| 項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| タイトル | GOOD DAY MERMAID(グッド・デイ・マーメイド) |
| カラー扉絵 | 麦わらの一味と象たちが描かれた賑やかなカラー見開き。 |
| 巨人村の戦い | サンジが巨人の村に到着。ザザと戦闘を開始する。サンジがザザの姿を見て「Good day, mermaid!」と声をかける(サンジ特有の反応)描写がある。 |
| イム vs ロキ/ラグニル | 決戦が継続。イムは「ニカ」と「ニーズヘッグ」に対し、「ドザン」と同様の末路(死)を辿ると語る。 |
| 軍子について | 今回の速報内では、軍子の安否に関する描写は確認されていない。 |
| ブルックの回想 | ブルックの若かりし頃(20歳)の素顔と、エスペリア王国での物語。 |
| エスペリア王国の過去 | 7歳のシュリ姫と、当時の女王キャンデル(元防衛護衛団リーダー)が登場。 |
| ブルックの経歴 | エスペリア王国の戦闘護衛団リーダーとして、女王を襲撃したシンジケートを撃退。 |
| 次回予告 | 休載なし。 |
『ONE PIECE』第1183話 統合考察:世界樹を揺るがす神話の再来と、70年の時を越える「西の海」の悲劇
第1183話は、現在のエルバフで進行する「世界の根幹(=神話)を揺るがす最終戦争」と、長年謎に包まれていたブルックの「70年前の凄絶な過去」という、スケールも時代も全く異なる2つの歴史が同時に描かれた。
一見無関係に思える「イムとロキの戦い」と「エスペリア王国の滅亡の予感」だが、これが同じチャプターに統合されていることには、尾田栄一郎先生の明確な意図がある。それは「世界政府(イム)が恐れる神話の力」と「世界政府の闇によって歴史から消された者たちの無念」が、この巨人族の島エルバフでついに交差するという強烈なサインである。
1. イムの禁忌と神話の具現化:ラグニル、ニーズヘッグ、そして「ドザン」
イムとロキの直接対決、そしてイムの口から放たれた「ニカ」「ニーズヘッグ」「ドザン」というワードは、エルバフ編がこれまでの島単位の冒険とは次元が異なり、「空白の100年」の清算そのものであることを物語っている。
「ラグニル」の覚醒:ロキが背負うエルバフの業
ロキが「ラグニル」という名(あるいは状態)で呼ばれていることは、北欧神話における世界の終末「ラグナロク」の体現者であることを意味する。エルバフの王族でありながら、なぜ彼は悪童として幽閉されていたのか。それは彼が単なる暴君だからではなく、古代巨人族がかつて持っていた「世界を破壊する禁忌の力(=ラグニル)」をその身に宿し、覚醒させてしまったからではないだろうか。
通常、世界政府の反逆者は海軍大将や五老星が対処する。しかし、イムが直々に干渉している(あるいは直接手を下そうとしている)時点で、今のロキは「体制の維持において一秒たりとも生かしておけない特級の脅威」に認定されている。ロキは悪役ではなく、世界政府という歪んだ秩序を破壊するための「必要悪」として描かれている可能性がある。
「ニーズヘッグ」の正体:世界樹(レッドライン)を喰らう者
北欧神話において「ニーズヘッグ」とは、世界樹(ユグドラシル)の根元に住み、その根を齧り続けて世界を終わらせようとする邪竜である。
『ONE PIECE』の世界において、この「世界を支える樹」とはエルバフにそびえ立つ巨大な宝樹、あるいは世界を分断する巨大な壁「レッドライン(赤い土の大陸)」そのものを暗示していると考察できる。では、それを根底から喰らい尽くす「ニーズヘッグ」とは誰を指すのか。
天のウラヌス、海のポセイドンに対し、大地(レッドライン)を穿つ巨大な古代兵器。あるいは「竜(ドラゴン)」の異名を持つモンキー・D・ドラゴンや、黒ひげ(グラグラの実による世界破壊の力)かもしれない。
イムは「ニカ(ルフィ=世界を照らす太陽)」と「ニーズヘッグ(世界を終わらせる竜)」が同時に存在することを、自身の支配体制における最大の終末(ラグナロク)として極度に恐れているのである。
歴史の亡霊「ドザン」:800年前の「大地」の王
今回最大の特大伏線が、「ドザン」という固有名詞である。「ニカやニーズヘッグも、ドザンのように死ぬ」という残酷な比較から、ドザンは「かつてイムに匹敵するほどの脅威であったが、最終的にイムの圧倒的な力によって抹殺された存在」であることが確定する。
この無骨な響きから連想されるのは、「大地」や「山」を動かすほどの規格外の存在である。初代ジョイボーイの最大の盟友であった「古代巨人族の王」なのか、あるいはオーズのような「国引き伝説」の源流となった大戦士なのか。ドザンが「空白の100年」において世界政府とどう戦い、いかにして敗れたのか。その凄惨な歴史がエルバフの奥深くに文献として残されていれば、ロビンの調査と合流し、「Dの意志」の真の目的が明らかになるはずだ。
2. 西の海の防壁「エスペリア王国」:70年前のブルックが守れなかった「光」
世界を揺るがす神話の戦いの裏で、ついに「西の海(ウエストブルー)の護衛団長」というブルックの原点が「エスペリア王国」という名と共に明かされた。現在90歳のブルックの20歳当時の回想、すなわち「約70年前の出来事」である。
70年前という特異なタイムラインと、裏社会の源流
この時代は、「大海賊時代」はおろか、「ロジャーや白ひげが海を支配する前の旧時代」である。当時の西の海は、現在カポネ・ベッジが属していた「西の5大ファミリー」のようなマフィアやギャングが台頭し始めた時期に重なる。
ブルックが撃退した「シンジケート」とは、単なるゴロツキの集まりではなく、この裏社会の源流となる巨大組織であったと推測できる。そして『ONE PIECE』において、強大な裏社会の組織の背後には、得てして「世界政府(サイファーポールや天竜人)」の思惑が絡んでいる。
エスペリアの「矛」ブルックと「盾」キャンデル女王
