最強の海賊ロックスの敗戦。故郷のゴッドバレーは海に沈み世界政府の闇も多くの者に露呈した。ロジャーが世界を制するよりも更に昔、38年前の出来事だがここから大きく世界は揺らいでいく。
ロックスの唯一と言って良い友人ハラルドを取り巻く環境も変化が。王家の悲劇にはやはり世界政府が見え隠れする。
| ロックスは最後に意識を取り戻した。追撃に来た神の騎士団、ガーリング聖によってトドメを刺される。 |
| ロジャー、ガープはギャバンとレイリーがそれぞれ背負って脱出 |
| ゴッドバレー(島)が崩れエピローグが打たれた |
| シャンクスが入った宝箱がオーロジャクソン号で開けられる |
| 世界政府の膿を見て見ぬフリをしようとしたセンゴクとガープが衝突 |
| ハラルドは自責の念に駆られて暴走気味に。ロキとハイルディンにエルバフの跡を託す。 |
| ハラルドが海軍本部に出向き自らの角を追って決意表明。これまでの巨人族の罪を詫びて奴隷にでもなる構え |
◉◉ワンピース1166話速報 『新しい物語』◉◉
ロックスの敗戦で終結したゴッドバレー事件。終わって尚余波は大きく世界中の海へと影響をもたらした。
そして事件前にロックスと決別した友人ハラルドを巡るストーリーも進展。古代巨人族の誇りである角を自らへし折って決意とした。
今回の過去編ではほとんど出し惜しみする事なく読者が気になる『ゴッドバレー事件』事項を約9話に渡って描いてくれた。作品完結後にスピンオフで描かれるのでは?なんて予想もあったが最終章において重要事項がいくつも飛び出した神エピソードであった。ひとまずは今回で後述談含めて完結となる。
扉絵は読者リクエスト。秋の深まりを感じさせるイラストだ。連載シリーズのヤマト金稲荷代参でも登場したヤマト、お玉達がルフィ達とサツマイモを頬張っている。
仲間入りが噂されていたメンバーがこうやって一味と揃うのも面白い。
また、ジャンプ表紙では初めてカラーのロックスが描かれた。髪色は白メインで青が映えるツートーン。個人的には黒と紫をイメージしていたがこれはこれで良い。ロックス、ロジャー、ガープとゴッドバレー事件の主役に加えてルフィも並んだ。
ロックスへトドメを刺したのは
前回のラスト。ガープとロジャーの渾身の攻撃がロックスにヒット。悪魔化したロックスはこれにKO、最後は魂が浄化されていく様にも見えた。
今回のスタートではまだロックスに息がある。呪いが解けた?生きて島を出れる?希望を見出した矢先ロックス視点で映る逆さまのシルエットは神の騎士団達。
やはりハッピーエンドとはいかない。ロックスが生き延びるというルートはやはり残されていなかった。
トドメを刺したのは神の騎士団。ガーリング、ソマーズ、マッフィー達。
最後はガーリングの剣がロックスを貫いた。
ああダメか‥死を悟ったロックスは最後にガープとロジャーの事を気にかけていた。自分ではどうしようもなかった暴走を2人の男気で止めてくれた事に感謝するロックスだった。本当は直接言いたかっただろうが叶わず。それでも最後は人間で死ねて良かったのかもしれない。ロックスの株が下がる事は全く無かった。
人間狩りでは高得点を出していたガーリング聖ではあるがその後の活躍は霞んでいた。実際に神の騎士団複数人でも妻子を守りながら逃げるロックスを仕留めれずにいた。最後は瀕死で無抵抗のロックスを手にかけ、これがゴッドバレーの王者と言われる所以としては弱い。
ロックスがまた生きているという説はこれで消滅か?有耶無耶なラストではなくしっかりとトドメのシーンが描かれたのは意味深。最強の男の最期としてはなんとも切ない。
そして攻略方法がハッキリとは判らない黒転支配(ドミリバーシ)ではあるが一定以上の量の覇王色の覇気を叩き込み気絶させれば呪いは解ける様だ。特にロックスのパターンの様に悪魔側が覇王色使いであり操作に長けている場合はより解除が困難となる。
現代、ガーリング聖はエルバフから聖地マリージョアへ帰還している。エルバフでルフィに倒されるというパターンは無さそうだ。そうなると父の仇をティーチが討つというルートも出てくる。
ゴッドバレー事件を経た今となってはこれまで不人気だったティーチをも応援したくなってしまうから不思議だ。
ガープとロジャー
力尽きてロックスと共に横たわっていた2人だがこちらは神の騎士団の刃が及ぶ事は無かった。
ロジャー海賊団の他のメンバーを残して島に戻ったギャバンとレイリー。ロジャーの双肩が2人を背負って救出。
脱出までが共闘戦線。この先厄介となる海軍中将ガープでも見捨てる事なく助けた。この辺りはさすが。
ちなみに
ガープを背負っていたのがギャバン
ロジャーを背負っていたのがレイリー
ロックスとしても2人が生き延びた事は本望であろう。運ばれるロジャーもロックスの事を気にかけていた。ニューゲート含めて他の船員に見捨てられ少し不憫にも思えたがロジャーとガープに救われた。
ロックス海賊団の敗戦
個々の戦力だけを見るならば間違い無く最強だったチーム。作品を辿っても史上最強と言っていい。
チーム戦ならば負けるという結末は想像できない。それだけにどの様なルートを辿るのか疑問であった。
途中まではシャッキーや財宝を目指してある程度まとまっていた一味。しかしながらシャッキーがロジャー海賊団(レイリー)に奪われた事を皮切り各々が勝手な行動をとり徐々に一味は分断されていく。
イムが降臨してからも仲間同士で宝の取り合いが始まり、船長ロックスが悪魔化して制御不能となればチームを見限って即座に敗走した。
ある意味気持ち良いほどに利己的なチームであった。
そしてロックス海賊団壊滅のニュースは世間を巡る。例え世界政府であろうと海賊達の見立てではロックス勝利が大きかっただろう。
ここまでの急成長を遂げて来たロックス海賊団の快進撃が幕を閉じる。
『ロックスでも敵わない』当時を知る者の間には、より政府の強大さが印象付けられた。
ロックス海賊団壊滅
報道は勿論改ざんされ
英雄ガープの文字だけが紙面に踊った
一方で市民達は歓喜の声。ガープを褒めたたえ民間人の脅威であるロックス壊滅を喜んだ。
収まりつかないガープではあったがセンゴクが制していた。
勿論これを報じたのはゴッドバレー事件の火を大きくした要因でもあるモルガンズだ。おそらくは金を受け取って大きく事実を捻じ曲げている。
ゴッドバレーの消滅
西の海(ウエストブルー)に存在する世界政府非加盟国『ゴッドバレー』
デービー一族が密かに暮らすこの島には他にも豊富な資源が存在していた。
海賊達の乱入で事態は混沌としていたが元々世界政府は資源ごとこの島を手に入れ政府の管轄に置く算段であった。
しかしながらロックス、ロジャー、ガープ、ニューゲート
強大な覇気を持つ猛者達の激突は熾烈を極め島の象徴である2つの山を損壊し被害は拡大していった。
『あの島はなかったものとする』
イムの勅令によって不都合とされるゴッドバレーは海に沈む事となる。既にCP6によって事件の概要は揉み消されており痕跡は消滅。現代にはほとんど語り継がれない一因ともなっている。
エピローグ
舞台の幕が降りる様に島は崩れ
深い霧に覆われていく
これが知られざるゴッドバレー事件の大要である
しかしこの時一瞬の静けさを経て
幾多にも分岐する巨大な稲妻が天を割った
そしていくつもの新しい物語が幕を開ける
意味深な稲妻‥
ナレーションで大々的に報じられているが覇王色の覇気とはまた違う様に見える。雷に関する能力を持つリンリン、カイドウもコマ割りにいたが2人が起こしているとも考えにくい。
また小さなコマ割りではあるがエピローグではエリスに抱えられるティーチの描写があった。くまの助けもあり無事に脱出。現在地はわからないがルルシアの地を目指すのではないか?
シャンクスとロジャー海賊団
オーロジャクソン号へと無事帰還したロジャー。こちらも激闘続きでかなりの重症の様子。
すぐさま治療に入るロジャー。目を覚まして看板に出るとそこにはゴッドバレーから奪ってきた宝箱が。一同ロジャーが目を覚ますまで待っていた様だ。
ここで妙な音を聞いた。これは例の万物の声を聞く力ではなく本当に鳴き声。発生源は宝箱‥
慎重に開けてみるとキャッキャと笑っている赤ん坊が。とてもゴッドバレーの戦地から生き延びたとは思えない表情。
運命の子シャンクスは後の海賊王ロジャーの船へと渡り育てられる事となった。
おそらくシャンクス自身が出生の秘密を知るのはまだまだ先となる。
ちなみにロジャー海賊団に加えて元九蛇の皇帝2人グロリオーサとシャッキーも乗船していた。オーロジャクソン号に乗ってゴッドバレーを脱出した様だ。
レイリーとシャッキーはゴッドバレーの余韻冷めやらぬままにラブラブ。意外とロジャーはそこまで妬いていなかった。

