ワンピース 完全版『エルバフの壁画と神典(ハーレイ)』解説 空白の100年に描かれた子供の落書き
エルバフ神話と第三世界
1138話のラストシーンではエルバフに伝わる絵と神典に記された三つの世界が明らかになった。
ハーレイ神典は太古よりエルバフに伝わる神話。きちんとした翻訳が出来ていないがポイントとして『太陽の神ニカ』が記されている事、世界がすでに2度壊れている事が挙げられる。神典(ハーレイ)はエルバフの巨大図書館、フクロウの図書館にて管理されている。この元文をもとに世界では様々な神話や物語が派生した様だ。ここでもその解釈は多岐に渡る。
元々存在した世界→第一世界
壊れた後に創生した→第二世界
更に壊れて創生した→第三世界
壊れた機会を変革のターニングポイントとしているならば今は第三世界でそれ以前に二度滅亡している
サウロ
物語は三章あって三つ目の世界がこの現世の話と言われとる
これから起きる事だ
ニカの伝説は実は世界中にひっそりとあって
共通しとる事はこんなリズムで大笑いして登場する事
ドンドットット、ドンドットット
サウロからも神話についての補足があり現代=第三世界というのは間違いない。
第一世界
地に炎あり
人は欲望に負け
禁断の太陽に敗れた
隷人は願い
太陽の神は現れた
地の神は怒り
豪炎の蛇と共に
世界を死と闇で包んだ
彼らはもう会えないのだ
第二世界
虚無に息吹あり
森の神は魔を遣わせた
太陽は戦火を
広げるばかりだ
半月の人は夢を見た
月の人は夢を見た
人は太陽を殺し神となり
海の神は荒ぶった
彼らはもう会えないのだ
第三世界
混沌に空白あり
不都合な残影は
約束の日を思い出し
片われ月の声を聞く
太陽の神は踊り、笑い
世界を終末へと導く
太陽は回帰し
新しい朝が来る
彼らはきっと会えるだろう
太陽
どの世界でも『太陽』というワードが執拗に使われている。
神典で語られる太陽について |
禁断の太陽に敗れた |
太陽の神は現れた |
太陽は戦火を広げるばかりだ |
人は太陽を殺し神となり |
太陽の神は踊り笑い世界を終末へと導く |
太陽は回帰し新しい朝が来る |
太陽の神ニカはもちろんの事、マザーフレイムなども関連しているのではないだろうか?
世界の夜明けと新しい朝
作品第一話のタイトルに始まり、特にワノ国関連で『夜明け』というワードが使われてきた。夜明けと第三世界で語られる『新しい朝』は同義として考えて良い。1052話、難敵カイドウ・オロチの支配から放たれたワノ国を描いたタイトルは『新しい朝』であった。
ワンピースで討たれている夜明け |
第一話タイトル |
ROMANCE DAWN - 冒険の夜明け - |
ペドロ |
数百年間、我ら一族と光月家が待ち続けた世界を夜明けへと導く者達だ |
ネコマムシ |
わしは ネコマムシ!世界の夜明けを待つ男! |
ペドロ |
"夜明け前"ダンナ達の待つ「世界の夜明け」の礎となるならおれは本望 |
ヤマト |
世界を夜明けに導くのは君なんだよ |
錦えもん |
ワノ国に必ず夜明けはくる |
ネフェルタリ・D・リリィ |
‥ゆく世界に夜明けの旗を掲げ‥ |
太陽の神
神典での最重要人物は太陽の神
現代においてはヒトヒトの実モデルニカを覚醒させたモンキー・D・ルフィの事を指している。
過去にも覚醒者は存在していたが判明しているのはジョイボーイのみ。
ヤルルの語る神典
ハーレイによれば世界はすでに二度壊れている
そしてその都度『太陽の神ニカ』の存在が刻まれておるのだ
世界が壊れぬ様現れた英雄か
全てを壊した破壊者か
彼はこの世界が大きく形を変える時に現れる
ゆえに、時の権力者達はニカの出現を恐れるのだ
変革の時に現れる太陽の神は必ずしも世界を救うわけではなく破壊者と解釈する者もいる。
現代=第三世界では太陽の神が『世界を終末に導く』と記されている。
既に世界政府にとって大きな障壁となっているルフィではあるがこのままいけばルフィは世界を破壊してしまう運命の様だ
