3.ワンピース『ONE PIECE』

ワンピース1151話 悪神ニカの支配 陥落寸前のエルバフと最後の砦ヤルル

イムによるエルバフの蹂躙。マリージョアの危機を受けて神の騎士団に頼らず瞬殺で巨人族を堕としに来た。抗う術も無く世界一の強国エルバフは奪われてしまうのか‥

悪魔の実、覇気、科学といった様々な要素から考えてもこれまでに無い様な異質な能力に攻略法はあるのか。

冥界
ルフィ、ゾロ、サンジ、ロキ、新巨兵海賊団
重症のロキを治療中。ここ数話は進展があまり無い。完全にストーリーから消えている。ハラルド王殺害事件の真相、シャンクスの居場所をロキから聞き出さなくてはならないが陽界の騒動を受けてそれどころではなくなった。
ギャバン、チョッパー
軍子に落とされたギャバンは冥界真っ逆さま。これをチョッパーが決死のダイブで追った。無事救出してルフィ達と合流出来るか。
陽界の麦わらの一味
ナミ、ウソップ、ブルック、ジンベエ、ロビン ※フランキー
軍子によって捕らえられたまま進展無し。ブルックも解いて貰えそうだったが未遂に終わった。ロビンは鉄の棘が突き刺さるのを躊躇せず強引に荊を解きにかかった。フランキーは別行動中。現状唯一自由に動ける。
陽界
ドリー ブロギー 悪魔
巨兵海賊団中心にイムによって悪魔化された巨人族達。エルバフの代表格であるヤルルの首を取る命を受けてドリー・ブロギー達が故郷を襲う
世界政府
イム(軍子)、キリンガム、ソマーズ
ギャバンに斬られたソマーズは無事。腕も再生して子供達の誘導へ。キリンガムはMMAの指揮。強大なエルバフの力を試す意味も込めて巨人達同士で戦わせる。
覇気による選別
子供達付近からイムが放った覇王色の覇気。これにより救助に向かっていた巨人族達もバタバタと倒れていった。
悪魔契約『アー・クワール』
指で描いた五芒星(アビス)を対象の足元へ。これが契約の糸口。対象は五芒星の沼に飲み込まれていく
黒転支配『ドミ・リバーシ』
手で操作され対象は上下反転。五芒星ごとひっくり返りまたもや沈んでいく。ここから出てくると対象は悪魔化している。リバーシ(オセロ)の様に悪魔に挟まれた位置にいるだけでも悪魔化されてしまう。
ブロギー 悪魔
悪魔化の特徴
巨大化‥元々巨体を誇る巨人族も更に大きさが増す
腕力の強化‥常ならざる腕力へ
不死身‥不死の体を手に入れる
見た目の変貌‥羽、武器、尻尾
寿命‥契約時に一定量削られる

ワンピース1151話 イムが披露した能力

イムの能力
精神を乗っ取る(イム)
テレパシー
イム テレパシー
変身(羽、尻尾)動物系能力の様な出立ち
覇王色の覇気
イム 覇気
五芒星を描き武器を出現(銃、剣)
イム 剣 銃
魔導書
イム 魔導書
悪魔契約(アー・クワール)
悪魔契約
黒転支配(ドミ・リバーシ)
黒転支配

ワンピース1151話 解放の戦士の出番

イムの能力を悪魔の実だと仮定した場合、これまでのエピソードを振り返ってみても類を見ないほど強力な能力だ。
自然系や超人系で到達し得ないほどの能力。ルフィが食べた幻獣種モデルニカの様なオリジナル性の高い能力ではないか?

屈強な巨人族の戦士達が最も簡単に操られて支配されてしまった。拘束力も強く操られている本人はもちろん例え他者でも解除は難しいだろう。
本来ならば能力者本人を叩くのが有効だろうが本人はエルバフにいないと来ている。マリージョアにいながら遠隔でここまで支配してしまうのは恐ろしい。きっと正攻法での攻略も難しいだろう。

そうなると期待出来るのはこの能力の対抗馬となりそうなルフィ(ニカ)ぐらいではないか。正直、イムだけでここまで出来るならば世界政府はあれほどニカの能力覚醒を危惧する必要は無かった。それでも恐れる存在になり得るならばニカなら何とか出来るのではと期待してしまう。

支配的なイムに対して、ルフィのニカは自由がモットー。あらゆる想像を体現する。
そしてもともとの触れ込みも『解放の戦士ニカ』
人々を苦悩から救った伝説の戦士ならばあるいは悪魔との契約をも破棄できるのかもしれない。

ニカ

覚麗はゴムの体に
更なる腕力と“自由”を与える

イム

一定の寿命と引き換えに不死の体と
常ならざる腕力を与える

非なる能力ではあるが腕力という点においては一致している。基本的な出力が上がる事は動物系の恩恵にも似ているだろうか。ルフィはこれで現実離れした空想を実現して見せた。イムも巨人族に力負けしないほどの闘いぶりであった。

ジャンプ巻末煽りでもそれらしきムードが
『ニカの力でイムをぶっ叩け』

イム ニカ

これがイム本来の姿かは置いといてニカvsルフィの並びが本誌で見れる日も近いか。今や作品のラスボス候補のイムに届きそうなところまでやってきた

ルフィ イム

ワンピース1151話 オセロ(リバーシ)

黒転支配(ドミ・リバーシ)

対象者がリバーシ、いわゆるオセロゲームになぞらえられている。黒が悪魔。白が元の状態。
イムによって黒へと反転しろ悪魔になる。
恐ろしいのは悪魔が2体以上いる場合。オセロの様に黒に挟まれた白は反転する。
ドリー、ブロギー2体の悪魔が起点となり2人を結んだ動線の巨人族は続々と反転してしまった。
黒のコマが増えていけばより連鎖は起きやすくなる。位置関係を気にしつつ一定距離をとらなくてはならない。

ワンピース1151話 イムの素顔

世界会議編の登場からエッグヘッドに差し込まれた描写まで一貫してシルエットだったイム。特徴的な頭の形や目、服装など部分的にヒントはあるものの黒塗りの為に進展が無い。

