ワンピース考察【ベガパンクの最後】メッセージの真意は常人には伝わらなかった
今回はワンピース。エッグヘッド編で騒動を起こした張本人Dr.ベガパンクについて。いまだに事件のほとぼりは冷めぬまま世界へ広がる波紋。イタズラに人々を混乱させてしまった様にも見えますが‥
ベカパンクの思惑
もうすぐ私は死ぬだろう‥
エッグヘッド開幕直後にドラゴンとの通信で旧友に漏らした本音。死を受け入れようとしているかに見えた。
しかし運命に導かれる様にやってきたのがドラゴンの息子ルフィ。思わぬ強者の到来にベカパンクは救助を依頼して脱出を企てた。
途中までは脱出に注いでたがくまがエッグヘッドへやってきた事、サターン聖の目論見を知った事、ボニーに魔の手が迫った事‥‥これを受けて新たに覚悟を決めた様だ。
頼んだのは私じゃが
覚悟を決めた
ここで守るべきものがあるのだ
瀕死に陥りながらも笑みを浮かべ未来島より世界中に向けたメッセージ
長らく政府お抱えの科学者として従事してきたベカパンク。ドラゴンの様に反逆するのではなく内部から世界を変えようとしたからなのか。しかし科学者の性である興味本位が入り口で世界の禁忌『空白の100年』に関する情報を得た。
更には世界の闇を間近で感じた事でメッセージを発信するに至ったのだろう。
驚くどころか世界が転覆する様な真実を語ろうとしているのは明らか。
『正義』として君臨してきた世界最大の組織『世界政府』に対して加盟国民の不満が募り、その在り方を疑う様になるだろう。
世界政府が恐れている事そのものでありこれが壊滅的ダメージにもなりかねない。
革命軍が世界政府を倒そうとしているがそれは武力行為や兵糧作戦が肝となっている。対してベカパンクのそれは情報が肝となり民衆の支持を著しく落とそうとする都落ち作戦。
クローバー博士の意思
空白の100年に触れるのであれば外せないのが考古学の権威クローバー博士
ドラゴン、ベカパンクとも旧友であり世界政府の凶弾に倒れ惜しまれた。
ベカパンクがオハラ事件後に訪れた事で歴史が紡がれた形。クローバー博士他、学者達の執念が実った大勝利。
これこそベカパンクが禁忌に触れるきっかけともなりました。
今や完璧に政府と対立する形となったベカパンク。
反旗を翻すのであれば当然クローバー博士が紡いだ意思をぶつけてみせたいところ。
あの日駆逐したはずの灯火が世界政府を襲う事になれば読者としてもかなり嬉しい展開でしょう。
情報発信力
単にスピーカーを使って世界中に拡散するとは言っても簡単な事ではない。
それを可能にするのはDr.ベカパンクの科学力の賜物。
現在のベカパンクは肥大しすぎた脳を切り離しパンクレコーズとしてクラウドデータの様に管理しています。
本体1人、サテライト6人でその脳を共有し定期的に同期する事で新しい記憶や情報をアップデートしています。
最終目標は今尚肥大し続けるベカパンクの脳、世界最大のデータバンクである『パンクレコーズ』を図書館の様に全人類で共有する事。
相互アップデートを繰り返して知識と体験を共有し『知識の海』を体現する事。
【脳はいつか人類で共有できる】
天才の発言には自信と可能性が秘められています。
そして遠い未来ではなく現在進行形で研究は進められいる事でしょう。
脳を共有するという大それた技術なわけですから当然このパンクレコーズを利用すれば情報の拡散も容易。
スピーチによる音声のみならず、記憶によるビジョンも世界中の人類へ発信されてしまうかもしれません。
世界政府の膿
バーソロミュー・くまの回想を皮切りにこれでもかというほどに読者にヘイトを植え付けたエッグヘッド編。
人体実験の結果、被験体に難病を発症させ今度はその治療を交渉材料にくまを絡め取った。
特にくま,ジニー,ボニーを取り巻く世界政府の行いは壮絶を極めていたと言えるでしょう。
また国民の不安を煽るのは
・奴隷狩り
・王国の焼き払い
という事実。公にはなっておらず海軍本部ですら一部の上層部しか知らない様な出来事。あの有名なゴッドバレー事件ですら引き金となっていたのは天竜人の悪癖であった。
当然これらは氷山の一角で水面下には腐るほど人間を虫ケラの様に排除した歴史がのさばっている。
今回はくまの記憶を垣間見れた事でボニーがこの様子を疑似体験した。
しかしくまの改造手術を執刀し、記憶の摘出や研究への協力を仰いでいたベカパンクも当然この事実をキャッチしているだろう。
空白の100年よりももっと直近の時系列で行われた事件となれば加盟国民にとっては鳥肌もの。
天上金という締め付けはあれど海軍の活躍などである意味秩序と治安を守られてきた加盟国達も疑問を抱く決定打になりかねない。
未来島と過去島
遠い未来に人類が到達する境地。
現代人からすれば想像も出来ない様な環境。
天才科学者Dr.ベカパンクを持ってして栄えた
500年先の科学技術が実現している『エッグヘッド島 』
未来島というパワーワードに心躍らされたルフィ達と我々読者。
しかしながら開幕して間も無く予想外のセリフが飛び出した。
この島は未来に見えるか?
ここは過去だ
例えばこのエッグヘッドのような高い文明を持つ王国が900年前に実在してた
エッグヘッドの科学は未来へ向けて発展しているわけではなく過去をトレースしている?
ベカパンクは過去を紐解く事でその知識と技術を現代へと甦らせているとも言える。言うなれば『過去島』
そしてクローバー博士が示唆した様に『王国』というワードも飛び出した。高度文明を誇ったこの王国が巨大な敵に敗れた事実こそ『空白の100年』の幕開けともなっている。
以下はクローバー博士とベカパンクの仮説の要約。
空白の100年はかつて存在した高度文明の【ある王国】と【20の王国】の戦いの歴史
戦いに勝った20の王国は現在の世界の創造主とされる。(世界政府)
ある王国の危険思想を何人にも継がせない為に歴史からその全てを葬り去った。
歴史における空白の100年に関する研究(歴史の本文の解読)自体が世界政府の禁忌。破れば死罪。表向きには研究によって凶悪な古代兵器を呼び覚ます事を懸念しての理由
モデル アインシュタイン
登場初期より偉人であるアインシュタインがモデルになっている事は囁かれていた。特徴的な舌出しや時折見せる豊かな表情もモデルの的を得ています。
そんなアインシュタインの最期をご存知でしょうか?
致命傷を負ったベカパンクが世界へ向けてメッセージを発信しようとしているシチュエーションはピッタリではないでしょうか?
アインシュタインの最期
アインシュタインは76歳の生涯を終え、彼は死の間際にドイツ語で最後の言葉を遺したが、その場にいた看護師がドイツ語を理解できなかったため、彼が最後に何を言っていたのか、その内容については不明
アインシュタインの場合はダイイングメッセージを言語の問題で読み取る事が出来ませんでした。
ベカパンクの場合はどうでしょうか?
難しい言い回しをして要点が伝わらないか。
言い終わる前に消されてしまうか。
いずれにせよ本意では無い最期となるのかもしれません。