エルバフ編という事を忘れるくらいの目まぐるしい場面展開。役者が揃いいよいよ大事件の核心へと迫っていく。エピソードオブ"ロックス"も終焉。最強集団が負けた理由と語られる事ない真相が明らかに。ゴッドバレーの因縁は現代へと繋がる。
前回の進展
先住民一掃大会が開幕し世界貴族のハンター達が続々と狩り始めた。その最中でロックス海賊団、ロジャー海賊団、ガープの軍艦が雪崩れ込み島は大乱戦模様に。
大会続行は難しく他の天竜人を守るべくガーリング聖率いる神の騎士団が前線へ出た。
ゴッドバレー事件の描写はまだ続いていく。
ここまでの死者はシャンクスとシャムロックの母。
海兵ドラゴンへと子供の救出を託して生き絶えた。
ロックスと妻はここで死に絶え、ティーチは生き延びるルートとなっているはず。1160話までは3人とも無事。
また、引き続き3名の幼子はゴッドバレーの戦地にいる。3名とも生還が確定しているがその経緯が気になるところ。
シャンクス→宝箱(ロジャー)
シャムロック→聖地マリージョア
特にドラゴンが握る双子の運命は注目。
また、本来の主役であるエルバフの国王ハラルドはロックスに沈められ一旦ストーリーから離れている。
ワンピース1161話 ワノ国に緊急事態『海賊旗』が降ろされた
こちら1160話の扉絵
『花の都を一望できる、おでんと仲間を祀るお堂』
おでんを祀るお堂から花の都を見下ろすヤマト。壮観な風景にも思えるがよく見てみるとあるべきものが無い‥
最近掲げたばかりの麦わらのルフィの海賊旗だ。
原作では1115話。エッグヘッド編の終盤でベガパンクのメッセージが放送されていた時に描かれた。カイドウ、オロチに侵略されて長らく冬の時代を送ったワノ国。ルフィ達の助けもありようやく解放され新生ワノ国は育ちつつある。
再びワノ国が侵される事の無いように。ルフィがその名前でワノ国を守ろうとモモの助に贈ったのが麦わら海賊団の海賊旗だ。
この海賊旗はワノ国が四皇麦わらのルフィのナワバリである事を意味する。もしワノ国に手を出す者がいればルフィに喧嘩を売ったと同意。余程覚悟があるか、実力者でなければ手出しは出来ない。
同じ様に魚人島もニューゲート→ビッグマム→ルフィと代々四皇の名前でその地を守って来た。
ただでさえワノ国は世界政府非加盟国。強力な侍達はいても常に外敵の不安は付き纏い、海軍の援助も期待出来ない。それどころか海軍や政府すらも踏み込んで来る可能性がある。
だからこそ国力が復活するまではルフィの海賊旗が大きな支えとなっていく。
モモ助に弟の様な感情を抱きながらも仲間だと認めたルフィ。共に航海するのはここで終わり。ワノ国を案じてモモの助の背中を押す様に海賊旗を託した。
ちなみにルフィ自身は超新星時代にビッグマム、カイドウひ立て続けに喧嘩を売っている。四皇の名前にも屈しない特例。
また傘下のバルトロメオは赤髪のシャンクスのナワバリで海賊旗を燃やしてルフィの旗を掲げる暴挙を働いている。海賊であれば旗の重みは知っているが行動は様々だ。
単に描き忘れやアングルの違い、時系列のズレなども考えられるが新生ワノ国の象徴なだけに意図的に描かれていると思われる。特にヤマトの位置からならばかなり目立つ位置に旗があったはずだ。
となればやはり最初に浮かぶのは外敵の存在だ。
ワノ国に存在する重要ピース |
ロードポーネグリフ |
光月スキヤキ |
古代兵器プルトン |
世間にほとんど知られていない事も含めてワノ国には重要なピースが存在する。最終章におけるひとつなぎの大秘宝レースに繋がるものだ。
どれか一つでも奪えば意味合いは大きい。外敵がくる要因は十分だ。カイドウがルフィ達新世代に堕とされたばかりともあってタイミング的にも好機だ。むしろカイドウが居座っていた時のほうが攻め込まれる不安は少なかっただろう。
気掛かりはやはり黒ひげ海賊団『ティーチ』
古代兵器の情報がカリブーを通じて渡ってしまった可能性が高い。歴史の本文の写しについてはハート海賊団から奪っており無意味、スキヤキの古代文字解読能力もプリンがいれば事足りる。
しかし軍事力を盤石にする為には『古代兵器プルトン』はこの上なく重要になる。
