3.ワンピース『ONE PIECE』

ワンピースネタバレ イムと結ぶ契約『3段階』強化とデメリット

『ONE PIECE(ワンピース)』の物語が最終章へ突入し、長年の謎であった「世界政府」や「イム」の真実が次々と明かされつつあります。
本記事では、非加盟国の王でありながらマリージョアへの昇階を許されたハラルドの動向を皮切りに、世界政府と強者たちの間に交わされる『3段階の契約(浅海・深海・深々海)』の全貌を徹底考察!
さらに、第1話でシャンクスが左腕を失った本当の理由、イムの恐るべき能力「黒転支配(ドミリバーシ)」と悪魔の実に隠された共通点、そして最深部の契約を交わした五老星の正体まで、これまでの伏線を繋ぎ合わせて導き出した驚愕の真実をお届けします。

『まとめ』イムとの契約

人間族ですらないハラルド、ましてや非加盟国の王であるが世界政府への貢献度を評価されて聖地マリージョアへの昇階を許可された。

現代だとベガパンクの欲(ヨーク)が天竜人への昇格を目指していたが、ある程度認められれば確かに聖地マリージョアへ入る事、つまりは世界貴族(天竜人)への昇格が可能な様だ。

ハラルドの場合は巨人族の中でも抜きん出る『古代巨人族』の体躯、加えて強力な覇王色の覇気と圧倒的な戦力を誇る。
またエルバフの巨人族を指揮する権限も魅力だ。世界政府に対して十分な価値を示したと言っていい。

世界の権威である五老星との謁見が叶った。ここでハラルドは世界政府との間にある種の契約を交わした。
作品では初めて登場する『浅海契約』と呼ばれるものだ(読みは"せんかい")
実際に契約印として左腕に独特の紋様を入れる。世界政府のシンボルマークに似ているだろうか。

世界政府と結ぶ契約には『3段階』の深さがある。
ハラルドが最初に交わした浅海契約はわずかな結。

より功績を重ねていけば最上位の契約となりさらに世界の深部である神について知る事が出来るのも特徴。これは『イム』を指している。

世界政府との三段階契約
1.浅海契約 神の従刃
2.深海契約 神の騎士団
3.深々海契約 五老星
深海契約、深々海契約は本物の神(イム)との契約で13人としか結ばない

深海契約、深々海契約を合わせて13人

騎士団が一気に登場したゴッドバレー事件では神の騎士団が7人

となれば残りは6人。5人編成の五老星が妥当だろう。
神の騎士団は8人編成が基本となりそう。

深々海契約の五老星→『5人』
深海契約の神の騎士団→『8人』

これらが13人が神である『イム』と契約を結ぶ事が出来る。

世界貴族の特殊部隊構成人数
神の従刃 -
神の騎士団 8
五老星 5
騎士団と五老星を合わせた人数は定員あり(13人)

世界貴族の特殊な能力として不死身、イムの器になれる、テレパシー、五芒星による移動などが挙げられるがこれを使えるのが13人に限られるのかもしれない。

浅海契約(せんかい)を交わした神の従刃
軍子
ハラルド
シャンクス

現在『神の従刃』所属が明言されているのは3名。
下部組織にあたるので神の騎士団として登場したキャラ達も従刃を経て昇格したパターンだろう。
フィガーランド家の様に特別扱いされている場合はいきなり騎士団などという事もあるかもしれない。

ワンピース1170話 神の騎士団の証 深海契約の効力

ハラルドが交わした深海契約。神の騎士団への昇格と同時にイムと直接契約を交わす事を意味する。
定員13人と限られた者しか辿り着けない深さではあるが、内定したシャンクスの失踪でハラルドの前にチャンスが巡って来た。
騎士への昇格を世界政府加盟の条件として五老星から提示されていた事もあり快諾。

パンゲア城の虚の玉座へと通され、世界の裏の顔であるイムと謁見。
既に左腕には『神の従刃』のマーキングがあったが、錨の様なマークが上書きされた。
これは既に現代エルバフで登場したキリンガム聖の腕にあったものと同じだ。