エスペリア(Esperia)は「宵の明星(金星)」や「西の地」を意味し、キャンデル(Candel)は「キャンドル=光・炎」を意味する。『ONE PIECE』において「光」は、「太陽の神ニカ」や「ネフェルタリ・D・リリィ(夜明け)」に連なる、世界政府に抗う者たちの極めて重要なテーマである。
キャンデル女王が「防衛護衛団(盾)」の元リーダーであり、ブルックが「戦闘護衛団(矛)」のリーダーであったという事実は、エスペリア王国が「常に強大な外敵(世界政府の息がかかった闇の組織など)から、何か重大な秘密を守り抜かなければならない過酷な軍事国家」であったことを示している。例えば、西の海に存在したとされる「ポーネグリフ」の守護、あるいは古代兵器に関する重大な血筋を引いていた可能性である。
シュリ姫の行方と、ブルックが背負う「騎士の後悔」
当時のシュリ姫は7歳。ブルックはこの後、何らかの理由で王国での地位を失い、ルンバー海賊団へと身を投じる。その背後には、ブルックの奮闘むなしく、キャンデル女王の死、あるいはエスペリア王国の滅亡といった逃れられない悲劇があったはずである。
ブルックが「命を粗末にするな」と激しい怒りを露わにし、ラブーンとの約束に自らの魂を縛り付けるほど執着する理由は、ただ孤独だったからではない。「若き日に、最も命を懸けて守るべきだった主君(キャンデル女王やシュリ姫)を守りきれなかったという、騎士としての凄烈な後悔と絶望」が根底に焼き付いているからに他ならない。
もし当時のシュリ姫が生き延びていた場合、彼女は現在「77歳の老女」となっている(海軍のつるや、ステューシーのオリジナルであるミス・バッキンなどと同世代)。
この回想がエルバフ編で差し込まれる最大の理由は、エスペリア王国の生き残り(シュリ姫)、あるいはその末裔が、現在このエルバフの地に身を隠している、あるいは重要な役割を担って再登場するという決定的な伏線である。
3. 結論:エルバフで交差する2つの「歴史の精算」
第1183話は、イムが語る「神話級の世界の歴史(ドザン、ニーズヘッグ)」と、ブルックが抱える「70年前の個人の歴史(エスペリア王国)」が、一枚のコインの裏表として描かれている。
かつて世界政府(イム)は、世界の真実に近づいた巨大な王国(ドザンたち)を滅ぼした。そして70年前、同じように世界政府の闇(シンジケート)は、西の海で「光(キャンデル)」を宿すエスペリア王国を滅ぼした(あるいは致命的な打撃を与えた)のではないだろうか。
マクロな世界の謎と、ミクロな一人の騎士の悲劇。巨人の島「エルバフ」は、ただの冒険の舞台ではなく、世界政府によって歴史から消された者たちの「怨念」と「意志」が一つに結集し、イムという神に反逆の狼煙を上げる最終決戦の地となるのだ。この圧倒的な情報の渦が、休載なしで次週どう展開するのか、まさに物語の到達点と言える凄まじい構成となっている。
前回振り返り
| 項目 | 判明した事実と描写の詳細 | 考察および分析 |
|---|---|---|
| 1. 扉絵と巻頭 | 本話のタイトルは「ザザ」である。扉絵リクエストでは、海軍大将イッショウ(藤虎)が、きつねとたぬきの作ったうどんを穏やかに味わう姿が描かれている。 | タイトルの「ザザ」は、作中で出現する未曾有の脅威を指している。扉絵の平穏さは、エルバフで勃発している神話級の戦闘との対比となっている。 |
| 2. 頂上決戦の激化 | 巨竜ニーズホッグの姿となったロキが、イムと正面から激突している。ロキは「鉄雷五矢(ラグナゴウアロー)」を放ち、対するイムは「日食爆撃(ツィツィミトル)」という強大な技で迎撃している。 | イムはロキを「裏切り者」と呼び、激しい憎悪を露わにしている。これは800年前、巨人族が政府を裏切りジョイボーイ側に加担した歴史的因縁に基づくものと考えられる。 |
| 3. 武器の能力と意思 | ロキの武器であるハンマー「鉄雷(ラグニル)」は、「リスリスの実 幻獣種 モデル‘氷リス(ラタトスク)’」を食った意志を持つ兵装である。氷と雷の衝突を利用した攻撃を繰り出し、戦場を圧倒している。 | ラグニルは自身の意識を持っており、「新しい主人を待ち続けていた」と過去の記憶を想起させる発言をしている。物に実を食わせる高度な技術が、神話の力を宿した完成された武器として描かれている。 |
| 4. リリスの分析 | ベガパンク(リリス)は、目の前の敵が五老星ではなく「神の騎士団の上司」であると見抜いた。リリス自身もイムの具体的な正体までは把握していなかった様子だが、組織の構造から闇の深さを指摘している。 | 800年という長い歳月を経て組織が巨大化すれば、その内部で深い「闇」が生み出されるのは至極当然であるとリリスは語っている。これは世界の支配構造が孕む根源的な腐敗を示唆している。 |
| 5. イムの制約と魔気 | イムは本来「外(下界)にいられぬお体」であるにも関わらず、リスクを冒してエルバフに降臨している。イムが放つ黒い炎は「魔気(オーメン)」と呼ばれ、神の騎士団員たちを大幅に強化している。 | 魔気は敵の力を奪う一方で、味方の攻撃を強化・変質させる強力なバフ・デバフ効果を持つ。イムの降臨は、エルバフに「消すべき戦力」が集結していることへの焦燥の表れとも言える。 |
| 6. 厄災:MMA「ザザ」 | キリンガムの能力により、新たなMMA(兵器)「ザザ」が誕生した。これはスライム状の巨大な水の怪物であり、エルバフの村々に壊滅的な水害をもたらしている。 | ザザはキリンガムが恐れていたものが意図せず具現化したものであり、生みの親ですら制御が困難な状態にある。高い土地に住む者にとって、水に飲み込まれることは伝承上の根源的な恐怖である。 |
| 7. 守られた世界の財産 | 焼失したと思われていたオハラの文献は、イクイクの実の能力者であるビブロによって事前に「隠し部屋」へ移動させられていた。ロビンは本の無事を確認し、ビブロに深い感謝を伝えている。 | サウロが命懸けで守り抜こうとした世界の財産が、ビブロの能力という奇跡によって完全な形で保存されていた。これにより、「空白の100年」を解き明かすための鍵が未来へ繋がれたといえる。 |
