「エルバフ史上最も愛された光輝の王」として、巨人族たちに多大な影響を与えている前国王・ハラルド。
彼が残した「戦士の国からの脱却」という教えや、自らの角をへし折るほどの異常な覚悟は、14年経った現代のエルバフにも深く根付いている。
しかし、彼の144年にわたる生涯は、決して順風満帆なものではなかった。
若き日の「クズ」と呼ばれた暴君時代、世界の王を狙うロックスとの不思議な友情、そして世界政府(イム)の非情な魔の手が絡む14年前の悲劇的な最期……。
最新のエルバフ過去編において、これまで謎に包まれていたハラルドの波乱万丈な半生と、王家を襲った大虐殺事件の「真実」がついに明かされたのだ。
本記事では、エルバフ前国王ハラルドの全人生を時系列で完全にまとめ上げている。
ロキやハイルディンの誕生秘話から、ロックスと交わした哀しき剣戟、そしてなぜ彼が愛する息子ロキの手によって討たれなければならなかったのか。
歴史から歪められた「王家の悲劇」の裏側を、どこよりも詳しく徹底解説していくので、ぜひ最後までじっくりと読み進めてほしい。
◉◉ハラルド王の生涯まとめ◉◉
今は亡きエルバフの元国王『ハラルド』
14年経った今でもその教えや政策はエルバフに根付いており戦士の国からの脱却を図った新生エルバフの象徴とされている。
エルバフ編の肝ともなった過去編を元にハラルド王の生涯を振り返る。
| ハラルド |
| エルバフ ウォーランド王国 国王 |
| 享年144歳 |
| エルバフ史上最も愛された光輝の王 |

今尚アウルスト王城は手付かずで残されており、ハラルド王の肖像画も残っている。辿り着いたルフィ達も只ならぬ覚悟に圧倒れていた。
エルバフ過去編の時系列【ハラルド王の人生】
109年前〜14年前のエルバフに纏わる過去編。世紀のゴッドバレー事件とハラルドの死をターニングポイントに分断
| エルバフ過去編時系列まとめ | |
| 109年前 | クズと呼ばれていたハラルド登場、45歳 |
| 105年前 | イーダと出会い改心してエルバフへ帰還。外交もスタートする。 |
| 81年前 | イーダとハラルドの間にハイルディン誕生。この頃にはエルバフへ移住。 |
| 70年前頃 | ハラルドは外交でリュウグウ王国を訪れた。 |
| 63年前 | エストリッダとハラルドの間にロキ誕生 |
| 56年前 | 世界会議にハラルドが乱入。ロックスと出会う |
| 56年前 | 世界会議にロックスが乱入。パンゲア城花の部屋まで到達。イムとも出会う。ここてロックスは海軍大将を倒す。 |
| 48年前 | 海賊稼業に乗り出したロックスはハラルドを誘いにエルバフへ。ロキはここでロックスと出会い憧れを抱く。 |
| 48年前 | シキやニューゲート達古株メンバーがロックス海賊団の礎となる |
| 44年前より | ロックス海賊団がハチノスを占拠。メンバーも続々と集まる |
| ロジャーと九蛇海賊団が交戦 | |
| グロリオーサが皇帝を退きロックス海賊団へ | |
| シャクヤクが皇帝を退きハチノスで酒場を始める | |
| 世界政府からハラルドへ交換条件が出された。エルバフ冥界にてロックスとハラルドが激突するも引き分け。 | |
| 39年前 | ハチノスの宝と称されるシャクヤクが世界政府に誘拐される |
| 38年前 | シャッキーがゴッドバレーにて開催される先住民一掃大会の景品にされるとの情報が漏れる |
| 38年前 | ロックス海賊団がゴッドバレーへ向かう。航路ではハラルドと出会うがロックスの勝利。ロックスは最後までハラルドを勧誘した。 |
| 38年前 | ロジャー海賊団がゴッドバレーへ参戦 |
| ゴッドバレー事件まで | |
| 38年前 | ゴッドバレー事件、ロックス死亡 |
| 33年前 | ハラルドが世界政府、海軍の為に働く |
| 24年前 | ロジャーの処刑、大海賊時代の幕開け |
| 24年前 | 海軍が巨人族の徴兵に力を入れる |
| 24年前 | ハラルドが五老星と謁見、浅海契約を結ぶ |
| 20年前 | リュウグウ王国でハラルドとネプチューンが酒を酌み交わす |
| 20年前 | ハラルドがサウロに学校の設立を依頼 |
| 15年前 | 聖也マリージョアにてシャンクスがフィッシャー・タイガーを手助けする |
| 15年前 | ハラルドが聖也マリージョアでシャムロック、シャンクスと対面 |
| 15年前 | エルバフにてイーダがエストリッダの一族に毒を盛られる→死亡 |
| 15年前 | イーダの件で怒ったロキが酒村を滅ぼす→【冥界留置所へ】 |
| 15年前 | エルバフにセイウチの学校設立 |
| 15年前 | 世界各地でエルバフの評判が高まり外交にも良い兆しが見える |
| 14年前 | シャンクスの深海契約、神の騎士団が内定していたが失踪した |
| 14年前 | シャンクスの代わりにハラルドが深海契約を勝ち取り神の騎士団へ |
| 14年前 | ハラルドが聖地マリージョアパンゲア城虚の玉座にてイムと対面 |
| 14年前 | ハラルドがアウルスト城の王の間に五芒星(アビス)設置 |
| 14年前 | イムがハラルドに国を挙げての軍隊設立を命令するがこれを拒否 |
| 14年前 | イムに操られるハラルドが最後の力を振り絞り抵抗。ヤルルとロキを呼び寄せる。 |
| 14年前 | ヤルルとロキが王の間に到着するとハラルドが兵士達に刺されていた |
| 14年前 | シャンクスとギャバンが城に到達した際もハラルドは生きており2人と交戦していた。 |
| 14年前 | ハラルドが王家に伝わる伝説の悪魔の実をロキに食べる様に指示 |
| 14年前 | シャンクスも14年前にエルバフに滞在しており、ハラルドの神の騎士団昇格を止めようとしていた |
| 14年前 | ラグニルによって数百年守られていた禁断の悪魔の実をロキが食べる |
