ワンピースネタバレ エルバフでロビン感動の再会『ねぇサウロ生きたこと褒めて欲しい』
早くもエルバフ編の山場がやって来る。至上命題の一つ。ハグワール・D・サウロとニコ・ロビンの再会イベント。序盤ながら早くも回収。オハラ事件以来‥長らく死んだと思っていたはずの恩人と再会。
サウロ生存確定
ロビンと再会を果たす
オハラ編が描かれていた頃は信じられない様な展開ではあるが世界政府によって歪められた人生もハッピーエンドに向かってきた。
会いたかったサウロ
タイトルの『褒めてほしい』がまた泣けてくる。やっと出来たサウロという頼れる存在も悲劇の後別れ‥その後はスパンダインによってかけられた、おおよそ8歳の少女に対するものとは思えない高額な懸賞金のせいで世界中から追われる存在になった。
裏切り裏切られを繰り返しクロコダイルとタッグを組むまでは壮絶な人生だった。麦わらの一味との出会いとサウロとの再会を見れば全てが報われたと言える今回のエピソードだ。
| エッグヘッドにてベガパンク(正)よりオハラ事件後の真実を聞かされ涙を浮かべたロビン |
| ベガパンクのメッセージにてオハラのクローバー博士の思いを継いだメッセージが発信される |
| エッグヘッドからエルバフの航路中でブルックに髪を切って貰う。理由はサウロが気付いてくれる様に |
| サウロ先生が倒れたとの訃報が入る。一気に緊張感が高まる。 |
ゲルズにロビンを案内してくれる様に頼んでいたサウロ。
エルバフの学校付近に到着すると、緊張し胸高鳴るロビン。こんな姿は今まで見たことがない。ドキドキする‥
そこへあのラストシーンの訃報だ。サウロ先生が倒れて動かない‥
しかし海岸で倒れたサウロを見ても心配な素振りはないロビン。本来ならば泣きながら近寄ってもおかしくはないはず‥海岸砂浜でのこのシチュエーションは既視感がある?まるでオハラでの出会いだ。
ロビン
うふふ
バカね
ドキドキして損しちゃった
みんなはここにいてとルフィ達を制して1人でサウロの元へ向かっていく‥結局は取り越し苦労であった。
ロビンが髪を切って気付いて貰おうとした様にサウロも22年前の出会いを再現して見せた。読者も殆どがサウロに騙された事だろう。ここまで再会の気運が高まっておきながら果たせなくなる‥そんな展開が頭をよぎった。
おいそりゃねぇだろ今会いに来たんだぞ!!
22年ぶりの恩人との再会で今倒れた!?
ルフィとサンジのツッコミがもっともだ。読者の気持ちを代弁している。かなり後味の悪い展開もあり得た。
そんな中でロビンだけがこの粋な計らいに気付いていた様だ。離れていた時間があまりにも長いが流石の関係性だ。サウロが捻ってくることもお見通し。この展開にも全く動じない。全てを察した様に無言でサウロを見守る。ちなみにサウロの演技を手伝っていたのはアンジェである。

サウロ
ぐがァア
巨人族のダイナミックな死んだふりは本来なら飛び上がるほど驚いてしまうはずだ。終始‥‥のロビン。本当に生きていたサウロを見て何を思うだろうか。
サウロ
デレシ
デレシシ
どうだ驚い‥驚いたなロビン‥

サウロの特徴的な笑いは健在だ。嬉しすぎて思わず笑いが漏れてしまう。読者にとってもかなり久しぶりのデレシシとなった。手配書や新聞なんかではロビンの写真を見ていたかもしれない。
サウロ デレシシ‥すまねぇ
どんな顔して会っていいだかわからねぇもんでよ
もう子供じゃねぇのにな
ロビンが近づいてきた事をチラッと見て確認し渾身の「ぐがァア」だ。照れもあっただろうか。長い年月で変わってしまったという不安もあっただろうか。ロビンを驚かせようとするも感極まり嬉しくなってしまう。最後に見たロビンは実に8歳の少女であった。すっかり大人になり綺麗になっても面影は残っている。
比較用に。これが22年前のロビンとサウロの出会いだ。エニエスロビー編途中に描かれたオハラ編だ。ロビンが大きくなった点の他に顔の傷も変化している様に見える。この火傷がとやかく言われている『ヒノ傷の男』と関係あるのだろう。少女のロビンも大迫力のサウロの顔への反応は‥だった。

暗かったロビンを照らしたのがサウロであり、サウロにとっても恩人だ。
短いながらも親子に負けない程の関係を築いた2人だ。突如オハラの地を襲ったバスターコールによって引き裂かれることになった。
改めて見ると22年前が完全にフラッシュバックしてしまう。ロビンの塩対応も相変わらずだ。しかしながら微笑みが溢れそうな表情だ。
ロビン
ウフフ
相変わらず下手な笑い方
サウロ
デレシシシシ
あぁ、笑うのは下手なまんまだ
オルビアによう似てきた
優しい目が一緒だで
数奇な運命で出会ったオルビアの名前を出すサウロ。思えばオハラに興味を示したのはオルビアが原因だ。母の名前を聞いてロビンも嬉しそうだ。敵キャラとして登場した事もありミステリアスでどちらかと言えば怖い表情が多かったが今では見違えた。『オルビアに似てきた』つまりオルビアを知りロビンにこの言葉をかけれるのはサウロだけである。母親に似てきたなんてありふれた言葉もロビンにとっては人生で初めてかけられるものかもしれない。

