ハラルドとロキ、ハイルディン親子を取り巻く環境は既に歯車が狂い始めていた。強国エルバフに対する世界政府の侵略は今に始まった話にあらず‥世界政府はエルバフの兵力を欲していたが果たしてどんな策略があったのか。突如カットインして来たのは伝説級の海賊『ロックス・D・ジーベック』シャンクスよりも気になる大物がエルバフに関与する。
主な時系列 | |
109年前 | 過去編スタート、ハラルドが王座へ |
105年前 | ハラルドがイーダを連れてエルバフ帰還 |
81年前 | 漁師村にてハイルディン誕生 |
70年前 | ハラルドが外交に力を入れる |
63年前 | ハラルド不在時にロキ誕生、ロキが冥界に捨てられる |
寿命の長い巨人族達の過去編はあっという間に40年。
しかしここからストーリーは更に濃くなっていく。
◉◉ワンピース 1154話速報『死ねもしねぇ』
ロキが憧れた男ロックスがエルバフへ。これまでシルエットだったビジュアルも遂に進展。2人の母エストリッダ、イーダと息子のロキ、ハイルディンの行方も。タイトル『死ねもしねぇ』は悲運の王子の心の叫びを表している
速報 |
63年前の冬至祭の後も荒れるエルバフ(火災、嵐、飢餓) |
イダとハイルディン親子が同族に襲われそうになるがハラルドが守った |
ハラルドの留守中にエストリッダ死亡 |
エストリッダの姉妹登場 |
48年前、ロキが獣達を放つ |
ロックスがエルバフへ |
扉絵は終わりの近づいた金稲荷代参シリーズ。
vol.38『西の海生まれ、鈴後育ちの英雄の墓、参っておくれ』
お蝶にヤマトが案内されたのは西の海の英雄の墓。終結かと思われたヤマトの旅もまだまだ続きそう。このまま海に出てしまうのではないか?
最近では扉絵と原作該当話がタイムリーにリンクするパターンが増えているが鈴後で育った西の海出身の英雄がロックス?なんてパターンもあり得るだろうか?
↓既に判明済みのロキの経歴等
・生まれて間もなく王家に仕える幸運の馬を殺した
・僅か10歳で冥界の凶暴な動物達を殺し、従え、村に解き放った
・放火に破壊。度をを超えたイタズラでエルバフを脅かした
・王子としての権力を持ち、意地の悪い性格もあり地獄と称された
ハラルドの人生に加えてロキの幼少期をトレース。エルバフの王家を襲った悲劇は既に前触れがあった。ハラルドの思いとは裏腹に徐々に歯車が狂っていく。
ロキの呪い
ロキが生まれた前後。今から63年前の時系列ではエルバフを様々な災難が襲った。
【リンリンが伝説の大戦士ヨルル様を殺したのもあの年だった‥】
人災よりも天災に近い様なリンリン(ビッグマム)の暴挙もこの年である。
大切な儀式として執り行われる冬至祭をめちゃくちゃにされたばかりかヨルルの命も奪われた。
他にも立て続けに不幸が起こりその全てを『ロキの呪い』として結びつけられた。
本来ならば赤ん坊のロキにそこまで影響力は無いのだろうが生まれる前からの予言、冥界の崖を自力で登って脱出したエピソード、病に倒れてしまったエストリッダなど裏付ける為の出来事が多過ぎた。王城に住む事も出来なかったハイルディン親子とはまた違った意味で険しい人生だっただろう。
エルバフにとって最悪の年
おりしも同年(リンリンが暴れた63年前)エルバフには稀に見る
災害が続き『火災、防風、寒波』が農作物を蝕み
異常気象は不漁をも招き
この豊かな土地に飢餓をもたらした
悲しい事に凶事を全てロキに押し付けていたのは母のエストリッダであった。王妃の言葉ともあって周りのへの思い込みを助長させた。偶然だと諭す側近達の声にも耳を貸さず‥
言葉の話せぬロキは『あーあー』と泣くばかり‥
母の愛情を求めてもエストリッダは応えてくれはしなかった
まるで呪物の様な扱い
イーダとハイルディン
そして意外な事にエルバフ国内ではこの頃統治が出来ていなかった。他種族ならまだしも同じ国内で争う様な地獄絵図が見られた。
食糧難による飢餓に加えて内乱は深刻化していき多くの犠牲者を出した
とばっちりはこちらの親子にも降りかかる。呪われたロキの兄でもあるハイルディン。エルバフ国民のヘイトを背負う形になってしまう。
なんとかハラルドが救ったが手を打たねば時間の問題‥
酒場のイーダ
冥界にて『イーダの酒場』開店
漁師、遭難者、海賊もどんな客でもどんと来いがモットー。
異国の巨人の血としての差別はこの頃既に根深いエルバフ。イーダは笑顔で元気良くハイルディンに接していたが冥界に逃げる様にも見えたかもしれない。