それだけに見た目年齢や性別など読者を大きく裏切る設定があったり、作者自身も決めかねているのではないかという意見もあった。
そんな中で思いもよらぬエルバフ編での登場。今度こそは‥しかしながら軍子という媒体を借りての参戦となった。
本体はおそらくパンゲア城の中。精神だけを遠隔で軍子へと移したのだろう。本体という概念があるのかすらもわからない。

精神を乗っ取る、操るといった要素がある以上はこの先もイムの本当の姿を見るのはまだまだ後になるのかもしれない。

ワンピース1151話 人格の支配と悪魔契約

巨兵海賊団の部下達が戸惑うのも無理はない。これまで海賊団を率いてきたお頭の言動とは思えず明らかに様子がおかしい。
ヨルルと共に巨兵海賊団を率いた先代のお頭であり、今や世界最高齢にしてエルバフの代表格でもある『ヤルル』を殺しに行くと言うではないか‥

ドリー

ヤルルを殺しに行くぞ
ついて来い野郎共

これもイムの悪魔契約の効力。これまでより格段にに進化した悪魔じみた力を手に入れたドリー・ブロギーではあるが、あくまでイムの支配下にある。

『ムーの支配の元 常識と理性はヌシアを縛らぬ』

単純強化ならず、人格までも支配してしまう。元々巨人族の身体が媒体という事もあり脅威でしかない。
凶々しい力に魅入られる様に巨人達も抗う術は無い。複数人同時というのも底がしれない。

イムの言うままにエルバフの王家を奪取する為にドリー・ブロギーはヤルルの首を狙いに繰り出した。ハラルドの死後は王不在のウォーランド王国であったがここで戴冠を許せば国民達も従わざるを得ないか。ヤルルが殺され、それがドリー・ブロギーの犯行ともなれば国中にショックが走り、立て直す間も無く世界政府に奪われてしまう。

ワンピース1151話 寿命

漫画やアニメでも寿命に関するギミックは定番だがワンピースでも様々な能力が寿命に関与している。

イムが巨人族達に強要した悪魔の契約では『一定の寿命』が代償となっていた。
対価として不死の体と常ならざる腕力を手に入れる。

イムの場合は奪った寿命を自身に還元する様な動きは無かった。
単純に契約を交わした巨人族が寿命を奪われた形。

寿命‥怪我や事故などがの不測の事態を除いて、生きていられる時間を死亡から逆算したもの。と解釈して能力を見てみる。

種族ごとの寿命

ルフィ達人間族の寿命については現実の人間と大きな違いは無い。外見の変化に関しても現実通りだ。

絶賛連載中のエルバフ編。主役となっている巨人族に関してだけは例外。こちらは人間と比べて約3倍の寿命を持つ。年齢に対しての外見、内面の成長も3倍遅い(3分の1)という見方も出来る。

『5年』という寿命を人間と巨人族で考えた場合は人間の方が価値が重く感じる。

ホルホルの実

インペルダウン侵入脱獄〜マリンフォード頂上戦争においてイワンコフのホルホルの実を利用した技に寿命に感するものがあった。

まずは『治癒ホルモン』
インペルダウンレベル5.5で施術した治癒ホルモン。マゼランの毒にやられたルフィの10年分の寿命と引き換えに0%だった生存確率を2~3%に引き上げた。ここから無事に生還を果たしたがこの時点でルフィは寿命を10年失った。
よく混在されているが後のテンションホルモンでは寿命に関するデメリットは言及されておらず。ルフィが失ったのは現在もこの時の10年だけである。
また、本人の寿命が縮むだけでイワンコフに還元される様な事はない。

治癒ホルモン

次にテンションホルモンの施術
1回目は治療ホルモンにより無事生還したルフィの体力を一時的に回復させる為にレベル6に向かう前に施術。
2回目は1回目のテンションホルモンの効果が切れた時。vs三大将の前に。
テンションホルモンによる後遺症については触れられていたが寿命とは別物と考えられる。
相当身体を酷使したルフィだが最終的にマリンフォードの死地から復活した。

テンションホルモン

イワンコフの能力ではあくまできっかけ作りを行う。治療ホルモンの場合はその対価として寿命が失われる稀な例。

ワンピース 寿命 イワンコフ
当然だが失われた寿命は元には戻らない。一種の賭けの様なものなので絶望的な場合や時間が無い場合を除き乱用する必要性も無いか。

オペオペの実

元々価値の高い能力。医術のある者が実を食べた場合はその能力を最大限に発揮出来る。
現在の能力者であるトラファルガー・D・ローもシャボンディ諸島での登場以来多彩な技を披露して来た。
そしてそんな技の中でも注目は『不老手術』
ドロスローザ編の途中にドフラミンゴとの絡みで発覚したチート技だ。
能力者本人の命と引き換えに対象を不老に出来る。
つまりは寿命という概念が無くなる。
不老手術を受けて現代に生きながらえている候補としてエルバフを賑わせているイムが挙げられる

ソルソルの実

『ライフオアトリート』
ソルソルの実の能力者であるビッグマムの恐怖の呪文『魂への言葉 ソウルポーカス』

ビッグマム 寿命

寿命と引き換えに様々な無理難題を二択で与え苦しめる。
ビッグマムは寿命を奪いとるイメージではあるが自身には還元出来ない。
対象者が寿命を与えることに同意するか、ビッグマムに恐怖を抱いた場合に寿命が削られる。

恐ろしいのはビッグマムが提示した寿命に対して自身の寿命が足りていなかった場合だ。ゼポは代償として100年提示されたが30年しか寿命が残っておらず死亡した。
これを悪用すればこの世の殆どの人物を殺めてしまうチート能力だ。パワーバランスもあるので作品でもゼポ以外は例が無い。

また別の技としてビッグマムが自身の寿命1年を使用して自身を強化する事が出来る。既に高齢の域にいるので乱用すれば命を落とす危険性がある。

ワンピース1151話 ビビが欲しいの真意

世界会議閉幕後のイムの勅令

『ビビが欲しい‥』

ネフェルタリ家の王女ビビに白羽の矢が立った。
パンゲア城で暗殺された国王のコブラ。現在ネフェルタリ家の王族はビビ1人となってしまった。何故イムはここまでビビに固執するのか?