これがバスターコールの火中で久しぶりに再会した親子だ。オルビアの髪はホワイトカラーではあるが今のロビンと髪型、目元が特に似ている。悲しいがこれがニコ親子の最後の別れとなる。
サウロはオルビアから託されたロビンを必死で逃した。結果的に生きていたが死んでもおかしくない状況だった。話数を見るとわかるが相当に昔の話だ。ここからハッピーエンドに向かっていくのがワンピースの凄いところである。
そしてここから話題はベガパンクのメッセージへと移行する。つい最近の出来事だ。ベガパンクが死を待って(実際には生きている)世界へと発信したメッセージは世界政府に対して核心を突く内容だ。後ろ姿ではあるがメッセージを聞くサウロの様子も描かれていた。
サウロ
ベガパンクの放送聞いたかロビン
あれはよ
あれはオハラの言葉だで
歴史に埋もれてほっときゃ誰にも届かず消えていったはずだった
オハラの学者達が届けた声だで
ベガパンクは科学者、善悪は説かなんだがあいつが命懸けで伝えてくれた
オハラとベガパンクが紡いだ大きな一歩だで
きっと未来は変わるでよ
クローバー博士、オルビア、その他大勢の学者達が犠牲となり根絶やしにされたオハラの地だ。唯一残された意志を継ぐ者『ニコ・ロビン』の戦いも報われた。
サウロはオハラの学者達とベガパンクを讃えたがロビンはサウロの頑張りを賞賛した。
後遺症として失った脚に加えて、全身に及ぶであろう火傷の痕を気遣う。
サウロ
デレシシ
呆れた生命力だろ
あの時気がついたら海で溺れかけとったでよ
島の炎で氷が溶けて海に落ちた様だ‥
お前がちゃんと生き延びたと知ったのは少し後だがひどい言われ様だったでよ
ワシは腹が立って
クザンはサウロが生き残れる様に手心を加えたのか。真偽は不明だ。海軍に造反したとして攻撃も受けていたサウロはクザンに氷漬けにされた後にその戦火で運良く氷が溶かされていた。そのまま海へと落ちたが生身であった事もありなんとか生きながらえたらしい。
その後は幼くして高額懸賞金首となったロビンの事を知ったらしい。悪魔の子という悪評に腹を立てていたが隠れ身故に表立って助ける事も出来なかったのだろう。
ロビンの人生を不憫に思いながらも労うサウロ。しかしロビンは敢えてその苦労を愚痴る様な事はしなかった。
ロビン
暗い話はしたくない
ねぇ‥サウロ
生きた事褒めてほしい
暗い話はしたくない、ただただ生きた事を褒めて欲しいこの言葉にロビンの人生が集約されている。ルフィ達に会うまでは心を許せる友も無く壮絶な人生だった。それでも生きたからこそたどり着いた。
サウロ
だでな勿論だ
あんな子供が世界に追われて
よう生きたなロビン!!22年!!
よう生きとってくれた
よう会いに来てくれた
そんなロビンに対して最大の賛辞を送るサウロである。

ロビン
会いたかったサウロ
サウロ
デレシシ
ワシもじゃて
ロビンは『うわぁぁぁ』と抱きつき、
サウロは『おおおお』と抱きしめた。
サウロに至ってはどこか雄叫びにも聞こえる泣き声だ。2人は溢れんばかりの涙を流して泣きじゃくっていた。
エッグヘッドを出航してからエルバフが近づくほどにどこか上機嫌だったロビン。サウロが生きていると仄めかされた時にも見せた涙であったが実際に対面を果たして大号泣となった。

これを見ていた麦わらの一味も貰い泣きだ。
ウソップ、チョッパー、ナミ、サンジ、フランキー、ブルック‥
思わず顔を背けて号泣してしまう。
ゾロとジンベエは振り返っておらず表情が読めない。あまりこういった場面で泣きそうにはないキャラではあるともしかすると潤んでいるのかもしれない。
対してルフィはとても微笑ましい表情でこれを見守った。
早くもエルバフ編ハッピーエンドと言える様な大団円だった。
エルバフ編 その後の2人
感動の再会を果たした2人。
サウロに案内される形でエルバフを見て回るロビン。
特に1番見せたかったとサウロが語るのがフクロウの図書館だ。

ここにはオハラから持ち帰ってきた本が集められている。イクイクの実を食べたフクロウのビブロによって本は巨大化する事も出来るので巨人族達も読むことができる。
オハラの意思がここに生きていると実感出来たロビンであった。
歪められる真実
オハラ事件後に無事にバスターコールから逃げ仰せたニコ・ロビン。8歳の幼き少女にかけられたのは7900万ベリーという高額な懸賞金だった。
この懸賞金によって世界政府、海軍はおろか市民や海賊からも狙われることになる。心を許せる相手、信頼出来る相手は無く休まる時間は存在しない。8歳のロビンにとっては筆舌し難い人生だったであろう。
孤独な逃亡生活で幾度となく裏切られ荒んでいった。
BW(バロックワークス)でクロコダイルに出会うまでは裏切りを繰り返し組織を転々としていったロビン。彼女の周囲を取り巻く環境を考えれば仕方ないと言える。
オハラ編にてこの逃亡生活は描かれていたが改めて1133話ではサウロとの再会に向けてロビンの過去が補足された。
サウロとの感動の再会はまた別記事に譲る。
22年越しとなった悲願達成だ。読者としても涙無しでは語れない内容だ。ロビンの壮絶な過去すらも意味がある様に思えてくる。
悪魔の子