| 14年前 | 兵士を全滅せたハラルドを能力を手に入れたロキが止める、覇王色も開花 |
| 14年前 | 最後はラグニルを叩き込みロキがハラルドを討った |
| 6年前 | 海で暴れ回るロキをシャンクスが捕らえてエルバフに送還した |
クズと呼ばれた王
ハラルドの過去編開幕は意外なものだった。ワノ国将軍おでんの幼少時代を思わせるほど‥王族として生まれながらも決して世間から認められる様な存在ではなかった。
ハラルドについて
時を大きくさかのぼること
109年前
世界の海においてこの世で最も恐いものと聞かれたら
みな口を揃えて
巨兵海賊団と答えていた時代に
時を同じくして巨人の国からやってくる王国の船は
エルバフという名を更に恐怖で形取る
その一因になっていた
エルバフ島
ウォーランド王国国王
ハラルド
わずか45歳(人間年齢15歳)で即位した
エルバフの王ハラルドは甚だしく
クズだった
ドリー・ブロギーと共に暴走気味な幼少期を送ったエルバフの王子ハラルドは
古代巨人族の血を引く天性の巨体と怪力そして地位により
慢心極まりもはや誰にも止められない迷惑な人物に成長した
古代巨人族として他の巨人族を圧倒する程の大きさと力を持っていたが正しき使い方が出来ず暴挙を繰り返していた。ましてや外海の者や他種族の人間族など完全に見下していた。
イーダとの出会い
ハラルドの人生を大きく変えた転機となったのは105年前。エルバフ外海の巨人族イーダとの出会い。これまで力任せに暴れた自分を恥じて人間族と歩み寄り改める。
エルバフの国民達にもこれまでの行いを詫びてここから外交へと乗り出しエルバフの生まれ変わりを目指した。
イーダは正妻とは認められなかったが長男ハイルディンを授かった。(81年前)
エストリッダとの出会い
ハラルドの正妻として王城に迎えられたのは同じエルバフ出身のエストリッダ。第二子ロキを授かる(63年前)
しかしエストリッダとの結婚生活はすれ違い。あまりにも短かった。ハラルドの遠征中にロキが生まれたが異形なその姿に心を病んだエストリッダは間も無くして死んでしまう。ロキは母の寵愛を受ける事なく後の人格形成に影響した。
世界政府加盟と外交
ハラルドの人生において多くの時間を割いたのが外交だ。特に最大組織『世界政府』への加盟はハラルドの悲願であった。
ハラルドの地道な政策や外交で徐々に他国にも巨人族という脅威が受け入れ始められており交友関係も広がっていった。ルフィ達とも縁深いリュウグウ王国との親交もありネプチューン王が生まれる前より外交は始まっていた。
しかしいつも上手くいきそうなところで躓いたのが世界政府という壁であった。何度頓挫してもめげずに世界政府へと歩み寄ったハラルドだが最後まで『世界政府加盟』が叶う事は無かった。
そんな中でもハラルドは仁義を尽くす。禁忌の際に手を差し伸べてくれた有効国を守る為に世界政府へと手を出す事もあった。
世界政府に忌み嫌われたエルバフではあるがハラルド亡き今も良き流れとして残っているのが巨人族の海兵入隊である。制御が効かなくなれば危険を伴うとして躊躇されてきたが大海賊時代突入以降は巨人族の力が必要とされていった。
ロックスとの出会い
ハラルドにとっては友の様な存在。
世界の王を目指す大悪党であり海賊のロックスと一国の国王であるハラルドの不思議な関係はエルバフ過去編の見どころとなった。
あまりに衝撃的な56年前世界会議真っ最中の聖地マリージョアでの出会いは甚大な被害をもたらした。
以降は足繁くエルバフへと通いハラルドを勧誘したロックス。世界政府を倒そうとしたロックス、世界政府加盟を目指したハラルドが交わる事はなく。結局はハラルドが手を貸す事は無かった。
もし2人が共闘していたならば世界政府を倒す事も出来たかもしれない。
ハラルドは世界政府加入の条件として五老星からロックスを殺す事を提示され葛藤しながらもロックスへ襲いかかった。決着はつかず‥ゴッドバレー事件を前に2人は袂を分つ。最後は戦地に向かうロックスからその真意を聞かされて情けをかけて見逃した。
ハラルドの覚悟と角折り
エルバフの方向転換、平和の象徴として自らの角をへし折ったハラルド。たじろぐ程の覚悟はルフィやゾロも圧巻だった。
現代エルバフにもハラルドの覚悟と政策は根付き、戦士の国から着実に変わりつつある。
しかしながら実際にハラルドの半生が過去編で描かれると想像以上に壮絶なものであった。
イーダとの出会い以降はこれまでの自身の行いを恥てひたすらエルバフの為に尽力した国王ハラルド。外交は実を結び少しずつ人間族との間にわだかまりは無くなっていった。
それでも立ちはだかったのは世界政府だった。世界政府(イム)はエルバフの加盟を執拗に拒み輪に加えようとはしなかった。
唯一垂らされた糸、盟友である『ロックス』を殺すという交換条件も最後は非情になりきれず、ゴッドバレーの戦地へ出向く事も止めれなかった。
ロックス海賊団の敗戦、ロックスの死亡が報じられると自責の念にかられるハラルド。自分の努力を嘲笑うかの如く人間族から略奪を働く巨人族には怒りのままに制裁を加えた。
ハラルド
お前らの様な体のデカいクズ共が巨人族の恐怖の歴史を作ってきたんだ
そのせいでおれ達は信じて貰えない
平和的に世界の輪に入りたい気持ちを信じて貰えない
エルバフを世界政府に加盟させる為、政府に失望されぬ様おれはあいつに手を貸せなかった
助けを乞う親友をおれは見捨て見殺しにしたんだ
錯乱したハラルド王の怒りは収まらず、相手が気を失ってもその拳を振り下ろし続けた。これまでの努力を無下にする行為への怒り、友ロックスへの贖罪が入り混じりその表情からは苦悩が感じられた。
ハラルドはここである種の覚悟を決める。
引き返す事の出来ない修羅の道を行くと決意。同族である巨人族の悪をも許さない。
ハラルドはイーダ、ヤルル、そして2人の王子ハイルディンとロキに今後のエルバフを託す。なりふり構わないこれからの政策はエルバフにも火の粉となって降りかかるかもしれない。