元々ネフェルタリ家は異端とされている。世界の創造主である20人の末裔に名を連ねながら先祖のリリィはマリージョアに移住する事はせずにアラバスタへと渡った。更には現代にも残されている歴史の本文の流布についてもリリィの仕業というのが濃厚だ。

極め付けはDの忌み名。世界政府に対して弊害をもたらしているDの一族だがネフェルタリ家もDだと判明した。

しかし世界貴族の血を引くとはいえあくまで人間族。崇高な存在であるはずの天竜人が固執するのもおかしな話。欲しいという表現も違和感がある。抹殺では無くあくまで生捕りの様な勅令だ。

まるで利用価値のある様な言い方‥
となればやはり『器』としての素質を買われての事ではないか。
神の騎士団の軍子は本来の記憶を奪われて操られていた様に見える。潜在意識は残しつつも騎士団としての活動は意図したものではないだろう。しかしエルバフの出来事がトリガーとなってブルックとの記憶が蘇った。
このタイミングでイムが軍子に入れ替わった様に見える。

軍子の身体を乗っ取っているが用済みとなれば軍子自体が捨てられてしまうかもしれない。そうなると次の器が必要となる。その器に相応しいのがビビなのかもしれない。

別の王族を例にとるとネプチューン家は王妃に代々伝わる力として海王類を操る能力ポセイドンが備わっていた。ネフェルタリ家にもイムの力を最大限に引き出せる様な特殊な何かが備わっているかもしれない。

ビビ イム

現在は世界経済新聞社のモルガンズ社長に匿われる形で身を隠している。偶然パンゲア城に居合わせてしまったワポルも同行中。
ルフィ達も心配していた様に読者の間でも警鐘が鳴らされているがもしビビが奪われてしまった場合、ルフィ達と対峙する様な悲しい展開が待っているかもしれない。

モルガンズ ×印

ルフィ達だけに伝わる様なビビの渾身のメッセージも今のところアラバスタを共に戦ったメンバーには届いていない。

ワンピース1151話 エルバフへは行かないルート

2023年末に開催されたジャンプフェスタ2024にて尾田先生より来年を占う恒例のコメントが発信された。

コメント抜粋

ルフィ達がもし無事にエッグヘッドを出られたら‥行きますかねーあの島。行かないルートも考えたんですが‥ルフィは止められないかな。
そうなってくるともうアレの奪い合いになりますね。

ワノ国以降の最終章。まとまった休載も何度か挟み原作の構想を練り直したりもしている尾田先生。ここまで来れば着地点はある程度見えて来ているだろうがどの様に広げた風呂敷を畳むかは模索している様だ。

その中の1つが『エルバフ編』読者としても待望のエピソード。期待感が高まっていただけに行かないルートもあり得たというのも驚き。
結局はエッグヘッドの死地を乗り越えて2024年中にエルバフへ到達している。宣言通り。

現在エルバフ編を絶賛連載中ではあるが『行かないルート』というのも気になる。裏返せばエルバフを飛ばしてでもラフテル到達、ひとつなぎの大秘宝獲得、ルフィの夢の果ての実現は成し得たわけだ。

しかしながらサウロとロビンの再会という屈指のエピソードはもちろん秘された壁画や科学施設などエルバフに残された歴史はルフィ達が解かなければ『空白の100年』の大きなヒントとなっている。
ここまで見てもエルバフに立ち寄った意味は大きいだろう。

ワンピース1151話 ドリーとブロギーが死ぬ?

故郷に戻ってきたお頭2人。
キッド海賊団に放った覇国は圧巻、先のエッグヘッドでも得体の知れない五老星相手に躍動した。
懸賞金1億が先行して実力評価が難しかった2人。読者達の間で様々な論議がなされてきたがエルバフ編で改めて懸賞金が設定

その評価額は18億ベリーとなった。
2人合わせてではなくそれぞれ個人にかけられた点にも注目。単純にトータルバウンティの方式で言えば2人が共闘した場合36億ベリー相当になる。
もちろんそう簡単な話ではないが、共闘スタイルのキャラに各々ついた懸賞金額としては破格と言える。

普通はこれだけの猛者が複数人揃ってもコンビネーションは難しい。しかしながらドリー・ブロギーは幾多もの決闘で互いをよく知るライバル。作品中でもトップクラスと言えよう。

懸賞金判明は嬉しい限りだが誰かの踏み台になってしまうのでは?という懸念もあった。評価が妥当かはさておき
ワノ国後にはローとキッドに30億の高額懸賞金がかけられたが更に高額のティーチとシャンクスに敗れ散っている。

エルバフ編突入前に十分過ぎるほど活躍したドリー・ブロギーだけに正直なところ戦闘に限ってはこれ以上のサプライズは難しい。
むしろ巨兵海賊団の現役のお頭が敗れたという展開のほうがインパクトがあるだろう。

そして危惧していた事態が‥
もし負けるならば神の騎士団と予想していたが更にその上の上『イム』が降臨。
突然現れた世界の黒幕という外敵に立ち向かうもなす術なくかわされてしまった。

更には寿命が奪われてその肉体もコントロールされる始末。良いようにやられ故郷を蹂躙されている。不死身となり死ぬ事は無いが元に戻れる事はなく本当のドリーとブロギーは死んでしまったと言えるかもしれない。

近くにいながら友を救えなかった屈辱はルフィ達の怒りに火を着けてマリージョアへ乗り込み全面的に構える動機にもなるだろう。

ワンピース1151話 悪魔

人間を超越した存在。予想考察の定番ネタではあるがイムが登場したことでより気運も高まって来た。ここでワンピース作品における『悪魔』について振り返ってみる。

イム 軍子 悪魔

悪魔の実

悪魔と言えば当然外せないのがこの要素。
海洋ロマン、海賊漫画という新しいスタイルで話題を呼んだ作品だが初回から登場しているのが『悪魔の実』
その果実を食べる事で特殊な能力を手にする代わりに海賊として致命的なカナヅチという弱点を背負ってしまう。