『悪魔の子ニコ・ロビン』この異名、風評を流したのは22年前時点で世界政府諜報部員CP9の長官だったスパンダインだ。息子スパンダムと二代に渡ってロビンと因縁がある。
今となってはお馴染みになっているが世界政府は事実を捻じ曲げてオハラ事件を広めた。唯一の生き残りロビンにその罪を押し付け雁字搦めにしたのもスパンダインだ。
オハラのバスターコールでは当初、学者以外の一般市民を救助する手筈であった。しかしサカズキの徹底した正義により罪なき者達も根絶やしにされてしまった。海軍としてはあるまじき行為だが中途半端では意味が無いというのも理に叶っている。実質的には対処が甘くロビンという危険因子を逃してしまったとも言える。
この避難船すら爆破してしまうという暴挙もスパンダインによってロビンへと擦りつけられてしまった。
オハラでの任務を終えたスパンダインは記者からの質問に対してその惨劇をロビンのものとして捻じ曲げて伝えた。
オハラの現場!?背筋が凍ったよ惨劇だ
罪なき市民を乗せた避難船が突然爆発し炎に包まれた
炎の中で聞こえた無念の叫びは一生耳から離れないだろう
その他軍艦も沈められてる
アレは‥8歳のガキの皮を被った悪魔だ
この後世界政府はこの残忍な事件が与える子供達への影響を鑑みて詳細は報道しなかった。
以下、ロビンに浴びせられた周囲の声だ。おおよそ8歳の少女が耐えられるものではないが本当によく生きたと言える。
| ロビンに浴びせられた罵詈雑言 |
| 会ったよ殺人鬼の目をしてた |
| 頭脳は学者レベル、人の感情を持ち合わせていない |
| 見ろこの懸賞金 銃を持て討ち取れ |
| 幼い姿に騙されるな 慈悲は無用 |
| 得体の知れない術を使うぞ |
| 早く捕まえて |
| 安心して眠れないじゃない |
| 早く死んでくれ |
| さっさと始末しろよ海軍 あいつは世界の敵だ |
| 行く街々で人を殺し金を奪ってるらしい |
| ガキのツラして近づいて寝込みにノドを掻っ切るのさ |
| 早く死んでくれねぅかな |
| クソガキどっかで野垂れ死ね 消えろ |
生きてロビン
目の色を変えて襲いかかる追っ手達。その果てにロビンが辿り着いたのは海岸の崖であった。海を見つめて身投げを考えている‥‥それでも踏み止まれたのは母オルビアとサウロの言葉があったからだ。
オルビア『生きてロビン』
サウロ『今は一人だけどもよ いつか必ず仲間に会えるでよ』
ギリギリで持ち堪えるも泣き叫ぶロビン。みんなが怖い‥街中で見かけた本の地図からは故郷のオハラが載っておらず消されており、心無い言葉を浴びせられるもサウロの教えを守り必死に笑ってみせた。
デレシシシ
身を隠したり、相手を騙し抜く事で生き延びたロビンだがあまりの苦痛に全てを諦めかけた時もあるようだ。母と親友を同時に失い、馴染み深かったクローバー博士などの学者達も失った。身寄りどころか誰も助けてくれない状況下で耐え、ルフィ達に出会い、サウロと再会できた事はそれが報われたと言える。
エニエスロビーでも世界政府に風穴を空けたがオハラの意思が世界へと発信され紡がれた今、改めて大勝利と言える。
再会への道のり
オハラ編ではロビンが主人公と言ってもよい注目度だったがそんなロビンの恩人がサウロである。
バスターコールの戦火からロビンを逃がし、幼少期からの人格形成にも大きく影響した。
元はと言えばオハラに漂流してきたサウロだ。ロビンだけでなくロビンの母オルビアをも逃がしている。
歴史の本文探索の為に海にでたオルビア達学者一行は海軍によって捕らえられてしまう。
海軍では古代兵器を呼び起こす事を危険視しこの研究を禁忌としていた。
捕えられたオルビア(囚人)、それを見張るサウロ(看守)の関係だ。オルビア達に危険性が無い事を知り海軍の上層に意見するサウロだったが認められなかった。
海軍に疑問を持ったサウロがオルビア達を解放してしまった。この時にオルビア達を守ったが海軍船からは放り出されてしまい遭難するに至った。
・オルビアをサウロが助ける
・漂流したサウロをロビンが助ける
・戦火に巻き込まれるロビンをサウロが助ける
ロビン、オルビアの母子との関係性はこの様な方式だ。
ちなみにこの頃のサウロは中将であり生身でありながら巨人族の体躯を活かした強さを誇っていた(エッグヘッド編でバスターコールに参戦したブルーグラス中将もサウロは強かったと語っている)。
| サカズキ | 同僚 |
| クザン | 親友 |
| ブルーグラス | 同僚 |
| ドール | 部下 |
| ベガパンク | 知人 |
海軍関連のキャラとの関係性は上記だ。ベガパンクとはオハラ事件以後に遭遇してその後にエルバフでも絡みがある。
オハラを標的にしたバスターコールでは元身内からの攻撃やクザンとの衝突もあり手痛くダメージを負った。
ここでサウロが死んだという見方が多い中でいくつか生存説も囁かれていた。本当にエッグヘッドで生存が仄めかされた際は読者も驚いたことであろう。
エッグヘッドの難局を乗り越えていざ感動の再会だ。
サウロに気付いて貰える様に髪型も戻したロビンだった。
『髪型』これまでのロビンとイメチェン