開幕前から判明していたルート。ロジャー海賊団がゴッドバレーから奪った宝箱の中の1つにシャンクスが紛れていた。
海兵ドラゴンによって世界貴族の手から逃れたシャンクスだが最終的にはドラゴンと逸れてしまう。
宝箱の財宝に興味を持ち近寄ったシャンクスはそのまま宝箱で眠ってしまった。

ゴッドバレーに用意された宝箱はどれも価値あるものばかり。ロジャー海賊団も複数の宝箱を奪ったがその1つにシャンクスが入っていた。

昇進バカと崖の下
昇進バカ→センゴク
崖の下から吠えるだけ→ガープ
互いを揶揄する同期の2人。
海軍にはなくてならない中心人物だがそれぞれ今回の件に思うところがある様だ。
病み上がりでもお構いなく、意見が食い違い殴り合っていた。
巨大組織の全容を全て把握して対処するのは不可能。例え上層部がイカれていようと見て見ぬふりをするという合理主義のセンゴク。
昇進を蹴り続けているガープとは違い、組織の中でも着実に昇進し後に元帥に就任している。
一方でガープは現場で生き続ける。中将の立場だからこそ守れるものがある。世界政府の闇の部分であるイムの存在や人間狩りを目の当たりにしながらも脱退はせずに部下の海兵達を守る選択をした。さっさと軍を抜けたドラゴンよりもよっぽど荊の道を歩んでいったのかもしれない。
おつるを含めた3人の同期。長らく海軍を支える立役者であるが株を上げたガープに対してセンゴクは従順だった。圧倒的権力を持つ世界政府がどんなに間違った事をしていても現状は目を瞑る意向。
読者から見てもかなり酷い有様だ。しかしながらガープとは違い現実主義でまずは権力を得なければ何も変える事が出来ないと考えての決断なのかもしれない。
元帥として後に残す功績を思えばここでの判断は正しかったのだろうか?
犯罪者ドラゴン
読者視点から見た海兵ドラゴンは父ガープにも劣らぬ英雄の様なムーヴであった。
ゴッドバレー事件の影の立役者と言って良い。最終的には赤子のシャンクスだけでなく多くの先住民達も島から救出した。