第一世界『元祖ニカ』 |
第二世界『ジョイボーイ』 |
第三世界『ルフィ』 |
ニカの能力を持つ者を太陽の神としている。ジョイボーイ、ルフィがそれにあたるが古来には能力のモデルとなったニカが実在していたのかもしれない
空白
混沌に空白あり。ストレートに捉えればこれは900〜800年前の歴史『空白の100年』を指している。
第三世界は空白の100年が明けた800年前から現代までの出来事を示唆している様だ。
不都合な残影も『世界政府にとって』のものと推測される。
約束の日
約束の日、約束の時と言えば魚人島の一幕が思い出される。来るX DAYに備えて魚人島はジョイボーイからの言い伝えを守ってきた。
あれは約束の舟ノア |
魚人島との約束を破った事への謝罪文 |
いずれジョイボーイに代わって約束を果たしに来る者が現れる |
我々はその日を信じ先祖代々ノアを見守り続ける事が彼との約束 |
来るべきその時初めて巨船ノアは使命を授かる |
直るかな‥直るといいね約束の時までに |
シャーリーの予言
破壊や創造と聞くと思い出すのは魚人島編の一幕だ
不吉を知らせるマダム・シャーリーの予言
シャーリー
麦わら帽子を被った人間
麦わらのルフィによって
彼の手によって魚人島は滅ぼされる
的中率100%を誇る占い師ではあるがルフィに関するこの予言に限ってはその結果と真意がわかっていない。
ホーディやデッケン達によって荒らされた魚人島。しかしながらこの危機を救ったのもルフィ達である。魚人達にとってのヒーローとなりビッグマムの名貸しで守られていたナワバリを引き継ぎ現在もその関係性は続いている。
綺麗に終わった魚人島編だがこの件だけはどうしても後味が悪いものとなった。
あくまでシャーリーが見たのは麦わら帽子を被った者ではあるが先の未来での発生確率は高い。
エルバフの神典と併せると余計に現実味が増した様にさえ思える。世界を終末へ導くというのが単に世界政府を倒す事であれば良いのだが事はシンプルではないらしい。
魚人島にも飛び火する規模の様だ。そうなると世界全土に影響を及ぼすほどの大きな戦いが待っていると予想出来る。
肝となるのは古代兵器。使用する事直接的な破壊を行う他、そのエネルギーの大きさ故に反動で海面が上昇してしまうレベルの天災もあった。海面上昇で住めなくなった地上の人間達が海底の楽園へと押し寄せるなんて弊害も危惧されている。
ロキの語る第一世界
すでに捕らわれたロキとルフィとの会話でそのヒントはあった。
ロキ
ここはエルバフの下層で冥界と呼ばれ誰も近づかねぇ場所なんだ
何万年も存在し続ける山
我らの神話で言うならここは第一世界
太陽の死んだ世界だ愚かしい人間よ
ここだけを切り取れば冥界→第一世界と判断出来る。
もともとエルバフは高さを軸に三回層に分けられている。
下層から冥界→陽界→天界と形成されており順当に行けば
第二世界→陽界
第三世界→天界
となる。
これはあくまで区画で区切った世界観。神話では順を追って世界が変化している様に感じる
九つの世界
エルバフ編自体が北欧神話にインスピレーションを受けているとの見方であるが、北欧神話においても世界が区分化されている伝えはある。
いわゆる『九つの世界』
天空、海洋、地上、地中と高さによって分けられた区域の中で更に世界樹を中心に対極を成して逆の世界が存在する。
各区域には別々の種族が生息しているのも特徴の一つだ。
ヴァン神族の世界 |
妖精の世界 |
小人の世界 |
暗黒妖精の世界 |
人間の世界 |
巨人の世界 |
極北・死者の世界 |
極南の世界 |
アース神族の世界 |
ワンピース作品には様々な人種が存在している。エルバフといえば巨人族というのは定説であるがもしかすると大昔にはエルバフの地も異種族が混在していたのかもしれない。
こちらの北欧神話は様々な著書やページが存在するが細かな部分に違いはある。それぞれの解釈がありエルバフの神話そのものだ。
エルバフに伝わる落書き
1138話のラストシーンで度肝を抜いたのがエルバフに伝わる壁画。