朗報だ。あの頃のロビンが帰ってきた。
22年ぶりとなるハグワール・D・サウロとの再会に向けてブルックに髪を切ってもらったロビンである。
サウロが知っている、そして2年前のトレードマークである。
懐かしい髪型にチェンジした。
ナミという絶対的なヒロインがいながらもキッチリと住み分けられたジャンルだ。ミステリアスな雰囲気が醸し出す美しさは独特で麦わらの一味にはいなくてはならないものとなった。
加入を巡っては波乱もあったがこれまでのロビンのビジュアルを振り返ってみる。
ロビン幼少期 8歳
エニエスロビー編途中に差し込まれたオハラ編にて。
考古学の盛んなオハラの地に生まれ育ったロビンだ。

悲惨なエピソード、麦わらの一味加入エピソードは人気で併せてこの8歳の頃のロビンも人気だ。プライズなどフィギュア化されており総じて出来が良い。
このヘアスタイルがロビンの基本ともなるミディアムヘアだ。どちらかと言うとロング寄りだ。デレシシシの笑顔もこの髪以外では微妙かもしれない。
旧友でもあり、命の恩人サウロが知るロビンはこの姿だ。手配書などを見てロビンの姿を見ているかもしれないがピンと来るのはこれだろう。
こちらはオハラ事件後だ。

8歳にして7900万ベリーの懸賞金首となり各組織を転々としていた。逃亡生活の中で幾度と裏切り裏切られて疲弊していったことだろう。
16歳

少し大人になったロビンだ。
こちらは意外に人気のあるポニーテールだ。これが1番という人も多いだろう。かなりマッチしている。
この頃には裏切りもお手のものだ。アラバスタ編当初の頃の様な悪名が着いて回った。
28歳(2年前)
アラバスタ編で麦わらの一味と出会った頃は髪型よりも帽子の印象が強かった。ミステリアスなお姉さんキャラだ。この頃は戦闘力も一味随一であった。
やはり名シーンを挙げれば絶対に外せないのが司法の塔の一幕だ。
元々懸賞金首だったルフィではあるが世界政府という最大組織に面と向かって構える構図はここから始まった。
今見ても震えるシーンだ。
これまではどこか謎に包まれており、自分を飾っていたロビンであった。やっと出会えた仲間に被害が及ばぬ様にと行動した結果、死に直面し生への渇望が生まれた。

30歳(2年後新世界)
一味各々が2年間修行フェーズへと移行した時、ロビンはそのほとんどを革命軍と共に過ごしていた。
回想シーンなどで2年間の様子は描かれているのだがどのタイミングでチェンジしたかは微妙である。

シャボンディ諸島で集合した際はオールバック、ロングの特徴的な髪型に変わっていた。ウェーブのせいもあるが年齢以上に見えてしまうと否定的な意見も多かった。とはいえ13年以上だ。ロビンはこの髪型が定着している。魚人島あたりでは少し違違和感があったが今ではすっかり見慣れたものだ。
再会に向けて
新たにイメージチェンジというよりは原点回帰といった形だろうか。
新世界編(2年後以降)の黒髪オールバック、ウェーブからミディアムカット、ボブカットに近いスタイルへと戻した。

一部ファンを除いては実際にロビンのヘアスタイルの評判は良くない。ナミのロングヘアこそハマっていたがロビンのそれは年齢以上の風格を感じてしまう。
それだけに今回のチェンジは歓喜する読者も多いのではないだろうか。エルバフ編はおろか最終章はこのままこの髪型が定着しそうだ。
休載前にはこれまた好評の眼鏡スタイルが描かれていたが、それ以上のサプライズとなった。
エッグヘッド編では序盤の正シャカとの絡みこそ見どころではあったが、途中からは負傷もあってあまり見せ場が無かったロビンであった。
ブラックマリアに競り勝ったワノ国と比べると不完全燃焼と言えるだろう。
そんな中でエルバフ編はルフィやウソップにも劣らないほどのスポットが当たりそうな雰囲気だ。
サウロ生存をエッグヘッド編で知ってからは心待ちにしていたことだろう。いや‥オハラ事件直後からサウロの生存を信じ続けていたのかもしれない。
青雉クザンの葛藤と救済:エルバフでの再会が示す、オハラからの「アンサー」
『ONE PIECE』の長い歴史の中でも屈指の感動シーンとなった、エルバフでのロビンとサウロの再会。サウロの「死んだふり」からの大号泣というカタルシスは、多くの読者の涙を誘った。しかし、この奇跡の瞬間に至るまでには、決して忘れてはならないもう一人の重要人物が存在する。それが、元海軍本部大将「青雉」ことクザンである。
サウロとロビンの再会は、ただ二人の強い絆がもたらした結果というだけでなく、22年前のオハラでクザンが下した決断への、長きにわたる歴史からの「アンサー」でもある。ここでは、物語の裏側で苦悩し続けたクザンの視点から、エルバフで起きた奇跡の重みについて深掘りしていく。
22年前の選択:「正義」と「親友」の狭間で
時は22年前の西の海、考古学の聖地オハラ。世界政府の命により発動されたバスターコールは、平和な島を瞬く間に火の海に変えた。当時、海軍本部中将という立場にあったクザンにとって、この任務は自らが掲げる「燃え上がる正義」と、一個人の「良心」が激しく衝突する過酷なものであった。中でも彼を最も深く絶望させたのは、海軍を離反した親友・サウロとの対峙であった。