しかしながらこの時のドラゴンの背反行動は処罰されて当然。ましてやまだ役職の無い一海兵であった。
世界政府の命令に背くだけでなく、上官に銃を突きつけるという暴挙は特にそれを決定付けた。
本来ならば即除籍、殺されてもおかしくないレベルであるがドラゴンは投獄される形となった。
そしてそんなドラゴンを救ったのがガープである。
天竜人をゴミクズと語り世界政府に反発しながらも功績と人望で海軍に居続ける英雄。ガープは息子のドラゴンを逃した。
海軍本部地下留置所
意外にもモンキー家の2人の親子の絡みが描かれるのはこれが初めて。
捕らわれのドラゴンに近づくガープ
オヤジ‥おれは海軍をやめる
むしろアンタを軽蔑する
そう放つドラゴンの足元、牢の中へ鍵を投げ入れたガープであった。
現在(現代)のガープはロックスの息子ティーチが率いる黒ひげ海賊団と激闘の末に幽閉されている。戦いの舞台がロックスの始まりの地であり本拠地となっていた海賊島ハチノスであるから面白い因縁だ。
一時は生存が危ぶまれていたが捕まっているものの生きている。
ロキとロックス
ロキが憧れていたロックスという男。他のストーリーが強過ぎた為少し忘れられていたがロキはロックスの仲間に入る事を最後まで望んでいた。
父ハラルドとは全く逆のパターンだ。
何度となく頼んでも断られ、時には子供であろうと容赦なくボコボコにされた。
それでもロキはロックスに憧れ続けた。38年経った現代でも尚その気持ちは燻っているのかもしれない。
そしてエルバフにもゴッドバレー事件に関する報道が届いた。ロキにとっては肉眼では読むのも難しいサイズの新聞でロックスの死を知る。
冥界にはロキの泣き声が響いていた。父ハラルドを勧誘に何度でもエルバフを訪れると語っていたロックス。こんな最後になるとは思っていなかっただろう。
ロキはエルバフに伝わるニカがロックスだと信じていた。
ロックスこそ解放の戦士ニカ
笑いながら世界を壊す
諸説あるニカの信仰ではあるがロキの解釈では破壊が強いらしい。
ロックスが目指すの破壊ではなくあくまで世界の王。もしそんな力を持っているならばそれはハラルドだと話していた。
そして幼きロキに対しても『大槌船団ガレイラ』の重要性を説いていた。
世界のどこかにガレイラっていう
とんでもない破壊集団が眠っている
そいつらを動かす事が出来るのはお前の親父だ(ハラルド)
この時はまだ徒党を組んで間も無い頃だろう。
ロックスは世界中のならず者をかき集め、ハラルドがガレイラ他巨人族を率いる
2人が組めば世界を獲れる構想であった
盟友の死
ゴッドバレー事件でのロックスの死を受けてエルバフの国王は荒れていた。
共に力を合わせる事も出来た、最後の最後で強引に引き止める事も出来たかもしれない。
エルバフを世界政府に加盟させる為、政府に失望されぬ為にハラルドは最後までロックスに手を貸さなかった。
助けを乞う親友を見捨てて見殺しにした。
ハラルドの罪悪感は相当なものだったろう。世界政府加盟の為にロックスを殺そうとする程の覚悟を見せたが自責の念は強かった様だ。
タラレバではあるがロックスとハラルドが手を組めばあるいは世界を獲れたかもしれない。2人が世界の王となる事で平和の道も模索出来たかもしれない。
ハラルドの目指す平和への道のりは後戻り出来ない所まで来ていた。ロックスを犠牲にしてまで選んだ道。この先は如何なる事があっても止まる事は出来ない。
そしてハラルドの怒りの矛先は不届きな同族へと向いた。
人間から掠奪行為を行った同族の巨人族を自ら制裁した。同じ巨人族とはいえ古代巨人族のハラルドの体格は遥かに勝っている。
これまでの鬱憤を晴らすかの様に執拗に殴り続けるハラルド。無惨に見えるが力ではどうにも出来ぬ現状に嘆いている様だった。
実際にはそれが全てとは言えないのだが、これまで傍若無人に暴れて来た巨人族の罪こそが現在のエルバフの足枷になっていると捉えていたハラルド。
もはや同族であろうと容赦はしない。巨人族の悪は許さぬと心に誓った。
2人の王子
ロックスの死後、少し錯乱状態にあったハラルド。
これまで様々な方法でエルバフを変えようとして来たが何やら決意した様に妻のイーダ、そして2人の王子ロキとハイルディンに話しかける。
跡は2人で仲良くエルバフを支えて欲しい
なりふり構わないというハラルドには迷いがない。むしろこれから自分が死にに行く様な言い草だ。ハラルドは自らのエルバフの誇りを捨ててまで国民の為にあり続けた。
腹違いの子であろうと分け隔てなく接したハラルド。彼の願いはロキとハイルディンが手を取り合う事。ルフィ達が辿り着いた現代のエルバフでもまだ実現出来てはいないが世界政府の魔の手が迫り、力を合わせる展開も期待出来そうだ。
ハラルドの角折りと覚悟
世界政府はハラルドを利用する為に彼の決意を利用した。戦いに明け暮れた巨人族の歴史だがハラルドだけは異端だった。
イーダとの出会いでこれまでの自身の行いやエルバフの在り方に疑問を感じて方向転換。戦争から外交や平和への転換を図った。
着実にハラルドの政策は実っていたがその度に世界政府が立ちはだかったのは事実。結局は悲願である世界政府加盟を果たせずにいた。
そんなハラルドに訪れた世界政府加盟のチャンスはロックスを殺す事が交換条件。しかしこれも結局果たせなかった。
そして友であるロックスはゴッドバレーへと出撃し散った。これを受けてハラルドも覚悟を持ってエルバフを立て直そうとする。

既に過去編突入前に判明していたがハラルドは平和に対する覚悟を見せる為に古代巨人族の象徴である角を自ら折った。
ゴッドバレー事件(38年前)まではその角は健在であった。折られたのは事件後になる。
マリンフォードに現れたエルバフ国王ハラルド
上陸を許可しない海軍だが制止も聞かずにハラルドは歩み寄る。どうやら敵意は無さそう。
そして誰もが尻込みしそうな気迫で決意表明。
2本の角をどちらも自らへし折って償いとして差し出したのだ。
巨人族が犯して来た1000年分の償い。これを持って人間族と手の取り合える平和への誓い。
その為ならば自らが進んで『奴隷』になると言い放った。
不気味なのは横に描かれるイムの目。まだロックスの様に操られたわけではないが最悪の事態を想像してしまう。よもや自ら進んで奴隷になろうとは‥政府にとってこれほど扱いやすい駒もいないだろう。イムがハラルドに目をつけていた理由もわかる。
展望
ハッキリと敗戦、死亡が描かれたロックス。改めて世界政府の力が誇示された結果となった。ルフィはどうやってイムを倒すのか?意思を引き継いだティーチは?現代にもロックスの残した爪痕は活きてきそうだ。
次回も休載無し。ゴッドバレーの内容が濃密だったがその後のハラルドを取り巻くストーリーはテンポが良い。このまま行けば次回辺りで王家の悲劇まで行き着くのではないか?
今回までまだルフィの登場は無し。おそらく114巻はまるまるルフィが見られないだろう。ルフィが本編から消えるパターンはこれまで多々あったがエルバフの過去編ではメンツが凄すぎてそれを忘れてしまう。
ワンピース1166話 『ロックス・D・ジーベック』まとめ
謎多き伝説の海賊ロックス・D・ジーベック。エルバフの過去編にて『エピソードロックス』と呼べる様なストーリーが描かれ2018年に名前が登場してかれこれ7年。ようやくヴェールを脱いだ。
| ロックスに纏わる出来事と時系列 |
| 56年前→世界会議開催中の聖地マリージョアに単身で乗り込みパンゲア城花の部屋に到達。イムに宣戦布告する。 |
| 56年前→同世界会議にて海軍大将の1人を殺害 |
| 56年前→同世界会議にてエルバフのハラルド王と出会い、共に聖地マリージョアから脱出 |
| 56年前~→ マリージョアへ向かう船を襲い天上金と船を奪う。これがロックスの軍資金に。以降は海賊稼業へ。 |
| 56年前~→デービーバックファイトで仲間を集める |
| 48年前→ エルバフにロックスの一味がやってくる。この時点では悪党の寄り合い。ハラルドと再会する。ロックスの野望『世界の王』が判明 |
| 44年前→ ロックス『海賊団』として旗を掲げて世界へ |
| 44年前~→ハチノスを占拠。世界中から猛者が集まる。また必要なピースとしてロックスが大槌船団(ガレイラ)と狙いの悪魔の実(2つ)について挙げる |
| 42年前→ハチノスにシャッキーの酒場が開店 |
| 40年前→ロックスの故郷ゴッドバレーが世界政府に目をつけられる |
| 40年前~→ロックスが世界政府加入を目指していたハラルドとエルバフの地で激突 |
| 39年前→ロックス海賊団の本拠地よりシャッキーが誘拐される |
| 38年前→ゴッドバレーにて人間狩りゲームが開催。ロックス海賊団も乗り込む。道中でハラルドと遭遇し家族を助けたい本音を語る |
| 38年前→エリス、ティーチと再会。必死に逃がそうとするも自身がイムによって悪魔化してしまう。 |
| 38年前→悪魔状態で暴走するロックスをガープとロジャーが手を組んで止めた。 |
本名
ここに来て新たに注目されているのが『デービー一族』
800年間世界政府の魔の手から逃れ続けて繁栄した一族だ。何を隠そうこのデービー一族が住んでいたのが『ゴッドバレー』
そして件のロックスもこのデービー一族だと判明した。
つまりは
ロックス・D・ジーベック
改めて
デービー・D・ジーベック
家族構成
ロックスが命を懸けて守りたかった妻子。ティーチが生まれた後は2人をゴッドバレーへと送り届けて世間から目立たぬ様に隠し通した。