リンリンの過去編で描かれていた様にハイルディンはこの頃も西の村で特訓に明け暮れる。エルボーという巨人が修行を見てくれている様だ
エストリッダの死亡
ロキの母であり正統な王妃のエストリッダ。ロキの不気味さに我を失うほど困惑していたが出産から1年あまり、またもやハラルドの不在時に命を落としてしまった。
我が子を嫌い苦しみながら息を引き取るという哀れな最期だった
あと少し‥あと1日生きながらえていればハラルドは帰還していた‥葬儀で涙するハラルドが痛々しい。
酷な話ではあるが勝手に破滅していったエストリッダの件もロキに押し付けられる形へ‥
冥界の主
本来ならば大人でも嫌う様な冥界。しかしながらこの地獄もロキにとっては主戦場であり遊び場。
古代巨人族の血を引き天性の怪力を誇るロキは冥界の怪物達を手懐けた。
手懐けたという生易しいものではなく、時には殺し無理矢理従えさせた様だ。
更にはこの怪物達を陽界へと解き放ってしまった。
度が過ぎたイタズラはどんどんロキの評判を落としていく。
エストリッダの兄
寵愛を受ける事なく母を亡くしたロキは歳数ヶ月で愛を諦めていた。父ハラルドに抱き抱えられても無反応。
多忙のハラルドに変わり摂政でありエストリッダの実の兄に育てられた。
今日はどんなゴミを食わせようか‥‥
世話と言うより半ば虐待混じりだったがやがて冥界にて死んでいるのが発見され。
言うまでもなく犯人は‥
死ねもしねぇ
物心ついたロキは無邪気という域を飛び越えて大人の巨人族が止められない程の力を備えていた。
体格と力で勝るロキは父ハラルドが遠征へと出かけた隙を狙って国中で暴れ回り破壊をしては弱者を傷つけた。
必死に止めるハイルディンすらも殴り倒し虐げた。
どれだけ破壊を尽くしても虚しいばかり
傷つけても壊してもロキの心の隙が埋まる事はなかった。
我に呆れたロキは陽界からダイブ‥冥界に叩きつけられようとも死ぬ事は出来なかった。
『死にもしねぇ』と嘆くロキはまるでいつかのカイドウを見ている様だった。
エルバフへの援助
飢饉に苛まれたエルバフ
ハラルドは遠征中にこれを聞き他国へと相談していた。
交流のあった異国の人間族はエルバフの危機に手を差し伸べた。
人間の何倍もの食事量が必要な巨人族の為にも惜しみなく食糧を提供。幾つもの国が連携して巨人達の腹を満たす程の食糧を集めて見せたのだ。
これまで外交とは縁が無く、ただ恐れられた強国から考えれば大きな進歩と言える。
この施しに対して涙を浮かべながら噛み締めるエルバフの巨人族達。いつか人間族達が困った時には恩返しを。
ハラルドの努力が報われ、形となった瞬間でもある。見事に冬を超えたエルバフだがここからハラルドの王としての多忙さが加速していく。海外遠征も多く徐々に暗雲が立ち込めていった。
大槌船団(ガレイラ)
世界政府に阻まれながらも諦めずに外交を続けたハラルド。決して先進国とは言えないエルバフがここまで発展したのもハラルドの功績。
しかしながら外交を進めれば如実に浮かび上がる世界政府の闇。
巨人族に伝わる神話に登場した
大槌船団(ガレイラ)
彼らは屈強な巨人船大工でハンマーを持った戦士達でもあるヤルルによれば彼らは実在し世界政府の前に潰えた
そこからの歴史はある日を境に深い海に沈んだ。つまりは空白の100年を挟んだ900年前の時系列
現在のエルバフに敵意はなくとも巨人族達は世界に害を成して来た一族。それはサターン聖の言葉を聞いても明らかだ。
更には風の噂として提起された氷漬けの巨人族‥
そう。パンクハザードで麦わらの一味が見たあの不気味なシーン。
ロックス・D・ジーベック
既にロキとロックスの件は提起されていた。幼きロキがロックスに憧れ、仲間に入れて貰おうと頼みこむが完膚なきまでにボロボロにされてしまう。
本来ならば目指すべきは王であるハラルドの姿。ロックスではなく父に憧れる世界線もあっただろうか?現状最悪なロキに対する世論ではあるが王位戴冠の可能性もまだあり得る。クズと呼ばれたハラルドがイーダとの出会いで導かれた様にロキにもまだ分岐点がありそう。
非情に見える様な対応だがロックスなりの考えがあっての事だろう。エルバフ編ではロックスの鋭い目つきも描かれていた。
ここから更に進展。やはりロックスもエルバフを訪れていた様だ。死ねずに呆れて泣くロキの元に現れたのは不審な4人組。ニューゲート、ステューシー、シキといったメンツの姿も。
冥界の侵入者 |