サウロは海軍の掲げる正義に疑念を抱き、オハラの学者たちと、たった一人の少女であるロビンを守るために立ち上がった。巨大な軍艦を持ち上げ、命を賭して政府に牙を剥くサウロの姿は、クザンの心に強烈な揺さぶりをかける。しかし、クザンは軍人としての立場上、親友であるサウロを討たなければならないという極限のジレンマに直面する。
結果としてクザンはサウロを氷漬けにし、ロビンを小舟で海へと逃がす道を選んだ。「親友が守った種」が今後どう育つのかを見届けるという名目であったが、そこには明らかに、サウロの決死の想いを無駄にしたくないというクザンの人間としての痛切な願いが込められていた。オハラの紅蓮の炎を背に、冷たい海へ独り漕ぎ出すロビンを見送ったクザンの心中は、計り知れない喪失感と一縷の希望が入り混じっていたはずだ。この日を境に、クザンは自身のスローガンを「ダラケきった正義」へと変えることになる。
「アイスタイムカプセル」に込められた真意
ここで改めて注目したいのが、クザンがサウロを凍らせた際の技名だ。「アイスタイムカプセル」――この名称には、クザンの隠された意図が明確に表れている。
通常、対象の命を完全に奪うのであれば、他の強力な氷結技を使うこともできたはずだ。しかし、あえて「タイムカプセル(未来へ残すもの)」という言葉を冠した技を選択したことには、極めて重要な意味がある。タイムカプセルとは、遠い未来に向けて大切なものを保存するためのものである。クザンは、サウロの命を完全に奪うのではなく、いつか来るべき時代、あるいはロビンが生き延びて世界を変えるその時まで、親友の命を「仮死状態」として保存したのではないだろうか。
当時のクザンには、サウロを公然と助けることは不可能であった。少しでも手心を加えれば、赤犬(サカズキ)をはじめとする強硬派によってサウロもロビンも確実に消し去られていたことだろう。しかし、この技を使ったことで、サウロが炎から身を守り、後に巨人族たちによって救出されるという未来への生存ルートをわずかに残したのである。エルバフでサウロが生きていたという事実は、あの日のクザンの「殺したくなかった」という不器用な優しさが、確かな実を結んでいたことを証明している。
見守り続けた「種」の開花と呪縛からの解放
クザンはオハラ以降も、海へ出たロビンの動向を20年以上にわたって密かに監視し続けていた。それは時に冷酷な追跡者のようにも見えたが、本質的には「サウロが命を賭けて生かした価値が彼女にあるのか」を問い続ける、クザン自身の心の整理の旅でもあった。
アラバスタを越え、ウォーターセブン、そしてエニエス・ロビー。ロビンが真に信頼できる仲間――麦わらの一味――に出会い、彼らがロビンのために世界政府に真っ向から喧嘩を売る姿を見たとき、クザンはついに安堵の表情を見せる。「オハラはまだ、滅んじゃいねェ」。そう語り、ロビンの生きる道を心から認めた瞬間は、クザンが長年背負い続けてきたオハラの呪縛から少しだけ解放された瞬間でもあった。
しかし、この時点ではまだ、クザンはサウロが生き延びていた事実を確信してはいなかったはずだ。彼の中では、依然として「自らの手で親友を手に掛けた」という重い十字架を背負ったまま、海軍という巨大な組織の中で孤独に正義を模索し続けるしかなかったのである。
闇に堕ちたクザンと、光の中にいるロビン
そして現在、物語は最終章に突入し、クザンは海軍を辞して黒ひげ海賊団の十番船船長として暗躍している。世界を混沌に陥れる危険な勢力に身を置き、かつての恩師であるガープとさえ本気で拳を交えるその姿は、迷いながらも確かな優しさを持っていたかつての「青雉」からは遠く離れてしまったように見える。闇の中を孤独に歩むクザンの今の境遇は、かつて世界中から悪魔の子として追われ、裏社会を転々とせざるを得なかったロビンの過去の姿と痛いほどに重なる。
だからこそ、エルバフでのロビンとサウロの再会がより一層の輝きを放つのである。かつて深い闇の中にいたロビンは、ルフィたちによって引き上げられ、今は太陽のような温かい光の中にいる。そして、その光の中で、死んだとばかり思っていた最大の恩人・サウロと再び巡り会えたのである。「ねぇサウロ、生きたこと褒めて欲しい」というロビンの魂からの叫びは、彼女自身の過酷な人生の肯定であると同時に、あの日ロビンを生かす選択をしたクザンへの最高の肯定でもある。
クザンへ届くべき「アンサー」
もし仮に、今のクザンがこのエルバフでの奇跡を知ったとしたら、彼は一体どのような表情を浮かべるだろうか。親友を殺さずに済んでいたという事実、そして自分が逃がしたあの小さな少女が、四皇のクルーという立派な海賊になり、親友と満面の笑みで抱き合っているという事実は、彼が歩んできた苦悩の22年間が、決して無駄ではなかったことを明確に示している。
ロビンとサウロの再会は、読者にとっての感動のピークであると同時に、現在深い闇の中にいるクザンに向けられた、一筋の救いの光のようにも感じられる。いつか、クザンの耳にもこの朗報が届く日が来ることを願わずにはいられない。このエルバフでの再会は、オハラの悲劇に関わった全ての者の運命を昇華する、物語におけるあまりにも美しく、そして切ない「アンサー」なのである。
