を超えて現代のルフィへと受け継がれているのである。
4. 「20の王家」連合軍との激絶なる大戦争と海面上昇
空白の100年に行われた「巨大な王国」と「20の王家(現在の天竜人の祖先)」の戦争は、単なる領土争いではなく、世界のあり方を決めるイデオロギー(思想)の衝突であった。自由と世界の繋がりを求めた巨大な王国に対し、支配と秩序を求めた連合軍が衝突したと推測されている。この戦争は世界を文字通り「沈める」ほどの凄惨なものであった。ベガパンクの配信において、現在の『ONE PIECE』の世界は、空白の100年に古代兵器が使用されたことによって海面が「約200メートルも上昇」し、かつての大陸が海に沈んでできた「島々の残骸」であることが判明した。連合軍は巨大な王国を滅ぼした後、「世界政府」を創設し、自らを神と名乗って聖地マリージョアに移り住んだ(唯一、アラバスタのネフェルタリ家だけは下界に残った)。そして、彼らは自分たちに都合の悪い歴史、すなわち巨大な王国の存在と、世界を海に沈めたという大罪を「空白の100年」として徹底的に隠蔽したのである。
5. 世界を滅ぼす力「古代兵器」プルトン・ポセイドン・ウラノス
巨大な王国と20の王家の戦争において使用され、現在も世界に眠り続けているのが「プルトン」「ポセイドン」「ウラノス」という3つの古代兵器である。これらは巨大な王国の超高度な科学力によって生み出されたか、あるいは王国の同盟国が有していた力であると考えられている。プルトンは「一発放てば島一つを跡形もなく吹き飛ばす」と言われる巨大な戦艦であり、現在はワノ国の地下深くに眠っている。ポセイドンは「海王類と心を通わせ、操る力」を持つ人魚の王女(現在のしらほし姫)であり、リュウグウ王国に存在している。ウラノスに関する詳細は長らく不明であったが、ルルシア王国を跡形もなく消滅させた、イム様が操る上空からの謎の攻撃(ベガパンクの「マザーフレイム」を動力とした兵器)がウラノスである可能性が極めて高い。巨大な王国は、これらの強大な力が悪用されることを防ぐため、後述するポーネグリフにその在処を記し、正しき後継者が現れる時まで封印しようとしたと見られている。
6. 決して砕けない石「ポーネグリフ」と光月家との固い盟約
連合軍との戦争において敗北を悟った巨大な王国の人々は、自分たちの「存在」と「思想」、そして「真実の歴史」が世界政府によって永遠に消し去られることを危惧した。そこで彼らは、強固な同盟関係にあったワノ国の石工の一族「光月家」に依頼し、世界のいかなる兵器でも砕くことのできない特殊な石「ポーネグリフ(歴史の本文)」に真実を刻み込み、世界中に散らばらせた。オハラの学者たちは、この石を「過去の人々からの未来への手紙」と呼んだ。現在、世界には約30個のポーネグリフが存在しており、その中には歴史の真実を記した「真の歴史の本文(リオ・ポーネグリフ)」や、最後の島ラフテルへの道しるべとなる4つの赤い石「ロード・ポーネグリフ」が含まれている。ニコ・ロビンがこれらをすべて読み解き、点と点を繋ぎ合わせて一つの文章にした時、初めて巨大な王国の全貌と空白の100年の真実が現代に蘇ることになる。
7. 受け継がれる「Dの意志」と神の天敵
作中で幾度となく登場し、世界政府や天竜人が極度に恐れる「D」の名を持つ者たち。モンキー・D・ルフィ、ゴール・D・ロジャー、トラファルガー・D・ワーテル・ロー、マーシャル・D・ティーチ、そしてハグワール・D・サウロなど、彼らは皆「Dの意志」を受け継ぐ者たちである。コラソン(ロシナンテ)は、Dの一族を「神(天竜人)の天敵」と呼んだ。この「D」こそが、滅亡した巨大な王国の王族の末裔、あるいはその思想を強く信仰し受け継いだ者たちの証である可能性が高い。「半月」を意味するデザインや「Dawn(夜明け)」の頭文字など、様々な考察が飛び交っているが、確かなことは、Dの名を持つ者たちが歴史の大きなうねりの中心に常に存在し、世界政府が築き上げた偽りの秩序を破壊する宿命を背負っているということである。ルフィは自らが「D」であることを深く意識してはいないが、彼の行動そのものが、巨大な王国が描いた「自由」を体現している。