それでもこの4人がいればと、ハラルドはマリーフォードへと出向いた。

ハラルド
1000年分の償いをさせてくれ
巨人族がこれまで行ってきた過ちを謝罪したい
これからエルバフの子供達が誰も傷つけず生きて行ける様に
人間族と手を取り生きていける様に平和への誓いを証明したい
罪を償うチャンスが欲しい
その為なら私は奴隷にでもなろう
古代巨人族の象徴でもあり誇り。その大きな角を自らへし折って海軍、世界政府へと差し出した。
痛々しい凶行。しかしながら敵意が無いことをアピールし、世界政府の意向に全て従う旨を堂々と示した。
確かに人間族へ与える脅威は計り知れない。世界中に巨人族へ対する恐怖心は植えつけられている。とはいえこれだけ執拗に加盟を断られているのは過去に人間族へ働いた悪行よりも世界政府へ与える危険度にある。
伝説のガレイラ含めて世界政府は明らかに巨人族を恐れている。
ハラルドの謝罪も少しズレてはいるのだが世界政府にとっては願ってもいないチャンスとなった。ハラルドを完全に支配下におくことでエルバフそのものを牛耳る事が出来る。
イムの『かくも操りやすい王』というのはあながち間違ってない。
24年前〜15年前
覚悟を決めたハラルドは以降世界政府の為に働く。時には汚い仕事も請け負ったと後に語った。
そして実績が認められて24年前に聖地マリージョアに迎え入れられ『神の従刃』に昇格(浅海契約)同隊にはシャンクスも名を連ねていた。
世界政府と関係は良好に見えていたがエルバフ国内では最愛の妻イーダが病死する。
イーダを正妻にしようと国の権力者に頼み込んでいたがこれをよく思っていなかったのがエストリッダの一族達。イーダに毒を盛りこれが原因で体調を崩してしまった。
これに怒ったロキはエストリッダ一族の酒村を滅ぼして報復している。
深海契約(神の騎士団)
約10年間、神の従刃として働いて来たハラルドにチャンスが巡って来た。神の騎士団昇格目前にシャンクスが逃走したことでハラルドが次点に挙げられた。
ハラルドはこれを快く引き受けて深海契約を結び神の騎士団へと昇格。
14年前のこの判断が悲劇を招く結果に‥
イムはエルバフに五芒星(アビス)を設置させ騎士団達が自由にエルバフ王城に出入り出来る様に。更にはエルバフの戦士達で軍隊を組織する様に命じた。
ここで真意に気づいたハラルド。この時点でまだ世界政府への加盟は認められておらず。ようやく騙されていると知った。
しかし時既に遅し。自らの体はイムに支配されコントロールを失っていた。
光輝の王の最後
エルバフの為に尽くした王は悲願だった世界政府を達成出来ないままに騙されて最後を迎えた。
徐々に自身のコントロールを失う中でロキとヤルルを呼び寄せて想いを託す。
王家に伝わる伝説の悪魔の実をロキに食べさせて最後はそのロキに介錯される形で尽きた。
友人ロックスと同じ様に誇りを傷つけられる様な最後は世界政府へのヘイトをより膨大させた。
ここでハラルドが持ち堪えた事とロキがそれに応えた事で14年間エルバフは陥落せずに済んでいる。
セイウチの学校設立
既に現代のエルバフでも披露されたが過去編にて実際にハラルド王がサウロへと学校設立を託すシーンが描かれた。
20年前のエルバフ
この頃既に『フクロウの図書館』が存在していた。
図書館の近くに『学校開校』を依頼する。ハラルドは世間の目から逃れるサウロを匿ってフクロウの図書館への移住を許可。同時に国内の学識ある巨人族達を集めてこの地に学校を開いてくれないかと頼み込んだ。
これまで戦士の国として育って来たエルバフから大きく生まれ変わるきっかけにもなった。
子供の代には巨人族の凶暴さやこれまでの悪しき習慣や罪も引き継がず新生エルバフを目指した。
海軍での実績もあり世間を知るサウロはうってつけ。
この政策を先導した。
22年前にオハラ事件に直面して生還したばかりのサウロだがひっそりとハラルド王に貢献していた。
王家の悲劇の真実
14年前、巨人族の総本山エルバフはウォーランド王国を襲った悲劇。
事件の当事者は5名。ハラルドが死亡して他の4人は現代まで生きている。
| 事件の当事者 | |
| ハラルド(死亡) | ![]() |
| ロキ | ![]() |
| ヤルル | ![]() |
| シャンクス | ![]() |
| ギャバン | ![]() |
多くの死者が出た歴史的事件。判明しているだけでも114人
当時居合わせたのはロキとヤルル。そして遅れて現場に駆けつけたギャバンとシャンクスだ。
4人も証人がいながらも伝わっている噂が訂正される様な事は無かった。語りたがらない程の凄惨な事件というとゴッドバレー事件にも近い様に思える。実際には同じ様に『世界政府』の魔の手が絡んでいた。
現代までエルバフ国民に伝わる事件の概要
| ハラルド王殺害事件の風評 |
| 犯人はロキ、この事件が決定打となり死刑囚へ |
| アウルスト城にて息子ロキが父ハラルドを殺害 |
| 王家に伝わる伝説の悪魔の実をロキが奪った |
| ヤルルに瀕死の重傷を負わせた |
| 城内の兵士113人を殺害 |
開幕から印象付けられたロキ=悪のイメージ。王家に伝わる宝を奪う為に王殺しの大罪を犯した悪の王子は国民中から忌み嫌われエルバフの恥と呼ばれた。ルフィ達が来るまでは冥界に縛りつけられていた。
油断していたとしてもハラルドは簡単に殺されるタマでは無い。王であると同時にエルバフの最高戦力でもあった。
他の巨人族ならば不可能にも思えるがロキならば‥ロキの強さとこれまでの悪行が拍車をかけた。
もう1人の王子ハイルディン含め真実は伝わっておらず皆がロキを恨んでいる。

アウルスト王城は事件後あまり手付かずのまま現代まで保持されている。ルフィやゾロも訪れた。
過去編開幕時点での事件概要 1152話
ナレーション
この日城内(アウルスト城)で大虐殺事件が起き
エルバフの歴史上最も愛された王
名君ハラルドが命を落とすのだが
人々は彼の何を讃えたのだろうか?