| 8. ゲルズの負傷 | ゲルズはイムの攻撃を受け、指を鋭く斬り落とされるという凄惨な負傷を負った。チョッパーが緊急の接合手術を行っており、指は繋がる見込みだが完治には数ヶ月を要する。 | ゲルズは治療者という立場でありながら、自身が負傷し何もできなかった己の不甲斐なさを吐露している。強大な力の前に屈した戦士の無念が強調されている描写である。 |
| 9. 麦わらの一味の奮起 | サンジは子供たちの誘拐を阻止するため深手を負いながらも、エルバフを守る強い意志で抗戦している。ゾロもまた「ダチの国はおれの国」というルフィの信念のもと、新巨兵海賊団と共に最前線に立っている。 | ルフィやウソップが憧れた地を汚させないという一味の覚悟が描かれている。負傷を抱えながらも、一味の主力は退くことなく神の騎士団およびイムの軍勢に立ち向かっている。 |
| No. | 沸騰ワード | トレンドの要因・詳細解説(加筆版) |
|---|---|---|
| 1 | ゲルズの指無事! チョッパーの神医術 |
前話の恐ろしい引きから一転、鋭く斬り落とされたゲルズの指をチョッパーが完璧に縫合!「完治に何ヶ月もかかる」というリアルな医療描写が、逆にチョッパーの医者としての信頼感を高めています。タイムラインでは「さすが麦わらの一味の船医!」「推しの欠損という絶望から救ってくれてありがとう尾田先生…!」と安堵と感謝のポストが溢れました。 |
| 2 | 鉄雷(ラグニル)の正体は 「悪魔の実」を食べたハンマー |
読者の度肝を抜いた今週最大のサプライズ。ラグニルは巨人族の戦士ではなく、「リスリスの実 幻獣種 モデル“氷リス(ラタトスク)”」を食べた「ハンマー」でした。無機物に悪魔の実を食わせるという初期からの伝統的ギミックの復活に加え、「雷は氷の衝突によって生まれる」という実際の気象学のロジックをファンタジーに落とし込む尾田先生の圧倒的な発想力に、考察界隈がスタンディングオベーション状態です。 |
| 3 | ロードの変わらぬオタクっぷりと 「いらない 辛辣!!」 |
シリアスな負傷シーンの直後、ゲルズの無事を知ったオタク巨人ロードが「拙者の全指提供つかまつりたい!!」と泣き叫ぶも、ゲルズに「いらない」と即答される見事なギャグテンポ。殺伐とした戦場における最高の癒やし枠として、「ロード、ブレないなww」「このテンポ感こそワンピの真骨頂」と大バズりしています。 |
| 4 | 「雨の神ザザ」の 恐るべき顕現 |
キリンガムやソマーズの儀式によって呼び出された「雨の神ザザ」。レッドラインの頂上に住み、雲の下の天候を知らない天竜人にとって「雨」がいかに恐ろしい存在であるかを示す象徴的な描写です。その禍々しいデザインと、子供たちを容赦なく狙う絶望感が、「歴代屈指のホラー展開」「トラウマになるレベル」と話題を呼んでいます。 |
| 5 | 空島編の特大伏線 「4つの神」の回収 |
雨の神が本格登場したことで、20年以上前の空島編で語られた「太陽の神、雨の神、森の神、大地の神」という伝説が、単なる神話ではなく実在の力として回収され始めました。「ルフィ(太陽)だけじゃなかったのか!」「どれだけ前からこの展開を構想していたんだ…」と、古参ファンを中心に驚愕の嵐が吹き荒れています。 |
| 6 | 第一世界とイム様の深い因縁 (ラグニル&ニーズホッグ) |
最新の描写から、氷リスのラグニルや雷竜ニーズホッグが、はるか昔の「第一世界」においてイム様と顔見知り(あるいはかつての仲間?)であった可能性が急浮上。「あの頃のまま新しい主人を待ち続けていた」というラグニルのエモい背景と相まって、空白の100年よりさらに古い世界の成り立ちに迫る特大の考察祭りが起きています。 |
| 7 | ロキと鉄雷の共闘技 「鉄雷五矢(ラグナゴウアロー)」 |
ロキが頭に鎮座する鉄雷(氷リス)の放つ強力な冷気と、自身の雷を融合させて放つ広範囲攻撃「鉄雷五矢」。散弾銃のように降り注ぐ氷と雷の結晶という視覚的な美しさと破壊力に、「ロキの戦闘スタイルかっこよすぎる!」「幻獣種とのコンビネーション技はチート」とバトル面での評価が爆上がりしています。 |
| 8 | 両翼(ゾロとサンジ)の 西の村への快進撃 |
危機的状況に陥っている西の村の巨人族や子供たちを救うため、ついに麦わらの一味の頼れる両翼・ゾロとサンジが向かっていることが判明。「この2人が来ればもう安心だ」「エルバフでの両翼の共闘が早く見たい!」と、次週以降のカタルシスに向けた読者のボルテージが最高潮に達しています。 |
| 9 | スタンセンの自己犠牲と エルバフの誇り |
敵の強烈な一撃から、新巨兵海賊団の船長であるハイルディンを庇って脚に重傷を負ってしまったスタンセン。己の身を挺して長を護る巨人族の誇り高さと、彼らの熱い絆を描いたこのシーンは、「スタンセン男前すぎる」「涙腺崩壊した」と、多くの読者の心を打ちました。 |
| 10 | 天竜人と「天気」の 因果関係 |
「天気は人の生き方を左右する」という作中のセリフを皮切りに、偉大なる航路(グランドライン)の異常気象や空島の天候、と天竜人のルーツなどがすべて「天候を支配する(あるいは恐れる)力」に結びついているのではないか、というマクロな視点での物語の根幹に関わる考察がトレンド入りしています。 |
ワンピース1183話 麦わらの一味両翼vs神の騎士団
第1180話において全世界の読者を絶望の淵に叩き落とした、世界の王・イム様による「瞬殺」という衝撃的な敗北劇。その余韻から息をつく暇さえ与えられず、第1182話では巨人の国エルバフに未曾有の危機が訪れた。今回の敵として立ち塞がる神の騎士団の刺客、キリンガムとソマーズは、単なる新天地の強敵ではない。彼らは「一度敗北した後にイム様の未知なる力『魔気(マキ)』によって蘇生し、底知れぬパワーアップを果たした存在」なのだ。この事実は、これから始まる戦いの持つ意味合いを根本から変質させる。
満身創痍のルフィの両翼、ゾロとサンジ。彼らが、自分たちを赤子のように捻り潰した「魔気」の片鱗を纏う亡霊たちにどう立ち向かうのか。本記事では、第1183話以降の激闘の行方と、その戦いが麦わらの一味にもたらす真の覚醒について徹底考察する。
