ワンピース エルバフに伝わる『鉄雷(ラグニル)』の正体は可愛いリスだった
エルバフ一の怪力、古代巨人族の血を色濃く引く巨体
ロキ王子だからこそ扱う事が出来る武器『鉄雷』
北欧神話をモチーフにしている巨大な武器はワンピース作品でも屈指のサイズを誇る。
鉄雷(ラグニル)は14年前時点まで王家に伝わる禁断の悪魔の実と一緒に宝物庫に保管されていた。

鉄雷(ラグニル)の役目
王家に伝わる禁断の悪魔の実と最強の武器鉄雷(ラグニル)には意外な関係性があった。ラグニル自体が門番の役割を担っており悪魔の実をつけ狙う者達を撃退していた。14年前。アウルスト城の宝物庫に侵入してきたロキを早々に襲う鉄雷。まるで誰かが投げた様に飛んで来た。
ゲッゲッゲッゲ
不気味な鳴き声の正体は?‥

鉄雷は尋常じゃない程の重量を誇る。城の床を貫き陥没を起こす程だ。これだけでも鉄雷を扱える者は限られている。
悪魔の実を食べようとするロキを拒み、宝箱の前に立ち塞がってみせた。『なぜ動けるんだハンマーが‥』鉄雷とやり合ううちにロキもようやく理解した様だ。
ハラルド
ムダだぞロキ
国宝であるその悪魔の実は
何百年もの間誰も食わなかったんじゃない
誰も食えなかったんだ
鉄雷(ラグニル)に誰一人認められずにな
この悪魔の実を手に入れられるのは鉄雷に認められた者のみ。ウォーランド王国の王家に代々伝わる秘宝はこうして守られて来た。ハラルドが今まで食べていなかったのはハラルドですら鉄雷に認められていなかったからなのかもしれない。
神の騎士団となり不死身の力と更なる腕力を手に入れ、今度こそはその資格を得たと確信したハラルド。イムに操られている状態ではあったが悪魔の実を狙った。

シャンクスやギャバン達がハラルドを食い止めている間に『ロキvsラグニル』は激化。最終的には元々ロキが持っていたハンマーは砕けながらもラグニルに打ち勝った。余程の怪力でなければラグニルに対抗はできないだろう。
ここで驚くべき現象が‥
ラグニルの一部がまるでリスの様に変身したのだ

頭部の一部が打面。衝撃でタンコブが出来ている。
ある程度のダメージを超えなければこの姿もお目にかかれないのではないか?
王家に起きた悲劇を嘲笑うかの様に似つかわしくないとても可愛いリスが現れた。
ここからは話が早い。ロキを認めたからか悪魔の実を食べる事を許した。悪魔の実を食べて変貌するロキを嬉しそうに眺める可愛いラグニルであった。

悪魔の実を食べたハンマー
真っ先に思い浮かぶのが超重量のハンマー武器に動物系悪魔の実を食べさせたというパターン。
作品でも既にお馴染みの要素である。
高度な科学でありベガパンクあって現代に広まってはいるが、エッグヘッド編では今よりも高度な文明が800年以上前に存在していた
| 武器 | モデル |
| 犬銃ラッスー | ダックスフンド |
| 象剣ファンクフリード | ゾウゾウの実 |
| スマイリー | アホロトール |
| ぶんぶく | 狸 |
新しい所だと現代エルバフにおいて神の騎士団のシャムロックが振るっていた『ケルベロス』もそれにあたるかもしれない。

オペオペの実による不老手術やトキトキの実など悪魔の実のギミックで空白の100年を跨ぐという事が可能なわけだが、そもそも武器(物)には生命的な寿命は存在しない。900年前に悪魔の実を食べたラグニルが現代までエルバフ王家で役目を果たしてきたという線も何ら不思議では無い。

ラグニルの場合はこれまでとも少し違う。本来は悪魔の実を食べた武器を誰かが扱うというパターンが主。使い手が命令する事で変貌し攻撃を仕掛けていた。
ラグニルの場合は使用者が不在の中で秘宝の悪魔の実を独り手に守り続けて来ており武器自体に意思がある様にもとれる。
象主(ズニーシャ)が大昔の命令を忠実に守っている様にラグニルもかつての使用者から下された命を守って来たのかもしれない。
秘宝の悪魔の実を食べれる資格があるのはラグニルを打ち負かせる力を持つ者のみ。試金石としてアウルスト城で役目を果たしてきた様だ。
また、ワノ国では動物系に限り悪魔の実自体に意思が宿るとされてきた。ニカの能力が人々の手から逃げ続けた様にラグニルが食べた実の意思に従って秘宝を守り続けているのかもしれない。
ロキの最強武器『鉄雷ラグニル』
スリラーバークで麦わらの一味を苦しめたオーズ級の巨体を誇るロキ
立ち上がった姿は圧巻‥基本的な戦闘力も相当だろうがロキは巨大なハンマーを武器に持つ。その名も鉄雷(ラグニル)