| 4人視点の事件状況 |
| エルバフに滞在していたシャンクスとギャバン。アウルスト城から異常な覇気を感じて現場に向かった。一部始終を見ていたわけではないが居合わせた。 |
| ロキとヤルルは事件当日ハラルドに呼ばれて王の間に向かった。 |
| そこには兵士達に囲まれて刺されているハラルド王の姿があった。 |
| 外から鍵がかけられており兵士達は逃げる事が出来なかった。 |
| 何者かが鍵を開けて『エルバフに伝わる禁断の悪魔の実』を奪った |
これが各々の事件の見え方。
ハラルド視点での事件の真実
過去編ではハラルドの半生が描かれて事件に至る経緯が判明した。世界政府の為に尽力し加盟を狙ったがイムの命令を受けて真の狙いを知りエルバフが堕ちるギリギリで踏みとどまった。
| ハラルド視点の事件 |
| 事件当日時点でハラルドはイムとの間に深海契約を交わして『神の騎士団』となっていた。 |
| イムの命令を全てこなした暁には世界政府加盟が約束されていた。 |
| 王の間には五芒星(アビス)が設置されていた。 |
| 『国を挙げて戦士の軍団を組織せよ』イムの命令で元々世界政府に加盟させる気はなくエルバフの戦士達を奴隷にしようとしていた事に気付いた。 |
| 命令に背こうにも契約による縛りで身体が逆らえないハラルド。 |
| 兵士に指示してロキ、ハイルディン、ヤルルを緊急招集した。(ハイルディンはエルバフにいなかった)と同時に鎖で自信を縛りつける様に指示 |
| ハラルドの命令とあって当時、留置所にいたロキも一時解放された。 |
ロックスを殺せ、神の騎士団昇格と世界政府加盟条件が提示されるのはこれで3度目。徐々にエスカレートしていき遂にはイムから直接言い渡された。
イムから提示された最後の条件
晴れてヌシアはムーに仕える不死身の騎士となった…
「エルバフ」に”五老星”を作れそれが我らの絆となる
その後言い渡す最後の任務を達成した時
お前の念願は叶う!!「エルバフ」を世界政府加盟国と認めよう
どんな命令にも従うつもりであったが戦士の国から脱却を図るハラルドに対して問答無用でエルバフの軍事化を指示するイム。
エルバフの戦士達を奴隷に
国を挙げて戦士の軍隊を組織せよ
海軍に並ぶ巨兵船団を立ち上げ世界に貢献せよ
ヌシアは歴史を背負うと言った…
奴隷にでもなると言った
ヌシア1人で背負える程度の歴史ではない
口答えするな

過去編の最初と最後で同じナレーションが当てがわれた。ハラルドは自身が奴隷になってでも達成したかった悲願『世界政府加盟』の直前で散った。1000年の罪を償うべく自身を犠牲にしたがエルバフの戦士達が奴隷にされるのは許せなかった。
深海契約のデメリット
ハラルドが交わした深海契約(神の騎士団)によって付与される力
・人間離れした筋力
・不死の体
・五芒星の生成能力
代わりにイムの命令には絶対服従。有効範囲は『世界中どこにいても』
シャンクスはこれを危惧しておりハラルドは神の騎士団に入るべきじゃないと伝えたかったが間に合わなかった

頭では命令を拒んでも体は抗えず。徐々に拘束力は増していき最終的には人格さえも支配される。
黒転支配にかかったロックスにも近い状態となる。
一刻も早く死ななくては
異変に気付いたハラルドはまず鎖で自身を拘束する様に部下に指示。
しかし指示通りに近寄った部下を斬ってしまう。
命令に逆らえないだけでなく思考すらもイムにコントロールされるとここで気付いた。
ハラルド
なぜおれは兵を斬った?なぜか体が動いた‥
あいつの命令の為?邪魔する者は消すのか?
命令に逆らえない?
おれの考えも変わるのか??
あいつの命令によって…
これから一生?
この先おれが生きてる限り
この国はおれが悪化させていく
この身体は有害だ
ムダになるんだ
おれの144年の人生
一気に刻も早く…死ななくては
この先生きていてもこの体はエルバフにとって有害。例え144年の人生が無駄になろうとエルバフを奴隷にするわけにはいかない。自分は『一刻も早く死ななくては』
ちなみにこれは1154話のタイトルと対比にもなっている。
1154話→死ねもしねェ(ロキ)息子
1169話→一刻も早く死ななくては(ハラルド)父
誰にも理解されず打ち解けられないロキが絶望し死のうとしたが古代巨人族故のタフネスが仇となり失敗。
父ハラルドは世界政府からエルバフを守る為に自分の失態の責任をとろうとしていた。コントロールされ自分がエルバフを壊す存在になると考えたハラルドは死ぬべきだという結論へ。
ハラルドは全兵に向かって自身を殺す様に指示した。
これが1152話で兵士にメッタ刺しにされていたシーンの経緯
不死身となったハラルドはもちろんこれでは死なず。たちまち回復して兵士達を薙ぎ倒す。駆けつけたヤルルとロキが2人がかりで床に押さえ付けてなんとか制止した。

僅かに残った自我でハラルドは2人に向けて真相を話し出す。
世界政府加盟の為に汚れた仕事も請け負ってきたが終いには騙されてエルバフごと奴隷として引き渡そうとしている事。
なんとかそれを阻止する為にロキに自分を殺す様に命じた。

ハラルド
エルバフが政府の奴隷になるなど私の夢の真逆じゃないか
だがら…この「エルバフ」歴史上”最悪の王”を
お前が殺し「王座」に就けロキ
おれがいかに愚かな王だったかを国民に伝え
おれを殺して名を上げろ
死んだ後の私の評価などどうだっていい
大切なのはエルバフの未来
頼んだぞロキ
お前にしかできない
ここでロキに『王家に伝わる悪魔の実』を食べる様併せて指示。不死身攻略の鍵とる強力な能力の様だ。
ハラルド
ロキにエルバフの秘宝を食わせてくれ
神の力を得た私には誰も勝てやしない