世界政府との契約の証
浅海契約(神の従刃) 神の従刃 マーク
深海契約(神の騎士団) 神の騎士団 マーク

以下の4人が政府との契約の証として紋様が明らかになっている。共通点はいずれも左腕である事。これについては意味合いがありそうだ。

紋様が描かれたキャラクター
キリンガム キリンガム マーク
ソマーズ 天竜人 マーク
シャンクス シャンクス 浅海契約
ハラルド ハラルド マーク

契約を結ぶと紋様と同時に特殊な能力が付与される。

特殊な能力
不死身
五芒星を使った移動
イムの人格転移
テレパシーでの意思疎通

1番特徴的なのは『不死の力』。エッグヘッドやゴッドバレー事件等含めて世界政府の不死身集団が猛威を奮っていたがやはりイムが起因となっていた。

現状ではこれを打破するには『覇王色の覇気』のみ。覇王色を纏った攻撃ではその再生速度を遅らせる。発揮するシーン無く命を落としたがハラルドも契約後に不死身となっていた。

これが『神の従刃』との大きな差別化となっている。深海契約より上が不死身の力を得る。

五芒星(アビス)での移動、イムの憑依についてはまだ正確な線引きが為されていないがおそらくはこれも深海契約より上だろう。

イム

深海契約を交わした者は不死と力を得るかわりに命令に服従する
頭で何を考えようともヌシアは実行する

そして何よりも恐ろしいのは力と引き換えにイムの命令に逆らえなくなってしまう事だ。例え離れていても完全に操り人形となってしまう。

イムの拘束力

黒転支配(ドミリバーシ)を仕掛けられた対象。現代ではドリー・ブロギー、過去ではロックスが餌食となりイムの命令のままに働く操り人形となった。
これは世界政府との契約を結んでいない者が対象となり射程圏に入っていれば逃れることも難しい。
大きな特徴として『悪魔』となる事。不死身なのはもちろんパワーも底上げされ相当な覇気を一気にぶつけないと止める事は出来ない。
加えて恐ろしいのはオセロの様に盤面が移り変わり悪魔化が感染していってしまう事だ。

黒転支配(ドミリバーシ)
イム 触手
対象を悪魔化する
解除には一定量以上の覇王色の覇気が必要
イムの命令には抗えず、自我も奪われる
複数以上の悪魔に直線上に挟まれると感染
イムが深海契約を交わした神の騎士団、深々海契約を交わした五老星に転移して対象の近くまで現れなくてはいけない。つまり対象の近くには騎士団か五老星がいる事が条件となる
紋様(契約)による支配
ハラルド イム
媒体を必要とせずに直接対象を操る事が出来る
対象は契約を交わした者に限る
ある程度行動を操る他に完全に乗っ取る事も可能
深海契約以上は距離の制限が無い