距離的にも魚人島より近いワノ国を侵略しに向かってもおかしくはない。ティーチなしで遠征してもワノ国を堕とす組織力が黒ひげ海賊団には確かにある。
ワノ国へルフィ達が逆行するルートはあまり見たくないがヤマトがどれだけ立ち向かえるか。
ワンピース1161話 ゴッドバレー事件での神の騎士団
世界会議編の後半でドラゴンが革命軍の首脳陣と話す中で神の騎士団のイメージが出て来た。神の騎士団が出て来てからが本番だと険しい表情を見せていたのが印象的だ。
大まかではあるが拡大してみると最低9人はいる様なシルエットだ。ここから神の騎士団は10人前後の編成ではないかという印象が読者にも根付いた。
世界政府そのものを直接打ち滅ぼそうとする組織が革命軍であり、その総司令官ともなれば敵の全貌は見えていてるはず。時は遡りドラゴンが駆け出しの海兵だった頃。任務で投入されたのが38年前の大事件の地ゴッドバレーであった。
名だたる大物が集まる中で居合わせたのが神の騎士団であった。
海軍であっても知っているのはCPサイファーポールまでだろう。神の騎士団の存在を知り得るものは少なく上層だけのはず。
ここでドラゴンは神の騎士団の脅威を知る事になる。
ガーリング聖(元) |
シャムロック聖 |
キリンガム聖 |
ソマーズ聖 |
軍子宮 |
現代エルバフ編では続々と騎士団メンバーが披露された。エルバフに降り立った4人に加えて現五老星のガーリング聖も最高司令官として活躍していた。
同じくエルバフの過去編ゴッドバレー事件を巡る描写で神の騎士団が一気に披露された。併せて英語表記、スペルも。
『KNIGHTS OF GOD』
ロックス海賊団、ロジャー海賊団の乱入でゴッドバレーはゲームどころではなくなった。事態を収めるべく前線に登場して来た神の騎士団。若かりしガーリング聖が指揮をとる。総勢7名。得点を競い合っていた氏族達が力を合わせる事となる。
ビジュアル的には抜群にカッコいいチームではあるが容赦なく無抵抗の人間を仕留める様は残虐性極まりない。世界政府へのヘイトを助長させている描写が多く見られる。
ソマーズ聖はこの頃から騎士団として活躍している。
神の騎士団にはお抱えの下部組織である『神の従刃』が存在しており軍子宮はこの時は従刃の一員だった。キリンガム聖に関しては面を被った人物、サングラスをしている人物が同一人物の可能性もある。
『マンマイヤー家にトロフィーを』のキャラも騎士団だった様だ。また新たに『パペット家』なる家系も登場した。
気になるのは角が生えてるキャラが3名もいる事。キリンガム聖の様に動物系悪魔の実を食べている可能性も高い。
参照。判明している天竜人の家系一覧。3年に一度、世界政府非加盟国で開催される先住民一掃大会では人間狩りが行われゲームの様にポイントで争われる。貴族達は個人戦の他に家系ごとに競う氏族戦もある。
天竜人の家系 | |
1 | ネフェルタリ家 |
2 | ドンキホーテ家 |
3 | ジェイガルシア家 |
4 | マーカス家 |
5 | トップマン家 |
6 | シェパード家 |
7 | イーザンバロン家 |
8 | フィガーランド家 |
9 | ネロナ家 |
10 | マンマイヤー家 |
11 | リモシフ家 |
12 | パペット家 |
ワンピース1161話 シャンクスを助けたドラゴン
ゴッドバレー事件への関与が判明した『モンキー・D・ドラゴン』
38年前時点でドラゴンは17歳。まだ駆け出しの海兵で役職も無い。しかしながらこの重要任務に抜擢されるあたりは運命としか言いようがない。
ゴッドバレーでのドラゴンの働きはその後の世界情勢を大きく動かす事となる。
まずは大会に向けた先住民捕獲。ここでは世界貴族に狩られる運命の人間を麻酔弾で眠らせて集める役割だ。一兵卒のドラゴンはまだ任務の意味や目的を知らない。上長に異議を唱えるが叱咤されている。
たとえ非加盟国民、麻酔銃とは言え撃つのには躊躇しているドラゴン。後に危険思想を持った組織を立ち上げるとは思えないほど優しい。
そんな中でドラゴンは重症の女性と遭遇する。ゴッドバレーの先住民である彼女はガーリング聖との間に子を授かりシャムロックとシャンクス双子の母となった。しかし産後1年ほどでガーリング聖に裏切られて刺されてしまう。双子も聖地マリージョアへと奪われそうになり今にも意識を失いそうなところをドラゴンが見つけた。