主人公ルフィはもちろん登場する敵キャラも殆どが悪魔の実の能力者。キャラの個性ともなっており作品の醍醐味でもある。
不思議な現象や力も基本的には悪魔の実で説明出来る。

名前だけではなく本当に悪魔が作った果実なのでは?とも囁かれている。

ブルック

麦わらの一味加入直後にシャボンディ諸島で直面した一味壊滅の危機。くまの能力によってブルックは偉大なる航路ナマクラ島ハラヘッターニャへと飛ばされた。間が悪く飛ばされた場所は悪魔召喚儀式の真っ最中であった。あまりのタイミングと元々のガイコツ容姿が相待ってブルックは『悪魔王サタン』と崇められた。

一度は国を救ったが捕らえた手長族に逆に捕らえられてしまう一幕もあった。

2年間の修行期間においてはブルックはアーティストとしての音楽活動のイメージが大きい。しかしながらこの時のハラヘッターニャの描写も後に大きな伏線になるのではと期待されてきた。

この時の魔法陣は世界政府が操る召喚術式の五芒星アビスとも似ている。エルバフ編では軍子という切り口から意外にもブルックの過去に注目が集まっているが進展はあるか?

ブルック 悪魔

ロビン

悪魔の子の異名を持つニコ・ロビン
ワノ国の鬼ヶ島決戦ではブラックマリアとの決闘にて本当の悪魔と見間違うほどの変貌を遂げた。

悪魔咲き『デモニオフルール』

ロビン 悪魔

美しさの中にある悪魔が顔を出した技。これにて悪女対決を制した。

サンジ

エニエスロビーの司法の塔でジャブラと繰り広げた死闘以降にサンジの代名詞となった蹴り技が悪魔風脚(ディアブルジャンブ)

魔神風 悪魔風 サンジ
熱を帯び光を放つ蹴りで威力を増す。
ここから魔神風(イフリート)と昇華されたがやはり悪魔のイメージが強い。

ウタ

こちらは悪魔と同列かと言えば微妙なジャンル。
2022年公開の映画FILM REDにおいてヒロインのウタが披露したウタウタの実の能力の一端だ。

ウタ トットムジカ

トットムジカの歌唱に呼応して出現し成長していく歌の魔王。呪われた楽譜なんて要素は良くありがちだがワンピースの超人系能力の中ではかなり異質な技だ。

ルナリーア族

歴史の中で淘汰されてきた絶滅危惧種。
元は赤い土の大陸の上に住んでいたとされており世界政府との因縁も根深いと見える。
炎や髪色など細かなビジュアルは違えどイムが見せた悪魔に大まかに似ている。

マゼラン

軍子の身体と服装だからというのもあるがイメージはかなりマゼランに近い。
尻尾こそないが看守服と羽、マントはエルバフで変貌したイムとも割と重なる。言及されてはいないがマゼランの羽は装飾(コスプレ)にも思える。

マゼラン
他にもサルデスやサディなどインペルダウンの看守達はこのスタイルに近い

ステューシー

エッグヘッドで正体を現したミス・バッキンガム・ステューシーのクローン

ステューシー

モデルは判明していないがドラキュラ、吸血鬼、サキュバスといったところ。バットバットの実であることは判明している。

ワンピース1151話 最後の希望ヤルル

陽界はあっという間に世界政府の手に堕ちようとしている。主戦となるはずの巨兵海賊団のお頭2人が瞬殺され敵の手に他の戦士達も続々とイムの魔の手にかかってしまった。
更には先程退治したMMAよりも遥かに大きな怪物達。もうこの陽界でイムと渡り合える者はいない。

ヤルル

戦士に逃げろなんて言うもんじゃない

そんな中で最後の砦となっているのが世界最高齢を誇るヤルルだ。元は巨兵海賊団を率いていたとはいえ衰えは隠せない。希望の光と呼ぶにはあまりにも心許ない。

とはいえ己の身体と命と引き換えに一矢報いてくれるのではないかという期待感はある。ハラルド王亡きエルバフの代表者として最後に一花咲かしてほしい。

ワンピース1151話 実は逆オマージュ

多くのエピソードが描かれてきたワンピースだが以前のエピソードと状況が似ている様な『オマージュ』も良く囁かれている。今回はエルバフ単体ではなく連番単位でオマージュ説を紹介。

2年前のオマージュ
スリラーバーク→シャボンディ諸島
エルバフ→エッグヘッド
対となるエピソードが逆順になっている
スリラーバークがエルバフ
シャボンディ諸島がエッグヘッド
勝敗も逆になる
スリラーバーク(勝)がエルバフ(負)
シャボンディ諸島(負)がエッグヘッド(勝)
共通点 天竜人に手を出す
チャルロス聖を殴る
サターン聖を殴る
共通点 強力なボスキャラの支配
モリア(カゲカゲの実)
イム(?)
共通点 くまのムーブが対
くまが一味を飛ばす
くまがやって来る

ワンピース1151話 イムの武器 三叉槍

イムが持っている武器、イムが悪魔へと変貌させた巨人達が持っていたのが三叉槍(さんさそう)

持ち手の長さや微妙なデザインの違いはあれど様々な作品でモチーフとされている。
ギリシャ神話(ポセイドン)、インド神話(シヴァ)などが有名だろうか?
三本槍やトライデントなんて呼び方もある。

特に悪魔の武器として有名なのはピッチフォークではないか?イムの武器もこれに近い。

イム 武器

ワンピース1151話 悪夢穴

対象者を眠らせてその夢を具現化する奇抜な能力を操るキリンガム聖。セイウチの学校に通う子供達の想像した『こわいもの』を具現化させエルバフを襲わせた。
巨人族達が力を合わせて対峙し一旦は収まったと思われたがこれで終わりではなかった。

イム

反発など許すな
キリンガム
ヌシアのMMAはこんなものか?