浅海契約と深海契約の線引き

深海契約の特徴
不死の体
人間離れした筋力
五芒星の生成能力
世界中どこにいてもイムの支配を受ける

深海契約と浅海契約の大きな違いはイムの支配の有効範囲にある。
浅海契約もイムに支配を受けるが聖地マリージョア(イム)からの一定距離である。

対して深海契約は世界中どこにいてもイムの支配を受ける。

シャンクス

おれとハラルドは
聖地にいる「御大」と呼ばれる奴と
一番浅い契約を結んでいる

この「浅海契敵」だけでも
奴の能力圏内では逆らえなくなる
奇妙な能力だ

だからおれ達は
聖地から離れた時に
少し話したりしてた

ハラルドは神の騎士団になったらエルバフを加盟国にして貰えるって喜んでたけど
それはこの上の契約を結ぶって事を意味する

「神の騎士団」が
契約で得るものは「人間離れした筋力」と「不死の体」
遠距離の移動手段「五芒星」の生成能力

そのかわりどこにいても御大の命令に背けず
奴の声はどこまでも届く

もし契約すればハラルドは奴らの言いなりになるって事なんだ
そんな状況下で強欲なあいつらが人との約束を守るとはおれには思えない

シャンクス 深海契約

契約解除

左腕の紋様は一度交わしてしまえば対象を縛るネックとなる。特に深海契約以上の契約ならば拘束力も強く解除も厳しい。
思い付くのはやはり物理的に左腕を落とす方法だ。
途中から多くの読者が予想していたがワンピース1話でシャンクスが左腕を近海の主に喰い千切られたシーンですら今となっては意図的に思える。
シャンクスの場合神の従刃まで、浅海契約なのでイムの拘束力も薄そうだが海賊として歩む中で忌まわしき紋様が許せなかったのだろう。

ハラルドも政府の真意に気付いてからはこの紋様をどうにかする為に切り落とそうとしていたと思われる。

こうなって来ると引き合いに出されるのが現代で登場したソマーズ聖の腕。描き間違えがあったのでややこしいが正式には『右腕』がギャバンに斬られた。
左腕は無事なので契約はもちろん不死身の能力も健在だ。

基本的には覇王色が攻略の糸口ではあるが左腕を紋様が残らない位置から斬り落としてしまうのも効果的かもしれない。

シャンクスが「左腕を失った本当の理由」とルフィへの期待——“新しい時代に懸けてきた”の真意

世界政府との間に交わされる「浅海契約」。そしてより深い絶望と力を孕んだ「深海契約」。
これらの事実を踏まえて『ONE PIECE』第1話を振り返った時、長年読者の間で議論され続けてきた「なぜ四皇クラスのシャンクスが、東の海の近海の主に左腕を奪われたのか?」という最大の謎に、一つの明確な答えが浮かび上がってくる。

それは決して「油断」でも「当時のシャンクスが弱かった」わけでもない。
シャンクスは、ルフィを助けるという大義名分のもと、意図的に自身の左腕を近海の主に「喰いちぎらせた」のだ。全ては、己の左腕に刻まれた忌まわしき契約の紋様を、物理的に消し去るために。

覇王色の覇気と「選択された代償」

近海の主にルフィが襲われそうになった絶体絶命の瞬間、シャンクスは間一髪でルフィを救い出し、その後たった一睨みの「覇王色の覇気」で近海の主を退散させている。
ここで重要なのは、「腕を喰われた後で覇王色を放ち、海王類を追い払っている」という事実だ。

もしシャンクスが本気で腕を守ろうと思えば、喰われる前に覇王色を放つか、あるいはその圧倒的な身体能力で近海の主を斬り捨てることは容易だったはずだ。しかし、彼はあえてそれをしなかった。
フィガーランド家という天竜人の血筋を持ち、半ば運命づけられるように世界政府と「浅海契約(神の従刃)」を結ばされていたシャンクス。彼は海賊として世界を旅する中で、聖地マリージョアの奥深くに潜む「イム」の異常性と、契約による「支配(ドミリバーシ)」の恐ろしさに誰よりも早く気づいていた。

イムの能力圏内に入れば、思考すらも乗っ取られ、文字通りの操り人形と化す。最も「自由」を愛する海賊にとって、それは死よりも恐ろしい隷属である。シャンクスにとっての左腕は、誇り高き剣士としての利き腕であると同時に、自分を世界政府に縛り付ける「呪いの鎖」でもあったのだ。

白ひげへの返答に隠された「真の敵」

のちに新世界で白ひげと会談した際、白ひげはシャンクスの失われた左腕を見てこう問いかけた。
「おめェほどの男の腕を奪った敵は、どんなヘマな野郎だ」と。
これに対するシャンクスの返答は、あまりにも有名だ。

シャンクス

「……新しい時代に……懸けてきた」

この言葉は長らく、「ルフィという次世代の可能性を救うための代償」として解釈されてきた。もちろんその意味合いは強いが、浅海契約の存在を重ね合わせると、そこにはさらに深い「ダブルミーニング」が隠されていることがわかる。