| 妻 | エリス |
| 息子 | ティーチ |
しかしながら突如ゴッドバレーに向けられた世界政府の魔の手。これを助ける為にロックスは仲間を引き連れてゴッドバレーへと乗り込んだ。
またロックスの両親も描かれている。
悪魔化してロックス家族を襲ったが情けをかけずにロックスが打ち滅ぼした。
友『ハラルド』
唯一と言っていい心を許せる友の存在。ロックスの半生を語る上で欠かせないエルバフの国王ハラルド。
56年前の世界会議から始まった不思議な友情関係。
友人ながら三度に渡って激突しているのも面白い。
世界政府を討とうとしたロックス。一方で外交を重んじて世界政府に歩み寄ったハラルド。もし2人が手を組んでいたならば世界政府にも勝てたかもしれない。
エリス
シャッキー(シャクヤク)に心を奪われていたロックスではあるが最終的に結ばれたのはエリスだ。
ロックスが命を懸けて守ろうとした女。ゴッドバレーに移り住んでいたが人間狩りゲームに巻き込まれた。
とても気の強い女性で窮地にも諦める事なく戦い続けた。くまの助けもありゴッドバレーから脱出している。
ロックスの剣技と悪魔の実
【ロックスの剣技はまるで巨大なハンマーや砲撃のように周囲の全てを吹き飛ばす事で有名だった】
ナレーションでしっかりと裏付けされる事で説得力も増している。直接斬るというよりは剣を振るう事で周りに衝撃を生み出している様。ゾロなどの剣術とは少し違うイメージ。巨大ハンマーや大砲の様な衝撃。
もはやワンピースにおける海賊のイメージ像には定番となっているが生粋の剣士の様なハマり様だ。
やはりティーチと比べてスタイリッシュだ。
剣技というワードはミホークの懸賞金判明時にも使われていた。
『鷹の目のミホーク 元王下七武海にして四皇赤髪に勝る剣技』
ロックスの件でまた作品中の剣士の評価が一新されるかもしれない。
過去編通して『悪魔の実の能力』を披露する事は無かった。ロジャーやレイリーの様にあくまでも覇気と剣の組み合わせが手段。それでいて並いる猛者達と渡り合っていた。
またロックスは狙いの悪魔の実が2つあった。そのうち1つはハラルドに食べさせたいと語っており、もう1つを自分で食べる事を見越していたのかもしれない。
おそらくは生涯通して生身だった。
↓唯一技名が披露された必殺技はゴッドバレー事件にてイムに放った剣術
ロックスの覇気
エルバフ過去編ではとにかくロックスの覇気(覇王色)が目立っていた。対戦相手側も猛者揃いともあってとにかくその規模は作品随一。ロックスが攻撃する度に見開きで大々的に描かれた。
vsハラルド(世界会議)
2人のファーストコンタクトは衝撃的だった。世界会議の舞台に侵入した者同士の激突。聖地マリージョアに甚大な被害をもたらした。

vsハラルド(エルバフ)
『ロックスを殺せ』ハラルドに突きつけられた世界政府からの交換条件。またとない世界政府加盟の好機にハラルドはロックスと戦う事を選んだ。

vsニューゲート
黒転支配によって悪魔化したロックス。我を失い制御も効かずイムの命令のままに暴れ回った。立ちはだかるニューゲートとの激突はゴッドバレーの山の一角を崩すに至った。

vsガープ、ロジャー
残ったもう一つの山もロジャー、ガープとの激突で崩れる。無意識ながらも覇王色を攻撃に乗せ、防御にも応用するロックス。高い次元で使いこなしているのがわかる。

イムvsロックス
因縁は800年以上も前に遡る。
かつて世界の王だったとされるデービー・D・ジョーンズ(ロックス談)
一方でこれに変わったとされるイム。最大の組織世界政府のトップに君臨し続けて来た。
ロックスはこのデービーの意思を背負って世界に挑み続けた。世界の王を野望に掲げ56年前にイムの前に現れる。花の部屋へと侵入し宣戦布告。再び前に現れると誓った。
順調に世界と戦う準備を進めてきたロックスだが思わぬ事態が‥ジョーンズの血を引くデービー一族は世界政府の目から逃れ繁栄して来たが遂にゴッドバレーの地で見つかってしまう。
準備が不完全なままに世界政府と対決する事を余儀なくされる。
神の騎士団は難なく払い除けたロックス。この戦局を見てイムがサターン聖の身体に移る形で降臨した。

ロックスのみならずロジャーやガープ、ニューゲート、リンリン、カイドウも加わり一斉攻撃を仕掛けるが攻撃は貫通せずに回帰してしまった。

そしてイムの触手がロックスを蝕む。感触のないままに放たれた『黒転支配』
なんとか耐え忍んだがロックスは悪魔化してしまった。

最初の命令では最愛のエリスとティーチを仕留めるというもの。抗う事も出来ずロックスは妻子を襲った。寸でのところでくまが逃したがロックスの暴走は止まらない。

次なる命令はゴッドバレーにいる者全員の抹殺。敵味方問わずに暴れたロックス。誰も止められなかった進撃の真相である。意識は無いながらも涙を流すロックス。
これをガープとロジャーが手を組んで介錯した。

結局イムにロックスの刃が届く事は無かった。
ティーチの父
ビジュアルに加えて肩書きも紹介された
ROCKS D XEBEC
後のロックス海賊団船長
四皇黒ひげティーチの父
まずは名前のスペル。XEBEC(ジーベック)という表記はこれが初出。
そしてエルバフ到来時点(48年前)でまだ海賊団は結成していない。
最も気になるのはその血筋。
息子が現在の四皇マーシャル・D・ティーチ(黒ひげ)であると確定した。
・黒ひげ海賊団の本船が『サーベルオブジーベック号』
・黒ひげ海賊団の本拠地が海賊島ハチノス
とわかりやすい伏線があったので大方の予想通りといったところ。ストレートに回収された。
| ロックスの経歴 | |
| 56年前 | 世界会議でハラルドと出会う、海軍大将を殺害 |
| 48年前 | エルバフへ到来、ロキと出会う |
| 40年前 | ティーチが生まれる |
| 38年前 | ゴッドバレー事件 |
ティーチの現在の年齢は40歳
2歳の時にゴッドバレー事件でロックスが命を落としたと推測される。産まれてすぐにゴッドバレーに送られた為にロックスとティーチはほとんど同じ時間は過ごしていない。
ティーチ側から経歴を辿ると本編では白ひげ海賊団加入の様子が描かれている。時系列的には28年前。ティーチが12歳の時だ。(おでんが白ひげ海賊団に加入して2年ぐらい経過した時で隊長制度が出来たのもこの頃)