キリンガム

いくつもの
“悪夢穴”(ナイトメアホール)は開きっぱなしゆえ
島中の悪夢から怪物達は生まれ続けています
死の概念のない夢の生物達は
おれの合図で全員いつでも蘇生可能

叱咤にも似たイムの問い詰めに対して自身の能力がまだ健在であると示した。

ナイトメアホールと呼ばれる連絡口が化け物達の入り口となる。能力者であるキリンガムを直接叩くルートもあるがこの穴をなんとかしなければ際限なくMMAが生み出されてくるわけだ。
更には不死の耐性付きとなればますますチート能力に思えてくる。
イムの悪魔契約がクローズアップされているがキリンガムの能力も凄まじい

ワンピース1151話 御大

キリンガム、ソマーズと意思疎通するイム
その中で2人がイムの事を『御大おんだい』と呼んでいた。
あまり他キャラとの絡みが無いイムではあるが五老星達はシンプルに『イム様』と呼んでいた。

格付け的にはイム→五老星→神の騎士団

おそらくイムの存在を知る者の中では騎士団は格式が低い。
また、エルバフには巨人族や麦わらの一味がいる。イムの名前を呼ぶ事で必要以上にその名が漏れるのを防いでいたのかもしれない。

『御大』‥首領、主人、頭などその組織のトップ格を呼ぶ総称。

ワンピース1151話 不死身の攻略方法

五老星に神の騎士団。世界政府の戦闘部隊は不死身揃いと来ている。
先のエッグヘッドではルフィ、ドリー、ブロギー達が五老星を相手にしたがどんなに攻撃をしても決定打には至らなかった。
カイドウをも倒したルフィを持ってしても苦戦。攻略方法は結局判らないままだった。

そんな中で一撃で五老星達をマリージョアまで吹き飛ばしてしまったのは『ジョイボーイの覇気』である。
800年前よりエメトに封印されていた覇気は劣化する事なく解放するや衝撃波にも近い程のインパクトであった。おそらくは覇王色だろう。

今のところこの爆発的な覇気が攻略の糸口となりそうだ。ジョイボーイの覇気は作品でも屈指の威力。現存するキャラで言えばレイリーやシャンクス、ガープなどが使い手の筆頭。ルフィもニカの能力ばかりが注目されているがワノ国では覇王色の練度を高め攻撃に纏うまで昇華している。そんなルフィでも倒す事が出来ないわけだからプラスアルファで別の切り口での攻略が必要なのかもしれない。

そしてエルバフでは軍子やソマーズが攻撃を意に介せずあっさりと復活している。それぞれが悪魔の実の能力者でありながらまた別枠で能力を備えている様にも見える。ウソップの攻撃を受けて復活する軍子はまるで自然系の能力者の様に流動的な身体であった。

ロビンが打撃や関節技で徹底的にソマーズを叩いたがまるでノーダメージ。道連れにする他倒す方法が見当たらなかった。そんな中でギャバンはあっさりとソマーズの右腕を斬り落としてみせた。

ギャバン ソマーズ

ソマーズ自身も右手が再生しない事に驚いていた。ここまでの描写を見るとギャバンは生身。やはり覇気が起因していると見るのが自然だろう。(特に覇王色)

更に追撃を加えるギャバン。ソマーズは確かに血を吹き出していた。これまでと比べてきちんと攻撃が貫通している。あくまで再生しないだけで痛がってはいないのが不気味なところ。

皆が苦戦する不死身集団ではあるがソマーズは攻略の糸口を掴んでいるのかもしれない。さすがは海賊王の右腕と言えるが神の騎士団と対等に渡り合えるキャラは限られてくるかもしれない。本当に覇王色が打開策の場合ルフィぐらいしか使いこなせない。

覇気こそが全てを凌駕する‥
タイマン最強を誇ったカイドウの言葉が思い出される。
かつてのロジャーがそうだった様に覇気を練磨すれば強力な能力者をも凌駕する。ロジャー海賊団はバギーやバレットなんかを例外としてほとんどが生身揃い。だからこそ偉大なる航路制覇を成し遂げたのかもしれない。

世界政府という組織に対しては何度か風穴を空けて来た麦わらの一味。直近のエッグヘッドでは諜報部員CPの最高峰であるCP0にも討ち勝った。
傘下組織の海軍についても海軍大将と渡り合えるレベルまで成長してきた。
それでもまだ『天竜人』を倒した実績は無い。シャボンディでチャルロス聖を殴りはしたが戦力は無いに等しい。
五老星や神の騎士団といった上層部と構えるのはここからが本番となる。エッグヘッドで対峙した五老星達とも結局不死身の謎を解けずダメージを与える事が出来ないままに終わってしまった。
エルバフ編では攻略のヒントを掴み次エピソードに繋げたいところ。

ワンピース1151話 2人の王子

エルバフ ウォーランド王国に存在する2人の王子、ハイルディンとロキ。
両者共に前国王ハラルドを父に持つ

ハラルド ロキ ハイルディン

ハイルディン 81歳
エルバフ外の巨人国生まれの母親
ロキ 63歳
正統な王妃の子

ハイルディンは言わば腹違いとなる。ハラルドが正統な王妃と結婚する前に別の女巨人族との間に生まれた子供である。一応は王の子と位置付けられているが幼い頃の扱いはロキとは天と地の差があった様だ。

やはり巨人族の総本山といえばエルバフの地だ。しかしながら世界中には少数ながら巨人族の国が他にも存在する。問題はエルバフの巨人族達が排他的な態度を示す事だ。
基本的にエルバフ以外の巨人族の血を認めてはいない様だ。

ロード

同じ巨人族って‥
おぬしらも同じ人間族で土地を奪い合ったりしてるでござろう
他の土地の巨人の血などエルバフの血が汚れるでござる

少し捻くれているロードではあるが基本的にこれはエルバフの総意だと言える。

くまの様に生まれながらの奴隷種族とまでは言わないが親を選べぬ状況でハイルディンも相当苦労した事だろう。普通の巨人族ならばまだしも王の血も引いていた事が話をややこしくした。

