1. ヒュリコフの念能力とビヨンドの「呪い」の完全解剖(出航2か月前の真実)
第415話「真偽」の冒頭にて、第1王子私設兵ヒュリコフの念能力の全貌と、ビヨンド・ネテロが仕掛けた絶望的な呪いの詳細が明かされた。
ヒュリコフの念能力「鍋の錬金術師」の詳細仕様
- 警告システム: ヒュリコフはPC画面型の念能力を発動させている。画面上には城や様々な武器(剣、ハンマーなど)が描かれており、「攻撃を受けている…!」という警告(⚠マーク)がポップアップ表示された。
- 探知条件: 彼の思考によれば、この能力は「操作系の段階攻撃」や「呪い・病気等の念による潜伏攻撃」を受けると⚠のマークが出る仕組みになっている。今朝のチェック時には無かったことから、発動は日中であったと断定している。
- UIと機能: 画面のメニューには、武器、防具、道具(壺のアイコンなど)のほか、天秤、羽、炎、水、雷、ダイヤモンドなどのアイコンが並んでいる。「呪いを解く」「解呪アイテムの制作」という具体的なコマンドも存在する。
- 逆探知機能: さらに「該当する能力者」という機能により、自分と同時に同じ呪いを受けた人間をリストアップすることができ、結果として「px4098」というIDを持つ人物(シルエットのみ表示)がたった1人該当していることを突き止めた。
呪いの発動条件と「標的」の絞り込み
- 儀式がトリガー: ヒュリコフは、この呪いが「壺中卵の儀に参加した事をきっかけにオレとその王子に術者が秘匿の念を込めている」と分析している。
- 時系列からの推測: 自身がPCを開けて呪いに気付いた時、第8王子までが儀式を終えていた事を時系列から確認し、標的は「第8王子までの誰か」であると絞り込んだ。
- 最重要警戒対象: ヒュリコフは、仮に第1王子が標的でないのなら、念能力者であることがわかっている「第2王子」か、現体制を覆し得るという意味で「第9王子」が最重要警戒の脅威であると推測している。
ビヨンドとの直電と解呪のタイムリミット
- 呪いの正体: ヒュリコフはビヨンドに取り次ぎを要求し、「オレに呪いをかけたのはアンタだな?」と直接確認を取った。ビヨンドはこれを認め、この呪いはお前が死ぬ事で発動し、死後の念で『ある王子』を死ぬまで呪い殺すものであると説明した。
- 呪いの強度: ビヨンド曰く、この呪いは「お前が生まれた時に憑けた」「それから20数年 コツコツといただいて力を溜めた呪い」であり、一筋縄では外せない非常に強力なものである。
- ビヨンドの目的: ビヨンドは、ブラックホエール号が新大陸(仮)に到着する迄の間に「第1王子を除く全ての王子を殺せ…!! 唯一人の継承者を決める事…!!それが制約だ!!」と言い放った。
- 解呪の絶望的な時間: ヒュリコフのPCの算出では、呪いの解読にはおよそ365日、薬の制作方法・具現化にはおよそ700日かかるという絶望的な結果が出た。対象の側で解読すれば具現化の所要時間が激減する場合があるものの、それでも解読に1年、具現化に2年かかる計算となり、ヒュリコフは「全く―間に合わねえじゃねえか!!」と焦りを見せた。
- ヒュリコフの対抗策: 彼はビヨンドの言い分を鵜呑みにせず、奴の監視警護を申し出て側に潜り込むことで、呪いの詳細と解呪剤を作るための正確な時間を判明させようと目論んでいる。
2. クラピカ・オイト陣営:決死の暗号通信作戦(出航11日目 水曜 PM1:50)
特殊戒厳令発令の25分前、第14王子陣営ではオイト王妃の妹(本物のワブルを保護中)へ向けた外部通信の準備が進められていた。
- 「ヨロズヤ」の利用: ドローンや高速艇を使った宅配サービス「ヨロズヤ」を利用し、個人的に必要な物を配達してもらう計画である。暴風海域に入る前の航空限界域までなら可能であり、審査の段階を踏んでも妹の元に3〜5日程で届く見通しである。
- 「ヤマト文字」を利用した暗号: 今回のように状況が変化した場合に備え、異国出身の母方宛てに「ヤマト文字」の複数の文字形式を利用した暗号を送る手はずになっていた。オイト王妃によれば、複雑な分、暗号に当てはめる数の調整がしやすく、不自然な文章になったとしても「私の勉強不足」で説明がつくという利点がある。具体的な地名や人名を避け、ある特別なキーワードで二人が認識し合える故郷から離れた場所を待ち合わせに指定している。
- クラピカの重い懸念: クラピカは極めて高いリスクを危惧している。ドローンが無事に本土へ戻るのかという郵送過程の不安、葉書が汚れて暗号が読み取れなくなる危険性、そして何より、特殊な訓練を受けていない普通の女性が乳幼児を抱えたまま、限られた文字数の指示を的確に理解し柔軟に対応できるかという根本的な疑念である。もし企みが軍にバレて暗号を解読されれば、妹が軍に捕らえられ、王妃も親族も命を落とす「我々の敗北」に直結する。