ロックス・D・ジーベック |
エドワード・ニューゲート |
ミス・バッキンガム・ステューシー |
シキ |
ロックスの求める答えは2つ
それ以外は許されない強制的な禅問答
1.ここは巨人の国エルバフ
2.ハラルドはいるか
ロックスがエルバフを訪れた時点で既にハラルドとロックスは面識があった。そしてその興味はハラルドでは無く息子のロキへと向けられている様に見える。
各地で暴れ回っていたロックス海賊団ならばもしかすると世界政府の様に単純にエルバフを兵力として欲していた可能性もあるだろうか
ワノ国(おでん)に名だたる大物達が関わっていた様にエルバフにも世界の秘密に直結する何かがあるのは間違いない。
ロックスの悪名
海軍本部の大将を1人殺害して逃走
目下高額の賞金首となり政府に追われている
これはロックス海賊団結成前、まだ伝説のチームの礎の段階の話だ
ロックスは海軍大将を殺し大々的に指名手配されていた。
海軍大将が殺されたというのは原作でも初めてのパターン。ミホークの海兵狩りやクロスギルドによる海兵の指名手配など進んで海軍を倒すという行為は描かれてきたが大将となれば話は更に深刻。
さすがはロックスともとれるが、やはり話が進むにつれて海軍大将の株が下がっていくのは悲しい。直近のエッグヘッドでは黄猿(ボルサリーノ)がルフィの試金石となってしまったばかり‥旧友ベガパンクの温情が無かったとしても軍配は変わらなかったであろう。過去の話とはいえ海軍本部最高戦力が殺される展開になろうとは‥
エッグヘッド編から特に強敵が海軍から世界政府へと擦り変わりつつある。世界政府側でも上位のCPサイファーポールですら淘汰され残すは神の騎士団と五老星に絞られて来たか。
そしてそのビジュアルの片鱗が明らかに。鼻、目、口とここまでハッキリと描かれるのは初めて。どうしてもマーシャル・D・ティーチ(黒ひげ)を連想せずにはいられない。ちなみに歯は生え揃っている。
ナレーション
ROCKS D XEBEC
後のロックス海賊団船長
四皇黒ひげティーチの父
年明けから神の騎士団が続々と登場。過去編突入前には軍子の身体を媒体としてイムが現れたばかり。惜しみなく大物達がお披露目される中で遂に伝説気の男が登場。
ビジュアルに加えてティーチとの親子関係も明言された。
もっと引っ張られると思われたロックスのシルエットだが一気に答え合わせとなった。
ロックスの本名である『ジーベック』と黒ひげ海賊団の本船『サーベルオブジーベック号』の関与は以前より囁かれていた伏線。
またロックスの始まりの地とされている『海賊島ハチノス』、ティーチは元締めの王直(こちらも元ロックス海賊団)を倒してハチノスの支配者に君臨した。
更にはコビーの身柄を取引材料にハチノスを世界政府加盟国として認めさせようともしていた。
ティーチはロックスの意思を辿ったムーヴを見せているという予想も多かったがあながち間違いでは無さそう。
ロックスの子供であるティーチをロックスと共に戦ったニューゲートが海賊団に迎え入れた構図。最終的には恩を仇で返されティーチにトドメを刺されたニューゲートだった‥ここまで張り巡らされているストーリーだとは‥
マーシャルとロックス。名前を見ると家系が違う様に思えるがこれはお馴染み。ロジャー(ゴール)、エース(ポートガス)親子と同じパターンだろう。おそらくティーチは母親方の名前を継いでいる。
問題はこの血筋を誰が知っているか。ティーチ本人も知らない可能性があるし、海賊団へ迎え入れて息子として育てていたニューゲートも知らない可能性がある。ロックスの実息となれば海軍や世界政府がもう少し警戒しても良さそうだが白ひげ海賊団にいた事が幸いしていただろう。迂闊に手を出せない状況となった。
現在の四皇 | |
父 | 息子 |
ドラゴン | ルフィ |
ガーリング聖 | シャンクス |
ロックス | ティーチ |
? | バギー |
四皇に君臨する海賊達は大物の血を引いている。この分だとバギーにも面白い家系が追加されるかもしれない。ちなみにバギーがロックスの息子なんて説もチラホラ見かけたが今回で消滅。ルフィはシャンクスに憧れ、ロキはロックスに憧れるという不思議な構図。
ここまでの流れ
1152話よりエルバフを取り巻く過去回想編がスタート
14年前のハラルド王殺害より更に109年前まで遡る
現代では世界政府の侵略によって陽界が大惨事に
陽界にいるメンバー(敵サイド) | |
イム(軍子) | ![]() |