長い時間ハラルドを押さえておく事は出来ずに再び暴走し出す。先ほどロキに命じたばかりの悪魔の実を自身で食べ、鉄雷(ラグニル)も手に入れようとしていた。
コントロールの効かないハラルドをヤルルが阻止。ここで頭に剣が突き刺さり現代もそのままだ。その間にロキは悪魔の実を食べる為に宝物庫へと向かった。
完全な奴隷
ハラルドはもはや正気ではなくイムの意のままに暴れ回る。
城外へ向けて扉を封鎖する様に発信した。
誰一人として当事者を逃さぬ様、ここで皆殺しにする狙いだ。
兵士達が一斉に襲いかかるも首を刺されてなおハラルドにダメージは見受けられない。これまで見たガーリング聖やソマーズ聖の再生シーンと同じ。頭部や首といった急所すらも意に介さず‥通常攻撃では攻略は不可能だ。

ここでようやくシャンクスとギャバンも到着。
ハラルドに斬りかかり必死に制止した。正気を取り戻す様に呼びかけるシャンクスだが虚しく‥
ハラルドは不死身の優越感に浸っている‥
鉄雷と禁断の悪魔の実
父の指示通り禁断の悪魔の実を食べに向かったロキだったが思わぬ障壁が。
数百年以上、秘宝を守って来た鉄雷ラグニルがロキを阻んだ。

ロキはラグニルとの力勝負に競り勝ち、認められる形で悪魔の実を食べる事を許された。
鉄雷ラグニルの正体は可愛い小動物。まるで意思を持ってるかの様に門番として立ちはだかっていた。
ロキは最強武器のラグニルと悪魔の実を同時に入手。これで不死身のハラルドと対抗する力を手に入れた。
親子最後の会話
イムの支配によって人格を奪われているハラルド。しかし悪魔の実で変貌したロキが攻撃を仕掛けて一時正気を取り戻した。
父と息子最後の会話。操られていたとは言え取り返しのつかない事態を引き起こした事への自責。更には息子へと介錯して貰わなくてはならない‥
ロックス以上に辛い最後となったかもしれない。
ハラルド
食ったのか…ロキ
見せてみろ伝説の力
やはりロキお前には覇王の血が流れてる
惑わされるな・・
限りを見ろ
許されるレベルを超えてる
おそらく思考そのものが奴の影響を受け始めてるんだ
自分を神とでも思い始めている
お前なら立派にエルバフを引っぱっていける
兄と2人仲良くな
一つ言い忘れた
イーダの件ありがとう
酒村を燃やしてもイーダは戻らないが
お前の想いに感謝する
急げ支配が戻る
愛してる


それでもロキが応えてくれた事は嬉しかっただろう。トドメを受ける刹那『愛してる』と告げていたのが印象的だ。ロキだからこそハラルドを止める事が出来た。
14年前の悲劇において英雄はロキだったと言える。
【強さ考察】全盛期のハラルドはどれほど強かったのか?「古代巨人族」の圧倒的ポテンシャル
「エルバフ史上最も愛された光輝の王」として語り継がれているハラルドだが、彼が国をまとめ上げ、世界政府にすらプレッシャーを与え続けられた根底には、間違いなく他を絶する「圧倒的な武力」が存在していた。
わずか45歳(人間年齢でいえば15歳)という若さで王に即位し、誰にも止められない「クズ」として暴れ回れた理由。それは彼が単なる巨人族ではなく、「古代巨人族」の血を色濃く引く規格外の怪物だったからだ。
ここでは、過去編の描写から読み取れるハラルド王の「全盛期の強さ」について、様々な角度から徹底的に考察していこう。
「古代巨人族」というチート級の血脈とタフネス
ワンピースの世界において「古代巨人族」といえば、魔人オーズやリトルオーズJr.など、通常の巨人族すら見上げるほどの超巨体と、島引き伝説を残すほどの規格外の怪力を誇る一族である。
ハラルドもまた、この古代巨人族の血脈を受け継いでおり、その体格と基礎戦闘力は生まれながらにして常軌を逸していた。
通常の巨人族であるドリーやブロギーですら、100年以上前の海で「巨兵海賊団」として世界中を恐怖のどん底に陥れた伝説の戦士たちである。
若き日のハラルドは彼らと共に育ちながらも、腕力やタフネスにおいて彼らを凌駕していた可能性が高い。
「戦士の国」エルバフにおいて、力こそが絶対の正義。彼がどれだけ迷惑な暴君であっても、誰も彼を武力でねじ伏せられなかった事実こそが、その理不尽なまでの強さを如実に物語っている。
ロックスとの激闘が証明する「四皇クラス」の実力
ハラルドの強さを語る上で最も明確な指標となるのが、44年前のエルバフ冥界での激突、そして38年前のゴッドバレーへ向かう航路での死闘だ。
相手は、若き日の白ひげ、カイドウ、ビッグ・マム、シキらを従え、世界の王を目指した最凶の海賊ロックス・D・ジーベックである。
当時のロックスは、間違いなく世界の海で頂点に立つ実力者であった。
そのロックスを相手に、ハラルドは一度は引き分けに持ち込んでいる。もちろん、ロックス側も本気で殺しに来たわけではなく、ハラルドを自らの海賊団に勧誘するための「力比べ」という側面もあっただろう。
しかし、あのロックスの猛攻を正面から受け止め、死なずに渡り合ったという事実だけで、全盛期のハラルドが「四皇クラス」あるいは「海賊王クラス」に肉薄する実力を持っていたことは疑いようがない。
もし彼が国を捨てて海賊として海に出ていれば、間違いなく世界を揺るがす大悪党として、ロジャーや白ひげと肩を並べる伝説になっていたはずだ。
覇気と技術、そして王としての「精神力」
ハラルドの強さは、単なる恵まれた肉体だけではない。
愛するイーダと出会い、「クズ」から「光輝の王」へと改心して以降、彼の力はただの「暴虐」から「国と民を守るための力」へと昇華された。
平和の象徴として、古代巨人族の誇りである巨大な角を自らの手でへし折るほどの異常な精神力と覚悟。その底知れぬ器の大きさこそが、彼の真の強さだったのだ。
だからこそ、世界政府は彼を恐れた。