1. 絶望の連鎖:「魔気」を纏う亡霊たちとの対峙
キリンガムとソマーズがイム様の「魔気」によって強化されているという設定は、ゾロとサンジにとって、控えめに言っても最悪のシナリオである。なぜなら、彼らはただ目の前の厄介な敵と戦うだけでなく、数話前に己のすべてを否定された「イム様の圧倒的な恐怖」という凄まじいトラウマとも同時に向き合わなければならないからだ。
作中で新たに描かれつつある「魔気(マキ)」は、覇王色や武装色といった通常の覇気とは根本的に異なるベクトルを持つ、悍ましい力として描写されている。覇気が使用者の「意志の力」であるならば、魔気は触れる者すべての生命力や覇気そのものを削り取り、理屈を超えた圧力を強制する「呪い」あるいは「世界の理そのもの」に近い。この力がキリンガムとソマーズの肉体に宿っているとすれば、彼らは以前敗北した時とは全くの別次元の、理性を失った怪物に成り果てているはずだ。
特に注目すべきは、キリンガムの能力によって生み出される「雨の神ザザ(MMA)」の存在だ。この巨大な造形物もまた、魔気によって底上げされていると推測される。ザザが単なる水や天候の塊ではなく、「触れるだけで覇気や体力を奪い取る呪われた雨」をエルバフ中に降らせるような存在へと変貌している場合、村全体が巨大なデバフ(弱体化)空間に包み込まれることになる。強靭な巨人族の戦士たちでさえ、この雨に打たれれば立っていることすら困難になるだろう。イム様の圧倒的な力を前に一度心が折れかけた両翼にとって、この魔気を纏った因縁の敵との再戦は、海賊王の最高幹部としての「精神的な死と再生」を賭けた、決して負けられない試練となる。
2. ファーストコンタクトの不協和音:最悪のミスマッチ
戦闘の序盤、ファーストコンタクトは「サンジ vs キリンガム(&ザザ)」、「ゾロ vs ソマーズ」というマッチアップでスタートしたと仮定する。しかし、この組み合わせは両者にとって自らの首を絞める、最悪の相性(ミスマッチ)として機能する可能性が極めて高い。
【サンジ vs キリンガム(&雨の神ザザ)】
サンジは持ち前の圧倒的な機動力と「魔神風脚(イフリートジャンブ)」の超高熱を駆使し、キリンガムの操る巨大なザザを真っ向から蒸発させようと試みるはずだ。しかし、魔気によって強化されたザザの「雨」は、単なる物理現象としての水ではない。それは相手のエネルギーそのものを喰らう、底なしの沼のような性質を持っていると考えられる。サンジが炎を纏い、熱を上げれば上げるほど、魔気を帯びた異常な冷気と湿気がその熱を貪り食っていく。ジェルマの科学力によって覚醒した外骨格を持つ強靭なサンジの肉体でさえ、芯から凍りつくような異常な消耗を強いられるだろう。「どれだけ燃やしても、決して燃やし尽くせない」という、実態のない神の力に対するサンジの焦燥感と無力感が残酷なまでに描かれるはずだ。
【ゾロ vs ソマーズ】
一方で、前衛の物理アタッカーであるソマーズと激突したゾロの状況も絶望的だ。普段であれば、力と力のぶつかり合い、純粋な剣戟はゾロの最も得意とする土俵である。しかし、ソマーズの肉体が魔気によって特殊なコーティング(あるいは変質)を施されている場合、事態は一変する。ゾロの放つ「閻王三刀流」の鋭い斬撃が、まるで分厚い泥の壁、あるいは底なしのブラックホールに刃を沈めるように、その威力を完全に殺されてしまう展開が予想される。
特にゾロの愛刀「閻魔」は持ち主の覇気を過剰に放出させる妖刀だが、魔気という異質な力に触れたことで、閻魔自身が暴走する危険性すらある。魔気に対抗しようと閻魔がゾロの流桜(覇気)を限界以上に吸い上げ、ゾロ自身が干からびる寸前まで追い込まれる描写があってもおかしくない。イム様との戦いで「覇王色を纏った渾身の一撃すら全く通じない」という絶望を味わったゾロにとって、魔気で強化されたソマーズの理不尽な防御力は、その悪夢を鮮烈にフラッシュバックさせるのに十分すぎる障壁となる。
3. 逆転のスイッチング:極限状態での共鳴
お互いに「自分の持ち味が完全に殺される」という息苦しい閉塞感。そこに追い打ちをかけるように、イム様から受けた重傷が2人の動きを徐々に鈍らせていく。序盤は、為す術もなく防戦一方の圧倒的劣勢を強いられる展開になるだろう。エルバフの戦士たちですら、手出しできない神々の領域の戦いに息を呑むしかない。
しかし、このまま泥臭く敗北を受け入れるような「両翼」ではない。これまで幾多の死線を潜り抜け、四皇の最高幹部たちをも打ち破ってきた2人の真骨頂は、土壇場で見せる異常なまでの戦闘IQと、状況に対する神がかった適応力にある。第1182話のラストシーンにおける「おい!! しっかりやれよ!!」「てめェもな!!!」という血を吐くような応酬。あれは単なるいつもの悪態ではない。極限状態の中で、お互いの戦況と敵の性質を瞬時に分析し、現状の打破にはそれしかないと悟った結果の「対戦カードの強制変更(スイッチ)」の合図に他ならない。
【カード変更後:ゾロ vs キリンガム(&ザザ)】
実体がなく、魔気で炎を喰らうザザに対しては、ゾロの「斬る」という概念そのものをさらに一段階昇華させた剣技が有効となる。アラバスタ編でのMr.1戦で「鉄を斬る(万物の呼吸を知る)」ことを覚え、パンクハザード編などで「炎を斬る」ことを体得し、ワノ国では覇王色を纏うに至ったゾロ。今回彼が挑むのは、ザザという現象、あるいはその奥に潜むキリンガムの「魔気そのものを両断する」という、剣士としての人外の境地だ。
覇気すらも飲み込む魔気に対し、覇王色を超えたゾロ独自の「阿修羅」の精神力、あるいは純粋な「殺意」にも似た剣気が、不可視の魔気を切り裂く瞬間が必ず訪れる。和道一文字、三代鬼徹、そして閻魔。三振りの刀が魔気の圧力に軋みながらも、刀という物理的な媒体を超え、概念すらも断ち切る大剣豪への階段を、ゾロはこの死闘の中で駆け上がるのだ。
【カード変更後:サンジ vs ソマーズ】