シャンクスの腕を奪った「敵」は、近海の主ではない。彼が左腕という莫大な代償を払ってでも縁を切りたかった真の敵は、聖地マリージョアに座す「イム」と、それを頂点とする世界政府の支配構造そのものだった。

「新しい時代」とは、ルフィが創り出すであろう「誰もが自由な時代」のことであると同時に、「イムの呪縛(浅海契約)から解放され、真の意味で自由になったシャンクス自身の新しい人生」の始まりでもあった。
ルフィという「ジョイボーイの再来」を確信したあの瞬間、シャンクスはルフィに未来を託すだけでなく、自らも神の支配から抜け出し、彼をサポートできる完全に自由な立場になる必要があったのだ。

ハラルドとの決定的な違いと「五老星の特別扱い」

シャンクスが浅海契約を物理的な切断によって破棄したとすれば、現在の世界政府、特に五老星の彼に対する態度にも説明がつく。
マリージョアでの世界会議(レヴェリー)編において、シャンクスは五老星と直々に謁見している。彼らは「君だから時間を取った」と発言していた。

五老星のシャンクスへの認識
血筋 フィガーランド家(天竜人)
特異性 浅海契約を自らの腕ごと切り落としたイレギュラー
立場 迂闊に手を出せない四皇

これは単に彼がフィガーランド家の血筋(あるいは天竜人)だからというだけでなく、「かつて浅海契約を自らの腕ごと切り落としてみせた、極めて特異で危険な存在」として認識されているからではないだろうか。五老星やイムからすれば、契約を力技で解除し、なおかつ四皇にまで登り詰めたシャンクスは、迂闊に手を出せないイレギュラー中のイレギュラーなのだ。

そして、このシャンクスの「覚悟の切断」は、新たに深海契約を交わしてしまったハラルドの運命と残酷な対比を描き出している。
ハラルドはエルバフを加盟国にするという大義のために、イムの底知れぬ恐怖を知りながらも深海契約に踏み切った。彼が手に入れた「不死身」と「人間離れした筋力」は、シャンクスが左腕を失ってでも捨て去りたかった「呪い」の完成形に他ならない。

シャンクスが左腕を喪失した第1話。あの時すでに、イムという神との果てしない戦い、そして「支配と自由」を巡るONE PIECEの根幹のテーマは、静かに、しかし確実に動き出していたのである。

「悪魔化(ドミリバーシ)」の感染と悪魔の実の暴走——イムの支配と果実の起源

ハラルドをはじめとする強者たちが世界政府と結ぶ「契約」。その奥底に潜む真の恐怖は、遠隔地からイムの命令に逆らえなくなるだけでなく、最終的に自我を奪われ「悪魔」へと変貌させられる『黒転支配(ドミリバーシ)』にある。

対象を強制的に悪魔化し、オセロのように盤面をひっくり返して感染させていくこの恐るべき能力。一見するとこれまで『ONE PIECE』で描かれてきた能力とは別次元の「神の力」に思えるが、実はこの現象、過去の物語に登場したある存在と極めて酷似している。
それが「悪魔の実」、とりわけ「ゾオン系の覚醒に失敗し、自我を乗っ取られた者たち」だ。

自我の喪失とインペルダウンの「獄卒獣」

かつてインペルダウンで登場したミノタウロスやミノコアラなどの「獄卒獣」。彼らについてクロコダイルは「覚醒した動物(ゾオン)系の能力者だ」と語り、のちにエッグヘッド編でのベガパンクの解説や、ルッチ・カクの覚醒時にも「ゾオン系の覚醒は動物の自我に取り込まれやすい」という危険性が明確に提示された。

獄卒獣たちは驚異的なタフさと回復力(不死身に近い再生力)を持つ反面、人間としての知性や言葉を完全に失い、ただ本能と看守の命令に従って動く怪物と化していた。
この状態は、イムのドミリバーシによって自我を奪われ、底上げされたパワーと不死身の体を与えられて「操り人形」となる現象と完全に一致している