「苦しい時は笑え」の真意:エルバフの涙で完結した「デレシシシ」の伏線回収
エルバフでのロビンとサウロの感動的な再会。このシーンの圧倒的なカタルシスを語る上で、絶対に避けては通れないのが、サウロが幼いロビンに教えた「デレシシシ」という独特の笑い方である。
ロビンがサウロの生存を知り、顔をくしゃくしゃにして大号泣したあの瞬間は、単なる「恩人との再会」という枠を超え、22年前にかけられたある種の「呪い」であり「祝福」でもあったサウロの教えが、本当の意味で昇華された歴史的な瞬間であった。ここでは、ロビンの心理的変遷と「笑い」に焦点を当て、この再会がいかに完璧な伏線回収であったかを考察する。
22年前、炎の中で教わった「生きるための魔法」
すべての始まりは22年前のオハラ。孤独だった8歳のロビンにとって、漂着した巨人族のサウロは初めて心を許せる「友達」であった。親戚からも村人からも疎まれ、常に孤独の影を落としていたロビンに対し、サウロは「苦しい時は笑え」と教える。「デレシシシ!」という、どこか間抜けで豪快な笑い声は、悲しみを吹き飛ばすための彼なりの魔法であった。
そして訪れたバスターコールによるオハラの壊滅。サウロは自らの命を犠牲にしてロビンを逃がし、燃え盛る炎の中で「いつか必ず、お前を守ってくれる『仲間』が現れる!」と叫びながら、氷に包まれていった。たった一人で小舟に乗り、故郷が燃え落ちるのを背にしながら、幼いロビンは涙と鼻水を流し、必死に顔を引きつらせて「デレシシシ……!」と笑い声を上げた。それは、世界一悲しく、痛々しい笑い声であった。サウロの教えを守り、無理やり笑顔を作ることでしか、彼女は襲い来る巨大な絶望から自我を保つことができなかったのである。
笑顔という名の「仮面」を被り続けた20年
オハラを脱出した後のロビンの人生は、裏切りと逃亡の連続であった。賞金首となった彼女は、誰も信じられず、誰からも愛されない過酷な裏社会を生き抜くことになる。その20年間、ロビンは「デレシシシ」と声に出して笑うことはなくなったが、代わりに常に「ミステリアスな微笑み」を浮かべるようになった。
クロコダイルの部下として登場した際も、麦わらの一味に初めて乗船した際も、彼女は常に余裕のある笑みを崩さなかった。しかし、それは心からの笑顔ではなく、他人に本心を悟られないための「防壁」であり、サウロを失った悲しみに蓋をするための「仮面」だったと言える。苦しい時に笑うというサウロの教えは、いつしか彼女の中で、感情を押し殺して冷酷な世界を生き抜くための処世術へと歪んで定着してしまっていたのである。
エニエス・ロビーでの叫びと、サウロの予言の成就
そんなロビンの分厚い仮面を叩き割ったのが、ルフィをはじめとする麦わらの一味であった。エニエス・ロビーにて、世界政府という巨大な敵を前にしても一歩も引かず、自分のために命を懸けてくれるルフィたちの姿を見たとき、ロビンはついに感情を爆発させる。
「生きたい!」と涙ながらに叫んだあの瞬間、サウロが予言した「お前を守ってくれる仲間」が、ついに現実のものとなった。自分の居場所を見つけたロビンは、それ以降、一味の中で見せる笑顔が少しずつ自然で温かいものへと変化していく。心からの笑顔を取り戻したロビン。しかし、彼女の心の奥底には「自分を生かすために死んでいったサウロ」への癒えない傷と罪悪感が、まだ確かなしこりとして残っていたはずだ。
エルバフで流した「本当の涙」と落ちた仮面
そして時は流れ、最終章・エルバフでの再会へと繋がる。「死んだふり」をしてロビンを驚かせようとしたお茶目なサウロ。その姿を見た瞬間、ロビンはかつての「クールな大人の女性」としての仮面を完全に投げ捨てる。地面に倒れ込み、顔をくしゃくしゃにして、子供のように大号泣するのである。
ここで重要なのは、この極限の感情の起伏の中で、ロビンは「デレシシシ」と無理に笑おうとはしなかった、ということだ。「苦しい時は笑え」と教えられた彼女は、最も苦しかった22年間を、笑顔という仮面で耐え抜いてきた。しかし、エルバフの地でサウロが生きていたと知った今、彼女はもう、悲しみや苦しみを誤魔化すために無理をして笑う必要がなくなったのである。
「ねぇサウロ、生きたこと褒めて欲しい」。この絞り出すような言葉と共に流した涙は、22年分の張り詰めた緊張の糸が切れ、安心しきったからこそ溢れ出た「本当の涙」である。悲しみを堪えるための痛々しい笑いではなく、心の底からの喜びと安堵による美しい号泣だ。サウロの前で見せたその無防備な涙こそが、ロビンが真の意味で救済された何よりの証拠なのである。
「デレシシシ」が真の役目を終えた日
サウロが教えた「デレシシシ」という笑いは、決してロビンに感情を殺させるためのものではなかった。それは、いつか本当に心を許せる仲間に出会い、心の底から泣いて笑える日が来るまで、彼女の心が完全に壊れてしまわないよう守り抜くための「命綱」だったのだ。