これを振り回すとなればエルバフ総出で抑えなくてはいけないレベルなのも納得。災害級の戦闘力だろう。エルバフの戦士達は幼い頃の修練の成果もあり各々が武器の扱いに長けている。ロキももれなくそうだろう。
それにしてもロキが拘束されたすぐ側に鉄雷を置いておくのも杜撰(ずさん)な管理としか言えない。脱走した時の事を考えれば処分したり遠くに置いておくのが得策だろう。
それでも処分出来ないという事はウォーランド王国における重要な武器で代々受け継がれてきたものなのだろうか。
そもそもロキ以外の力では操るどころか持ち上げる事も出来ないので難しかったのかもしれない。(新巨兵海賊団ハイルディンを持ってしても持ち上げる事は出来ない)
| 名手と武器達 | |
| ロジャー | エース(刀) |
| シャンクス | グリフォン(刀) |
| 白ひげ | むら雲切(薙刀) |
| カイドウ | 八斎戒(金棒) |
作品においても様々な武器が登場したがラグニルは最大最長の武器になるかもしれない。
白ひげやカイドウの武器も相当デカく感じたがあくまでも人間レベル。
『雷』というワードが含まれているのも注目だ。エルバフそのものとされる宝樹アダム。樹齢の古い大樹の弱点は炎と雷だと判明したはがりだ。ロキの使う鉄雷もどうしても破壊的な印象を受ける。
神の騎士団から受けた傷が深く立ち上がるのすらやっとのロキが必死に振り下ろした一撃は雷を落とした。

物理的なダメージに加えて落雷より火災に発展。瞬く間に火の手が上がり古木のアダムが焼失していった。ジンベエの活躍で消火したがエルバフを滅ぼす事が出来る力は本物だ。
一撃放った後にルフィがロキをダウンさせたが、それでも鉄雷は帯電しており迂闊には触れないほど。
ルフィの場合は悪魔の実の能力が起因しているだろうが、ロキの場合は規格外のデカさ故に雷クラスの電流でも影響が無いのかもしれない。
また、北欧神話の観点から見てみると『ミョルニル』なる武器が存在する。神トールが持つ鎚でトールハンマーなどとも呼ぶ。投げても使用者の元にブーメランの様に戻り耐久性もすこぶる高い。神話においても多くの巨人を殺した武器として有名だ。
ちなまにミョルニルの持ち主であるトールは雷の神として知られている。更には本来ならば最高位にいたはずの権力者だ。
ウソップの悪魔化と鉄雷・トールハンマー
大槌と言えばルフィがクリークに放った『ゴムゴムの大槌』も印象深いが武器として使用しているわけではない。
武器として振るっていたキャラとなれば思い浮かぶのはウソップではないだろうか?
初期の頃は大槌ではなく単なる金槌。
アーロン一味のチュウに対してウソップハンマーを放っていた。単純ながら急所に当たればマシか‥
アラバスタ編でバロックワークス相手に戦ったウソップ。Mr.4に対してはウソップ粉砕(パウンド)を放った。この時の記載は5t