身なし子(孤児)で行く宛の無いティーチは白ひげ海賊団に頼み込み、乗船を許可された。
ここからサッチを殺害して海賊団を抜けるまで(2年前)20年以上在籍していた古株であった。
何の因果か。ロジャーの息子エースとロックスの息子ティーチを預かっていたニューゲート(白ひげ)
2人は同じ隊に所属して世界を巻き込むほどの大戦の引き金となった。
ニューゲートとロジャーは分かりやすくライバル関係にあった。
一方でロックスとも深い関係にある。海賊団結成から壊滅までを戦った仲。絶大な信頼があったかと言えば微妙なところだが『ティーチという息子』がいた事も知っていたかもしれない。
偶然拾ったかに描かれてはいるがもしかするとずっと前からティーチの事を気にかけていたかもしれない。
そして拾われたティーチは最終的に恩を仇で返す。
白ひげ海賊団の禁忌である『仲間殺し』を犯し逃亡。長年狙っていた悪魔の実(ヤミヤミの実)を奪うという利己的な動機であった。マリンフォードの頂上戦争においては既に深手を負っていたニューゲートにトドメを刺してみせた。更にはグラグラの実をも奪取。
血筋が判明した今となってはニューゲートが哀れに思えるほどの悲しい展開だ。ロックスという悪の血を引くティーチならばこの流れは当然だろうか。
| 最終章での黒ひげ海賊団 |
| 女ヶ島アマゾンリリーでハンコックのメロメロの実を狙うもレイリーの仲裁もあり実らず。コビーを本拠地のハチノスへ誘拐する |
| コビーの身柄はハチノスを世界政府加盟国へ認めさせる為の司法取引へ利用する目的があった |
| ウィナー島にて新世代達を待ち受けトラファルガー・ロー率いるハート海賊団を討つ |
| ビッグマム(リンリン)の不在中にホールケーキアイランドを襲撃しプリンを誘拐する |
| ティーチの留守中に本拠地ハチノスにガープ達が押し寄せる。コビーを奪われるもクザンの活躍でガープを拉致 |
今のところティーチとロックスの血筋に気付いている者が誰なのかは描かれていない。まるで父ロックスの意思を継ぐかの様なムーブを見せるティーチではあるが実際のところはどこまで知っているのか?流石に船に命名しているので全く知らないという事は無さそうだが‥いずれにせよこれまで以上に注目株となりそうだ。

今回は父であるロックスが判明したが2019年に発売されたワンピースマガジンvol.8のNOTE collectionにおいて尾田先生の設定画が一部公開された。
特に話題となった黒ひげティーチの母と妹の存在。
あくまで構想、設定なのでどこまで原作に反映されるか微妙なところではあるが面白い。
ロックスとの生き別れについてはなんとなく想像出来るが、母や妹からもティーチが離れてしまったのにはエピソードがありそう。特に妹については映画版など原作外で登場しても面白そうだ。
→後に母エリスが登場した。構想とは大分離れていた。
| 大物達の親子関係 | |
| 父 | 息子 |
| ドラゴン | ルフィ |
| ガーリング聖 | シャンクス |
| ロックス | ティーチ |
| ? | バギー |
エルバフ編ではシャンクスとティーチ2人の血筋が判明した。両者共に長らく引っ張られ来たが構図的にかなり面白くなって来た。
四皇の中では唯一親が判明していないバギーもロックスの息子ではないかと予想もされて来た。今後バギーの父親として面白いネームが現れるのかは微妙なところ。
高額懸賞金と海軍大将の殺害
倒したのならまだしも海軍の誇る最高戦力の1人を殺害したロックス。
ワンピース作品全体を振り返っても大将が殺された事件は初だ。
しかも舞台は世界会議(レヴェリー)
時系列的には56年前になる。つい最近の世界会議でも革命軍の軍隊長と大将達が激突したがロックスは単身で聖地マリージョアへ乗り込んだ。
それだけではなくイムのいる『花の部屋』まで到達。また戻ってくると牽制した。

この事件がロックスの悪名を轟かせ政府に追われる身となった。目下、高額懸賞金と記されているが具体的には判らない。
参考までに現代ではクロスギルドによって海軍にも懸賞金がかけられている。海軍大将は30億が指標となっているのでそれを考えれば四皇クラス。40億前後がラインとなってくるのではないか?

ロックスの愛称は山嵐
ゴッドバレー事件で激突する事となったロックス海賊団とロジャー海賊団
事件から2年程前にロジャーはハチノスを訪れていた。
目的は『シャッキー's ぼったくりBAR』
思いを寄せるシャッキーことシャクヤクに会う為だ
皇帝就任後にあっさりと引退したシャクヤクを気にかけていたが、相棒のレイリーが原因だと知り気に病んだ
それでも諦めきれずにロックスの本拠地だと知りつつもやって来た様だ。(結局のところ叶う事はなかった。)
海で会えば一触即発のロックスとロジャーだがシャッキーが設けた取り決めによってハチノスでは抗争に発展はしなかった。
歪み合う両者
この頃は組織としても海賊の格もロックスが明らかに上に見えるがロジャーも譲らなかった。
『吠えるな山嵐』
特徴的な髪型を揶揄する様にロックスに山嵐と放った。動物の山嵐の逆立った毛並みの様なイメージはピッタリの愛称だ。