8. 世界政府が真に恐れる「巨大な王国の思想」とは
世界政府が空白の100年を禁忌とする最大の理由は、古代兵器の復活以上に、巨大な王国が持っていた「思想」の伝播を恐れているからだ。その思想とは何か。それはおそらく「万物の自由と平等」、そして「分断された世界を一つに繋ぐこと」である。現在の世界は「赤い土の大陸(レッドライン)」と「凪の帯(カームベルト)」によって4つの海に分断され、天竜人が頂点に君臨する厳しい身分階級制度が敷かれている。しかし、巨大な王国が目指したのは、レッドラインを破壊してすべての海が交わる「オールブルー」を創り出し、魚人族も小人族も巨人も人間も、すべての種族が太陽の下で共に笑い合える世界(ひとつなぎの大秘宝=ワンピース)だったのではないか。ジョイボーイが魚人島に残した「謝罪文」は、彼らを地上へ引き上げるという約束を果たせなかった無念の表れである。この「世界をひっくり返す」ほどの壮大な思想こそが、天竜人の支配体制を根底から崩壊させる真の脅威なのである。
9. 最後の島「ラフテル」と海賊王ロジャーの涙、そして未来へ
今から20年以上前、ゴール・D・ロジャー率いるロジャー海賊団は、ロード・ポーネグリフの導きによってついに最後の島に到達し、巨大な王国の名前、空白の100年の真実、古代兵器のすべてを知った。しかし、真実を知ったロジャーたちは世界をひっくり返すことはなく、ただ「涙が出るほど笑った」のだった。そして、その島を「ラフテル(Laugh Tale=笑い話)」と名付けた。ロジャーは不治の病に侵されており、古代兵器ポセイドン(しらほし姫)がまだ生まれていなかったこともあり、世界を変えるには「早すぎた」のである。ロジャーは処刑台で自首し、大海賊時代を開幕させることで、自分たちに代わって「巨大な王国の遺志(ジョイボーイの約束)」を果たす未来の若者へバトンを託した。現在、四皇にまで登り詰めたルフィは、まさにロジャーが待ち望んだ「その男」である。ルフィたちがラフテルに到達し、巨大な王国の全貌を知った時、800年間止まっていた歴史の歯車が再び動き出し、世界を巻き込む史上最大の戦いが幕を開けることになるだろう。その先に待っている「世界の夜明け」こそが、巨大な王国が現代に託した真の願いなのである。
世界政府への「加盟」と「非加盟」がもたらす天国と地獄の絶対格差
『ONE PIECE』の広大な世界を読み解く上で、各国の文化や気候以上に重要となるのが「世界政府に加盟しているか否か」という絶対的な政治基準である。現在、世界には約170ヶ国以上の世界政府加盟国が存在するが、その影には加盟したくてもできない、あるいは自ら非加盟を貫く無数の国々が存在している。ここでは、作中の根深い闇である「加盟」と「非加盟」のシステムと、それが引き起こす凄惨な現実について徹底的に解説する。
1. 世界政府加盟国の特権と「天上金」という重すぎる代償
世界政府に加盟するということは、海軍本部による強固な治安維持の庇護を受け、国際社会の一員として認められることを意味する。上位50ヶ国になれば4年に1度の「世界会議(レヴェリー)」に参加し、世界情勢に関与する権利も得られる。しかし、その平和の代償はあまりにも重い。加盟国は毎年、聖地マリージョアに住む天竜人(世界貴族)に対して「天上金」と呼ばれる莫大な貢ぎ物を納めなければならない。この天上金は国の規模や人口に応じて厳格に課せられ、支払いが滞れば即座に海軍の保護を打ち切られ、世界政府から見捨てられる。そのため、各国の王族は天上金を捻出するために国民に重税を課し、時にはゴア王国のように貧困層を物理的に切り捨てたり、ソルベ王国のように国を二分して老人を見殺しにしたりといった非道な手段に出ざるを得ない。加盟国における「平和」とは、一般国民の血の滲むような犠牲と搾取の上に辛うじて成り立っている虚構に過ぎないのだ。