リプリー
大昔の子供の落書きが石化した樹皮に刻まれている
歴史的価値があるから国の文化遺産なの
衰退900年前から800年前に描かれた絵だと言われている
ちょうど空白の100年に当たる時代
歴史的な価値を見出され文化遺産として守られて来た落書き。これを後世に伝えようとしていた事がわかる。
これが描かれたのが俗に言う『空白の100年』
現存するキャラ達と似たシルエットも多いが、大昔にこの図式の戦いが発生し、後にまた起きる事を示唆している。
巨人族だけでなく様々な種族が混在している様子がわかる。まるで北欧神話の様に区域ごと世界ごとに異種族が住んでいたものと同じ様だ。
リプリー
あたしらの知る歴史じゃあ
種族間に戦争はあっても
交流なんてなかったはず
この絵以外の言い伝え、それこそ神典を紐解いても種族間の交流は無かったらしい。現在のエルバフに伝えられているのは戦いの歴史のみ。
それ故に戦いこそ正義という道を自ずと選んできたエルバフは他国と交戦し外交を断つ事で戦闘力こそ維持は出来ても半ば衰退していった。
イム様と創造主達
ジョイボーイと対極にあった20の国王達(アラバスタ除く)
900年〜800年前に起きた大きな戦いで勝利した陣営である。
現代における図式に当て嵌めてもそれは顕著で世界政府という巨大組織が世界を牛耳っている。
1番大きなシルエットは世界政府における黒幕イム様だと伺える。その他の勢力はイム様を倒す為に共闘している図式だ。太陽の様な炎を掌握しているのが不気味なポイントだ。
一方で方舟に乗るのは創造主達。現在の天竜人達を指している様に見える。
マザーフレイム
右手には炎の様な、太陽の様なエネルギー体が見える。これは古代兵器の動力になり得るマザーフレイムを示唆しているのではないか?
リリィ
世界会議編の後半で明らかになったネフェルタリ家の王女
他の創造主20人とは違いマリージョアを離れた
イム様からも特別な感情を持たれている
特徴的な王冠や風貌を見ると絵の中のキャラもリリィを表しているのでは?
エメト
躍動するニカの後ろ戦うのがエメト
エッグヘッド編で大活躍した伝説の鉄の巨人だ
象主(ズニーシャ)と共に古来のジョイボーイを知る生き証人でもある。
特殊な動力を必要とするエメトはルフィ(ニカ)に呼応して稼動する。
世界樹
エメトと同じく中心に描かれている大樹は最近登場したエルバフの宝樹アダムと思われる。エルバフで伝わる落書きなので当たり前ではあるが大きなアダムの存在はこの地がエルバフだと示している。
世界中点在するアダムだがエルバフこは樹齢、大きさ共に世界一
ロキ
角、兜、長髪
そのシルエットはエルバフの王子ロキを示している
この絵の中では巨大な敵と戦っている
単騎ではなく他の勢力と共闘している
ニカ
ジョイボーイ、ニカが戦いの中心にいる
現代のルフィにあたる
剣と盾を持っているのもポイントだ
人魚姫
魚人族の王、もしくは王妃が見てとれる。
代々ネプチューン家の王妃を指す人魚姫の称号
古代兵器ポセイドンを司る。
具体的には海王類達を意のままに操る力で絵にも魚が描かれている。
現代はしらほし姫にあたる。
ワノ国の侍と忍者
ルフィ達と共闘した夜明けを待つ者達。
役目を果たす為にワノ国に尽くした立役者達だ。
現在ワノ国は開国を待っている状態。この旗を振るのは現将軍光月モモの助だ。
モモの助が動けばプルトンも解放される流れ。
ミンク族
光月家に仕えるミンク族達
その忠誠心は高くワノ国の懐刀の様な勢力である
独特のビジュアルは絵の中にも似ているキャラがいた。
ミンク族(スーロン)
ミンク族らしき絵が2種類
こちらは月の獅子 スーロン状態のミンク族
また、別意見ではヤマトの人獣型なんてのも寄せられていた。
巨人族
ロキと少し離れた場所に武器を持った巨漢が描かれている。巨人族、巨兵海賊団を指しているのではないだろうか
小人族
巨人族達と対照的にその小さな身体が目を惹く。
これは小人族を表しているのではないか?