ハラルドという強大すぎる男が、政府の完全なコントロール下にない状態で世界的な発言権を持つことは、イムや五老星にとって最大の脅威だったからだ。
幾度となく加盟を拒まれた背景には、「エルバフという軍事国家」への警戒だけでなく、「ハラルド・ウォーランド」という個人の圧倒的ポテンシャルに対する恐怖があったと言えるだろう。
悲劇の最期が示す、洗脳された「最強生物」の絶望感
そして皮肉にも、彼のその圧倒的なポテンシャルが、14年前の大虐殺事件で「最悪の形」となって牙を剥くことになる。
イムの「黒転支配」によって自我を奪われ、神の騎士団(深海契約)によって「不死身の体」まで手に入れてしまったハラルド。
もともと古代巨人族のタフネスと四皇クラスの武力を持つ男が、急所を刺されても死なない無敵の殺戮兵器と化したのだ。
シャンクスやギャバンといった当時のトップクラスの実力者が駆けつけても、正気を失った彼を即座に止めることはできなかった。
アウルスト城内の精鋭兵士113人がなす術もなく虐殺されたのは、相手がただの巨人ではなく「無敵と化したハラルド王」だったからである。
彼を止めるためには、息子であるロキが「王家に伝わる伝説の悪魔の実」を食べ、強引に神の力を引き出す他になかった。
全盛期のハラルドは、紛れもなくワンピース世界における「最強生物」の一角であった。
強すぎたが故に政府に警戒され、強すぎたが故にイムに洗脳され、最後は愛する息子に倒される巨大な壁となって立ちはだかった。彼の人生は、その圧倒的な力がもたらした栄光と悲劇の歴史そのものだと言えるだろう。
【独自考察】なぜイーダは毒殺されたのか?エルバフ王族内に渦巻く「純血主義」と権力闘争の闇
ハラルド王の人生、そしてエルバフという国の歴史を語る上で、絶対に避けて通れない「決定的な転換点」が存在する。
それが15年前に起きた、最愛の女性「イーダ」の毒殺事件である。
ハラルドを「クズ」から「光輝の王」へと改心させ、長男ハイルディンを産んだ外海の巨人族イーダ。彼女はなぜ、正妻エストリッダの一族(酒村の者たち)によって命を奪われなければならなかったのか。
単なる嫉妬や女同士の愛憎劇などではない、エルバフ王族の裏側に巣食う「血統」と「権力」の恐るべき闇について深く考察していきたい。
「エルバフの血」こそが絶対。保守派が恐れた「外海からの異物」
イーダが殺された最大の理由は、彼女が「エルバフ出身ではない外海の巨人族」だったからに他ならない。
当時のエルバフは、ハラルドの政策によって少しずつ外の世界へと開かれつつあったものの、王城の奥深くや貴族たちの間には、未だに強固な「純血主義」と「選民思想」が根付いていたはずだ。
「誇り高き戦士の国エルバフの王座は、エルバフの純血によって継がれなければならない」
これが、保守派の貴族たち(エストリッダ一族など)の絶対的な共通認識であった。
そこに現れたのが、どこの馬の骨とも知れない外海の女・イーダである。しかも彼女はハラルドの心を完全に掴み、あろうことか長男(ハイルディン)まで産んでしまったのだ。
ハラルドは彼女を「正妻」にしようと奔走していた。もしそれが実現し、ハイルディンが正式な王位継承者(次期国王)として認められれば、エルバフの純血主義は崩壊し、エストリッダ一族が握っていた既得権益もすべて失われる。
保守派の貴族たちにとって、イーダとハイルディンの存在は、単なる恋敵ではなく「国家と血統を揺るがす最大の脅威」として映っていたのである。
権力闘争の犠牲となった「光輝の王」の甘さ
ここで指摘せざるを得ないのが、ハラルド王の「政治的な甘さ」だ。
彼はエルバフの未来を想い、戦士の国からの脱却や世界政府への加盟という外向きの外交には命を懸けていた。
しかし、自らの足元である「王城内の権力闘争」や「貴族たちの不満」を完全に掌握しきれてはいなかった。
イーダを愛するがゆえに、彼女を正妻に押し上げようとするハラルドの行動は、結果的にエストリッダ一族を極限まで追い詰め、「毒殺」という最悪の手段(暗殺)を決断させてしまった。
ハラルドの「純粋な愛」が、国内の政治的バランスを崩し、結果として最も守りたかった女性を自らの手で死地に追いやる結果となってしまったのは、痛恨の極みと言えるだろう。
ロキを「悪の王子」へと歪ませた毒殺事件の代償
そして、この毒殺事件が及ぼした影響は、イーダの死だけには留まらなかった。
最大の悲劇は、この権力闘争と暗殺劇が、正妻の子である「ロキ」の人格を完全に歪ませてしまったことである。
ロキは、母エストリッダの愛を知らずに育ち、父ハラルドの愛情が自分ではなく「イーダと腹違いの兄(ハイルディン)」に向けられているのをずっと間近で見せつけられてきた。
そのイーダを、今度は自分の母の血族(エストリッダ一族)が毒殺したのである。
ロキは怒り狂い、エストリッダ一族の酒村を滅ぼして報復を行った。これは単なる「イーダへの復讐」だけではない。
「愛憎と権力にまみれた醜い大人たち(エルバフの王族)」すべてに対する、絶望と怒りの爆発だったのだ。
この事件を境に、ロキは国中から「村を滅ぼした悪の王子」として忌み嫌われ、深い孤独と闇(冥界留置所)へと突き落とされることになる。
エルバフの純血を守るために行われた「イーダの毒殺」は、結果的に純血の正統後継者であるロキを狂わせ、1年後の「王家大虐殺事件(ハラルドの死)」を引き起こす最大の伏線となってしまった。
王族内に渦巻く醜い純血主義と権力闘争こそが、ハラルドが心から愛したエルバフを内側から崩壊させる「真の毒」だったと言えるのではないだろうか。
【独自考察】シャンクスはなぜハラルドを止めようとしたのか?「神の従刃」時代に知ったイム様の恐怖
14年前、アウルスト城で起きた王家大虐殺事件。