私はもうダメだけど‥
あの子達は心温かい誰かに‥
育てて欲しい‥お願い‥
あいつに渡さないで‥
息も絶え絶え話す女性の訴えに耳を傾けて心を動かされたドラゴン。
見ず知らずのあんたの子供達をおれは助けたい
でなきゃおれはここに立っていられない
混沌とする島を駆け回る事になる。ゲームが開始された後の海軍の役目は島の包囲と護衛。本来ならば島内へ立ち入ってはいけないがドラゴンは隊からはずれて単独で動いた。
そこでドラゴンが目にしたのはあまりにも悲惨な状況であった。天竜人が先住民を虐殺。そこに正義は無く逃げ惑う兎を痛ぶる様に仕留めていった。
すぐには現状を受け入れられずに思わず吐き気をもよおしてしまう。
もし天竜人に楯突こうものならばドラゴン個人のみならず隊そのもので連帯責任。それだけ絶対的な存在だ。しかしながらこの理(ことわり)に疑問を覚え葛藤する。海軍が天竜人に手を出すなどあるまじき反逆行為。それでもドラゴンは天竜人を撃った。
きっかけを作ったのは脱兎。先住民に加えてゴッドバレーに連れられてきた奴隷達だ。特に問題ある奴隷が選出され、後にドラゴンと手を組むイワンコフ、くま、ジニーもここにいた。
この頃から行動力のあるイワンコフは奴隷達を鼓舞して窮地から脱出すべく呼びかけた。
しかし奴隷達の影には世界貴族のハンターの姿‥
特に高得点設定されているバッカニア族のくまは物陰から銃で狙われていた。希望を捨てない奴隷達を見てドラゴンは思わず天竜人に麻酔弾を撃ち込んで眠らせた。
まずはここで運命を変えた。奴隷達を救う為にあれほど躊躇していた麻酔銃を撃つ事が出来た。くまはもちろんだが無防備な奴隷達がここでライフルの餌食になっていたかもしれない。革命軍の始祖は実はゴッドバレーでバッティングしていた様だ。
話は逸れるがドラゴンはゴア王国でもサボを救った。作られるべきして作られた革命軍。ドラゴンの元に集ったメンバーにも運命を感じずにはいられない。
さらにドラゴンは戦地を駆け回る。遂には女性から託されていた双子を発見。両腕に抱えて連れ出した。ロジャーやロックス達の乱入によって天竜人達も大慌て、タイミング的にも恵まれていた。
ここ2つ目の運命を変える。天竜人(世界貴族)となるべく双子のはずだったがその一方の弟シャンクスはドラゴンが連れ出された事でロジャーに救われて海賊となる。
ワンピース1161話 ゴッドバレー事件での『ロックス海賊団』
ゴッドバレーに参戦したロックス海賊団。まとまりのない個のチームとの戦評であったが士気は高く余裕や風格すらも伺える。とてもこれが死地とは思えない雰囲気だ。
混在してしまうが以下の3人の幹部達はゴッドバレー事件には参戦していない。
王直 |
マーロン |
ガンズイ |
マーロンはシャッキーの誘拐時に殺されてしまった。そもそもゴッドバレー事件の引き金となる裏切りをした王直は参戦する意義を感じていないのだろう。ガンズイはコマ割りを探しても見つからず。
ゴッドバレーで狙うもの |
シャッキー |
財宝 |
悪魔の実 |
ワンピースネタバレ1161話 まとめ 『ロックスとハラルド』出会いと別れ
世界会議 56年前
ロジャーが時代を築く前、56年前に出会った2人の大物。世界政府を討とうとする者と歩み寄ろうとする者。
世界政府非加盟国の国王 ハラルド
悪党 ロックス・D・ジーベック
出会いの地は本来侵入困難な聖地マリージョア
そして世界会議(レヴェリー)開催期間という厳戒態勢の中だ。
ハラルドは友人の王に頼んで兵士として潜入。ロックスは単騎で乗り込んで来た。もちろん世界政府を狙っての行動だ。
何やら世界政府に対して交渉しようとしたハラルド。こちらはあくまで平和的な交渉だが決裂。
ロックスは参加国の国王5人を誘拐、イムが君臨するパンゲア城の『花の部屋』まで侵入、海軍大将1人を殺害‥と明らかに敵意を剥き出して暴れ回った。高額懸賞金が設定されるのも納得の事件を起こした。
ハラルドはこのとばっちりを受ける形で追いかけられ、無実を証明する為にロックスを捕まえ様とした。