悪魔化と覚醒失敗の共通点


・驚異的なタフさと再生力(不死身に近しい肉体)の獲得
・人間としての自我(知性)の完全な喪失
・上位者の命令のみに従う操り人形化(獄卒獣は看守に、悪魔化はイムに)

つまり、イムが用いる「悪魔化」とは、本来悪魔の実(特にゾオン系)が孕んでいる暴走状態を、他者に対して強制的に引き起こす、いわば悪魔の力の根源的なコントロール能力なのではないだろうか。

「悪魔の実」とはイムの力を抽出したものか?

ここで一つの大きな仮説が浮かび上がる。そもそも「悪魔の実」とは何なのか。
もしイムが直接、契約者や対象者を「悪魔化」できるのであれば、世界に散らばる「悪魔の実」とは、イムの持つ『契約と悪魔化の力』を、空白の100年の巨大な王国の技術などによって、強引に果実に封じ込めたものではないのか。

あるいは逆に、イム自身が世界を支配するために生み出した「力を分け与える(同時に支配下におく)ための端末」が、悪魔の実の起源である可能性すら考えられる。

ドミリバーシと悪魔の実の対比
イムの黒転支配 直接対象を「悪魔化」。自我を奪い、絶対服従の不死身の駒とする。
悪魔の実(ゾオン系) 果実を介して「悪魔の力」を得る。覚醒に失敗すると自我を奪われ獣(悪魔)になる。

「複数以上の悪魔に直線上に挟まれるとオセロのように感染する」というドミリバーシの厄介な性質も、悪魔の実の能力者同士が引き寄せ合う性質や、血統因子を通じた共鳴(レゾナンス)だと考えれば辻褄が合う。
現代でドリーやブロギー、そして過去に最強を誇ったロックスすらもがこのドミリバーシの餌食になった背景には、強力な覇気と並行して「悪魔の力」に無意識に触れてしまい、イムの力が入り込む隙(感染の媒体)を作ってしまったからかもしれない。

この仮説が正しいとすれば、悪魔の実の能力者、とりわけゾオン系の能力者は、能力を使えば使うほど、あるいは覚醒に近づくほど、イムの支配(ドミリバーシ)を受けやすい危険な状態に近づいていると言えるだろう。

ルフィの「ニカ」が唯一の希望となる理由

こうした「イムによる悪魔化・支配のシステム」に対する唯一の例外であり、最大の希望となるのが、ルフィの持つ「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル”ニカ”」だ。

ニカは「太陽の神」であり、解放の戦士として描かれている。
イムの力が「自我を奪い、服従と不死身を強要する悪魔」であるならば、ニカの力は「人々に自由と笑顔をもたらす神」である。イムが悪魔化(ドミリバーシ)の黒いオセロで世界を絶望に染め上げようとする中、ルフィの覇王色の覇気とニカの「白(解放)」の力が、その感染を食い止め、盤面をひっくり返す最大の鍵となるのは間違いない。

ハラルドが深海契約によって強大な力を得た代償として不死の悪魔に成り果ててしまった時、その呪縛を解き放つことができるのは、圧倒的な覇王色を極め、悪魔の力にすら縛られない「真の自由」を体現するルフィ(ニカ)だけなのだ。

物理的切断以外の「契約解除」の可能性——対イム戦の鍵を握る2つの悪魔の実

左腕の紋様を切り落とすことでイムの支配から逃れる。シャンクスが身をもって証明した(かもしれない)この「契約解除」の方法だが、いざ実戦においてこれを成功させるのは極めて困難だ。

特に「深海契約」以上を交わした神の騎士団や五老星は、人間離れした筋力と「不死身の肉体」を誇る。
現代でソマーズ聖の右腕がギャバンに斬り落とされた事件があったが、肝心の左腕は無事であったため、契約も不死身の能力も健在だった。戦闘中に、圧倒的な覇気と力を持つ彼らの「左腕だけ」を正確に根元から斬り落とすのは、至難の業と言えるだろう。