麦わら大船団にも傘下として加わっているレオ達トンタッタ族が現代のそれにあたる
既に天竜人達とも揉めている
ルナーリア族
赤い土の大陸に住んでいた神の名を持つ一族
歴史の中で淘汰されてしまい現状生き残りはアルベル(キング)のみである。世界政府から忌み嫌われる一族もこの絵に描かれている。
炎と黒い翼が特徴的。
クジラ
ゾウの象徴的な『くじらの森』
双子岬のラブーン
ワンピースのクジラと言えばこの2つだろう。絵の中のクジラは果たしてどちらを示しているのだろうか?
他にも白ひげ海賊団を支えたモービーデック号と重ねる説もあった。白ひげ残党達が決戦に関わってくることもあるか?
奴隷達
まるで世界の縮図
虐げられし奴隷達は単なる動力、歯車
この奴隷達の間にもニカの伝説は広まっていた
バッカニア族とティーチ
世界政府にとって忌み嫌われる存在のバッカニア族、そしてロックスとも繋がりが濃厚で既にルフィ以上の変革をもたらしている男。黒ひげティーチ。
壁画の中ではこれに関するイラストが見られなかった。
特にバッカニア族についてはその血を引くだけで罪とされ生まれながらの奴隷生活を強いられる。くま親子がその良い例。やはり過去にはとんでもない大罪を犯していると考えられるが?
ハーレイの神典
エルバフ編は北欧神話が元になっているという説はエピソードが始まる前からとやかく言われてきた。
ロキも神話を口にしていたがエルバフには神典なるものがある様だ。
そして同じエルバフという土地でありながら伝説の捉え方は一様に違う。信仰心は根底にあるが自身の希望や願いにも寄せていると感じる。
それぞれのニカ(太陽の神) |
誰もが持つ夢でござる太陽の神となり世界を支配する事は(ロード) |
バカ言え太陽神は支配者じゃねぇ |
そうだ解放の神だ |
いや破壊の神だ |
違う笑いの神だ |
エルバフに生まれたらみんなニカに憧れるっていうのはホントでしゅ(ゴールドバーグ) |
いずれにせよ変革に導く存在であり大きな力を持っているのは確か。使い方次第で世界は闇にも太陽にも染まる。その力こそが憧れの根底にもなっているだろう。これまでのルフィを見ていると確かにその可能性は見える。
ロキも‥死んだハラルドもある意味ニカになろうともがいた結果かもしれん
今は亡きハラルド王はこれまでのエルバフを捨て外交に重きを置いた新生エルバフを目指した。ハラルドの正統な王子ロキは由緒ある古きエルバフを破壊的に解釈し力を求めた。ヤルルによれば2人の王族とも違う形でニカを目指したのかもしれない。確かにエルバフほどの強国であればどちらに転んでも世界を変える可能性を秘めている。
シルエット問題 太陽の神とルフィ
太陽の神、解放の戦士、ニカについてワノ国で最初に提起されたのはジンベエと交戦していたフーズフーの口からだった。
その後はあまり引っ張られる事なく同エピソード内でルフィが能力を覚醒しニカであることが判明した。以降はその姿が一味や世間にも露呈し『ニカ』というワードもあまり珍しくなくなってきた。
その中で混在されつつあるシルエットを振り返ってみる。
まずはフーズフーのセリフ中に浮かんでいたイメージ。特徴として両手に武器を持っている事。今思えばルフィのゴムの特性を孕んだシルエットにも見えるが当時は様々な予想が飛び交った。神話らしいビジュアルだ。
2番目が『ジョイボーイ』こちらは900年前〜800年前の歴史において国王達と戦ったジョイボーイのシルエットだ。能力を覚醒させ躍動するルフィとかなりマッチしている。ルフィこそジョイボーイだと決定づけるには十分だ。
3番目がルフィ。これはカイドウ戦で満月の夜空へと映し出されたルフィの姿。幻想的であり笑っている様子も伺える。画角もフーズフーのイメージとマッチしており現代に蘇ったニカだと判明した。