- バビマイナとの交渉: クラピカは監視役のバビマイナに対し、第8王妃が親族に宛てた葉書8枚の検閲を依頼した。バビマイナは「現在 検閲制度は廃止されて存在していない」「防疫法上我々を通す事にはなっているが このままヨロズヤに渡してかまわんよ」と許可を出したが、心の中では「ヨロズヤも依然軍統轄という事だな」と冷静に分析している。
3. 特殊戒厳令発令と船内のリアルタイムな動向
突如、船内に「緊急重大放送!! 緊急重大放送!! 特殊戒厳令発令!!」「これは訓練ではない!! 繰り返す!! これは訓練ではない!!」という大音量のアナウンスが響き渡り、軍靴の音が鳴り響いた。各居住区の緊迫した状況は以下の通りである。
| 王子 | 居住区・状況の詳細 |
|---|---|
| 第2王子 カミーラ | 1002号室にて、カミーラがマッサージを受けている最中に戒厳令のアナウンスを聞いている。 |
| 第3王子 チョウライ | 1003号室の周囲では、陣営の男たちが「くそっ!!なぜだ!! なぜこんな事に…!!」「まさかあれが…あれを持っていたせいで…!? 第3王子にもらったコイン…!?」と、自身の持つコインが原因ではないかと激しく動揺し冷や汗を流している。 |
| 第4王子 ツェリードニヒ | 1004号室にて、私設兵たちが険しい表情で「いい…のか…? 戒厳令なんだが…」と事態を警戒している。 |
| 第5王子 ツベッパ | 1005号室には銃を持った国軍兵が押し入り、戒厳令が解けるまでの外出禁止と、王子・警護兵の「1001号室」への避難を命じる。兵士は「国家転覆の恐れすらある危機!! 継承戦を隠れ蓑にして国家の殲滅を図ろうとする勢力の存在が危惧されている」と説明した。
ツベッパはこれを第1王子の「切り札」である特権令の行使と分析し、上位王子を早目に殺す為の急襲等と推測した。 一方、監視役のリハンは、ツベッパの守護霊獣が全く動かない状況を見て「第5王子がクラピカと契約を結んだと同時に現れた守護霊獣…条件型との予想を立てたがその後全く動きがない… クラピカが側にいないから…という仮説が真実味を帯びてきたな…」と自身の推測に自信を深めている。 |
| 第7王子 ルズールス | 1007号室周辺では、第7王子と護衛のライスが姿を消し、組長へ連絡を取ろうとスタッフがパニックに陥っている。 |
| 第11王子 フウゲツ | 1011号室では、兵士が「王妃は速やかにV居住区へ移動願います!戒厳令が解除されるまで王子不在の部屋は封鎖されます!」と告げる。陣営スタッフは「フウゲツは司法省から絶ッ対に出さないで!! ここは封鎖したら誰も入れないでよ!!」と必死に訴えかけている。 |
| 第13王子 マラヤーム | 1013号室(念空間)では、午後2時に軍の通信で「14:15に発令する 即時行動せよ」との指示が飛ぶ。ウェルゲーは、第1王子私設兵の体が緊張している様子を察知し、ここから出る選択はあり得ないと判断した。念空間を維持するためには『一度切りの能力』という制約がついている可能性が高く、扉を出たら守護霊獣が初期化か冬眠、最悪消えてしまうと推論した。結果、「力の無い下位王子が生き残るためには!!徹底して戦わない事…!!籠城を続けるべき!!」と決断を下した。 |
| 第14王子 ワブル | 1014号室にて、特殊戒厳令発令より20分経過後、兵士から第1王子の恩赦が伝えられる。替え玉の王子は責任能力が無く処分保留、オイト王妃は本物の第14王子の消息判明までは次期国王太后候補として処分保留となった。しかし王妃は「国儀侮辱罪」と「重不敬罪」の嫌疑で拘束対象であり、室外に出た場合は即時「逃亡罪」が適用される厳格な軟禁状態である。
クラピカは「まさかこんなに早く行動するとは…!!制約の暴露に反応したのなら、あまりに拙速すぎる!! 他に何かもっと重要な理由が…!!」と、裏に潜む別の思惑を察知している。 |
4. 第1王子私設兵の恐るべき「真の目的」と一網打尽の謀略
物語の最後で、今回の特殊戒厳令の裏に潜む第1王子陣営の狂気的な計略が明かされた。
- ルズールスの失踪と意図的な殺人事件: ハンター協会員の報告によれば、戒厳令発令の前に、第1王子の私設兵が休憩室で第7王子(現在失踪中)の私設兵を殺害するという事件を意図的に起こしていた。
- 客観的証拠の確保: これに対し、ハンター協会員が武力行使で第1王子兵を制圧し、拘束した。しかし、顔を殴られ拘束された第1王子側近兵は、「ふふん…そんな細かい時間経過は後でどうにでもなるんだよ!! 事実として残るのはH協会員が第1王子側近兵のオレを暴行し拘束したという客観的証拠!!」と不敵に笑った。
- 一網打尽のシナリオ: 彼の真の目的は、自らが拘束された事実を大義名分とし、「協会員も第7王子の私設兵も裏で繋がってるシャ=ア一家も全部引っくるめて反逆罪で壊滅だ!ザマアみやがれ!!」と、敵対勢力すべてを一網打尽にするという極めて計算し尽くされた罠であった。