一方、斬撃を吸収してしまう魔気コーティングのソマーズに対しては、サンジの「内部破壊を伴う打撃」が致命的に突き刺さる。ジェルマの科学力による外骨格の硬度、武装色の覇気、そして限界を超えて燃え上がる「情熱」の炎。これらを掛け合わせたサンジの蹴りは、ソマーズの魔気の装甲を表面から叩き割るという無謀な手段はとらない。
運動エネルギーと超高熱を、強固な防御を透過して直接体内に浸透させる戦い方にシフトするのだ。ワノ国でのクイーン戦で見せたような、見聞色の覇気を極限まで研ぎ澄ました立ち回りで、ソマーズの魔気の流れのほんの僅かな隙間を縫い、内臓を直接焼き焦がすようなテクニカルかつ暴力的な連続攻撃が炸裂する。圧倒的なスピードと精密な熱量コントロールが、不死身の亡霊を内側から崩壊させる。
4. エルバフの誇りと「太陽の神」の翼
この激闘を目の当たりにしているエルバフの巨人族たちの反応も、物語の重要なスパイスとなるだろう。かつてリトルガーデンから彼らを見守ってきたドリーとブロギーは、血まみれになりながらも一歩も引かないゾロとサンジの姿に、巨人族の誇り高き戦士の魂を重ね合わせるはずだ。
ルフィが「太陽の神ニカ」として覚醒した今、巨人族にとってルフィは信仰の対象とも言える絶対的な存在となっている。しかし、その神を支える「両翼」が、ただ神にすがるのではなく、自らの血を流し、牙を剥き出しにして神の騎士団の「魔気」に立ち向かっている。その姿は、エルバフの古い信仰を揺るがし、「神に仕える者」ではなく「共に世界をひっくり返す対等な戦士」としての麦わらの一味の異常性を、巨人たちに強く印象付けることになるだろう。彼らの戦いは、エルバフ全土を巻き込む巨大な熱狂の渦を生み出していく。
5. 決着:魔気を打ち砕く両翼の一撃
戦いの終盤、盤面は明確な1対1の構図を完全に崩し、入り乱れた2対2の目まぐるしい変則タッグマッチへと発展していく。
魔気によって蘇ったキリンガムとソマーズは確かに強大で、恐ろしいまでの力を持っている。だが、所詮は「他人の力(イム様の力)で無理やり動かされているだけの操り人形」に過ぎない。自らの意志で限界を超えようとする者たちとは、根源的な魂の強さが違う。それに対し、ゾロとサンジには、普段はいがみ合いながらも、長年ルフィの両翼として背中を預け合い、数々の地獄を共に乗り越えてきた「生身の絆と絶対的な信頼」があるのだ。
「おいマリモ、そこどけ!」「指示すんじゃねェエロコック!」と口汚く罵り合いながらも、サンジがソマーズを空中に蹴り飛ばしたその完璧な軌道上に、当然のようにゾロが待ち構えており、キリンガムの放つ魔気ごと一刀両断に斬り捨てる。かつてのデービーバックファイトや、スリラーバークでの共闘を彷彿とさせるような、事前の打ち合わせなど一切存在しない、魂のレベルで連動したコンビネーション。互いの技の威力、射程、タイミングを細胞レベルで理解しているからこそ可能な阿吽の呼吸だ。これが、機械的に強大な魔気を振るうだけの亡霊たちを完全に圧倒し、戦局に決定的な終止符を打つ。
6. 勝利の先に見えるもの:イム様打倒への絶対的な布石
この過酷なバトルの最大の意義は、エルバフの村を救うことだけではない。ゾロとサンジが「魔気という得体の知れない未知の脅威を、自分たち自身の力で完全に克服する」という、かけがえのない成功体験を得ることにある。
満身創痍の状態で、かつて自分たちの心をへし折り、圧倒的絶望に突き落とした「世界の王」の力。その一部とはいえ、自らの手で打ち破ることは、今後の最終決戦において「イム様は決して無敵の存在ではない」という最大の希望の光となる。このエルバフにおけるキリンガム&ソマーズとの死闘は、単なる防衛戦や前哨戦の枠に収まらない。ルフィを真の海賊王にするために、両翼の二人が「世界の頂点の力」に対する免疫と確かな対抗策を身につけるための、極めて重要なターニングポイントとしてワンピースの歴史に深く刻まれることになるのである。
ワンピース「空白の100年」相関図!イム聖とジョイボーイの因縁から現代の血脈まで総まとめ
1. 登場人物の基本プロファイル & リンクする古代兵器・遺物
- イム聖:世界の頂点に君臨する存在。パンゲア城「虚の玉座」に座る。不老手術を受けている可能性が高い。
リンクする兵器【ウラヌス】:ルルシア王国を跡形もなく消し去った「空飛ぶ何か」。マザーフレイムを動力として現在もこれを保持・使用している可能性が高い。 - ジョイボーイ:空白の100年に実在した「解放の戦士(太陽の神ニカ)」。最初の海賊とも言われる。
リンクする兵器【ポセイドン】:空白の100年に実在した人魚姫と交流があり、ポーネグリフに「約束を破った謝罪文」を残している。 - ネフェルタリ・D・リリィ:アラバスタ王国元女王。最初の20人の一人だが、天竜人にはならず、ポーネグリフを世界に散らした張本人。
リンクする兵器【プルトン】:彼女の治めていたアラバスタには、戦艦プルトンの在処(ワノ国)を示すポーネグリフが代々守り継がれている。 - ニーズホッグ(戦さ神):エルバフの伝承に残る漆黒の竜。現在はロキが「リュウリュウの実 幻獣種 モデル“ニーズホッグ”」を食べてその力を宿しているが、過去には独立した意思を持つ存在(あるいは別の能力者)として生きていた。
- ズニーシャ(象主):800年以上前から生き続ける、島(ゾウ)を背負う超巨大な象。
- エメト(鉄の巨人):約900年前に作られたオーパーツ的な巨大ロボ。
- 光月一族(ワノ国):ワノ国を治める将軍家であり、優れた技術を持つ「石工の一族」の末裔。世界政府には非加盟であり、巨大な力から国を守るため、そしてある目的のために国を「鎖国」した。
- デービー・D・ジョーンズ(デービー・ジョーンズ):空白の100年に実在したもう一人の「伝説の海賊」。ロックス・D・ジーベック(本名:デービー・D・ジーベック)やマーシャル・D・ティーチの祖先にあたるとされる「D」の一族。「深海に生きる悪魔」として後世の伝説に名を残している。
- 当時の人魚姫(古代兵器ポセイドン):空白の100年にリュウグウ王国に実在した人魚姫。海王類と心を通わせ、彼らを動かすことができる「世界を滅ぼす力」を持っていたジョイボーイの盟友。
◆ 重要な舞台・拠点・現象・遺物