この凄惨な現場に、当時新世界で頭角を現し始めていた若き日のシャンクス(とスコッパー・ギャバン)が駆けつけていたことは、読者に大きな衝撃を与えた。
彼らは決して、エルバフを侵略しに来たわけでも、事件の黒幕だったわけでもない。
むしろシャンクスは、ハラルドがイムと「深海契約」を結び、神の騎士団へ昇格するのを全力で阻止するためにエルバフへ走ったのである。
なぜシャンクスは、ハラルドの悲願であったはずの昇格を止めようとしたのか。そこには、シャンクス自身が「神の従刃」としてマリージョアに潜入していたからこそ知り得た、世界の王・イムの底知れぬ恐ろしさが関係している。
「深海契約」の真実。不死身の力と引き換えに失うもの
ハラルドとシャンクスは、同時期に「神の従刃(浅海契約)」として世界政府の下で働いていた仲である。
シャンクスはフィガーランド家という最高血統ゆえに、神の騎士団への昇格が確約されていた。しかし彼は昇格目前で突如としてマリージョアから姿を消した。
その最大の理由は、「神の騎士団」になるための最終条件である『深海契約』の恐るべき代償を知ってしまったからに他ならない。
深海契約を結べば、人間離れした筋力と五芒星(アビス)の力、そして「不死身の体」を得ることができる。
しかしその代償は、「イムの命令に対する絶対服従」であり、最終的には思考や人格すらもイムに支配される完全な操り人形(奴隷)に堕ちることである。
かつてゴッドバレー事件で、最強の海賊ロックスが「黒転支配」によって自我を奪われ、化け物へと成り果てた悲劇を、シャンクスはロジャーやガープの背中越しに、あるいは政府の極秘資料から知っていた可能性が高い。
誇り高き王を「神の奴隷」にさせないための疾走
シャンクスが逃亡したことで、皮肉にもその空席にハラルドが抜擢されてしまった。
エルバフを世界政府に加盟させるためなら「自分が奴隷になってもいい」とまで覚悟を決めていたハラルドにとって、神の騎士団への昇格は喉から手が出るほど欲しい切符だったはずだ。
だがシャンクスは分かっていた。イムが約束(世界政府加盟)など守るはずがないこと、そして、誇り高き「光輝の王」が、ただの殺戮兵器としてイムのオモチャにされてしまう未来を。
シャンクスは、ハラルドという男の器の大きさと、エルバフへの深い愛を誰よりも理解していた。
だからこそ、自らが政府から追われる身であるリスクを冒してでも、ギャバンと共にエルバフへと急行したのだ。
「あの契約だけは絶対に結んではいけない。あれは悪魔の契約だ」と伝えるために。
間に合わなかった悲劇と、次代へ託された「ロキの命」
しかし、残酷なことにシャンクスの到着はわずかに間に合わなかった。
彼らがアウルスト城の王の間に飛び込んだ時、ハラルドはすでに深海契約を結んでしまっており、イムの意志によって自らの兵士たちを虐殺する「操り人形」と化していたのである。
尊敬する男が不死身の化け物となり、絶望の中で暴れ回る姿を前に、シャンクスは剣を抜くしかなかった。
かつてロジャーとガープが、暴走したロックスに涙を呑んで引導を渡したように、シャンクスもまた、ハラルドの誇りをこれ以上汚させないために刃を交えたのだ。
結果として、ハラルドを討ち果たしたのは伝説の悪魔の実を食べた実の息子、ロキであった。
シャンクスが事件の8年後(今から6年前)、海で暴れ回るロキを捕らえながらも殺さずにエルバフへ送還したのは、ロキの中に「悲劇を背負ってでもエルバフを守ったハラルドの血と覚悟」を見たからに他ならない。
シャンクスとハラルド。立場は違えど互いを認め合っていた二人の「間に合わなかった因縁」は、イムという存在の絶対的な邪悪さを浮き彫りにする、ワンピース屈指の切ないエピソードである。
【独自考察】ロキが食べた「伝説の悪魔の実」の正体とは?イムの不死身すら打ち破る“神の力”
14年前の悲劇において、戦局を決定づけた最大の要因。それは間違いなく、ロキが食べた「王家に伝わる伝説の悪魔の実」の存在である。
深海契約(神の騎士団)によってイムの操り人形と化し、「首を刺されても即座に再生する」という規格外の不死身能力を得ていたハラルド。
しかし、彼は僅かに残った自我でロキにこう告げた。
「ロキにエルバフの秘宝を食わせてくれ。神(イム)の力を得た私には誰も勝てやしない。だが、あれなら……」
通常の物理攻撃や、並の悪魔の実の能力(自然系などの単純な破壊力)では、五老星や神の騎士団が見せる「理不尽な再生能力」を突破することは不可能だ。
つまり、ロキが食べた伝説の実には、イムの契約(魔術的な不老不死)そのものを無効化、あるいは破壊するレベルの「概念的な能力」が秘められている可能性が極めて高い。ここでは、その実の正体について深く考察していく。
鉄雷ラグニルが「数百年間」も実を守り続けていた意味
まず注目すべきは、この実が宝物庫の奥深くに封印され、可愛い小動物の姿をした『鉄雷ラグニル』によって「数百年間」も守られ続けていたという事実だ。
エルバフは「力こそすべて」の戦士の国である。もしこの実が、単に腕力や戦闘力を飛躍的に向上させるだけの有益な能力であれば、歴代の王や戦士たちが自ら進んで食べ、国の戦力として活用してきたはずだ。
しかし、エルバフ王家は代々、この実を「誰も食べないように」封印してきた。
なぜか。
それは、この実の持つ力が「強大すぎて世界を滅ぼしかねない」から、あるいは「能力者自身の人格や魂を代償にする(覚醒の代償が重すぎる)呪われた力」だったからではないだろうか。
ハラルドは、エルバフ全軍がイムの奴隷にされるという「国家存亡の最悪の事態」を回避するための最終手段(パンドラの箱)として、ロキにこの禁断の果実を食べるよう指示したのだ。
太陽の神(ニカ)と対をなす「悪戯の神」あるいは「冥界の神」?