ロックスと関わった者達
すでにこの世にいない者もいるがいずれも猛者達。これだけでもロックスの凄さが伺える。ロックスが時代を席巻していた。
| ロックス海賊団メンバー |
| ロックス・D・ジーベック |
| エドワード・ニューゲート |
| シキ |
| シャーロット・リンリン |
| カイドウ(見習い) |
| ミス・バッキンガム・ステューシー |
| グロリオーサ |
| キャプテン・ジョン |
| 王直 |
| 銀斧 |
| ガンズイ |
| 首領マーロン |
| シュトロイゼン |
| バーベル |
| ギルバスター |
| シャッキー |
| 海軍、世界政府 |
| ガープ |
| センゴク |
| ガーリング聖 |
| イム |
| 海賊 |
| ロジャー海賊団 |
| エルバフ |
| ハラルド |
| ロキ |
新たにハラルド、ロキといったエルバフの王族達の関与も明らか
に。
前評判
あまり評判は良くない。ルフィやロジャーの人間力とは違い圧倒的な強さとカリスマ性で惹きつけていた様だ。あくまで利益ありきの集団を率いたが個のチームとして売っていた。
他にもガープはロックスをよく知っている様だがゴッドバレーとロックスについては多くを語りたがらない。
リンリン
ロクでもねェ男だ信用するな
センゴク
船長ロックスの野望は『世界の王』まるでテロ組織の様に世界政府に牙を剥き
世界の禁忌に触れすぎた為に「ロックス海賊団」に関する情報は今に残らず
ーただ我々世代の一部の海兵の記憶の中に眠っているだけだ・・・!!
今ではロックスの名前を知る者も少ない。世界政府や海軍中心にその存在が広がらない様に封鎖していたのではないか。
エルバフ過去編まで
伝説の海賊として位置付けられながらもこれまで本編ではあまり情報が判明していなかったキャラ。
特にそのビジュアルについては話題を呼び、シルエットから様々な想像を掻き立てられた。最近エルバフ編でようやく『目』のパーツが描かれたところだ。
そんな中、エルバフの過去回想編で遂に全体像が明らかに。血縁についても追記された。
ロックスの名前が初めて出て来たのは世界会議編。今から7年前の2018年の事だ。
907話『虚の玉座』にてビッグマム、カイドウの名前が並んだ後に『ロックス』というワードが打たれた。
40年も前の時代、ロジャーの前の覇権はロックスにあった。
ここからワノ国途中の世界情勢にて追記。
957話『ultimate』にて後の四皇3人を率いたロックスという男について目付役のセンゴクが語り出した。
後にその名を轟かせるそうそうたるメンバー、本名にDの名がつく事、黒塗りのシルエットについても判明した。
その後はエッグヘッド編で描かれたくまの過去編にてゴッドバレー事件の一端に触れられその中にロックスらしき人物のセリフがあった。
| ロックス関連回 | 本編 |
| 907話 | 世界会議編 |
| 957話 | ワノ国編 |
| 1096話 | エッグヘッド編 |
| 1145話 | エルバフ編 |
少しずつその核心に迫ってきたがエルバフ編で一気に加速した。
前触れなくパッと出の為に後付けなんて意見も出たがティーチのルーツとして初めから用意されていたのではと感じる。

鋭い眼光はティーチに良く似ている。どちらかと言えばむさ苦しいイメージのあるティーチと比べてスタイリッシュでカッコよく描かれているロックス。
2トーンで逆立った髪の毛はキッドなんかにも似ている。

ワンピース1166話 ロキの狙い
囚われの王子。視力を奪われて海楼石でガチガチに固められている状態。本来ならば力も入らずここで心が折れてしまっても不思議ではない。
しかしながら屈する様子は無く自分を貫き通す態度はやはり大物感漂う。
一応はルフィに鍵の解放を頼んでいたが取引するまでもなくその気になればいつでも逃げ出せるのではないか?余裕にも似た強気な態度だ。
一貫したロキの言動ではあるが本当の狙いはどこにあるのだろうか?
・この怒りを食らっておれは世界を滅ぼしてやる
・おれは世界を終わらせる太陽の神ロキ
向けられた怒りはエルバフは愚か世界全体に対するものだ。このスケールはジョーカー(ドフラミンゴ)と共に世界へ戦いを仕掛けようとしたカイドウをも思わせる。
カイドウも圧倒的な個の力でのし上がったが最後は若き力に負けてしまった。
ロキに至ってはその実力を疑う余地はないが既に6年前にシャンクスに敗北している点は気になるところだ。捕えられていた期間に成長するかと言えば微妙だ。
シャンクスに負けたままの状態で海に出たところで勝ち目は薄くそれどころかルフィやティーチにも屈してしまうだろう。6年前に出会した際にも既に伝説の悪魔の実は食べていたであろうし伸び代は少ない。
太陽の神ニカに倣って世界を破壊して再生しようとする指針はわかるが実際のところどこまで強いのか?
ワンピース1166話 フランキーの進化
サンジと並んで麦わらの一味の科学と言えばサイボーグ『フランキー』
最近では百獣海賊団の幹部であるクイーンとの血縁関係も浮上した。前エピソードでは未来島エッグヘッドという事でフランキーの強化イベントが期待されたが目立った動きは無く騒動に紛れてしまった。
2年間の修行期間でもベガパンクの故郷バルジモアを訪れて天才の研究成果にも触れている。
結局は大爆発させてしまったが1番縁があると言っても過言では無い。
少し期待外れだった中で面白い事に天才科学者ベガパンクがエルバフまで同行した。
そしてまるで導かれるかの様に辿り着いたのが3000年経過しているであろう科学研究施設。
ベガパンクはもちろんだかフランキーも興味津々。戦士達の島という事もあり現在の巨人族達に科学的知識は乏しい。やはり解決していくにはフランキーとベガパンクが重要になる。
大混乱のエルバフで一味から別行動しているフランキーが強化出来る様なイベントも来るかもしれない。
自身を改造してここまで強くなってきたフランキーだが天才の科学が加われば大幅な強化も期待出来る。
ワンピース1166話 『過去編』エルバフの国王はクズ
エルバフでは光輝の王として神の様に崇められていた先代のエルバフ国王ハラルド。現在その座は空位となっており国政は揺れている。
14年前に王城であるアウルスト城で息子のロキに殺害されその生涯を終えた。これが決定打となりロキはエルバフ中で大犯罪者として忌み嫌われている。
エピソードの開幕より討たれた情報ではあるが実際には事実は捻じ曲がっているのでは?というのが大方の考えであった。
そして語られる真実。待望のエルバフ過去編が描かれる。
14年前の真実(過去編判明事項)
ハイルディンに急かされながらロキがようやく重い口を開いた。過去編突入直前のやり取り。ロキ解放を進言するギャバンとルフィに対してハイルディンが待ったをかけた
ハイルディン→ルフィ
麦わら
残念ながらロキはエルバフの死刑囚
引き渡せねぇ
ハイルディン→ギャバン
ロキは14年前城内の兵士を113人も殺害したんだ
ヤルル様に瀕死の重症を負わせ
実の父を惨殺した
こいつは歴史的犯罪者なんだぞ
犯した罪を考えれば死刑も納得。
事実証拠として王城で113人の兵士とハラルド王が死に絶え、ヤルルも瀕死に陥った。
世界政府の侵略に遭い、背に腹はかえられぬ状況でもハイルディンはロキの力に頼ろうとはしない。共に戦うというロキの申し出も一蹴した。
ハイルディン→ロキ
お前はエルバフを裏切って政府側に加担する恐れさえある
あの日お前はそういう事をしたんだ
信用なんか出来るか
完全にロキ1人が悪人とされているがやはり世界政府の影を疑わずにはいられない。
ロキは事件当日の事を『思い出したくないヒドい一日』だったと振り返る。
14年前‥
事件当日‥城に呼ばれていたのは事件の重要人物2人
正統な王子であるロキ
世界最高齢にしてエルバフの伝説 ヤルル
ロキ
何の用だかな
世界政府に魂を売った男に
おれは興味がねぇがな
ロックスを殺した奴らだぞ!?
エルバフがそっちにいくならおれァ敵対してやる
この時点でエルバフと世界政府の関与は確かにあった様だ。憧れの男ロックスを殺した元凶というのも加わりロキは恨みすら抱いている。このまま世界政府に加盟、もしくは協力態勢をとるのであればロキは反乱すら起こしかねない構え。
一方でヤルルは一線をとうに退いたとあって政治には口出しする気はない。戦わない時代に育った平和な玄孫(イルヴァ)を可愛いと語るがロキにとっては年寄りの戯言だろう。
ここまでは単なる言い争い程度。しかし呼ばれた王の間から騒々しい物音が聞こえる。
衛兵達の制止も聞かずにロキが強引に扉を蹴り飛ばすと驚きの光景が広がっていた。
幾多もの兵士に囲まれて串刺しにされるハラルド
まるで白ひげ(ニューゲート)の最期を思い出す様な凄惨な画であった。

