3.ワンピース『ONE PIECE』

ワンピース【くまの手紙】ボニーへ宛てた想い 誕生日おめでとう

ワンピース【くまの手紙】ボニーへ宛てた想い 誕生日おめでとう

過去編で垣間見たくまのボニーへの愛情。溢れんばかりの想いは3年越しでボニーへと届く事になった。

1101話ダイジェスト
3年前、ルフィ16歳時にくまがゴア王国コルボ山で修行中のルフィを視察していた
くまはドラゴンとの会話で息子ルフィの存在を勘付いていた
くまがボニーへ宛てた手紙は全てアルファに処分されていた
ボニーの療養期間も終わり完治
政府の策略を察知したコニー王太后の計らいでボニーがソルベ王国を脱出
出航の際に追っ手のアルファをボニーが【ゆがんだ未来】でKO

これでもかと注がれている父から娘への愛情。しかしながら届く事は無かった‥徐々に人格を失うタイムリミットが迫る。

何故くまは逃げなかったのか?

くまほどの移動性能があり、七武海、革命軍時代の情報網があれば【ボニーの脱走】は知り得たはず。

結果論ではあるもののこの時期にボニーと合流さえ出来ていれば改造手術の最終段階【人格の喪失】も回避出来たのでは?と考えずにはいられません。

その場合は当然ソルベ王国の国民やベガパンクなんかが引き合いに出された可能性もありますが、ドラゴンらと合流して政府と真っ向から構える道もあったかもしれません。
どうしてもくまが全てを背負い込む事によって物事が悪い方向へと流れてしまった様に思えます。
考えてみるとジニーのプロポーズを断った事に始まるでしょうか?性格故に自身を犠牲にしてしまっている事が仇となっています。

くまに負けじと盛り上がった長編の過去編【おでん】の時も結果的にタラレバが飛び交ったストーリーでした。答えを先延ばしにした事で状況は悪化して雁字搦めに‥

くまの場合は特にリミットが決まっていたからこそボニーと合流する道を選んで欲しかった。

政府の失策

よもやCP8が1人の少女を取り逃がす事など想像出来なかったでしょう。
ワノ国、世界会議辺りでは全てが後手後手でその無能ぶりを指摘する意見が多かった世界政府ですが、ここ最近の過去編では憎らしい程にくま達を苦しめてきました。

作品の中でも世界政府へのイメージが大きく転化したと思います。

そんな中で緊急事態。くまを縛る人質が逃げてしまった‥
約束を反故されるきっかけになりかねませんし、これまで良いように使っていたくまが牙を向ける可能性もあったでしょう。

しかしながらシャボンディ諸島までボニーは捕まる事なく海賊として海を駆け上がりました。
結果的には改造手術は完了したわけですが、くまが逃げなかった理由、政府がボニーを捕まえきれなかった理由は何か経緯がありそうです。

ボニーへ

1100話〜1101話の間に挟まれた父くま→娘ボニーへと向けられた手紙
もう二度と娘には会えないと覚悟しながらもそれを悟らせず精一杯に綴った手紙は総数が何十通にも及びました。
月10通ペースで送り続けた手紙も結局はただの1通も届く事は無く‥一方通行で終わってしまいました。
しかしながらここから約3年後、取り出された父の記憶を体験してボニーはこの想いを知る事になります。

記憶を見た後、サターン聖には強烈な殺意を見せてはいますが大崩れせずに感情を保てているのも父の愛を知ったからに他なりません。

母ジニーが命懸けで紡いだボニーをくまが精一杯に育ててくれた事実。例え血の繋がらぬ親だとしてもボニーにとってはたった1人のかけがえのない存在です。

くまの手紙

ボニーへ
私は今海の上にいる
少し有名になってしまい航海しづらいが無事でやってる
みんな元気か?
ボニーが10歳になったら一緒に行きたい場所をたくさん見つけておく

くまの手紙

ボニーへ
世界は図鑑の絵や写真では表現しきれない
美しい風景で溢れている
これを見て喜ぶボニーの顔が見たい

最後にボニー
何度も言うがきみを愛してる
また送るよ

くまの手紙

この手紙がいつ届くかわからないが
ボニー9歳の誕生日おめでとう
私は今ベガパンクの研究所で‥‥

 

人で無くなる恐怖と戦いながらも最後までボニーへ想いを伝える決心をしていた様子。例え会えなくても生きてくれてさえいれば。

時間がある限り伝え続ける
おれはボニーを愛している
あと1年で一生分の想いを綴るつもりだ

遠回りではありますがこの手紙がボニーに伝わった事は救いでしょう。政府に差押えられる事は重々承知してい筈。それでもなお書き続けたくまの執念が実ったか?