覇王色の覇気を纏った攻撃であれば再生速度を遅らせることは可能だが、それだけでは根本的な「契約解除」には至らない。
そこで対イム戦、そして不死身の騎士団を攻略する最大の鍵として浮上するのが、「悪魔の実の能力による概念的な契約の無効化」である。
特に、以下の2人の能力が戦局を大きく左右する可能性が高い。

トラファルガー・ロー(オペオペの実)による「強制バグ」

一つ目の可能性が、トラファルガー・ローの「オペオペの実」だ。
彼の能力で作られる「ROOM」内では、あらゆる物の配置や接合を自在に改造することができる。「切断(アンピュテート)」によって斬られた体は、ダメージを受けることなく分断され、生き続けたまま別の物体にくっつけることが可能だ。

もし、ローが深海契約者の左腕を「切断」し、それをその辺の岩や動物に接合(シャンブルズ)したとしたらどうなるだろうか?
紋様が刻印された腕は物理的には生きているが、本体の神経や意志とは完全に切り離される。イムの支配(ドミリバーシや命令の強制力)が「紋様」を媒介としたテレパシーや人格転移であるならば、ローの能力で左腕を切り離した瞬間、イムとの通信経路に致命的なバグが生じるはずだ。

対象を殺さず、かつ血も流させずに「契約の部位」だけを隔離できるオペオペの実は、神の騎士団の不死身の特性を完全に無視して無力化できる、まさに「究極のメス」となり得る。

マーシャル・D・ティーチ(ヤミヤミの実)による「無効化」

二つ目の可能性が、黒ひげことマーシャル・D・ティーチの「ヤミヤミの実」だ。
「悪魔の力」を引力で引きずり込み、触れている間は相手の能力を完全に無効化するこの力は、悪魔の実の能力者だけでなく、イムの「契約」に対しても有効である可能性が高い。

ヤミヤミの実が有効な理由


・契約による「不死身」や「筋力強化」も一種の異能(悪魔の力)である
・闇の引力は「実体」だけでなく「概念的な力」をも吸い込む

イムが紋様を通じて対象に与える力や支配力が、悪魔の実の起源と同質のものであれば、ティーチが相手の左腕(あるいは本体)に触れた瞬間、その「深海契約」による不死身の力は強制的に剥がされることになる。
不死身を過信して突っ込んでくる神の騎士団にとって、攻撃を無効化し実体を引きずり出すヤミヤミの実は、文字通りの天敵だ。

特殊能力による契約攻略法
オペオペの実(ロー) 無傷での左腕切断・接合により、イムとのリンク(支配通信)を物理的にバグらせる
ヤミヤミの実(ティーチ) 契約そのものの効力(不死身・筋力強化など)を闇の力で吸い込み、一時的に無効化する
覇王色の覇気 直接的な打撃により再生を遅らせ、ドミリバーシ(悪魔化)の進行を力で押し返す

「D」の意志がもたらす神への反逆

偶然か必然か、この「神の契約」を打破し得る力を持ったローとティーチは、どちらも「D」の名を持つ者たちだ。
かつてコラソンは「Dは神の天敵」だと語った。これは単に思想や血統の比喩ではなく、彼らが身につけた能力や覇気そのものが、イムという「神」が作り上げた不条理なシステム(支配と不死身の契約)を論理的に破壊するカウンターピースとして機能していることを示している。

ハラルドのような強大無比な戦士ですら抗えなかった絶対的な契約の鎖。それを物理的な喪失(シャンクス)だけでなく、自らの異能と「D」の力でこじ開けようとする者たちの存在が、今後の頂上決戦における最大の鍵となるだろう。