それでもハイルディンは折れる事が無かった。

父が王でも城に住めず母が他所者と虐げられてもそんな様子を感じさせる事はなく『世界中の巨人族を統一する』という野望を抱いた。

そんなまっすぐな男に魅せられたのが『新巨兵海賊団』のメンバー達だ。ハイルディンの夢を支えるべく少数精鋭チームとなった。

しかしハイルディンとロキの関係はそう簡単にはいかなかった。ロキにとっては歳の離れた腹違いの兄を敬えるわけもなく疎ましい存在となった。自分よりも小さく自分よりも弱いハイルディン‥(ハイルディンについては通常の巨人族と同じサイズ感。ハラルドよりも母方の血を濃く引いたと思われる)

ハイルディン ロキ

権力的には正統な王子ロキにあり、力関係においても古代巨人族の血を色濃く引くロキに軍配。おそらくはこの頃から今も力関係は変わっていない

ロキ

こんなチビで弱ェ奴が兄貴なんてやなこった
お前は”落とし子”だぞ
正当な父の子じゃねぇ
ハイルディン
お前の母親の血は汚れてんだ

完全に兄であるロキを格下に見ている。それどころか認めてすらいないのかもしれない。

一方でハイルディンはハラルド王殺しについて憎悪にも近い様な感情を持っている。

ロード

国王の死はみんなを絶望させたが一番悲しくてロキを恨んでるのはもう一人のハラルド王の息子ハイルディンでござる

14年前の事件だがハイルディンの中では風化されていない。父を殺して母を侮辱したロキに怒るのは当然

以下、エルバフ編で巨人族達の証言を元にまとめた事件の概要。あくまで当事者はヤルルのみ。その他は見聞きして伝わり誇張されたり曲がって伝わっている可能性もある。

ハラルド王殺害事件
犯行場所は王城『アウルスト城』
ハラルド王はロキとの激しい戦いの末に命を落とした
怪物同士の戦いでアウルスト城は半壊状態
事件では100人を超える戦士が殺されて当事者の生き残りはヤルルだけ(止めようとして剣が頭に突き刺さった)
あまりにも凄惨な事件で、その後は城への立ち入りは一切禁止されている
ハラルド王は「息子によって殺される」とロキが生まれる前から予言していた
エルバフの王家に伝わる伝説の悪魔の実が欲しくてハラルドを殺し実を食べた

事件前から悪事を働いていたロキ。エルバフ史上最も慕われたハラルド王との評価の差は段違い。例えロキ側に義があってもハラルドが悪にはなるはずがない。
事前情報がロキを嫌う者ばかりなのでミスリードも疑ってしまう。
それだけにロキ側から語られる動機と詳細については注目が集まる。

ハイルディン

おれはコイツを許した事はない母を侮辱し父を殺したんだ

ロキ

やってみろよ
悲しき狂戦士

身近なドラマに酔ってるヒマがあんならよ
森を見ろ‥
まさかお前までおれが本当に殺意をもって親父を殺したなんて…
思ってねぇよな

また、ハラルド王の思いとしてはロキとハイルディン2人の兄弟に力を合わせて欲しかった様だ。幼少期の2人にもエルバフを託す様に話しかけている

ハラルド

お前達は2人共‥
大切な私の息子だ
私の跡は2人で仲良く
エルバフを支えて欲しい

エルバフ中から慕われるほど人格の備わった王。ハイルディンにも分け隔てなく接していたはずだ。2人同時に王位に就く事は出来ない。当然正統はロキとなる。
ハイルディンがロキを補佐し王政を助ける。そんな理想も虚しく現在のエルバフは混乱へと陥っている。
しかしながらハラルドの教え通りに2人が力を合わせてエルバフの為に戦う姿も見れるかもしれない。戦いを好まぬ王だがそうも言ってられない。

ワンピース1151話 コロンがマリージョアへ

ここまでのエルバフ編においてダントツに危ないのがギャバン親子だ。神の騎士団が到着しエルバフに役者ざ出揃った時点で継承を鳴らしていた読者も多いはず。
妻のリプリーはさて置き、息子のコロンと夫のギャバンにはどうも危険が付き纏う雰囲気だ。

現状で最大のウィークポイントとなっているエルバフの子供達。他の子と比べて活発で好戦的なコロンも軍子に捕まり人質の仲間入りを果たした。

臆病であればまだ良かったものの、興味本位に戦線に繰り出してこの事態を招いてしまった。

コロンを餌にギャバンがやられてしまう
コロンがマリージョアへ連れ攫われる

パターンはいくつか考えられるが例えギャバンが不死身の神の騎士団を凌駕する力を持っていたとしてもコロンを引き合いに出されれば萎縮してしまい餌食となる。
実際に攫うならばまだしも躊躇なく殺せるほどの残虐さを兼ねている事はギャバンも承知だろう。

派手な登場シーンも出オチとならなければいいのだがどうしても敗北が過ぎってしまう。

更にコロンは麦わらの一味と騎士団がぶつかる火種にもなる。既にルフィはコロンと絡んでおり、ナミ達は目の前でコロンを軍子に奪われた重責がある。
このままエルバフで決着がつかずマリージョアへと連れて行かれてもルフィ達が追いかける動機となるだろう。

悲しいことにエピソードにおいてコロンは都合が良すぎる‥

ドラゴン『子は‥親の弱点だ』
くまの回想編で語られたドラゴンの苦悩。世界最悪の犯罪者として悪名高いドラゴンを持ってしても子は特別なもの。革命軍として非情な判断を迫られるからこそルフィの存在は弱みになりかねない。
ギャバンにとってもコロンの存在はそのまま当て嵌まるだろう。

ワンピース1151話 内通者モサ公

同族からこぞって嫌われても当然の大罪を犯したロキ王子。ルフィへと鍵を託して大人しく待っているのかと思いきや、あろう事か電伝虫で誰かと会話をしている

『モサ公』と呼ばれる電話の向こうの相手。シルエットすら登場は無く性別も判らない。口調だけをみれば女キャラの様な印象も受ける。
〜〜公
先公、犬公、エテ公、ポリ公など現代日本語ではどちらかと言えば蔑む様な意味合いで使われてきた。

モサ公とロキの電伝虫での密談

ああ、お前も大分ヒマなんだな

ご迷惑でしたか?

いやぁ、こっちもいいヒマ潰しだ
いくらでも時間があるからよ
前に話してた恐怖体験はまだ引きずってんのか?