自我を失う

改造手術2年のうち1年が経過
段階的には半分のところまで進んだまくまの手術

この時点ではまだ読み取れる変化はありません。
そしてくま自身も【自我を失う】と言うことに対してイマイチピンと来ていない様です。

先に現代のくまを見ている読者としては辛い限りです。生命はありながらも感情や記憶、尊厳といった人間らしさは一切ありません。
ただ忠実に命令とプログラムを実行するだけの生奴隷

この姿はくま本人より娘ボニー、革命軍の仲間たちの方がよっぽど辛い想いをしているかもしれません。【死んだ方がいい世界】やんてタイトルで幕開けた過去回想編ですが皮肉にも思えてきます。
自我を失うとはどうなる事だベガパンク?

ちなみにDr.ベガパンクの配慮で手術完了ギリギリまで人格を保っていられる様にしていたみたいです。
このおかげでルフィ達がシャボンディ諸島に着いた頃まではなんとか人間味がありました。

ここまでは娘ボニーの為に自分が犠牲になる道を歩んでいますがスクラップ寸前の現状から人格を取り戻す道があるならば重要なのはこの【手術完了までの1年間】

世界政府に雁字搦めにされている状況ではありますが、くま、ベガパンクが対抗策を打っていたならばまだ期待は持てます。

既に判明しているのは以下のプログラム。くまがシャボンディ諸島で麦わらの一味を逃した後にレイリーに打ち明けていた状況です。

改造の執刀医Dr.ベガパンクとの間に一つだけ任務をプログラムするという約束をしてたらしい。「〝麦わらの一味〟の誰かが再び船に戻って来る日まで海賊船を死守せよ」。だから、この2年間、奴は本来の記憶もなく…〝人間兵器〟として過去の自分の命令を全うし、おれ達を待っていた

ドラゴンの息子という理由もありくまはルフィに興味を示していました。この時すでにルフィにニカへの期待を抱いている様に思えます。

常に動向に気を配っており、その身を犠牲にしてでもシャボンディで壊滅させたくないという考えに至ったのでしょう。

最後の改造手術完了間際にベガパンクに頼んでプログラムしていた様です。この様子だとそこまで複雑な命令でなければインプットしておくのは可能でしょう。

カマバッカ王国からマリージョアと襲撃に向かった行動も然り、他にもボニーを救う為の命令が組み込まれていてもおかしくありません。

青玉鱗完治

ジニーを蝕み死に至らしめた奇病。
皮肉な事にボニーにも母子感染し、幼くして発症してしまった。

完全に進行を止める手立てはなく、10歳の誕生日がリミットとされていました。

そこからくまが必死に治療方法を探し、エッグヘッド【ベガパンク】の元へと辿り着きました。
天才科学者が【治る】と断言した様に半年の手術と1年間の安静期間を経て無事に

青玉鱗完治となりました。

治った〜
見て!!綺麗に石が消えた
外に出たい〜

現代に寿命を超えて生き長らえていましたので克服の道は確定していましたが読者としても微笑ましい一幕。人生のほとんどを日光から閉ざされた部屋内で過ごしたボニーにとってはようやく第二の人生が始まる様な感覚でしょう。惜しまれるのはここに父くまがいない事。
本来であれば1番喜びを分かち合い安心させたかったでしょう。

ちなみに目の下にあった外傷の青い石も完全に無くなっている様に見えます。初期の登場からピアスの様な装飾が付けられていましたが近くで見ると多少の傷跡は残っていてそれを隠しているのでしょうか?

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