これが2人の出会いでありファーストコンタクト。
古代巨人族のハラルドと比べるとさすがに体格は劣るが互いに破壊力抜群の剣を振るった。
覇王色同士の激突は周囲『直径5km』の人影を消し去った
ナレーションでハッキリと被害範囲が記されたことで説得力は増している。周りにいた人間が天竜人、海軍、王族だった事を考えるとこの一撃だけでも大事件だ。
この交錯で互いの力量を悟り興味を示した2人。名乗りあってからマリージョア脱出の為に力を合わせる事になる。とは言ってもロックスが一方的にハラルドに絡んでいた様だ。
ハラルドは国王という立場をわきまえて悪党であるロックスと関わろうとはしなかった。
ロックスはハラルドに再会を誓い。出身国エルバフの方角を確認。最後はハラルドの肩に乗って赤い土の大陸(レッドライン)を飛び越えて運んで貰った。
ここまでが56年前世界会議での出来事。
再会は8年後(48年前)のエルバフとなる。
エルバフ訪問 48年前
ハラルドは相変わらず外交に乗り出し、世界政府との共存を模索
ロックスは天上金の護送船を襲うなど世界政府に対して脅威であり続けた。海賊稼業に手を染めデービーバックファイトで6人の仲間も増やしていた。(ニューゲート、シキ、王直、ガンズイ、マーロン、ステューシー)
前触れなくやってきたロックスだがあいにくハラルドは不在。息子のロキを傷つけて呼び戻すという強引な手段に出た。
ロキが冥界に落ちて傷ついたと聞いたハラルドは急遽エルバフへ帰還、やってきたロックス達をアウルスト城に招きもてなした。
ロックスの狙いは『ハラルドの勧誘』
8年前の短時間でハラルドを見込んでエルバフを訪れた。
ロックスは既に『世界の王』になるべく画策していた。
・金脈のあるハチノスを引き合いに世界政府から金を引っ張る
・金だけ貰い取引を反故してハチノスを支配
・ハチノスを起点に海軍を殲滅、聖地を陥落させる
この為にはハラルドと組むこそと必死に交渉したロックス。ここから4年間ハラルドは結局誘いには乗らなかった。立場的にはもちろんハラルドは世界政府に歩みよろうとしたのだろう。
時系列的に44年前。ロックスは準備を完了し本格的に世界へ打って出る。その後もロックスは足繁くエルバフへと通ってハラルドを勧誘した。
大きな理由の1つは『エルバフに存在する悪魔の実をハラルドに食べさせたかった』というもの。ロックスは2つの悪魔の実を狙っておりそのうちの1つがエルバフ王家に伝わる伝説の悪魔の実だと推測出来る。
その悪魔の実はハラルドが食べる事によって真価を発揮出来る様な能力らしい。これはおそらく規格外の古代巨人族のサイズが関係していると思われる。
また利己的な理由ではなくロックスはハラルドの事をダチだと認識していた。若きカイドウがハラルドを侮辱した様な発言をした際には自分の事の様にブチギレた。
奇抜な手法で仲間を集めて、上から無理矢理抑え付けるではなく付いてきたい者は付き合ってくれというスタイル。そんなロックスが生涯認めた唯一の男がハラルドなのかもしれない。ハラルドがいるからこそエルバフに拘ったとも言える。叶わなかったが、もし2人が手を組んでいたら本当に聖地マリージョアを陥落させる事が出来たのかもしれない。
ロックスを殺せ
ハラルド国王の悲願でもある世界政府加盟
強固な戦士達の国から国交と文化の発展を重んじた新生エルバフへと転換中。
他国との貿易や国交は上手くいけど要所で立ちはだかったのが『世界政府』
異様な程に世界政府はエルバフを嫌っている。いくらハラルドが歩み寄れど受け入れられる事は無かった。
痺れを切らして自らマリージョアへと乗り込んだハラルド。世界会議中で要人が集まる中で主張したがこれも叶わず‥
ここからハラルドに悪の誘惑を受けようとも染まらずに愚直に世界政府へアプローチし続けた。
そんなハラルドの元にチャンス到来。悲願だった世界政府加盟。しかしその条件は残酷なものであった。
悪党ではあるが友人の様な存在であるロックスを殺す事‥エルバフの戦士達がこの条件を満たすならば世界政府加盟を約束すると語るマーズ聖
共に聖地マリージョアの死線を乗り越えた存在。ロックスから一方的にではあるが必要とされその後も何度もエルバフを訪れ勧誘して来た。ハラルドにとっても思うところがあるだろう。
