3.ワンピース『ONE PIECE』

ワンピース考察 イムが帰りを待っていた雷竜ニーズホッグ

『ONE PIECE』最終章、世界政府によるエルバフ蹂躙作戦が展開される中、盤面をたった一人でひっくり返してしまった男がいる。「呪いの王子」ことロキである。生身の状態でも並外れた体躯と怪力を誇る彼だが、伝説の悪魔の実である「電竜」の力を解放したその姿は、まさに絶望そのものだった。本記事では、作中で明かされた最強の幻獣種『雷竜(ニーズホッグ)』の真の力と、それを見た「イム」の不気味な反応、そしてエルバフに伝わる「戦さ神の伝承」から読み解く、800年前の空白の歴史の真実に迫っていく。

イムが探した雷竜(ニーズホッグ)の絶大な力

世界政府の大規模な侵攻に対し、広大なエルバフの大地を縦横無尽に駆け回り、次々と敵軍を迎撃してみせたロキ。その圧倒的な武力の源泉こそが、伝説の幻獣種である。

ロキ 電竜

ロキが変身した巨大な竜は、空を覆い尽くすほどの巨体でありながら、信じられないほどの機動力と戦闘IQを見せつけた。戦闘の最中、一瞬の隙を見せた敵に対して「考え事か…!!? そりゃおれをナメすぎだろ!!!」と即座に死角から強襲。大きな口で敵艦隊(MMA)を丸ごと喰い千切り、さらには広範囲を雷の海に変える大技『雷界(トールヘイム)』を放ち、政府の戦力を次々と撃沈していった。

空想上の生物とはいえ、あまりにも現実離れしたスケールの戦いぶりである。これは間違いなく、同じく伝説級に位置付けられたルフィの「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル”ニカ”」にも匹敵する、作中最高峰の能力だと言えるだろう。

雷竜(ニーズホッグ)の能力について
制約 何百年もの間、鉄雷(ラグニル)に認められず誰も口にする事が出来なかった。
継承 14年前にロキが過酷な試練をクリアして実を口にした。
価値 ロックスが「世界政府を倒す上で重要な悪魔の実」と位置付けていた。
適性 古代巨人族の圧倒的な身体があってこそ、巨大な竜となり能力を最大限発揮出来る。
標的 世界の王であるイムも、長年にわたり雷竜を探していた。

ロックスが世界政府転覆の要として目をつけ、数百年間誰も適合できなかったこの実。古代巨人族の規格外の体躯を持つロキだからこそ、この悪魔の実は本来の「巨大な竜」としての真価を100%引き出すことができているのだ。

イムの表情が変わった瞬間と「不敵な笑み」

そして、この雷竜の能力解放に最も強く反応したのが、現在「軍子」の身体を借りる形で間接的にエルバフに降り立っている世界の王・イムである。

暴れ回るロキの竜の姿を見た瞬間、イムの目つきは完全に変わった。かつてジョイボーイの覇気を感じ取った時ほど取り乱す事は無かったが、過去の強力な能力者の面影を重ね合わせ、強い衝撃を受けているのは確かだ。

これまでイムの表情が変わったネーム(人物)
リリィ 空白の100年における裏切り者。Dの意志をバラ撒いた元凶。
ビビ リリィの面影を持つネフェルタリ家の末裔。執着の対象。
ジョイボーイ 800年前の最大の宿敵。その覇気だけでイムを震え上がらせた。
デービー 海賊島の伝説。過去の因縁を感じさせる存在。

一騎当千の最強幻獣種。時代を制するレベルであり、それこそ「古代兵器」にも匹敵する可能性があるだけに、この雷竜(ニーズホッグ)がどの勢力に味方するのかは、最終戦争の勝敗を分ける最大の鍵となる。何百年も適合者が現れなかった中で、ついにその圧倒的な力が現代に顕現したのだ。世界政府(イム)としても長らくその行方を追い求めていた事だろう。

そうか ニーズホッグ
ヌシア‥そこにいたのか

イムの反応

軍子の口を借りて呟かれたこの言葉。一見すると、イムにとって忌まわしき強敵が復活してしまったことに対する焦りのようにも聞こえる。何百年振りに、世界政府を脅かす「巨大なピース」が現代の盤面に戻ってきてしまったからだ。
しかし、最新話の描写において、雷界(トールヘイム)を放つロキを見つめるイムの表情には「☆不敵な笑み!!」と注釈が添えられており、「帰って来たな…」とどこか歓迎するような、不気味な余裕すら漂わせている。このイムの笑みの真意を探るためには、エルバフに伝わるある「伝承」を読み解く必要がある。

エルバフの伝承と「戦さ神」の正体

エルバフには、太陽の神ニカとは別に、もう一つの重要な神の伝承が語り継がれている。

戦さ神

エルバフの伝承

エルバフにはある“戦さ神”の伝承がある

彼は”鉄雷”という武器を持ち
巨大な竜に姿を変えて
“太陽の神”と対立したという…

彼の従順な腹心が『氷リス ラタトスク』
主亡き今も従者ラタトスクは彼の武器に乗り移り
主の帰還を待っている

そういう伝説じゃ

この伝承と、現在エルバフで起きている状況を照らし合わせてみると、非常に興味深い事実が浮かび上がってくる。

過去(伝承) 現代(エルバフ)
戦さ神 ロキ
ラタトスク 鉄雷(ラグニル)
太陽の神 ルフィ

現在、エルバフの戦場では「太陽の神」であるルフィと、「戦さ神(雷竜)」の能力を得たロキ、そして意志を持つ武器であるラグニル(ラタトスク)が、世界政府という共通の敵に対して共闘している状態にある。殺伐とした雰囲気もなく、ルフィが「力がみなぎりすぎてる!誰にも負ける気がしねェ!!!」と笑い飛ばすなど、どこか楽しそうにすら見える連携を見せているのだ。

しかし、過去の伝承においては明確に「太陽の神と戦さ神が対立していた」という図式が語られている。従者ラタトスクは戦さ神と共に、太陽の神に牙を剥いていたのだ。

考察:かつての「雷竜」はイムの同盟者だったのか?

この伝承と現代の「ズレ」、そしてイムの「不敵な笑み」を繋ぎ合わせると、一つの恐ろしい仮説が浮かび上がってくる。

もしかすると、800年前の空白の100年において、初代「戦さ神(ニーズホッグ)」は、ジョイボーイ(太陽の神)の味方ではなく、世界政府(イム)側に立って敵対していたのではないだろうか。最初はジョイボーイと共に戦っていたが、戦いの最終局面で世界政府側に寝返ったというパターンも考えられる。

イムが軍子の口を通じて語った「巨人族は800年前…子供を救う為”敗北”した種族だからだ!!!」という言葉。この歴史的敗北の決定打となったのが、エルバフが誇る最強の戦さ神(ニーズホッグ)の裏切りだったとすればどうだろうか。イムが雷竜の復活を見て「帰って来たな…」と身内を迎え入れるような不気味な笑みを浮かべた理由も、かつてジョイボーイを討ち取るための「最強の手駒」だった存在が再び盤面に現れたからだと解釈すれば、完全に辻褄が合うのだ。

今後の本編において、ロキがこの伝承の通りにルフィ(太陽の神)と対立する展開になるのか。それとも、かつての因縁と呪縛を断ち切り、最終的には真の意味で太陽の神と手を組んで世界政府に立ち向かう図式になるのか。

長らく行方が分からなかった「時代を制する悪魔の実」が現代に牙を剥いた今、エルバフの戦局、そして世界の運命は、この「雷竜」の咆哮によって大きく左右されることになるだろう。

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