象主(ズニーシャ) | ジョイボーイ |
古代ロボ(エメト) | ジョイボーイ |
ドリー・ブロギー | 太陽の神 |
くま・ボニー | ニカ |
大昔ジョイボーイと共に戦ったとされるエメトとズニーシャはルフィを現代のジョイボーイと認定
バッカニア族に伝わる伝説よりルフィをニカと断定したくま親子
エルバフの神話に伝わる太陽の神をルフィだと断定したドリブロ他巨人族
混在はしているが結論としてはどれも同義で呼び方の違いだ。
そしてエルバフに伝わるとされる太陽の神のイメージがこれだ。右手に剣を左手に盾を持っている。剣を振るというより槍の様に突き刺す持ち手で持っているのも気になる。ルフィを連想すると盾は麦わら帽子にも見える。羽衣はルフィのギア5そのもの。
気になるのはサイズ感だ。巨人族の血を引くバッカニア族が注目されジョイボーイもバッカニア族だったのでは?と予想する声も多い。エルバフに伝わっていたのであればやはり太陽の神、ジョイボーイもそれなりの大きさであろう。ルフィもギア5発動時は巨大化する事でカイドウらとも渡り合ってきた。
空島編ではシャンドラに生贄の祭壇なるものが登場した。ムースが捧げられた祭壇だ。カシ神様なる大蛇にその身を捧げる事で災いから村を守ろうとする習わし。
ここでも『太陽の神』は登場している。何かとニカとの関係性が囁かれる空島編。ドンドントットの解放のドラムが印象的だったが生贄の祭壇に祀ってあった盾の模様がエルバフのそれと似ている。ただの作風、デザインなのだろうか?
ハーレイ神典とロビン・サウロ
宴ムードの西の村であるが宴には加わらずにフクロウの図書館に残るのがサウロとロビン。再会を祝して乾杯なんてのも良いが改めて積もる話もあるらしい。
号泣しながら抱き合うシーンがピークにも思えるがここから次のフェーズである考古学と歴史の探索に入っていく。
元々はオハラの全知の樹(図書館)にあった書物という事もありロビンが幼少期に読破したものもあるだろうがまだ知り得ない事項もあるだろう。これまでいくつかの歴史の本文を読み解いたロビンがオハラの文献と併せてどの様な気付きを得るのか注目だ。
そしてサウロの存在もやはり大きい。彼は海軍に属していた経歴に加えてオハラ事件以降は世間から身を隠してエルバフの地で歴史を学んで来た。ベガパンクとの出会いもあって考古学者としてのレベルもロビンに匹敵するかもしれない。ロビンと併せれば探求も捗るというもの。
ルフィ私
サウロともっとゆっくりお話ししたいから宴には後で行くわ
宴は三日三晩行われるのでワンピースであればかなりの時間的な猶予がある。オハラ事件後に歩んだ人生についても花を咲かせつつもここで一気に歴史の核心へと迫ってほしい。
いずれにせよ、2人はしばらくストーリーからは消えるだろうか。
しかしこれも何やら意味がありそう。ヤルルによって明らかになったハーレイ神典の存在。エルバフに伝わる古い伝説では『太陽の神ニカ』の存在を示唆している。しかしながらしっかりと書いてある事が翻訳出来ないことで弊害も起きてる様だ。
各々に違った解釈でニカを描き信仰心こそあれど指針はバラバラだ。本当ならばきちんとした形でニカを迎え入れるべきなのだろうがせっかくの神典が伝わっていない。
鍵となるのが神典の翻訳だ。おそらくは古代文字で描かれているのではないだろうか?本来ならばこういった文献類は世界政府に根絶やしにされているはずだが他国との外交をほとんど行って来なかったエルバフであれば世界政府とその先祖達からの目から逃れてきた様だ。
オハラ事件後にエルバフへと戻り文献を守って来たサウロは完全とは言えないまでも古代文字の知識をつけているだろう。そしておあつらえ向きに世界を見ても数人しかいない古代文字を解読出来る重要人物ニコ・ロビンがエルバフにやってきた。