間違いなくハラルドを殺したのはロキではない
これが事件の真実
ナレーション
この日城内(アウルスト城)で大虐殺事件が起き
エルバフの歴史上最も愛された王
名君ハラルドが命を落とすのだが
人々は彼の何を讃えたのだろうか?
アウルスト城中にバリバリと広がる覇王色の覇気
そして広間には外から鍵がかけられて兵士達は閉じ込められてしまった。まるで最初からロキに罪をなすりつけようと企てたみたいだ。
そして何者かのシルエットが伝説の悪魔の実が秘された錠を放つ
『これがエルバフに伝わる禁断の悪魔の実』
若きハラルド王
アウルスト城の殺害事件から過去編は更に遡る
時系列は109年前
光輝の王とされるハラルドはその人物像とはおおよそ違う過去があった。
大々的に描かれた『クズ』の文字
まるでロキの様な言われ様だ。
ナレーション
時を大きくさかのぼること
109年前
世界の海においてこの世で最も恐いものと聞かれたら
みな口を揃えて
巨兵海賊団と答えていた時代に
時を同じくして巨人の国からやってくる王国の船は
エルバフという名を更に恐怖で形取る
その一因になっていた
エルバフ島
ウォーランド王国国王
ハラルド
わずか45歳(人間年齢15歳)で即位した
エルバフの王ハラルドは甚だしく
クズだった
一国の主人が元はクズ野郎だったなんてパターンはワノ国のおでんを思い出させた。立場が人を変えると言う様に立派な将軍へと成長したがハラルドも同じ様なストーリーを辿ったのだろうか?
この頃のハラルドは古代巨人族の特徴である大きな角が健在だ。
エルバフの時系列(事前情報)
過去編突入前に判明しているエルバフに関する出来事を抜粋。
鍵となるのは63.14.6年前辺り
| 81年前 |
| ハイルディン誕生 |
| 63年前 |
| ロキ、ロード、ゴールドバーグ誕生 |
| 冬至祭にてリンリン(ビッグマム)が暴れ、ヨルルを殺してしまう |
| 62年前 |
| ロキの母が死亡 |
| 52年前 |
| オイモ・カーシーがドリー・ブロギーを探しに海に出るも捕まってしまい以後はエニエスロビーの門番へ |
| 22年前 |
| オハラ事件。サウロが文献をエルバフへと持ち帰り、その後ベガパンクもエルバフを訪れた |
| 14年前 |
| ロキがハラルドを殺害、伝説の悪魔の実を奪う |
| 6年前 |
| シャンクスがロキを捕まえる、一度は脱走 |
まずロキとハイルディンは兄弟関係にある。腹違いではあるが父は同じハラルド。ロキがハラルドの血をより色濃く引いている。
ロキが生まれた年には現在の新巨兵海賊団のロード、ゴールドバーグが生まれている。
正統な王子ロキの誕生は本来喜ぶべき事だがエルバフでは凶事が続き、王妃もロキを産んだ後に死んでしまった。この王妃はハイルディンとの関与は無い。
そして惨劇とされるハラルド殺害事件が14年前
以降は海で暴れていたロキではあるがシャンクスにより捕まえられて送還された。
ハラルド王への支持(事前情報)
同族からこれでもかと嫌われているロキ。犯した罪を思えば当然だが、反対に父であるハラルドへの支持は非常に高い。亡き今も死を悲しみ惜しむ声が多くエルバフの光であったと言える。
真実が語られる前の世間に広まるハラルドの人物像をこれから明らかになる過去編と併せてみると面白い。
| ロード |
| あれはハラルド王の肖像。平和を愛し世界中の国々とエルバフを繋ごうとしたエルバフ史上最高の王と称される男 |
| ロキも怪物でござるがハラルド王もまた大戦士として名を馳せた男 |
| 門番 |
| エルバフの歴史上最も偉大な王ハラルド様 |
| 巨人族 |
| 恐れられる戦士の国エルバフと世界の国々を繋ごうとした心優しい光輝の王だった |
| アンジェ |
| この国を改革しようとした偉大な国王 |
| リプリー |
| 明君ハラルド王は言った。戦いより他国との貿易を |
様々な巨人族がハラルドを語るが悪評は出てこない。外交を目指したハラルド王が生きていればエルバフの地は世界政府へと加盟していたかもしれない。
問題児であり扱いの難しいロードまでもがハラルドに対して敬意を表している。ロキを例外としてウォーランド国内では全員に好かれていると言っても過言ではない。
戦いに明け暮れる強国。外海からのイメージ通りではなくウォーランドは変貌を遂げつつある。
かつて世界中で戦いを引き起こし恐れられた巨兵海賊団の存在。時は経ち世界との関わり方も変わって来た。今やエルバフは生まれ変わる最中、変革の中にあるそうだ。
この方針を示したのは他でもないハラルド王だ。
『戦いより他国との交易を』
これが亡きハラルド王が示した新しいエルバフの指針
伝統を重んじる村々の長老達とぶつかりながらも変革を遂げようと先頭に立って尽力した。
夢半ばでよもや息子に殺されようとは‥現段階の印象だと息子のロキは新しいエルバフの形に最もそぐわない凶暴性。
本来ならば前王が倒れれば実子が即位するのが定石。しかしながら国民はこれを良しとはせずにロキの幽閉に至った様だ。
とはいえハラルド王の意思は根付いており、しっかりと継いでる巨人族もいる。
エルバフの戦士が世界中を荒らしていたのはもう100年以上前の事。
『悪口、暴力、略奪、戦争』
もうそういう時代ではない。
子供達も罵倒したり、戦う事をダメな事として捉えており次の世代は世間がイメージするエルバフではなくなりそうな様相だ。
まるでコンプライアンス、多様性の波に様々なものが淘汰されていった現代社会の様だ。世界情勢に疎いとされ独自の文化を築くウォーランド王国も他国との関わりを求め本当の意味で発展を遂げようとしている。
これに驚いたのは読者だけではない。
特にエルバフへの憧れが人一倍強いウソップにとってはショックな現状である。
誇り高き戦士を掲げる理想郷かと思いきや次世代は逸れつつある。
新生エルバフの為、戦死の国には似つかわしくない施設が構えられている。
現在登場している中で目を引くのは
セイウチの学校
フクロウの図書館
通常の王国では当たり前にある施設ではあるが子供の教育や文化の発展の為には欠かせない。特に『子供世代』に着目した政策を行なった。
元海軍中将であり歴史にも長けるサウロに学校を作らせた。これがセイウチの学校。教師達が授業を行い他国と同じ教養を目指す。一方で古きエルバフの暴力を悪として植え付けた。
フクロウの図書館はイクイクの実を食べたビブロ(フクロウ)によって人間サイズの本が巨大化する。エルバフの文化の発展が乏しい一因としてサイズ差が挙げられる。特に文献においては虫眼鏡で拡大するレベルの文字の小ささなので巨人族が無理なく読む為には大きな本が必要とされる。
もともとの巨人サイズの本に加えて、オハラから持ち寄った本、人間サイズの本でも読む事が可能になった。
リプリー(現在80歳)を最後の戦士世代としてそれ以降の世代にはきちんとした教育体制のもと子供達が育っていった。
最後にハラルドの特徴と血について。オーズの件で注目された古代巨人族
他の巨人族とは一線を画してもその起源を辿ると当然エルバフへと繋がる。
特にオーズに至っては故郷のエルバフ国内でも伝説となっている。ハラルド王もその血を引く末裔だった様だ。
でかい骨は古代巨人族の血を引く戦士の物
純血はもういないがその血を引く者達はまだいるでござる
一般の巨人族と比べて3倍にも及ぶ巨体が目を惹くが加えて特徴的なのは角。
ヤルル、ヨルルにも角が見られたがこれが古代巨人族の名残(なごり)らしい。角や髭など既に登場しているカイドウにも良く似ている
戦士にとっての誇りともなるこの角をハラルド王は自ら引きちぎった。
『古代巨人族が戦争の時代を想起させてしまうから』
という理由らしい。