はい今でも思い出すと震えが止まりません

おれももどかしかったさ
見た事と会った事もねぇけどよ
何の因果かお前とは長ぇこと友達

おれがその現場にいたらお前に代わって
そこら一帯を廃墟にし皆殺しにしてた

そこまでは望んでません

それが甘いっつってんだよモサ公
いいか一度取り逃したバカは再起不能にしねぇと復讐に来るんだ

ありがとうございます
そういう乱暴な言葉の裏に優しさがあると最近気づきました

おい虫唾が走るぜ
極めて心外だ
調子に乗るなよテメェ
やさしさだ!?二度と口にするな

大きな声はおやめください

黙れモサ公
錠が外れたら覚えてろよ

囚われたロキの協力者なる存在の様だ。上下関係としては完全にロキが上。たまにこういったキャラが主人格より強いパターンはあるがモサ公の場合は違うだろう。

ワンピース1151話 ハラルド王

『ハラルド』
今は亡きエルバフ ウォーランド王国の前国王
息子であるロキに殺され生涯に幕を閉じた

それでも国民の信頼は根強く今も語り継がれ、ハラルドの意思が尊重されている

ハラルド王への支持

同族からこれでもかと嫌われているロキ。犯した罪を思えば当然だが、反対に父であるハラルドへの支持は非常に高い。亡き今も死を悲しみ惜しむ声が多くエルバフの光であったと言える。

ロード
あれはハラルド王の肖像。平和を愛し世界中の国々とエルバフを繋ごうとしたエルバフ史上最高の王と称される男
ロキも怪物でござるがハラルド王もまた大戦士として名を馳せた男
門番
エルバフの歴史上最も偉大な王ハラルド様
巨人族
恐れられる戦士の国エルバフと世界の国々を繋ごうとした心優しい光輝の王だった
アンジェ
この国を改革しようとした偉大な国王
リプリー
明君ハラルド王は言った。戦いより他国との貿易を

様々な巨人族がハラルドを語るが悪評は出てこない。外交を目指したハラルド王が生きていればエルバフの地は世界政府へと加盟していたかもしれない。

問題児であり扱いの難しいロードまでもがハラルドに対して敬意を表している。ロキを例外としてウォーランド国内では全員に好かれていると言っても過言ではない。

戦士の国からの発展

戦いに明け暮れる強国。外海からのイメージ通りではなくウォーランドは変貌を遂げつつある。

かつて世界中で戦いを引き起こし恐れられた巨兵海賊団の存在。時は経ち世界との関わり方も変わって来た。今やエルバフは生まれ変わる最中、変革の中にあるそうだ。

この方針を示したのは他でもないハラルド王だ。

『戦いより他国との交易を』

これが亡きハラルド王が示した新しいエルバフの指針
伝統を重んじる村々の長老達とぶつかりながらも変革を遂げようと先頭に立って尽力した。
夢半ばでよもや息子に殺されようとは‥現段階の印象だと息子のロキは新しいエルバフの形に最もそぐわない凶暴性。

本来ならば前王が倒れれば実子が即位するのが定石。しかしながら国民はこれを良しとはせずにロキの幽閉に至った様だ。
とはいえハラルド王の意思は根付いており、しっかりと継いでる巨人族もいる。

エルバフの戦士が世界中を荒らしていたのはもう100年以上前の事。
悪口、暴力、略奪、戦争
もうそういう時代ではない。
子供達も罵倒したり、戦う事をダメな事として捉えており次の世代は世間がイメージするエルバフではなくなりそうな様相だ。

まるでコンプライアンス、多様性の波に様々なものが淘汰されていった現代社会の様だ。世界情勢に疎いとされ独自の文化を築くウォーランド王国も他国との関わりを求め本当の意味で発展を遂げようとしている。

これに驚いたのは読者だけではない。
特にエルバフへの憧れが人一倍強いウソップにとってはショックな現状である。

誇り高き戦士を掲げる理想郷かと思いきや次世代は逸れつつある。

ハラルドの政策

新生エルバフの為、戦死の国には似つかわしくない施設が構えられている。

現在登場している中で目を引くのは

セイウチの学校
フクロウの図書館

通常の王国では当たり前にある施設ではあるが子供の教育や文化の発展の為には欠かせない。特に『子供世代』に着目した政策を行なった。

元海軍中将であり歴史にも長けるサウロに学校を作らせた。これがセイウチの学校。教師達が授業を行い他国と同じ教養を目指す。一方で古きエルバフの暴力を悪として植え付けた。

フクロウの図書館はイクイクの実を食べたビブロ(フクロウ)によって人間サイズの本が巨大化する。エルバフの文化の発展が乏しい一因としてサイズ差が挙げられる。特に文献においては虫眼鏡で拡大するレベルの文字の小ささなので巨人族が無理なく読む為には大きな本が必要とされる。
もともとの巨人サイズの本に加えて、オハラから持ち寄った本、人間サイズの本でも読む事が可能になった。

リプリー(現在80歳)を最後の戦士世代としてそれ以降の世代にはきちんとした教育体制のもと子供達が育っていった。

王家と息子

アウルスト城に王家を構えておりロキ、ハイルディンという2人の息子がいると判明している。

エルバフ国外の巨人族との間に生まれたのが‥ハイルディン(81歳)

正妻との間に生まれたのが‥ロキ(63歳)

王城で育った正統な王子ロキに対してハイルディンは村で育ち苦労も絶えなかった。
権力だけでなく力関係も完全にロキが上。同じ父の元に生まれながらロキはより色濃く古代巨人族の血を引く。

しかしながら後にハラルド王はロキに殺されてしまう。ハラルド王はロキが生まれてくる前からこの事件を暗示していた様だ。

古代巨人族

オーズの件で注目された古代巨人族
他の巨人族とは一線を画してもその起源を辿ると当然エルバフへと繋がる。

特にオーズに至っては故郷のエルバフ国内でも伝説となっている。ハラルド王もその血を引く末裔だった様だ。

でかい骨は古代巨人族の血を引く戦士の物
純血はもういないがその血を引く者達はまだいるでござる

一般の巨人族と比べて3倍にも及ぶ巨体が目を惹くが加えて特徴的なのは角。
ヤルル、ヨルルにも角が見られたがこれが古代巨人族の名残(なごり)らしい。角や髭など既に登場しているカイドウにも良く似ている