ニカに関する伝説を深掘りするのにはこれ以上ない適任だ。
ハーレイ神典の話が出た宴に参加していなかったのも今後少し戦局を離れ歴史に浸るサインなのかもしれない。
エネルと月と壁画
今回、エルバフの壁画を見て思い出した読者も多いだろう。
本編外ではあるが扉絵で似た様なシーンがあった。
ご存知の通り。空島でルフィ達と闘った後のエネルは方舟マクシムで月へと向かった。月こそ神の住む土地『限りない大地』だと信じるエネルの冒険は扉絵で断片的に連載された。
月に辿り着いたエネルは闇夜に照らされた『地下都市ビルカ』を発生した。そこでもエルバフの様な壁画が残っており月に住む人々がいた事、かつて地球に来た事もあったという事が判明している。
vol.35『壁画に学ぶ。太古に生きた翼を持った月の人』
vol.36『月の都市その名も"ビルカ"。資源不足で青色の星へ飛ぶ』
翼を持った月の人。空島の住民の様に翼が生えているのが特徴。天使族とでも言おうか。エルバフの壁画にもそれらしきシルエットがあった。ルナーリア族(キング)は黒い翼なので差別化されており、エルバフの壁画と照らし合わせると月の人が連想される。ちなみに絵の中には月自体も描かれている。
ビルカのものと照らし合わせるとこちらはより天使に近い。子供の書いたものである事を考慮すればこの様なイメージでも自然か。
月の人は移動手段を持ち月から地球へとやってきた事実もある。時系列は不明であるが空白の100年に関与していても不思議ではない。変革となった大きな戦いにも参戦していたのかもしれない。
ちなみに青海へと降り立った目的は資源不足。深刻な問題だけに争いに発展する動機としても十分である。世界を牛耳っていたであろう創造主達とも構える理由にはなる。
世界の創造主19人は元奴隷だった?
絵画の中の一幕
何か大きな舟、設備で歯車となる人々
虐げられし奴隷達とそれを指揮する権力者の構図に思えた
しかしながらその数を数えてみると奴隷が19人
王冠を被った人物が1人
計20人
どうも世界の創造主の末裔20人を思い浮かべてしまう。
空白の100年に起きた大きな戦いは高度文明を持った『巨大な王国』と20の国王達の間に勃発した。
ジョイボーイが先頭に立った『巨大な王国』は敗北。
この時共闘していた20の国王達は臨時の連合軍を形成しそれが後の世界政府となっている。
既出の通り。ネフェルタリ家(ネフェルタリ・D・リリィ)だけは創造主としてマリージョアに住む事を拒みアラバスタへと渡った。世界会議の舞台で暗殺された国王のコブラは一国の主として会議への参加権限こそあれど他の19人の様に世界貴族としての待遇は無かった。
ネフェルタリ家はマリージョアを出た時点で天竜人の様な扱いは消えてしまったと言って良い。
ベカパンクは『善か悪か』という観点ではこの戦いを捉えておらず、世界にメッセージを発信しながらも世界政府側を一方的に責める事はしなかった。とはいえ世界各地に広まった不信感は大きく、読者にとっても20の国王サイドが悪というイメージは定着している。
他の20人が支配していた世界を救うべすジョイボーイサイドが奮闘したとも言えるが、あまりにも大きな力と科学力に裏付けされた強国に対して弱国が力を合わせたという見方も出来る。
今回のエルバフの壁画に当て嵌めると19人が奴隷で王が1人。
王冠を被ったキャラ→リリィ(もしくはその先祖)、ジョイボーイ
奴隷達→後に創造主となる19人
という様な構図もあり得たのではないか?
おそらく時系列的には2回壊れたとされる世界の1つ目(第一世界)にあたる。
ここで虐げられた経緯が後に巨大な王国とぶつかる戦い、動機へと繋がったのではないか?