最深部「深々海契約」の代償——五老星はイムの「五指」に過ぎないのか

世界政府と交わす契約には3つの段階が存在し、深く潜るほどに強大な力と引き換えに重い代償を背負うことになる。
浅海契約(神の従刃)が「一定範囲内での服従」であり、深海契約(神の騎士団)が「世界中どこにいても逆らえない操り人形化」だとするならば、さらにその奥底、選ばれた5人だけが結ぶことを許される最上位の「深々海契約(しんしんかいけいやく)」とは一体どのようなものなのだろうか。

結論から言えば、五老星が交わしている深々海契約の真の代償とは、「個人の自我の完全なる消失と、イムの『端末化』」である可能性が高い。

自我の喪失と「群体」としての意識

深海契約を交わしたハラルドや神の騎士団は、イムの命令に逆らえず操り人形になるという恐怖を抱えている。しかしこれは裏を返せば、彼らの中にはまだ「命令に逆らいたい」「契約を解除したい」という個人の自我(魂)が微かに残されていることを意味している。だからこそ苦しみ、シャンクスのように自ら腕を切り落とす者も現れる。

しかし、最高位である深々海契約に到達すると、その「抗う自我」すらも完全にイムの意識によって上書きされ、消滅してしまうのではないだろうか。
エッグヘッド編において、五老星たちは念波(テレパシー)を用いて遠く離れた場所からでも互いに違和感なく意思疎通を行っていた。これは単なる通信能力というよりも、彼ら5人が「イムという巨大な単一の意識を共有する『群体』」になり果てている証拠だと言える。

深々海契約による状態変化


・個人の感情や思考の完全な消滅(イムの思考との同化)
・5人全員での意識の共有(シームレスなテレパシー)
・イム自身の能力(黒転支配など)を中継する完全なゲート化

定員「5人」の意味と「五芒星」の謎

神の騎士団と五老星を合わせた契約者の定員は「13人」であり、そのうち深々海契約を結ぶ五老星は「5人」と定められている。
なぜ五老星は5人編成でなければならないのか。それは彼らが、イムの「手(五指)」そのものだからではないだろうか。

イムを世界の「脳」あるいは「本体」とするならば、五老星は世界を直接操作するための「右手の指」に等しい。
人間が指を動かす時にいちいち「指を曲げよう」と命令を下さないのと同じように、五老星はイムの意思と完全に連動し、自律的に動いているように見えてその実、ただイムの意思を反射しているに過ぎない。

契約の深度と「イムとの関係性」
浅海契約(神の従刃) 【道具】 イムの目が届く範囲でのみ使役される
深海契約(神の騎士団) 【手駒】 遠隔地でも操作可能な強力なチェスの駒
深々海契約(五老星) 【肉体の一部】 イムの意志と直結した「五本の指」

この「5人」という数字は、彼らが移動手段として用いる魔法陣のような「五芒星(アビス)」とも深く結びついている。
五芒星は5つの頂点を持って初めて完成する図形だ。五老星一人ひとりが五芒星の頂点(エネルギーの支点)を担っており、彼らが5人揃って初めて、イムの強大な力や本物の神の権能を現世に100%顕現させることができるシステムになっていると考えられる。

イムの「器」としての最終形態

さらに恐ろしいのは、深々海契約には「イムの器になれる」という特権(あるいは呪い)が含まれていることだ。
もしイムの本体が聖地マリージョアの奥深くから動けない、あるいは寿命や肉体の限界を迎えた場合、深々海契約で完全に自我を空っぽにされた五老星の肉体は、いつでもイムの本体が乗り移れる「スペアの肉体(器)」として機能する。

サターン聖やマーカス・マーズ聖といった強大な怪物たちが、なぜあそこまで世界政府の維持に固執し、冷酷に立ち振る舞うのか。
それは彼らが「世界貴族のトップ」だからではなく、すでに彼らの中身が「イムそのもの」だからに他ならない。深々海契約とは、世界の頂点に立つ名誉などではなく、自分という存在を神に捧げ、神の一部として永遠に溶け込むという、最もおぞましい自己犠牲の儀式なのである。

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