エルバフでの再会において、ロビンが無理に笑うことなく、感情のままに泣き崩れたこと。それこそが、22年前のオハラでサウロがかけた「生きるための魔法」が、ついにその真の役目を終え、完璧な形で解かれたことを意味している。「デレシシシ」という哀しい笑いの記憶は、エルバフで流された温かい涙によって、これ以上ないほど美しく昇華されたのである。
「オハラの意志」の完全合流:エルバフの地でついに交わった「命」と「知識」
エルバフでのロビンとサウロの再会は、一人の女性の過酷な人生が報われたという個人的な感動の枠に留まらない。それは『ONE PIECE』という壮大な物語において、22年前に世界政府によって抹殺されたはずの「オハラの意志」が、ついに完全な形で合流を果たしたという歴史的な大事件でもある。
ここでは、個人的な感情のやり取りから少し視点を引き上げ、世界史という壮大なスケールから見た「エルバフでの再会の真の意味」について深掘りしていく。なぜ、この奇跡の舞台がエルバフでなければならなかったのだろうか。
22年前の悲劇が残した「二つの遺産」
22年前のあの日、西の海の美しい島オハラはバスターコールによって地図上から跡形もなく消し去られた。世界政府は、空白の100年の謎に迫ろうとした学者たちを「世界を滅ぼす悪魔」として断罪し、その知識のすべてを灰燼に帰そうとしたのである。
しかし、オハラは完全に滅んではいなかった。あの日、燃え盛る全知の樹から、未来へ向けて「二つの遺産」が残されたからだ。一つは、サウロが命を賭して海へ逃がし、後に「悪魔の子」として過酷な世界を生き抜くこととなる少女、ニコ・ロビンという「オハラの命」。そしてもう一つは、クローバー博士をはじめとする学者たちが、炎に焼かれながらも次々と湖へと投げ込み、死守した大量の文献――すなわち「オハラの知識」である。
この二つの遺産は、あの日を境に全く別の道を歩むことになる。ロビンは裏社会を転々としながら孤独な逃亡生活を送り、文献は後にサウロが率いる巨人族たちによって引き揚げられ、エルバフへと運ばれた。「命」と「知識」は、決して交わることなく、22年という途方もない時間を別々に生き延びてきたのである。
知識の守護者となった巨人族とベガパンクの希望
エルバフに運ばれたオハラの文献が、いかに世界の希望を繋いでいたか。それは、エッグヘッド編におけるDr.ベガパンクの口から劇的に語られた。ベガパンクは密かにエルバフを訪れ、そこに保存されていたオハラの文献を読み解くことで、彼らの研究を引き継いでいたのである。
ここで非常に感慨深いのは、屈強な戦士として知られ、力こそすべてと思われがちな巨人族が、世界で最も価値のある「知の財産」の守護者となっていたという事実である。そして、その知と力の架け橋となったのが、他ならぬハグワール・D・サウロであった。サウロが炎の中から文献を守り抜き、巨人族の戦士たちを動かしたからこそ、オハラの知識は失われることなく、ベガパンクという世界最高の頭脳へと受け継がれ、ついには「世界への真実の配信」へと繋がったのである。
「オハラは滅んでいなかった」という壮大な証明
これらを踏まえた上で、エルバフでの再会シーンをもう一度振り返ってみてほしい。ロビンにとってサウロとの再会は、単なる恩人との再会ではなかった。それは、「自分以外にもオハラの意志を継ぐものが生きていた」という、途方もない救済の瞬間である。
22年間、ロビンはずっと「自分が死ねばオハラは本当に終わる」という重圧と孤独を背負い続けてきた。しかしエルバフに辿り着き、サウロが生きていたこと、そして亡き恩師たちが命懸けで湖に投げ込んだ本がすべて無事に保管されていることを知る。ロビンという「命(ポーネグリフを読む鍵)」と、エルバフに守られていた「知識(空白の100年の研究成果)」。22年前に引き裂かれたオハラの二つの遺産が、今ここについに一つに交わったのである。
「ねぇサウロ、生きたこと褒めて欲しい」。ロビンのこの言葉には、ただ自分の人生を肯定してほしいというだけでなく、「私立派に生き延びたよ。だからオハラは今日も立派に生きているよ」という、恩師たちへの誇り高き報告の響きすら感じられる。クローバー博士たちの死は、決して無駄ではなかったのである。
世界の夜明けへ:最終章を加速させる「知の集結」
このオハラの意志の完全合流は、物語が最終局面に突入したことを強烈に読者に印象付ける役割も果たしている。古代文字を解読できる唯一の生存者であるロビンが、オハラの遺した膨大な研究資料に直接触れることができる環境が、ついに整ったからだ。
麦わらの一味がラフテルへと至り、「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」の正体や「空白の100年」の真実を暴くためには、このエルバフでの「知の集結」が絶対に不可欠な最後のピースであった。ロビンは今後、エルバフに残された文献から、クローバー博士たちが辿り着こうとしていた真実のさらに先へと歩みを進めることになるだろう。
エルバフの地でロビンが流した大粒の涙。それは、一人の少女が過酷な運命から解放された安堵の涙であると同時に、世界政府の理不尽な暴力に抗い続けたオハラの学者たちの魂が、22年の時を経てついに報われた、歴史的な「勝利の涙」なのである。