ここまでの対応を考えれば明らかに世界政府の罠。現在アニメ版で佳境を迎えたエッグヘッド編でも描かれている様に世界政府の闇を助長する様なものだろう。
しかしハラルドにとっては願ってもいない申し出でもある。乗るしかない。
友情の終焉『ロックスvsハラルド』
タイトルにも使われた名勝負
前回は初対面、互いに力量と人柄を知らない中での激突だった。
世界会議開催中に侵入した2人は聖地マリージョアの土地をめちゃくちゃにした。
今度は互いを知った友人同士。一国の国王と世界的大犯罪者の妙な組み合わせ。
ロックスがしつこくハラルドを誘ったが立場的にも加担する事は無かった。
ロックスは世界政府を討ち世界の王へ
ハラルドは世界政府へ加入しエルバフの発展を
2人の世界政府への関わりは全く逆であった。
そんな中でハラルドの前に垂らされた一縷の望み。
ロックスを殺せば世界政府加入を約束するというもの。
意外にもハラルドはこの話に乗り友のロックスと戦う道を選んだ。いつもの様にエルバフに勧誘がてらやって来たロックスに襲いかかった。
ハラルドとしては辛い選択。世界政府に利用されている事も承知。天竜人の愚かさも折り込み済みだ。
それでもエルバフの世界政府加盟は変え難いものだった。
イーダに諭されてからは戦士の国エルバフからの転換を目指して外交に取り組んだ。最初こそ恐怖でしかなかった巨人族を受け入れてくれる友好国も徐々に増えていった。政策は身を結び飢饉の際には手を差し伸べてくれる国々もあった。
それでも尚ハラルドを阻む壁は大きかった。
かつて巨人族に襲われた国ではその恐怖を拭いきれずに外交は頓挫。
交友を広げ様にも世界政府の息のかかった加盟国では思わぬ妨害工作に遭う事も。
ハラルド自身も疲弊していった事だろう。
そんなハラルドにとってはまたとないチャンス。例え友を討とうとも実現したかった悲願。
ロックスの主張
友を殺して成就しなくてはならない事なのか
巨人族を軍事力としてしか見ていない
奴隷みたいな兵隊にされる
戦士としての誇りはどこへいった
世界政府の目論見などハラルドとて気付いている。天竜人がどんな人種であっても『彼らはエルバフを世界の輪に入れてくれる権力を持ってる』
ハラルドにとっては十分な理由であった
ロックスとハラルドは互いに迷いがありながらも全力でぶつかった。エルバフに放射された覇王色激突のエフェクト。壮絶な戦いも決着はつかず。
約16年間続いたこの奇妙な友情関係は途切れ当面2人が顔を合わせる事はなかった
ゴッドバレー事件 直前
冥界での決闘から少し経ち2人は再び合間見えた。
これが本当に最後。ロックスはゴッドバレーで散る事となる。
ロックス海賊団がゴッドバレーへと向かう航路にて出会したのがハラルド率いる巨人族の船。
これは偶然ではなく世界政府の命によるもの。
遠くからの監視付きで『女一人に現を抜かす海賊団を止めろと』命令が下った。
圧倒的な体格の差を考えればハラルド達がロックスを沈めることは容易いと脅しをかける。
しかしロックスもこれには屈しない。相変わらず政府の言いなりであるハラルドを非難。『お前は何をしょうともエルバフを変えたい狂人だからな』
すぐさま決闘に発展するかに見えたがロックスから意外な告白があった。
世界政府はおろか、他のロックスメンバーにも語られていない秘密。
ロックスがハラルドだけに語った秘密。弱み。
・ロックスの本名はデービー・D・ジーベック。デービー一族の血を引く
・ロックスの故郷こそシャッキーが囚われているゴッドバレー
・ロックスは妻子をゴッドバレーへ送り届けており、今回の事件から逃がしたい
これにハラルドの心が揺れた。
『運が向いてる気がしねぇよハラルド 手を貸せよ』
ロックスから最後の勧誘。これを跳ね除けたハラルド。最後まで仲間になる事は無かった。これにて完全に決裂。最後は両陣の決闘へ。
しかしながらハラルドは部下達に手を出さない様に制した。わざと手を抜きみすみすロックスを逃がした。
最後の最後で友へ応えた形。共に世界政府と戦う事は無かったが奇妙な友人関係らしい終わり方であった。