- 聖地マリージョア:レッドラインの頂上に位置する「神々の地」。天竜人(世界貴族)の居住区であり、世界政府の中心地。パンゲア城や、世界の王が存在しない証とされる「虚の玉座」、そしてジョイボーイの麦わら帽子が眠る「冷凍施設」やリリィの肖像画が飾られた「花の部屋」が存在する。
- 世界規模の海面上昇(水没する世界):ベガパンクの配信により暴露された、世界の真実。空白の100年の間に、古代兵器の力によって人為的に世界中の海面が「200m」上昇し、かつての大陸は海に沈んだ。現在もルルシア王国消滅などの際に海面が上昇しており、イム聖を頂点とする陣営が古代兵器を用いて世界を水没させ、限られた陸地(レッドラインなど)で生き残ることで完全な支配を企てた、あるいはジョイボーイの勢力を海に沈めるために引き起こした大災害であると推測される。
- 歴史の本文(ポーネグリフ):ジョイボーイと強固な同盟関係にあったワノ国の「光月一族」が、敗北を悟った際に真実を後世に残すために作り出した、絶対に破壊できない特殊な石碑。空白の100年の真実、古代兵器の在処、そしてラフテルへの道筋(ロード・ポーネグリフ)が記されており、イム陣営による「歴史の隠蔽」に対する最大のカウンタープランとして機能している。
2. キャラクター間の相関 + 重要キーワードの繋がり
【イム聖 ⇔ ジョイボーイ】 = 元友達 / 愛憎と対立
- 事実と考察:最新の展開の回想にて、かつて2人が楽しげに語り合う「良好な関係(友達)」であったことが判明。イム聖はジョイボーイに対して「信じていたのに」といった強い感情(クソデカ感情)を抱いており、単なる敵対ではなく「親友や兄弟のような関係からの裏切り」を感じている可能性が高い。思想の違い(支配 vs 自由)が決定的な対立を生んだと考えられる。
- 象徴アイテム【巨大な麦わら帽子】:パンゲア城の冷凍施設にイム聖がひっそりと保管しているジョイボーイの遺品。イム聖が彼を討ち取った「戦利品」であると同時に、かつての親友に対する捨てきれない未練や執着、そしてエメトの件を踏まえると「恐怖」が入り混じった極めて複雑な感情の象徴として2人を繋いでいる。
- 象徴キーワード【沈みゆく世界と方舟ノア】:イム側が古代兵器(ウラヌス等)を用いて人為的な「海面上昇」を引き起こし世界を水没させようとしたのに対し、ジョイボーイ側はそれに対抗(あるいは人々を救済)するために動いていたと考えられる。魚人島に残された「方舟ノア」は、迫り来る海面上昇から種族を超えて人々を避難させるためのジョイボーイの切り札であった可能性が高い。思想の違いだけでなく、「世界を海に沈めるか否か」という世界の存亡そのものが、二人の対立の決定的な要因となった。
【イム聖 ⇔ リリィ】 = 執着 / 婚約者説・三角関係説
- 事実と考察:イム聖は「花の部屋」にリリィの巨大な肖像画を飾っており、彼女に特別な感情(恋心や執着)を抱いていたことが伺える。読者間では「婚約者だったのでは?」という説も根強い。彼女がジョイボーイ側(Dの意志)に共鳴してしまったことが、イム聖の歪んだ支配欲の引き金になったという三角関係説も存在する。
- 象徴キーワード【Dの名と壊せぬ石への憎悪】:イム聖は「D」という名に強い憎悪を抱いているが、コブラ王からリリィの本当の名が「ネフェルタリ・D・リリィ」だと聞かされた際、激昂した。自分が愛した(あるいは自分のものになるはずだった)女性が、憎き宿敵の意志を継いでいたという絶望が表れている。さらに、彼女が「歴史の本文」を世界中に散らした張本人であることは、イム聖の「完全なる支配と歴史の隠蔽」という目論見を永遠に打ち砕く致命的な裏切りであった。
- 象徴キーワード【聖地マリージョアの由来】:元の画像にもあった「聖地マリージョアの由来はここからか」という一文は、この婚約説と密接に関わっている。「マリー(Marry=結婚)」「ジョア(Joie=フランス語で喜び/Joy=ジョイボーイ)」という言葉の響きから、「イム聖がリリィとの結婚(マリー)を夢見て名付けた」「あるいは、リリィとジョイボーイ(ジョア)の愛の証であるはずだったものをイムが奪い取った」など、愛憎にまみれた地名であるという恐ろしい考察が存在する。
【ジョイボーイ ⇔ リリィ】 = 共犯者 / 駆け落ち説
- 事実と考察:リリィの「ミス(歴史の本文の解放)」によってポーネグリフが世界に散らばり、結果的にジョイボーイの「Dの意志」が後世に残ることになった。「駆け落ち説」は、リリィがアラバスタに帰還せず消息を絶った理由として非常にロマンチックかつ整合性のある仮説である。彼女はイム聖の支配から逃れ、ジョイボーイと共に海へ出た(あるいは彼をかばって命を落とした)可能性がある。
- 象徴キーワード【Dの一族(Dの意志)と真実の拡散】:リリィが「D」の名を冠していることは、彼女がイム側の人間ではなく、完全にジョイボーイ側(神の天敵)に加担していた最大の証拠。彼女の「ミス」は決して偶然ではなく、光月家が作り出した「歴史の本文」を自らの権限や能力を用いて世界中に意図的に散らした、ジョイボーイの思想を後世の海賊たちに託すための完璧な共犯行為だったと言える。
【ジョイボーイ ⇔ ニーズホッグ】 = 宿敵 / 神々の対立
- 事実と考察:エルバフの伝承において、「太陽の神(ニカ=ジョイボーイ)」と「戦さ神(巨大な竜=ニーズホッグ)」は対立していたとされている。空白の100年において、ジョイボーイの最大の壁の一つがこのニーズホッグの力を持った存在だったと考えられる。
【イム聖 ⇔ ニーズホッグ】 = 決裂 / 裏切り
- 事実と考察:イム聖がニーズホッグ(ロキ)と対峙した際、「またこの世で会う事になろうとは…裏切り者が…!」と発言しており、古い因縁があることが確定している。かつてニーズホッグはイム聖の陣営(20の王側)の強力な戦力だったものの、途中で命令に背いた、あるいは最終的にジョイボーイ側に寝返ったために「裏切り者」と呼ばれていると推測できる。
【ジョイボーイ ⇔ ズニーシャ】 = かつての仲間 / 悔恨と罰