アウルスト城にはハラルドの肖像画が飾られている。威厳、風格の備わった面持ちでまさに強国の王にはピッタリだ。頭には角がちぎられた傷跡が残っており痛々しい。しかしながら相当に強い覚悟が見て取れる。
ルフィやゾロも圧巻のハラルド王であった。
2人の王子と14年前の事件(事前情報)
エルバフ ウォーランド王国に存在する2人の王子、ハイルディンとロキ。
両者共に前国王ハラルドを父に持つ

| ハイルディン | 81歳 |
| エルバフ外の巨人国生まれの母親 | |
| ロキ | 63歳 |
| 正統な王妃の子 | |
ハイルディンは言わば腹違いとなる。ハラルドが正統な王妃と結婚する前に別の女巨人族との間に生まれた子供である。一応は王の子と位置付けられているが幼い頃の扱いはロキとは天と地の差があった様だ。
やはり巨人族の総本山といえばエルバフの地だ。しかしながら世界中には少数ながら巨人族の国が他にも存在する。問題はエルバフの巨人族達が排他的な態度を示す事だ。
基本的にエルバフ以外の巨人族の血を認めてはいない様だ。
ロード
同じ巨人族って‥
おぬしらも同じ人間族で土地を奪い合ったりしてるでござろう
他の土地の巨人の血などエルバフの血が汚れるでござる
少し捻くれているロードではあるが基本的にこれはエルバフの総意だと言える。
くまの様に生まれながらの奴隷種族とまでは言わないが親を選べぬ状況でハイルディンも相当苦労した事だろう。普通の巨人族ならばまだしも王の血も引いていた事が話をややこしくした。
それでもハイルディンは折れる事が無かった。
父が王でも城に住めず母が他所者と虐げられてもそんな様子を感じさせる事はなく『世界中の巨人族を統一する』という野望を抱いた。
そんなまっすぐな男に魅せられたのが『新巨兵海賊団』のメンバー達だ。ハイルディンの夢を支えるべく少数精鋭チームとなった。
しかしハイルディンとロキの関係はそう簡単にはいかなかった。ロキにとっては歳の離れた腹違いの兄を敬えるわけもなく疎ましい存在となった。自分よりも小さく自分よりも弱いハイルディン‥(ハイルディンについては通常の巨人族と同じサイズ感。ハラルドよりも母方の血を濃く引いたと思われる)
権力的には正統な王子ロキにあり、力関係においても古代巨人族の血を色濃く引くロキに軍配。おそらくはこの頃から今も力関係は変わっていない
ロキ
こんなチビで弱ェ奴が兄貴なんてやなこった
お前は”落とし子”だぞ
正当な父の子じゃねぇ
ハイルディン
お前の母親の血は汚れてんだ
完全に兄であるロキを格下に見ている。それどころか認めてすらいないのかもしれない。
一方でハイルディンはハラルド王殺しについて憎悪にも近い様な感情を持っている。
ロード
国王の死はみんなを絶望させたが一番悲しくてロキを恨んでるのはもう一人のハラルド王の息子ハイルディンでござる
14年前の事件だがハイルディンの中では風化されていない。父を殺して母を侮辱したロキに怒るのは当然
以下、エルバフ編で巨人族達の証言を元にまとめた事件の概要。あくまで当事者はヤルルのみ。その他は見聞きして伝わり誇張されたり曲がって伝わっている可能性もある。
| ハラルド王殺害事件 |
| 犯行場所は王城『アウルスト城』 |
| ハラルド王はロキとの激しい戦いの末に命を落とした |
| 怪物同士の戦いでアウルスト城は半壊状態 |
| 事件では100人を超える戦士が殺されて当事者の生き残りはヤルルだけ(止めようとして剣が頭に突き刺さった) |
| あまりにも凄惨な事件で、その後は城への立ち入りは一切禁止されている |
| ハラルド王は「息子によって殺される」とロキが生まれる前から予言していた |
| エルバフの王家に伝わる伝説の悪魔の実が欲しくてハラルドを殺し実を食べた |
事件前から悪事を働いていたロキ。エルバフ史上最も慕われたハラルド王との評価の差は段違い。例えロキ側に義があってもハラルドが悪にはなるはずがない。
事前情報がロキを嫌う者ばかりなのでミスリードも疑ってしまう。
それだけにロキ側から語られる動機と詳細については注目が集まる。
ハイルディン
おれはコイツを許した事はない母を侮辱し父を殺したんだ
ロキ
やってみろよ
悲しき狂戦士
身近なドラマに酔ってるヒマがあんならよ
森を見ろ‥
まさかお前までおれが本当に殺意をもって親父を殺したなんて…
思ってねぇよな
また、ハラルド王の思いとしてはロキとハイルディン2人の兄弟に力を合わせて欲しかった様だ。幼少期の2人にもエルバフを託す様に話しかけている
ハラルド
お前達は2人共‥
大切な私の息子だ
私の跡は2人で仲良く
エルバフを支えて欲しい
エルバフ中から慕われるほど人格の備わった王。ハイルディンにも分け隔てなく接していたはずだ。2人同時に王位に就く事は出来ない。当然正統はロキとなる。
ハイルディンがロキを補佐し王政を助ける。そんな理想も虚しく現在のエルバフは混乱へと陥っている。
しかしながらハラルドの教え通りに2人が力を合わせてエルバフの為に戦う姿も見れるかもしれない。戦いを好まぬ王だがそうも言ってられない。