更にここから進化。
スリラーバーク編。ゴーストプリンセス ペローナへ放った一撃。ここでのウソップパウンドの記載は10t。騙し合い化かし合いを制した。

お馴染みではあるがウソップハンマースペシャルエディション『ウソップパウンド』はカラクリがある。

実際のところは総重量2kgで非力のウソップにも振り回せる。
700gのフライパン2枚と金具500g、その他100gとハリボテ構造だ。
例えクリーンヒットしてもダメージはたかが知れている。実質、Mr.4にはほぼノーダメージ。それでいてペローナには精神的なダメージを与えているから凄い。
完全なネタ要素ではあるがウソップならではの特殊武器だ。
非力を嘘で補うアイデアが光る。一方でロキが持つ鉄雷は並の巨人族では持ち上げる事すら許されない。ウソップパウンドとは真逆の正統派だ。
止めてみろよハイルディン
止められるわけねぇよな
お前らにはこの鉄雷を持ち上げる事すらできねぇ
巨人族の中でも怪力の部類に入るであろうハイルディン、スタンセンでも持ち上げられないとなればかなりの重さだ。現状扱えそうなのはニカになったルフィぐらいだろうか?
しかし鉄雷とまではいかなくてもウソップもエルバフで新たな武器を手に入れるのではという予想も多い。既に伸び代が薄いだけに本人の成長よりも武器や道具に頼る必要がある。
念願のエルバフでパワーアップイベントがあってもおかしくないだろう。しかしながらここまであまり良いところがない。
誇り高き選手の村かと思いきや現状のエルバフは戦いを好まず暴力を良しとはしない。ウソップとしても当てが外れた様な気持ちだろう。
戦闘においても外敵である神の騎士団軍子の引き立て役‥膝蹴りであっさりやられてしまった。
このままでは期待外れもいいところ‥
だからこそ武器イベントが見たい。兼ねてより挙がっているのは北欧神話トールが手にした大槌トールハンマー(ミョルニル)
粉砕(パウンド)という意味合いもあり、叩きつけても壊れる事なく、放り投げても手元に戻ってくる。ロキのラグニルとは違った機動性があっても面白い。
↓ウソップの悪魔化(黒転支配)