- 事実と考察:800年前、ジョイボーイの仲間であった。ルフィ(太陽の神ニカ)の鼓動を「解放のドラム」と呼び、彼の帰還に歓喜した。
- 象徴キーワード【大罪とロード・ポーネグリフの守護】:ズニーシャは過去に「罪」を犯し、命じられるまま永遠に歩き続ける罰を受けている。海面が200m上昇した世界において、異常なまでに長い足を持つズニーシャが「海を歩き続けている」こと自体が、海面上昇を生き延びるためのジョイボーイ側の策、あるいは大罪の代償であったとも考えられる。そしてズニーシャの背にあるモコモ公国には、ラフテルへ導くための最重要石碑「ロード・ポーネグリフ」の一つが隠されており、罪を背負いながらもジョイボーイの遺産を800年間守り続けている。
【ジョイボーイ ⇔ エメト】 = 大切な友達 / 時代を超えた切り札
- 事実と考察:エメトはジョイボーイに対し「ごめんねジョイボーイ」と強い謝罪の念を持っている。エッグヘッド編にて、ジョイボーイが「いざって時」のためにエメトの体内に結び目として封じていた『最大級の覇気』を解放し、ルフィたちを救った。
- 象徴キーワード【ニカの鼓動と結び目】:エメトはルフィ(ニカ)の「解放のドラム」を動力源(トリガー)として目覚めた。ジョイボーイが未来の危機を見越して親友に強大な覇気を託していたことは、彼が「自分が敗北し、数百年後に歴史の本文を読み解き意志を継ぐ者が現れること」を確信していた証拠と言える。
【イム聖 ⇔ エメト】 = トラウマ / 恐怖と憎悪
- 事実と考察:エメトは200年前、突如としてレッドラインを登り聖地マリージョアを襲撃しようとした(エネルギー切れで失敗)。さらに現代、エメトから放たれたジョイボーイの覇気を感じ取ったイム聖は、パンゲア城で膝をつき、声を荒らげて激しく動揺した。
- 象徴キーワード【ジョイボーイの幻影】:イム聖にとって、エメトから放たれた覇気は単なる脅威ではなく、「かつての親友であり最大の宿敵」の生々しい記憶そのものである。エメトはイム聖の冷静さを失わせるほどのトラウマを呼び起こす存在として機能した。
【ジョイボーイ ⇔ 光月家】 = 盟友 / 「夜明け」への布石
- 事実と考察:ジョイボーイの強固な同盟国。敗北を悟ったジョイボーイの意思を受け、光月家の石工たちは決して砕けない石「歴史の本文(ポーネグリフ)」を造り出し、世界の真実を後世に遺した。
- 象徴キーワード【鎖国と古代兵器プルトンの秘匿】:光月家は巨大な力(世界政府・イム陣営)から国を守り、いずれ来る「ジョイボーイの帰還(夜明け)」に備えるために、ワノ国を完全な「鎖国」状態にした。さらに、彼らはワノ国の地下深く、かつての国土を沈める形で巨大な防壁を築き、そこに「古代兵器プルトン」を隠匿している。世界を海に沈めようとする敵に対し、最高クラスの戦力を文字通り「封印して守り抜く」という大役を担った。
【光月家 ⇔ ズニーシャ】 = 主従関係 / 千年の誓い
- 事実と考察:ズニーシャは光月一族(モモの助など特定の血筋)の「声」だけを聞き取り、その「命令」に従うという絶対的な主従関係あるいは盟約で結ばれている。
- 象徴キーワード【ミンク族との兄弟分】:ズニーシャの背に住むミンク族と光月家は「固めの盃」を交わした兄弟分であり、ミンク族は「世界が夜明けを迎える」その時まで光月家のために命を懸ける誓いを立てている。ジョイボーイの仲間であったズニーシャが、なぜ光月家の命令にのみ従うのかは、空白の100年におけるジョイボーイ、光月家、ズニーシャの三者間の強固な絆と、ズニーシャの「罪」に深く起因していると考えられる。
【イム聖 ⇔ 光月家】 = 盲点にして最大の障害 / 歴史を刻む者たち
- 事実と考察:イム聖の目的である「歴史の完全なる隠蔽」を物理的に不可能にしたのが、光月家が作り出したポーネグリフである。世界政府非加盟を貫き、侍たちの強さによって不可侵を保ったワノ国は、イム陣営にとって長きにわたる目障りな存在であり続けた。
【ジョイボーイ ⇔ デービー・ジョーンズ】 = 宿命のライバル / 「D」の二つの道
- 事実と考察:空白の100年において、ジョイボーイが「太陽・解放・自由」を象徴していたのに対し、デービー・ジョーンズは「闇・束縛・貪欲による支配」というもう一つの極地を象徴していたとされる、同時代の伝説の海賊。
- 象徴キーワード【二つのDの意志とデービーバックファイト】:同じ世界政府(20の王)という共通の敵を持ちながらも、その思想の違いからジョイボーイとは激しく対立、あるいは全く別の道を歩んだ「もう一人のD」である可能性が高い。「デービーバックファイト」は、ただの海賊のゲームではなく、元々はこの「D」の末裔たちによる神への反撃、あるいは強者を奪い合い一族の勢力を拡大するための古代の掟であった可能性が浮上している。
【イム聖 ⇔ デービー・ジョーンズ(デービー一族)】 = 抹殺対象 / 闇の系譜への恐怖
- 事実と考察:イム聖率いる陣営はジョイボーイの歴史だけでなく、この「デービー」の名と血筋もまた、世界から徹底的に抹消しようとしていた。
- 象徴キーワード【悪魔の呪いと深海の監獄】:伝説では「悪魔に呪われて深海に生きている」とされるジョーンズだが、これは海面上昇を引き起こしたイム陣営によって物理的に「海の底(冥府)」へ落とされた、あるいはロックスのゴッドバレー事件のようにイムの特殊な能力(黒転支配など)によって一族ごと呪いを受けた暗喩であると考えられる。ジョイボーイの「太陽(ニカ)」とは対極にある、ティーチやロックスに連なる「闇(ヤミヤミなど)」の源流として、イムにとって拭い去れないもう一つの巨大な恐怖となっている。
【ジョイボーイ ⇔ 当時の人魚姫(ポセイドン)】 = 果たせなかった約束 / 謝罪文
- 事実と考察:ジョイボーイは空白の100年に実在した人魚姫と深い交友があり、魚人島の海の森に「約束を破ったことへの謝罪文」を歴史の本文(ポーネグリフ)として残している。