「Dの意志」を継ぐ巨人:ハグワール・D・サウロとロビンを導く運命の系譜
エルバフでのロビンとサウロの涙の再会。このシーンは、22年前のオハラの悲劇が報われたという圧倒的な感動をもたらしたが、同時に『ONE PIECE』という物語の根幹に関わる重要なキーワードを私たちに再認識させる。それこそが、サウロのフルネーム「ハグワール・D・サウロ」に刻まれた「D」の名である。
ここでは、単なる恩人と少女の再会という視点から一歩踏み込み、物語の最大の謎である「Dの意志」という観点から、このエルバフでの奇跡が持つ特別な意味について考察していく。
ハグワール・D・サウロという「特異な存在」
作中に登場する「D」の名を持つ者たちは、ルフィやガープ、ロー、黒ひげなど、歴史を大きく動かす嵐の引き金となる人物ばかりである。その中でも、サウロは「巨人族のD」という極めて特異な立ち位置にいる。
かつて海軍中将であったサウロは、世界政府のやり方に真っ向から異を唱え、オハラの学者たちと一人の少女を守るために、巨大な軍艦を持ち上げて反逆した。コラソン(ロシナンテ)がかつて「Dは神(天竜人)の天敵である」と語ったように、サウロのあの日の行動は、まさに世界政府という絶対的な神の力に対する「Dの意志」そのものであった。巨人族という圧倒的な武力を持つ種族の中に「D」が存在し、それが世界政府の闇に抗ったという事実は、今後の展開、特にエルバフという強国がどのように世界を巻き込んでいくかを示唆する重要な伏線となっている。
死に際に見せた「笑顔」とデレシシシの真実
「D」の一族に共通する最も有名な特徴の一つに、「死の瞬間に笑う」というものがある。海賊王ゴール・D・ロジャー、ポートガス・D・エース、そしてローグタウンでの処刑台のルフィ。彼らは皆、自らの死を悟った瞬間にニヤリと笑った。
これを踏まえて、22年前のオハラでのサウロの最期を思い返してみてほしい。青雉クザンの氷に全身を包まれ、確実に死が迫るその極限状態の中で、サウロはロビンに向けて「デレシシシ!」と豪快に笑い声を上げた。当時は「ロビンを安心させるための優しい嘘」として描かれていたが、彼が「D」の名を持つ者であることを重ね合わせると、あの笑い声の意味合いはさらに深くなる。サウロのあの笑顔は、己の信念を貫き通し、未来へ希望(ロビン)を託すことができた「Dの一族としての本能的な誇りの笑み」でもあったのである。
ロビンと「D」たちの数奇な縁(えにし)
ニコ・ロビンという女性の人生を俯瞰すると、彼女がいかに「D」の名を持つ者たちに導かれ、救われてきたかが分かる。
幼い頃、絶望の淵にあった彼女に生きる希望を与え、海へ逃がしてくれたのはハグワール・D・サウロであった。そして、心を閉ざして闇社会を生きていた彼女を光の当たる場所へ引き上げ、「生きたい」と叫ばせてくれたのはモンキー・D・ルフィである。さらには、トラファルガー・D・ワーテル・ローと共に歴史の本文(ポーネグリフ)を解読し、真実へと迫る旅を続けている。さらに言えば、彼女の知識を狙う最大の敵の一人もまた、マーシャル・D・ティーチという「D」である。
サウロはあの日、「海は広いんだ。いつか必ず、お前を守ってくれる仲間が現れる!」と予言した。それは結果として、「一人のD(サウロ)」から「もう一人のD(ルフィ)」への、時を超えた希望のバトンタッチだったと言える。ロビンは「D」たちに守られ、導かれながら、彼らが本能的に引き起こす嵐の中心で、歴史の真実を紐解くという重大な役割を担っているのである。
ベガパンクの配信直後に再会が描かれた意味
そして、最も注目すべきはその「タイミング」である。このエルバフでの再会は、エッグヘッド編でDr.ベガパンクが全世界に向けて「世界は海に沈む」「Dの名を持つ者たちへ…」という、歴史を根底から覆す衝撃のメッセージを配信した直後に描かれた。
「D」とは一体何なのか。空白の100年に何があったのか。世界中がその謎に釘付けになっているこの最悪のタイミングで、古代文字を読めるロビンと、オハラの文献を守り抜いた巨人族の「D」であるサウロが合流を果たしたのである。これは決して偶然ではない。尾田栄一郎先生が、最終章における最大の謎解きが、このエルバフの地から本格的に始まることを読者に強烈にアピールしているのである。
エルバフから始まる最終章への号砲
ロビンがサウロの胸で流した大粒の涙。それは、過酷な運命から解放された一人の少女の安堵の涙であると同時に、世界をひっくり返す準備がついに整ったことを告げる歴史的な号砲でもある。
「ねぇサウロ、生きたこと褒めて欲しい」。その言葉に対するサウロの答えは、今後の物語の中で描かれることだろう。オハラの知識と、Dの意志。その二つを兼ね備えたエルバフという舞台で、麦わらの一味とサウロがどのように絡み合い、ラフテルへの最後の扉を開くのだろうか。この感動の再会は、ワンピースという物語が真のクライマックスへ向かうための、あまりにも美しく、そして重要な通過点なのである。