驚愕の最新情報:鉄雷(ラグニル)に宿る幻獣種「ラタトスク」の正体
さて、ここからが今回の最大の焦点となる最新情報の深掘りである。前述した「可愛いリス」の姿。ただの動物系(ゾオン系)悪魔の実を食べただけかと思われていたこの武器だが、驚愕の事実が判明した。鉄雷(ラグニル)が宿していたのは、なんと『リスリスの実 幻獣種 モデル"氷リス"』であったという点だ。
エルバフの伝承において、この氷リスは「ラタトスク」の名で呼ばれている。北欧神話において「ラタトスク」とは、世界樹ユグドラシルの幹を走り回るリスの姿をした幻獣を指す。その役割は、樹の頂に住む巨大な鷲と、根元に潜む毒竜ニーズヘッグの間を行き来し、両者の悪口を伝えて対立を煽る「メッセンジャー(伝達者)」であるとされる。
エルバフにおける世界樹といえば、言わずもがな「宝樹アダム」である。アウルスト城の宝物庫に長年保管されていたラグニルが、宝樹アダムと密接に関わるエルバフの地で「ラタトスク」の能力を宿していることは、決して偶然ではない。さらに、神話において「対立を煽る」存在であったラタトスクが、ワンピースの世界においてどのような役割を果たしていたのか。それは、後述する「太陽の神」と「戦さ神」の激突という、世界の歴史を揺るがす巨大な争いの中心に、このラグニルが存在していたことを強く示唆している。
なぜ「氷」から「雷」が生まれるのか?ワンピースにおける気象科学とラグニル
しかし、ここで一つの巨大な矛盾とも呼べる疑問が浮かび上がる。ラグニルはその名の通り「雷」を操る大槌である。一振りで宝樹アダムを焼き払うほどの落雷を引き起こしたことはすでに述べた通りだ。それにも関わらず、判明した能力は「氷」のリスである。相反する属性とも思える「氷」と「雷」がなぜ結びつくのか。
その答えは、作中で語られた「『雷』は『氷』の衝突により生まれる――そうだったな」というセリフに集約されている。これは単なるファンタジーの魔法ではなく、極めて現実的かつ科学的な気象メカニズムに基づいている。現実世界の積乱雲(雷雲)の内部では、強烈な上昇気流によって無数の氷の結晶(あられや氷晶)が激しくぶつかり合い、その摩擦によって静電気が蓄積される。そして、限界まで溜まった電気が一気に地上へと放出される現象こそが「落雷」なのである。
つまり、ラグニルは自身の幻獣種の能力で極低温の「氷」を生成し、その氷を自身の超重量とロキの規格外の腕力による「物理的衝突(摩擦)」で強引に粉砕することで、局地的に積乱雲の内部と全く同じメカニズムを強制的に引き起こしているのだ。悪魔の実の能力そのものは「氷」でありながら、使用者の力と武器の質量を掛け合わせることで「災害級の雷」を生み出す。これは、天候の科学を熟知したベガパンクの技術や、ナミのクリマ・タクトの原理にも通じる、極めて高度でロジカルな戦闘スタイルである。ラグニルが最強の武器と呼ばれる所以は、単なる重量や腕力任せの打撃ではなく、この「氷から雷を生み出す」という理にかなった破壊のシステムにある。
空白の100年とエルバフの伝承:「太陽の神」と対立した「戦さ神」
さらに物語を根底から覆す恐るべき伝承がエルバフには残されていた。「『エルバフ』にはある”戦さ神”の伝承がある。巨大な竜に姿を変えて”太陽の神”と対立したという…!! 彼の従順な腹心が”氷リス”ラタトスク」。
この一文が持つ歴史的意義は計り知れない。「太陽の神」とは、作中の文脈から考えて間違いなく「太陽の神ニカ(ジョイボーイ)」を指している。そして、そのジョイボーイと対立した「巨大な竜に姿を変える戦さ神」。これが意味するのは、空白の100年においてジョイボーイ陣営と激突した、最初の20人の王たち、あるいはそれを束ねる頂点の存在である。
「巨大な竜」というキーワードからは、天竜人(世界貴族)のシンボルである「天駆ける竜の蹄」が連想される。もし800年前にジョイボーイと覇権を争った敵のトップ、あるいは極めて強大な敵将が「竜」の姿をとっていたとするならば、その傍らで従順な腹心として仕え、共に太陽の神と戦ったのが、この「氷リス」のラタトスク、すなわちラグニルだったのである。
ラグニルが宝物庫の門番として何百年もの間、誰にも扱えなかった理由もここにある。単なる重量の問題ではない。「戦さ神」というかつての偉大な主の意志を継ぐラグニルは、再び太陽の神に対抗しうるだけの「狂気と怪力(王の資質)」を持つ者をひたすらに待ち、品定めをしていたのだ。14年前、ロキ王子がハラルドですら不可能だったラグニルの試練を打ち破り悪魔の実を手にしたのは、ロキの中に「戦さ神」の狂気に通じる何かをラグニルが見出したからに他ならない。
イム様の降臨と「あの頃」という言葉が示す800年前の因縁
そして、この考察を決定的な「真実」へと押し上げるのが、氷リスの姿となったラグニルの前に現れた人物の存在である。特徴的な三重丸の不気味な瞳……世界の王である「イム様」その人だ。
イム様はラグニルに対し、こう語りかけている。「お前はあの頃のまま新しい主人を待ち続けていたというわけか…」。
不老不死の疑いが強く、世界の歴史を裏から操り続けてきたイム様が口にした「あの頃」という言葉。それは十中八九、「空白の100年(800年前)」を指している。イム様は800年前にラグニルと直接面識があり、その恐るべき力と忠誠心を知っていたのだ。伝承にある「巨大な竜に姿を変えた戦さ神」がイム様本人である可能性すら浮上してくる。あるいは、イム様の腹心であった初代の神の騎士団トップの武器だったのかもしれない。