戦士にとっての誇りともなるこの角をハラルド王は自ら引きちぎった。
古代巨人族が戦争の時代を想起させてしまうから
という理由らしい。

ハラルド王 肖像画

アウルスト城にはハラルドの肖像画が飾られている。威厳、風格の備わった面持ちでまさに強国の王にはピッタリだ。頭には角がちぎられた傷跡が残っており痛々しい。しかしながら相当に強い覚悟が見て取れる。
ルフィやゾロも圧巻のハラルド王であった。

14年前

ハラルド王の死から14年
この城には誰も寄りつかないのでござる

当然城には大勢の兵士もいたわけで
あの日100人を超える戦士達がロキに殺され生き残ったのはヤルル様とロキのみ
凄惨な事件過ぎた為その後この城は一切の立ち入りを禁じられている
やはり怨霊の巣窟なのでは

ハラルド王がロキに殺害された時系列が判明した。
犯行場所はアウルスト王城。居合わせたのがヤルル
この事件でロキは伝説の悪魔の実を入手。
国内ではイレギュラーな政権交代劇は認められず正統な王族であるロキは全国民から重罪を問われた。

作品における14年前の時系列
・トムが海列車パッフィング・トムを完成させる
・コラソンがローの珀鉛病の治療法を模索
・ベポが兄のゼポを探しにゾウを飛び出す

これまでのワンピース史でも14年前の出来事にエルバフに関与するものは無さそうだ。

以下、ロキが生まれてからのエルバフ関連の出来事。

63年前
ロキ、ロード、ゴールドバーグ誕生
冬至祭にてリンリン(ビッグマム)が暴れ、ヨルルを殺してしまう
52年前
オイモ・カーシーがドリー・ブロギーを探しに海に出るも捕まってしまい以後はエニエスロビーの門番へ
22年前
オハラ事件。サウロが文献をエルバフへと持ち帰り、その後ベガパンクもエルバフを訪れた
14年前
ロキがハラルドを殺害
6年前
シャンクスがロキを捕まえる、一度は脱走

14年前〜6年前
ハラルド王の死後、ロキがシャンクスに捕まるまでは8年を要している。どのタイミングで海に出たのかはわからないが大きな事件を引き起こしていてもおかしくはない。

ワンピース1151話 ロキの眼帯について

ロキのトレードマークとなっている眼帯。
もともと暴挙をおさえる為に宝樹アダムに縛られていたロキ。目隠しをされていてもおかしくはないが耳や口は拘束されていないのが気になる。

そしてこれだけ眼帯をしているのに近づいてきた人を認識している。例えばハイルディン他、新巨兵海賊団などは顔見知りという事もあり見聞色でその気配を認識出来たとしても不思議ではない。

問題は神の騎士団との絡みだ。シャムロックの顔がシャンクスと瓜二つである事やケルベロスの攻撃をしっかりと見えているかの様に認識していた。
眼帯をしていてもある程度の距離ならばしっかりと見えている様だ。

また1143話で描かれた幼少期の回想シーンでは幼いながらに眼帯をしていた。やはりこの眼帯には意味がありそうだ。

・外見的な特徴を隠す為。プリンの様な三つ目など‥あり得るとすれば一つ目か?

・目自体に能力が備わっている。見てはいけない、見られてはいけないなど母方遺伝の特徴

・見聞色を研ぎ澄ます為。藤虎の様に目を閉じていてもある程度のハンデは見聞色で埋められる。ロキはその最たる例で外見をも察知できる?

まだ本編では全く触れられていないが、いずれにせよロキが眼帯が解かれる時は近々くるだろう。エルバフを救うのか?潰してしまうのか?

ワンピース1151話 ハラルドの墓参り

騎士団のソマーズ聖がシャムロックと軍子にエルバフへ呼ばれた理由を尋ねる際に面白いワードが飛び出した『ハラルドの墓参りでも‥』

様々な捉え方が出来る発言だ。皮肉を込めて言っている様にも聞こえるが、非加盟国であるエルバフの国王をまるで知ってるかの様な口ぶりにも思える。

同じ非加盟国のワノ国もオロチという悪徳将軍と世界政府(CP)が癒着していた。この時は武器密輸関連ではあったが巨人族の総本山という事を考えればやはりその目的も武力であろう。
エルバフという土地に価値があるという見方もあるが本命は巨人族達を統率し支配下におく事。巨人達を意のままに操る事が出来れば世界政府の軍事力もより盤石のものになる。

その入り口、パイプになっていたのが前国王『ハラルド』なのではないか。当然ハラルドが自ら進んでエルバフを裏切る様なことはしない。あるとすれば政府側に騙されたパターンだ。

兵力的に言えば世界一と言っても過言ではない強国エルバフも外交面で言えば他の非加盟国となんら変わらぬ弱者。情報は愚か物資すらままならず文化の発展は乏しい。それでも圧倒的は武力を持ってしてここまで生き延びてきた。
しかしそんな綱渡りに限界を感じたハラルド王は国政を転換し新しいエルバフを目指した。

そこに甘い話を持ちかけたのが世界政府だ。
世界政府への加盟、その他援助などハラルド王へと提案。その見返りとしてエルバフの教育世代から改め、いわゆる子供達の牙抜きを行った。
戦いを捨てると言えば聞こえは良いが国力の低下は歴然。これまで戦いしかしてこなかった戦士達の国は徐々に衰退していき未来を担う子供達にエルバフを自衛する力は無くなった。

もともと寿命が長い巨人族の世代交代を考慮すればかなりの長年計画となる。しかしながら徐々に確実にエルバフは弱体化していった。非加盟とうこともあり外海の海賊達がこれを知る由は無かった。

もしかするとロキがハラルドを殺したのも世界政府との癒着、このままエルバフが弱っていくのを見かねての事かもしれない。
騎士団の墓参り発言にもそんな真実が隠れているだろうか?

-3.ワンピース『ONE PIECE』