キリンガム | ![]() |
ソマーズ | ![]() |
ドリー | ![]() |
ブロギー | ![]() |
陽界にいる麦わらの一味 |
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ナミ、ウソップ、ブルック、ジンベエ、ロビン ※フランキー |
フランキー以外は同じ場所で捕らえられている。ロビンは棘にも躊躇わずに逃げ出そうとしたがまだ進展は無い。 |
ルフィ達主戦メンバーは冥界に集まっておりここから反撃フェーズへと突入する
冥界にいるメンバー | |
ギャバン | ![]() |
ロキ | ![]() |
新巨兵海賊団 | |
ハイルディン | ![]() |
スタンセン | ![]() |
ゲルズ | ![]() |
ロード | ![]() |
ゴールドバーグ | ![]() |
麦わらの一味 | |
ルフィ | ![]() |
ゾロ | ![]() |
サンジ | ![]() |
チョッパー | ![]() |
ワンピース1154話 63年前〜14年前
元々はロキが14年前の大事件を思い出す回想編としてスタートした。
そこからハラルド主観の過去編へと没入していった。
ロキ生誕を転機としてハラルド王が殺害されるまでの重要事項が1154話以降で描かれる。
14年前
ハラルド王にアウルスト城へ呼ばれたのが息子のロキとヤルル。そこでは兵士達に滅多刺しにされるハラルドの姿があった。
2人が入るや否や部屋は外から施錠されて城中の兵士が閉じ込められた状態
ロキによって113人もの兵士が殺害されヤルルも瀕死の重症を負わせた。そしてハラルドについてもロキの犯行とされている。
全ての元凶はロキとされ歴史的大犯罪者、死刑囚となってしまった。
また同日、王家に伝わるとされる伝説の悪魔の実(禁断の悪魔の実)が何者かに奪われ、これもロキのせいとなった。
この大事件の日が回想編のひとまずのゴールとなる。
そして63年前
ロキの生誕からエルバフを取り巻く環境が大きく変わっていく。
この時点で
ロキ | 0歳 |
ハイルディン | 18歳 |
ハラルド | 91歳 |
ここから王妃エストリッダは1年以内に死亡
ハイルディン方の母イーダも現代では登場しておらず死亡している可能性が高い。
主要人物の多くが63年間で亡くなっている。
少し話は逸れるがこの年の冬至祭においてリンリン(ビッグマム)が暴挙を働き滝ひげのヨルルも死亡している。
ワンピース1154話 冥界のロキ
父ハラルド殺しの罪が決定打となり冥界に幽閉されているロキ
ルフィ達が錠を解いたが宝樹アダムに磔にされていた。
冥界が似合う怪物ぶりが目立っていたが想像を絶する様な体験をしているのかもしれない。
生まれて早々に冥界を経験する巨人族などエルバフを見回してもいないだろう。ましてやロキは正統な王の血筋だ。何よりも大切に扱われるべき王子。
しかしながら本来1番愛情を注いでくれるはずの母エストリッダに冥界へと捨てられてしまった。
エストリッダ
怖い
いやよあんなの私の子じゃない
国王には死産だったと‥
呪われてるのよこの子は
見てよ怪物じゃない
ライオンの親が試練を与えようと可愛い我が子を突き落とすのとはワケが違う。
エストリッダは明らかにロキを殺そうとしており、息子とも認めていない。むしろロキを怖がってすらいる
不幸なロキ
宙をたぐるエルバフ王子の手が
誰かの手で包み込まれる事はなかった
この世で最も不幸な者は生まれた瞬間
母に存在を拒絶された者だ
この世で最も不幸な者として描かれたロキ。
どんな姿でも腹を痛めて産んだ我が子ならば可愛い者だがロキが寵愛を受ける事は無かった。ロキだから助かったものの本来ならばこれで死んでいる。身体はもちろん心を痛める出来事。ロキに罪は無い。特に幼少期における悲惨な過去を持つキャラは珍しく無いが生まれて早々にこの仕打ちはあまりにも酷い。
それでもロキはこの頃から既に才気に溢れていた。
冥界の猛獣達をかわして素手で崖を登って力づくで陽界を目指したのだ。過酷な環境を思えば到底赤ん坊に出来る事ではない。里へ帰る、もう子供など生みたくない。ロキの事をまるで無かった様にしたいエストリッダだがロキは冥界より陽界へと帰還した。
母に褒められたい一心での頑張りだったかもしれない。しかしながらより不気味さを助長させてしまった。エストリッダが震えあがるのも仕方ない事なのか‥