武器に食べさせた悪魔の実は、本体に「寿命」がないため、何百年という時を越えて生き続けることができる。象主(ズニーシャ)が大昔の罪のために歩き続けているように、ラグニルもまた、空白の100年の因縁をその身に宿したまま、エルバフの地で眠りについていたのである。ロキがラグニルを手にしたことで、かつてジョイボーイと対立した「戦さ神の力」が現代に蘇った。ルフィ(ニカ)とロキの激突は、単なる四皇と巨人族の戦いではなく、800年前の因縁を清算する「神話の再演」となることがここで運命づけられたのだ。
なぜ「幻獣種」の武器が必要だったのか?空間を超えるラタトスクの力
さらに深く考察を進めてみたい。なぜ「武器」に「幻獣種」を食べさせる必要があったのか。ベガパンクの技術で物に悪魔の実を食べさせることは可能だが、これまでに登場した「ラッスー(犬)」や「ファンクフリード(象)」などは一般的な動物系であった。しかし、ラグニルは「幻獣種」である。幻獣種には、動物としての特性に加えて、神話や伝説に由来する「特殊能力」が備わっている。
不死鳥マルコの「再生の炎」や、ヤマトの大口真神の「冷気」、カイドウの青龍の「焔雲」など、幻獣種の能力は超常的だ。ラグニルの場合、ラタトスクの「氷」を生み出す能力に加えて、「世界樹を行き来する」という神話上の特性が、何らかの空間移動や、エルバフの巨大な地形(宝樹アダム周辺)における特殊な機動力として発揮される可能性も考えられる。
14年前、ロキが宝物庫に侵入した際、ラグニルは「まるで誰かが投げた様に飛んで来た」と記されている。これは単なるハンマーの投擲ではなく、ラタトスクの幻獣種としての能力、すなわち空間や大樹を媒介とした「神速の移動」であったとも解釈できる。巨大な質量を持つ鉄雷が、幻獣種の意志と能力によって自律的に動き回り、対象を自動追尾して破壊する。これこそが、ハラルドをはじめとする強者たちが何百年もの間、誰一人として宝物庫の奥に進めなかった最大の理由だろう。
また、イム様とエルバフの繋がりについても無視できない。イム様がマリージョアの奥深く、パンゲア城の「花の部屋」や「凍てつく巨大な麦わら帽子」のある場所で過ごしている描写は既出だが、もしイム様が800年前にエルバフの「戦さ神」と共闘、あるいはその力を使役していたのだとすれば、巨大な麦わら帽子が保管されている理由にも一つの仮説が成り立つ。
あの巨大な麦わら帽子は、ジョイボーイのもの、あるいはエルバフの巨人族に関わるものだという考察が一般的だが、イム様はそれを「戦利品」あるいは「戒め」として凍結保存しているのではないか。ラグニル(ラタトスク)が「氷リス」であるという事実は、あの巨大な麦わら帽子を凍らせている冷気の源泉、あるいは同じ「氷の技術(能力)」が根底にあることを匂わせている。
イム様の「あの頃のまま新しい主人を待ち続けていたというわけか…」というセリフは、決してラグニルを単なる道具として見下しているのではなく、かつての時代を共に生きた「戦友」に向けるような、どこか懐古的な響きすら帯びている。ラグニルは、空白の100年における「敗者(あるいは勝者の影)」の歴史をそのまま現代に繋ぐタイムカプセルのような存在なのだ。
ウソップの新たなる力へ?嘘が「真実の神話」を超える時
この巨大な歴史のうねりの中で、我々が絶対に忘れてはならないのがウソップの存在である。前述した通り、ウソップはこれまで「ウソップハンマー」や「ウソップパウンド」といった、嘘とハッタリで固めた「ハリボテのハンマー」を武器に強敵を欺いてきた。
しかし、今彼が足を踏み入れたエルバフには、800年の歴史、幻獣種の意志、そして雷と氷の自然法則を内包した「本物の神話のハンマー」ラグニルが存在している。この絶対的な「対極」の構図こそが、尾田栄一郎先生が仕掛けたウソップ覚醒への最大の伏線ではないだろうか。
ウソップの嘘は、これまで幾度となく「現実(真実)」へと変わってきた。小人族のヒーロー「ウソランド」になったように、エルバフにおいて彼が「真の狙撃手」あるいは「勇敢なる海の戦士」として完成するためには、この神話の武器であるラグニル、そしてそれに宿る「ラタトスクの意志」と何らかの形で交差する必要がある。
圧倒的な力と恐怖でラグニルをねじ伏せたロキとは異なり、動物系悪魔の実の「意志」の本質は、心からの信頼関係にある。チョッパーやトンタッタ族と心を通わせてきたウソップの人間力ならば、かつての主を失い、長い間孤独に新しい主人を待ち続けていたラタトスク(氷リス)の本当の心に触れることができるかもしれない。
北欧神話においてラタトスクが「メッセンジャー」であったことは、狙撃手であり情報の要、そして物語の「語り部」でもあるウソップとの親和性が非常に高い。もしラグニルがロキの手から離れる瞬間があるとすれば、その時こそウソップが「嘘の5tハンマー」ではなく、真の「ミョルニル(鉄雷)」を手にする瞬間かもしれない。
エルバフの伝承に刻まれた「戦さ神」と「太陽の神」の戦い。その歴史の生き証人である可愛い氷リス「ラグニル」。ロキの圧倒的な暴力によって目覚めたこの巨大な武器は、ルフィたち麦わらの一味に最大の試練を与えると同時に、ウソップの未来を切り開く究極のキーアイテムとなるだろう。
空白の100年と悪魔の実の謎、そして神話が交錯するこのエルバフの地で、ラグニルという一つの「武器」が、今後のワンピースの最終章の行方を大きく左右することは間違いない。悪魔化するウソップの姿とともに、この鉄雷がどのような雷鳴を世界に轟かせるのか、その展開から一瞬たりとも目が離せない。