2. 非加盟国の悲惨な末路と「人権なき無法地帯」の現実
天上金を支払う財力がない貧しい国や、世界政府への加盟を拒絶して追放された国は「非加盟国」となる。これらの国に待ち受けている現実は、まさに地獄そのものである。非加盟国には世界政府の法律が一切適用されず、海軍が治安を維持するために出動することもない。そのため、海賊たちの略奪の標的となり、人攫い(奴隷狩り)が横行する無法地帯と化す。白ひげ(エドワード・ニューゲート)の故郷であるスフィンクスは、天上金が払えず非加盟となったために国が滅び、白ひげ自身も幼くして孤児となり海賊になるしかなかった。また、四皇カイドウの故郷であるウォッカ王国は、天上金を稼ぐために他国への略奪戦争を繰り返し、最終的に国王が最強の兵士であったカイドウを海軍に売り飛ばすことでレヴェリーへの参加権を得ようとした。非加盟国の国民は「人間としての権利(人権)」すら認められておらず、マリージョアの奴隷として売られても誰も助けてはくれない。これが『ONE PIECE』の根底に流れる残酷な世界の真実である。
3. 例外的な非加盟国と「武力による鎖国」
非加盟国の中にも、ワノ国やモコモ公国、アマゾン・リリー(王下七武海撤廃前まで)、あるいはウォーランド王国(エルバフ)のような例外的な国家が存在する。これらの国々は、天上金が払えないからではなく「独自の文化や歴史を守るため」に自ら非加盟(鎖国)を貫いている。彼らが海軍や世界政府から強引な支配や干渉を受けない理由はただ一つ、外敵を寄せ付けない「強大な武力」や「険しい自然の要害」を持っているからだ。ワノ国には海軍すら容易に手を出せない強き侍たちがおり、エルバフには世界最強と恐れられる巨人族の戦士たちがいる。つまり、世界政府の庇護に頼らずに独立を保つためには、四皇レベルの海賊すらも退けるほどの圧倒的な自衛力が必要不可欠なのである。裏を返せば、そのような規格外の武力を持たない一般的な弱小国は、無理をしてでも世界政府にすがりつき、国民から天上金を絞り出すしか生き残る道は残されていない。
4. 革命軍の台頭と「8国革命」が示す支配構造の限界
このいびつで残酷な支配構造を根底から破壊しようとしているのが、モンキー・D・ドラゴン率いる「革命軍」である。彼らの真の目的は、世界政府の転覆そのものではなく、その頂点に君臨して世界中の天上金を吸い上げている「天竜人の支配体制」を打倒することだ。近年、革命軍の暗躍により、天上金の支払いを拒否して王族を打ち倒す反乱が各地で激化している。特にレヴェリー閉幕後に起きた「8国革命(ルルシア王国などを含む)」は、天竜人に対する世界規模の反逆の狼煙となった。サボらの活躍により、マリージョアの食糧庫が破壊され、各国の天上金の輸送船も次々と襲撃されている。800年間、絶対的な恐怖と軍事力によって維持されてきた「加盟か、滅亡か」という二極化のシステムは、今まさに限界を迎え、崩壊の足音を響かせている。
5. 麦わらの一味がもたらす「真の解放」と世界の夜明け
ルフィたち麦わらの一味の航海は、図らずもこの「加盟と非加盟」という世界の不条理を次々と打ち砕いてきた。ルフィは、相手が由緒正しき世界政府加盟国(アラバスタやドレスローザ)であろうと、長年迫害されてきた非加盟の過去を持つ国(リュウグウ王国やワノ国)であろうと、国旗や政治的立場など一切気にしない。「ダチが飯を腹いっぱい食える世界」という純粋な信念のもと、支配された国々を解放し、海賊旗という新たな「自由の象徴」を掲げてきた。最終章において、ルフィが「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を見つけ、空白の100年の真実が世界に暴かれた時、天上金という呪縛で縛られた偽りの平和は終わりを告げるだろう。すべての国が加盟や非加盟という身分階級から解き放たれ、本当の意味での平等と自由を手にする「世界の夜明け」は、もう目前に迫っている。