- 象徴キーワード【海王類と方舟ノアの使命】:この約束とは、「ポセイドンの力で海王類を操り、方舟ノアを引かせて魚人島の人々(あるいは海面上昇から逃れようとする地上の人々)を救済する」ことだったと推測される。しかし、ジョイボーイが敗北したことでこの大規模な救出作戦は失敗し、約束は果たされなかった。ノアは来るべき「約束の時(ジョイボーイの再来)」まで、魚人島で大切に保管されることとなった。
3. 時系列の変化による関係性の反転(Before / After)
この複雑な相関図は、空白の100年の間に起きた「関係性の劇的な変化」を前提としている。
- 【初期(良好な関係)】
イムとジョイボーイは親友として語り合う仲であった。イムとリリィも婚約に近い良好な関係にあったと考えられ、ニーズホッグもイム配下の強力な戦力として存在していた。また、この時代のどこかでデービー・ジョーンズという異端の力も台頭し始める。ジョイボーイは人魚姫と種族を超えた絆を結ぶ。 - 【決裂後(破局・対立・そして海面上昇と石の拡散へ)】
ジョイボーイの「解放」の思想と、イムの「支配」の思想、さらにデービー・ジョーンズの「貪欲・闇」の思想が複雑に絡み合い衝突。リリィは天竜人となることを拒みジョイボーイの思想に共鳴(駆け落ち・共犯関係へ)。ニーズホッグも何らかの理由でイムを裏切る。結果として、世界を二分(あるいは三分)する戦争へと突入し、その最終局面に「古代兵器の使用による200mの海面上昇(大陸の水没)」という世界の姿を永遠に変えてしまう大破局が引き起こされる。しかし敗北を悟ったジョイボーイ陣営は、光月家が作り出した「歴史の本文」をリリィの手によって意図的に世界中へ散らばせ、ポセイドンとの約束を未来へ託すことで、後世への希望を遺した。
4. 陣営と思想の構図(最終サマリー)
これらの相関は、最終的に以下の三つの陣営・思想の分断としてまとめることができる。
- 【支配・水没・隠蔽の陣営】 イム聖 (+ かつてのニーズホッグ)
手段と状態:古代兵器ウラヌスによる恐怖政治。ジョイボーイの遺物(麦わら帽子)を凍結させ、その覇気に怯えながら、ポーネグリフの解読を世界的な大罪と定め、歴史を徹底的に隠蔽・消去する。さらには人為的な「海面上昇」によって世界を海に沈めることで、反抗の芽を地形ごと完全に摘み取ろうとする「過去に囚われた」陣営。現在は、かつての思惑が入り混じったレッドラインの頂上「聖地マリージョア」に君臨し、迫り来るさらなる水没からも安全な場所を確保し続けている。 - 【自由・救済・伝承の陣営】 ジョイボーイ & リリィ & ズニーシャ & エメト & 光月一族 & 当時の人魚姫(+ ミンク族・魚人島)
手段と状態:古代兵器ポセイドン・プルトンへの関与。自身の敗北と「世界の水没」を悟りながらも、絶対に壊れない石碑「歴史の本文」の作成と鎖国によるプルトン秘匿(光月一族)、その石碑の拡散(リリィ)、ロード・ポーネグリフを背負い歩き続ける島(ズニーシャ)、託した覇気(エメト)、そして人々を救う方舟ノア(人魚姫)という形で、800年後の「夜明け(ルフィの到達)」へ向けて驚異的な執念でバトンを繋いだ「未来を信じた」陣営。残された仲間たちが一様に「過去への強い後悔」を抱えながらも、沈みゆく世界でいつか全てをひっくり返す使命を全うしようとしている。 - 【混沌・貪欲・闇の陣営(第三勢力)】 デービー・ジョーンズ & デービー一族の末裔(ロックス、黒ひげ)
手段と状態:ジョイボーイとは異なるアプローチで世界の覇権を狙う、あるいはイムへの復讐を企てるもう一つの「D」の系譜。深海(闇)に落とされながらも、デービーバックファイトという掟やヤミヤミの力によって血脈と意志を密かに存続させ、現代において再び世界の覇権(イムの玉座)を奪い取ろうと暗躍している。
5. 現代へと繋がる血脈と意志(現存する重要キャラ・末裔一覧)
空白の100年における因縁や意志は、800年の時を超えて現代のキャラクターたちに色濃く受け継がれている。
| 過去の重要人物/存在 | 現存する本人・血を引く者・意志を継ぐ者 | 備考・現在地・状態 |
|---|---|---|
| イム聖 | イム聖(本人) | 不老手術を受けた可能性が高く、現在も聖地マリージョアの「虚の玉座」に君臨し世界を裏から支配している。 |
| ジョイボーイ | モンキー・D・ルフィ | 直接の血縁かは不明だが、「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル“ニカ”」を覚醒させ「解放のドラム」とジョイボーイの意志を完全に継承した新四皇。 |
| ネフェルタリ・D・リリィ | ネフェルタリ・ビビ | アラバスタ王国王女にしてリリィの直系の子孫。イム聖に目をつけられ、父コブラ王を暗殺された後、現在はモルガンズの元へ身を寄せている。 |
| ニーズホッグ | ロキ(呪いの王子) | 伝説の悪魔の実「モデル“ニーズホッグ”」を食し、戦さ神の力を宿したエルバフの王子。実の父である王を殺害し、現在はエルバフの雪山に幽閉されている。 |
| 光月一族 | 光月モモの助、日和、スキヤキ | カイドウとオロチの支配からワノ国を奪還。古代兵器プルトンの管理と、古代文字の読み書きの知識(スキヤキ経由)を現代に受け継いでいる。 |
| デービー・ジョーンズ | マーシャル・D・ティーチ | 直接の血筋かは確定していないが、ロックスの意志と共に「闇」と「支配・貪欲」の系譜を継ぐ新四皇。海賊島ハチノスを拠点としている。 |
| ズニーシャ(象主) | ズニーシャ(本人) | 800年前から生き続ける巨大な象。背中にミンク族の国とロード・ポーネグリフを乗せ、モモの助(光月家)からの「戦え」という命令を待ち続けている。 |
| エメト(鉄の巨人) | エメト(本人) | エッグヘッドにてルフィの「解放のドラム」に呼応し起動。体内に封じられていたジョイボーイの覇気を解放しルフィらを逃がした後、海軍の前に崩れ落ちた(機能停止・生死不明)。 |
| 当時の人魚姫(ポセイドン) | しらほし | 魚人島リュウグウ王国の王女。数百年ぶりに誕生した「海王類と話せる人魚」であり、世界を滅ぼす力を持つ古代兵器ポセイドンそのもの。ルフィと深い絆で結ばれ、来るべき「約束の時」を待つ。 |