では、その能力の具体的な正体とは何なのか。
エルバフのモチーフが「北欧神話」であることを考えれば、自ずと答えは見えてくる。
ルフィが食べた実が「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル"ニカ"(太陽の神)」であるように、ロキが食べた実もまた、神の名を冠する幻獣種である可能性が高い。
例えば、「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル"ロキ(悪戯の神)"」。
北欧神話におけるロキは、世界のルールをかき乱すトリックスターであり、最終的には神々の黄昏(ラグナロク)を引き起こす存在だ。
イム様が作り上げた「世界政府の絶対的な秩序」や「不死身という理不尽なルール」を、文字通り“悪戯”のように書き換え、無効化してしまうトリックスターの能力。これならば、不死身のハラルドにトドメを刺せた理由にも納得がいく。
あるいは、死を司る「モデル"ヘル(冥界の神)"」の可能性もあるだろう。
強制的に生命力を刈り取る、または「再生のループ(不死身)」を断ち切って強制的に魂を冥界へ送る能力であれば、五老星やイムの不老不死に対する最大のアンチテーゼとなる。
ルフィ(ニカ)と共にイムを打ち破る最大のジョーカー
いずれにせよ、ロキが手にした力は、ワンピース世界のパワーバランスを根底から覆す「神の力」だ。
現在、ロキはエルバフの国民から「父を殺した悪の王子」として忌み嫌われ、深い誤解と闇の中にいる。
しかし、彼がハラルドを殺したのは国を守るためであり、そのために自ら「呪われた神の力」をその身に宿すという途方もない業を背負ったのだ。
いつかすべての真実が明らかになり、太陽の神(ルフィ)と禁断の神(ロキ)が共闘する日が来れば、その時こそが、世界政府(イム)が作り上げた800年の虚構が崩れ去る「ラグナロク(神々の黄昏)」になるに違いない。
【独自考察】父の死の真相を知らぬ長男ハイルディン。彼がルフィの下で「新巨兵海賊団」を作った真意
14年前の王家大虐殺事件において、アウルスト城の現場に居合わせなかったもう一人の最重要人物がいる。
それがハラルドとイーダの間に生まれた長男であり、本来ならば王位を継承する立場にあったエルバフの王子・ハイルディンだ。
現在、彼は祖国を離れて「新巨兵海賊団」の船長として海に出ており、麦わら大船団(ルフィの傘下)の主力として活躍している。
なぜ彼は国に留まらず、海賊として外の世界へ飛び出したのか。そして、なぜルフィと親子盃を交わしたのか。
彼が置かれた状況と、父ハラルドの「叶えられなかった夢」を照らし合わせると、そこには運命としか言いようがないほど美しい伏線が隠されている。
弟ロキへの「誤解」と、帰るべき場所を失った王子
事件当時、何らかの理由でエルバフを離れていた(あるいは遠征に出ていた)ハイルディンは、帰国後に「腹違いの弟であるロキが、宝に目が眩んで父ハラルドを殺した」という最悪の風評だけを聞かされたはずだ。
真実を知るヤルルやシャンクスが口を閉ざし、ロキ自身も泥を被る覚悟を決めている以上、ハイルディンが弟に対して凄まじい憎悪と殺意を抱いていることは想像に難くない。
尊敬する父を殺され、母(イーダ)を毒殺した一族の血を引く弟が国中で忌み嫌われている。
ハイルディンにとって、事件後のエルバフはもはや心安らぐ故郷ではなく、絶望と怒りの象徴になってしまったのではないだろうか。
彼がエルバフの王座に執着せず、かつてのドリーとブロギーのように海賊として外の海へ活路を見出したのは、この「やり場のない怒りと誤解」が大きな引き金になっていると考えられる。
「新巨兵海賊団」に隠されたハラルドの遺志
しかし、皮肉にもハイルディンの海での行動は、亡き父ハラルドが目指した「戦士の国からの脱却」と「外の世界との繋がり」を無意識のうちに体現している。
ハイルディンが立ち上げた「新巨兵海賊団」は、かつて世界を荒らし回った無差別な略奪集団ではない。
彼らは王下七武海(当時)バギーの派遣会社「バギーズデリバリー」で人間族たちと共に海賊傭兵として働き、様々な種族と関わりを持った。
そしてドレスローザ編において、小人族(トンタッタ族)や人間族の海賊たちと共に戦い、最終的にはルフィの傘下に入っている。
母であるイーダ(外海の巨人族)の血を引くハイルディンは、エルバフの純血主義に縛られることなく、他種族と積極的に「同盟」や「主従関係」を結ぶ柔軟さを持っているのだ。
これこそまさに、ハラルドがエルバフの子供たちに望んだ「人間族と手を取り生きていける平和への歩み寄り」そのものではないだろうか。
世界政府(イム)ではなく「太陽の神(ニカ)」を選んだ必然
そして何より決定的なのが、ハイルディンが忠誠を誓った相手だ。
父ハラルドは、エルバフを守るために「世界政府への加盟」という道を選び、結果として支配を目論むイム様の魔の手にかかり、命を落とした。
一方で息子のハイルディンは、ドレスローザで自分たちをオモチャ(奴隷)の支配から救ってくれた「麦わらのルフィ(太陽の神ニカ)」の器に惚れ込み、自ら進んで盃を交わした。
エルバフを奴隷にしようとした“偽りの神(イム)”に屈するしかなかった父。
世界を支配から解放する“本物の神(ニカ)”を見出し、その剣となることを誓った息子。
この強烈な対比は決して偶然ではない。ハラルドが命懸けで探し求めた「エルバフを導く正しい光」を、息子のハイルディンが外の世界で見つけ出したのだ。
二人の王子が「真実」を知るその日に向けて
弟ロキは、父を殺すという大罪と汚名を背負いながら、エルバフを「内側」から守り抜いた。
兄ハイルディンは、父の遺志を無意識に継ぎ、エルバフの新たな同盟(麦わらの一味)を「外側」の世界で築き上げた。
今はまだ、互いを激しく憎み合い、すれ違っている二人の王子。
しかし、いつかハイルディンが、ロキの被った泥と父ハラルドの真の想いを知る時が必ず来る。その時、二人の王子が過去の怨念を乗り越えて真の意味で手を取り合えば、エルバフは太陽の神(ルフィ)と共に世界政府を打ち倒す、世界最強の戦力となるはずだ。










